俺は暗く不気味な城に降りていた。物音１つすら立たないこの城は何かが突然出てきそうでとても不気味である。

「何か気味が悪いな………」

唯一の灯りは窓から射している月の光のみ。あまりに静かな城なので足音すらはっきり聞こえる。そして、俺とは別の足音が聞こえてきた。足音はこちらに向かってどんどん大きくなる。

「！？」

右側の階段から、茶髪のロングヘアーの女性が下りてきたのだ。まさかここの城主かと思ったが、明らかに女性一人では切り盛り出来るはずがない城である。その女性に話しかける。

「俺はレイ、レイ・ディアス。貴女は？」
「私はベル」

ベルと言うその女性は階段から下りてきて、俺の前まで来た。こうして見てみると身長の差は１頭身くらいだ。

「貴方は、どうしてここに？」

ベルが非常に落ち着いた声で俺に聞く。

「探してる奴らがいるので、探させてもらってます」

この探してる奴らと言うのは、アンチネスと�]�V機関、それにソラである。何故アンチネスや�]�V機関だけでなく、ソラも探しているかというと、数日前にカイリの悲しそうな顔を見て、ソラを見つけてデスティニーアイランドにソラを送る事を決意し、アンチネス達も含めて探しているのだ。

その時だった。いつの間にか現れた大量のアンチネス達が俺達を囲んだのだ。デスティニーアイランドの時以来、久しぶりにアンチネスを見る。

「噂をすればなんとやらってやつね！」

複数の敵を確認し、キーブレードを出現させ構えた。