DREAM32【次へ】
その後私はなんとかダーク君を捕まえ、確りと謝らせた。その時彼が物凄い怯えた表情をしていたのは記憶に新しい。その後適当に話していたら突然アディアから呼び出され、レイディアントガーデンの城に向かった。
「こんにちはー!」
城の扉を開けて元気よく挨拶すると、すぐにルプクスが出迎えてくれた。
「おかえりクロナさん、ワンダーランドは?」
「大丈夫。しっかり守ったよ!」
私達の報告にルプクスは喜びの表情を見せ、静かに『良かった…』と呟いていた。夢の民として夢の世界を守れたと言う事は大きな幸福なのだろう。ルプクスに一通り報告をし終わると、ちょうど良いタイミングでアディアとローグがやって来た。
「全員、集まってるな」
ローグの言葉に疑問を抱きすぐに周囲を見渡した。するといつの間にかディアが後ろで壁にもたれていた。フィオ君はメンバーから離脱し、ローグとルプクスを加えてメンバーは合計六人となってしまった。
「アンセムと共同でやつらの動きを調べた結果、次はオリンポスコロシアムが危険だそうだ。しかも大量のナイトメアが迫っているらしい」
「増援……って事?」
ローグは静かに頷いた。確か知らせでは四つの世界がナイトメアの襲撃を受けていて、その内1つは消滅させられ、1つは私達が守った。これまで襲撃が一番激しい世界を救いに行っていたのだが、どうやら次はオリンポスのようだ。
「増援って…マジかよ!確かワンダーランドの時は増援なんて無かったよな!?
先程のローグの言葉を聞く限り本当に増援が来ているようだが、それにダーク君は疑問を持ち、ローグに聞いた。確かにワンダーランドの時はそんなの無かった。それどころかドゥーハ達は私達を見たとき何も危険視していなかった。
「多分、ドゥーハが倒された事によって僕達を危険視し始めたのかもね」
ローグの代わりにアディアが答えた。よく思えば私達はデスティニーアイランドで一度負けている。それで彼らの目には私達は弱い印象に見えたのだろう。しかし、そんな存在にドゥーハが倒されれば流石に危険な存在だと思い始め、こうして増援を送り出したと言う所だろう。
「だが、それでもやるしかないだろう」
壁にもたれ掛かりずっと黙っていたディアがやっと口を開き、自らのキーブレードを出現させた。
「俺達は何のためにいると思う?もちろん戦う為だ」
その一言で増援と言う恐怖は消え去り、私は深く頷いた。そもそも夢の世界を救うためにここまで来たのだ。今さら怖じ気づいても仕方がない。ディアの言う通り、ただ戦うのみだ。
(うん……大丈夫、私達なら……やれる。待っててね……レイ君、夢の世界を救ってから……すぐに会いに行くから)
自分の気持ちを整理し直し、早速レイディアントガーデンの城下町に準備をしに向かった。恐らく増援との事だから数がかなり多い。傷を癒すポーションなどは必須になってくるだろう。ここは夢の世界を救うために、いっそ当たって砕けてみよう。大丈夫、私達は当たっても砕けたりしないから!