DREAM34【疑い】
「鈴神!」
私はすぐにキーブレード二つを構えた。鈴神と言えばあのダークエンドを復活させ、アンチネス達に手を貸した挙げ句私達を監視しスパイまでやってのけた敵。その彼女が今目の前にいるのだ。警戒心を強めるのも当然だ。
「……」
しかし、今の鈴神からは敵意などこれっぽっちも感じられなかった。寧ろ戦うことを避けようとしているような、そんな感じだった。
「クロナ!」
その時、ダーク君達が走ってきた。どうやらあの長い階段から降りてきたようだ。しかしメンバーの殆どは私以外にいる人物に驚いた。
「お前!!」
「……」
「鈴神…毎夜!!」
ダーク君が少し間を開けて彼女のフルネームを言い放つが、私と同様すぐに敵意が無いことに気がついた。その為武器を構える事は無かった。
「クロナ……さん」
先程から黙っていた鈴神がやっと口を開いた。その表情は何処か辛そうで、身体もどう やら弱っているようだ。
「あの……私…」
「口を開くな」
鈴神が何かを言おうとしたとき、ディアがキーブレードの剣先を脅すかのように彼女の 顎に隣接させた。
「ディア!!」
「何故お前のような“闇”がここにいる…?見る限り夢の存在ではなさそうだな」
夢の存在と現実の存在には実は微妙な違いがあり、夢の存在は身体が僅かに発光してお り、その姿を確認しやすい。対して現実の存在にはそれがない。鈴神は身体が発光するどころか弱ってしまっている為、恐らく私達と同じ現実の存在、世界を危機に陥れたあの鈴神で間違いないだろう。
「……」
なにも言わずに鈴神は浮かない表情でそのまま両手を上げた。両手を上げると言う行為は主に降参や敵意は無いと言う事を表す物であり、それを確認したディアはなんとキーブレードを降り下ろした。
「ディアっ!?」
しかし、ギリギリの所でそれは鈴神に当たっていなかった。キーブレードの剣先が地面に突き刺さっており、それを引き抜くと無に返し消滅させた。それを見た私はホッとする。
「ここでお前をやっちまったら、また闇になるからな」
そう言ってディアは鈴神の手を後ろに回させ、なんと何処からか取り出した紐で両手を 拘束した。
「敵意が無いとは言え、演技かもしれない。とりあえず連れてこう。放っておくと何しでかすかわからない」
ディアの言い分はもっともだが、何処か疑い過ぎている気がする。それに闇を悪だと決めつけているようで、それこそかつてのディアとは正反対だ。光を目指すあまり全ての闇が憎くなってしまったと言う事だろうか。いくら鈴神に手を加えなかったとは言え、縛るのは可哀想な気がする。だが今のディアに何を言っても無駄そうなので仕方なく鈴神をディアに任せ、改めて街を襲うナイトメアを私、 ダーク君、アディアの三人で倒す事にした。
私はすぐにキーブレード二つを構えた。鈴神と言えばあのダークエンドを復活させ、アンチネス達に手を貸した挙げ句私達を監視しスパイまでやってのけた敵。その彼女が今目の前にいるのだ。警戒心を強めるのも当然だ。
「……」
しかし、今の鈴神からは敵意などこれっぽっちも感じられなかった。寧ろ戦うことを避けようとしているような、そんな感じだった。
「クロナ!」
その時、ダーク君達が走ってきた。どうやらあの長い階段から降りてきたようだ。しかしメンバーの殆どは私以外にいる人物に驚いた。
「お前!!」
「……」
「鈴神…毎夜!!」
ダーク君が少し間を開けて彼女のフルネームを言い放つが、私と同様すぐに敵意が無いことに気がついた。その為武器を構える事は無かった。
「クロナ……さん」
先程から黙っていた鈴神がやっと口を開いた。その表情は何処か辛そうで、身体もどう やら弱っているようだ。
「あの……私…」
「口を開くな」
鈴神が何かを言おうとしたとき、ディアがキーブレードの剣先を脅すかのように彼女の 顎に隣接させた。
「ディア!!」
「何故お前のような“闇”がここにいる…?見る限り夢の存在ではなさそうだな」
夢の存在と現実の存在には実は微妙な違いがあり、夢の存在は身体が僅かに発光してお り、その姿を確認しやすい。対して現実の存在にはそれがない。鈴神は身体が発光するどころか弱ってしまっている為、恐らく私達と同じ現実の存在、世界を危機に陥れたあの鈴神で間違いないだろう。
「……」
なにも言わずに鈴神は浮かない表情でそのまま両手を上げた。両手を上げると言う行為は主に降参や敵意は無いと言う事を表す物であり、それを確認したディアはなんとキーブレードを降り下ろした。
「ディアっ!?」
しかし、ギリギリの所でそれは鈴神に当たっていなかった。キーブレードの剣先が地面に突き刺さっており、それを引き抜くと無に返し消滅させた。それを見た私はホッとする。
「ここでお前をやっちまったら、また闇になるからな」
そう言ってディアは鈴神の手を後ろに回させ、なんと何処からか取り出した紐で両手を 拘束した。
「敵意が無いとは言え、演技かもしれない。とりあえず連れてこう。放っておくと何しでかすかわからない」
ディアの言い分はもっともだが、何処か疑い過ぎている気がする。それに闇を悪だと決めつけているようで、それこそかつてのディアとは正反対だ。光を目指すあまり全ての闇が憎くなってしまったと言う事だろうか。いくら鈴神に手を加えなかったとは言え、縛るのは可哀想な気がする。だが今のディアに何を言っても無駄そうなので仕方なく鈴神をディアに任せ、改めて街を襲うナイトメアを私、 ダーク君、アディアの三人で倒す事にした。