DREAM20【同じだが違う場所】
「いいかお前達!私のハートを奪った黒い奴らを探すんだ!」
「「はっ!」」
ハートの女王の号令で黒い奴ら――おそらくナイトメア――を探すためトランプ兵達が彼女の国を後にした。そしてハートの女王も何処かに行った事を確認すると、私達は先程彼女らがいた場所へと足を踏み入れた。
「行ったか?」
ダーク君がトランプ兵が完全に何処かへ行ったのかを確認する。どういう訳か軍事ドラマでよく見る隠密行動のように振る舞っていて、何処か張り切っている。
「はい、トランプ兵達は真っ直ぐ歩き、その後右に曲がって庭園に行きました!その中にはめんどく下がって鼻くそほじってる兵もいたであります!」
親友であるフィオ君までも何故か同じように張り切ってしまっている。と言うかそもそもどうでもいい所まで報告する必要があるだろうか。女性の身としては下品な言葉は慎んでもらいたい気分である。
「静粛に!」
どういう訳かアディアが何時も以上に大きな声で全体を纏めた。そしてみんなの前でなんと自衛隊がやるような休めの構えをとった。
「さて諸君、ここから先は何が起きるかわからない!だが我らは負けるわけには行かない!だからこそ兵力を上げて前進するのだ!足を止めてはならない!!」
とうとうメンバー1の常識人だと思われたアディアでさえもダーク君とフィオ君の茶番に乗ってしまった。そしておふざけ二人組は右手を額に当てて『イエッサーー!!』と高らかに叫んだ。この三人は馬鹿なのか、それとも茶番をしているのかさっぱりわからなかった。と言うかわかりたくもないが。
「ね、ねぇディア?あれ……どうする?」
「すまん、一人にしてくれ」
この気まずい空気の中ディアが少々苦笑い気味の表情で何処かへ行った。ディアが物陰に隠れてからすぐに何かを吐くような音が聞こえたのであまり追求しない事にした。
「……こんな調子でやって行けるのかな………?」
この状況に流石に呆れてしまった私はお手上げのポーズをした。自慢ではないが、真面目に常識人が私だけになってしまった気がする。ダークやアディアなんかかなりマトモな気がしたのに。ディアはまぁ常識人だが、流石にあのふざけようには耐えられなかった模様。と言うかハッキリ言って全員個性が強すぎである。
ふざけきったこの状況に完全に呆れていたその時、何処からか声がした。
《とても困っているようだねぇ》
「誰!?」
その不思議な声で全員が正気に戻り、同時に声がした方に振り向いた。そこにいたのはなんとピンク色のシマシマ模様が特徴的な猫だった。
《人に物を聞くときは自分からさ。まぁ、君達の事は知ってるけどね》
「知ってるだと?」
《そう、何でもね》
先程口では言い表せない事に直面したディアがまるで何事も無かったかのように謎の猫に問うが、猫はとても意味深な言葉で返した。
《例えば君達の探してる物も……》
猫の一言で私達はとても驚いた。なんと猫は七星座の事を知っていると言うのだ。何処までも謎だらけな猫だが、これは彼らの情報を得るチャンスかもしれない。
「七星座の事?」
《そう。知りたい?》
私達は同時に強く頷いた。もはや先程の茶番が頭から離れている程真剣になっているようだ。もっとも、私にはインパクトがあまりにも強すぎて中々頭から離れてくれないが。
《彼らの半分はトップの奴隷……そして半分の半分はトップの忠実な僕みたいだね……それにトップはどうやら復讐心を強く燃やしているようだ……》
半分はおそらく四人のエージェント、4分の1はNo.2とNo.3、そしてトップはベネトナシュを意味しているのだろう。そして今得る事の出来た有力な情報、それはベネトナシュが復讐心を燃やしていると言うこと。夢の世界を滅ぼそうとする動機と何か関係があるのだろうか。
《後、ヒントを与えてあげよう。彼らの内一人がドアノブ君の部屋にいる。でもその部屋であってその部屋ではない》
「…どういう意味だい?」
猫の矛盾した言葉に疑問を持ったアディアが聞こうとするが、その途端に猫は何処かへ消えてしまった。あの猫は一体なんなのだろうか。謎は深まるばかりである。
「と、とりあえず…その部屋に行ってみよう?そこに行けばきっと意味もわかるだろうし」
とにかく私は困惑する仲間達に声を掛け、喋るドアノブのある部屋へ向かう事にした。その部屋であってその部屋ではない。この矛盾した言葉の意味とはなんなのだろうか。あの猫にはまた会えるのだろうか?
