俺はフィルに頼んで特訓メニューを汗水垂らして見事にこなした。自分へのご褒美として、スポーツドリンクを大量に購入し、今ガツンと飲んでいる最中である

「凄いな………。あの頃のハークそっくりだ」
「え？」

ハーク、つまりヘラクレスにそっくりというフィルの言葉に少し疑問を持った俺はフィルに聞いてみた。

「何が似てるの？」

そう聞くとフィルが当時の事を思い出しながら言った

「ハークのやつは昔はお前さん見たいに本当の強さとか戦う意味とかに関して悩んでいた。でも、ただひたすらに努力して強くなったらそんな悩みなんて無くなった」
「………」
「お前さん、何か悩んでいると見た」
「っ！？」

自分の心を覗かれたようなフィルの発言に思わず驚愕したが、何とか冷静さを取り戻した。

「だが、あえて聞かん。そう言うのは、自分で見つけて、自分で解決するもんだ。良いか？基本は二言！」


「いっぱい、」
「努力して、」
「強くなれ！」

フィルの応援を受けて、少しだけ勇気が出た気がする

「何が可笑しい？」

先程の発言に対して笑っているのがばれ、素直に言う事にした

「だって、二言じゃ無いよそれ！」
「なにぃ！」

そうして、この日は二人の笑い声が夜中に響いた。とても幸せそうな笑い声が。

俺はこの特訓を得て、また１つ強くなれた。朝になった頃には既にそのの姿はオリンポスコロシアムには無く、何も言わずに旅立った。真の英雄を目指して