「「はっ!」」
ハートの女王の号令で黒い奴ら――おそらくナイトメア――を探すためトランプ兵達が彼女の国を後にした。そしてハートの女王も何処かに行った事を確認すると、私達は先程彼女らがいた場所へと足を踏み入れた。
「行ったか?」
ダーク君がトランプ兵が完全に何処かへ行ったのかを確認する。どういう訳か軍事ドラマでよく見る隠密行動のように振る舞っていて、何処か張り切っている。
「はい、トランプ兵達は真っ直ぐ歩き、その後右に曲がって庭園に行きました!その中にはめんどく下がって鼻くそほじってる兵もいたであります!」
親友であるフィオ君までも何故か同じように張り切ってしまっている。と言うかそもそもどうでもいい所まで報告する必要があるだろうか。女性の身としては下品な言葉は慎んでもらいたい気分である。
「静粛に!」
どういう訳かアディアが何時も以上に大きな声で全体を纏めた。そしてみんなの前でなんと自衛隊がやるような休めの構えをとった。
「さて諸君、ここから先は何が起きるかわからない!だが我らは負けるわけには行かない!だからこそ兵力を上げて前進するのだ!足を止めてはならない!!」
とうとうメンバー1の常識人だと思われたアディアでさえもダーク君とフィオ君の茶番に乗ってしまった。そしておふざけ二人組は右手を額に当てて『イエッサーー!!』と高らかに叫んだ。この三人は馬鹿なのか、それとも茶番をしているのかさっぱりわからなかった。と言うかわかりたくもないが。
「ね、ねぇディア?あれ……どうする?」
「すまん、一人にしてくれ」
この気まずい空気の中ディアが少々苦笑い気味の表情で何処かへ行った。ディアが物陰に隠れてからすぐに何かを吐くような音が聞こえたのであまり追求しない事にした。
「……こんな調子でやって行けるのかな………?」
この状況に流石に呆れてしまった私はお手上げのポーズをした。自慢ではないが、真面目に常識人が私だけになってしまった気がする。ダークやアディアなんかかなりマトモな気がしたのに。ディアはまぁ常識人だが、流石にあのふざけようには耐えられなかった模様。と言うかハッキリ言って全員個性が強すぎである。
ふざけきったこの状況に完全に呆れていたその時、何処からか声がした。
《とても困っているようだねぇ》
「誰!?」
その不思議な声で全員が正気に戻り、同時に声がした方に振り向いた。そこにいたのはなんとピンク色のシマシマ模様が特徴的な猫だった。
《人に物を聞くときは自分からさ。まぁ、君達の事は知ってるけどね》
「知ってるだと?」
《そう、何でもね》
先程口では言い表せない事に直面したディアがまるで何事も無かったかのように謎の猫に問うが、猫はとても意味深な言葉で返した。
《例えば君達の探してる物も……》
猫の一言で私達はとても驚いた。なんと猫は七星座の事を知っていると言うのだ。何処までも謎だらけな猫だが、これは彼らの情報を得るチャンスかもしれない。
「七星座の事?」
《そう。知りたい?》
私達は同時に強く頷いた。もはや先程の茶番が頭から離れている程真剣になっているようだ。もっとも、私にはインパクトがあまりにも強すぎて中々頭から離れてくれないが。
《彼らの半分はトップの奴隷……そして半分の半分はトップの忠実な僕みたいだね……それにトップはどうやら復讐心を強く燃やしているようだ……》
半分はおそらく四人のエージェント、4分の1はNo.2とNo.3、そしてトップはベネトナシュを意味しているのだろう。そして今得る事の出来た有力な情報、それはベネトナシュが復讐心を燃やしていると言うこと。夢の世界を滅ぼそうとする動機と何か関係があるのだろうか。
《後、ヒントを与えてあげよう。彼らの内一人がドアノブ君の部屋にいる。でもその部屋であってその部屋ではない》
「…どういう意味だい?」
猫の矛盾した言葉に疑問を持ったアディアが聞こうとするが、その途端に猫は何処かへ消えてしまった。あの猫は一体なんなのだろうか。謎は深まるばかりである。
「と、とりあえず…その部屋に行ってみよう?そこに行けばきっと意味もわかるだろうし」
とにかく私は困惑する仲間達に声を掛け、喋るドアノブのある部屋へ向かう事にした。その部屋であってその部屋ではない。この矛盾した言葉の意味とはなんなのだろうか。あの猫にはまた会えるのだろうか?