DREAM83【俺達は未来永劫、一緒だろ!】
プロメッサがルミナとしての記憶を取り戻しドリームイーター達を全滅させたすぐ後、私の前に現れたのはなんとνだった。今回は彼女の姿が半透明にはなっている物の、自分以外の仲間達にもその姿が見えているようだ
「どうなってんだ!?なんでクロナの幻影みてーなのがあるんだよ?」
「あぁ、それは多分……」
彼女はただの幻影などではなく、自分の知る人物の一人だと言う事を必死にアピールした
「彼女の名はν。私の夢の中で出会ったんだけど、色々と助けてくれて」
「夢って……そもそもここが夢じゃ無いの?」
「いや、そう言う事じゃ無くて……何て言ったら良いのかな……」
よく考えたら夢の中で夢を見るなんて言う事自体が不思議な事だ。じゃあνは一体何なんだと言う事だが、実際に夢ではなく私達の前に現れた為に余計に分からなくなっている
「クロナ、久しぶりね」
「……」
「私の正体、もう分かったでしょ?」
νの悲しそうな表情はまるで何かに怯えているかのようで、私は出来るだけ彼女を怖がらせないように冷静に答えた
「ベネトナシュ……だよね?でも、何だろう?ベネトナシュのような気はするんだけど、あのときみたいな殺気が無いと言うか……」
「いや、正解だよ。でもほんのちょっと違う」
訳が分かっていない他のメンバーの事は気にせずνは自身の正体について、とても苦しそうな儚い表情で答えた
「私は、ベネトナシュの善の部分に当たる存在……5年前に心が憎しみや悲しみと言った負の感情に支配されたとき、追い出されてしまったの。それ以来私は魂だけの存在となり、ある目的の為にこの世界を彷徨い続けた。その中で何年も成仏出来ずに彷徨い続けている一つの魂を見つけたの」
「それが、ルミナさんって事?」
「私は彼女に夢の世界とベネトナシュの心を救う使命を託した。悲しみの思い出ごと記憶は消えるけれど、魂だけの存在で何も出来ない自分が無理であれば協力してくれる相手を復活させるのは相応以上、私は彼女にプロメッサと言う名前をつけた」
「……」
「その後暫くして、クロナ……貴女が現れた。最初は貴女が迷っていたからそれを対処する為に悪者のふりをしちゃったけど、どんどん強くなっていって私は貴女に託すことにした。今の貴女達にならやれる、そう信じている」
5年前にベネトナシュの心から追い出された善の部分に当たる存在、それが“ν”だった。夢の世界と彼女の心を救う為に戦う事の出来ない自分の代わりに、それが出来る強い存在を探していた。プロメッサが甦れたのは彼女のお陰である事も分かり、これで大体繋がった
「よくわかんねーけど、要はベネトナシュを倒せば良いんだろ?任せとけよ、夢クロナ」
相変わらずと言うかプラス思考なダーク君はνの肩を叩き、自信満々に言った。しかしその瞳には多少の迷いが現れており、その眼差しは自分に向けられた
「クロナ、ベネトナシュを倒したら……お前は消える。俺達も出来ればしたくねぇんだが、それでもお前は戦うんだな?」
全員の視線が私に集まっている。この夢の世界を救う為には自身が消えなければならないのかもしれない、だがそれでも迷っている暇は無い。互いに生き残る方法があると信じて、私達は進む道を選んだ
「もちろん……みんな、最後まで一緒に戦ってくれる?」
その質問を放って数秒経った後、私はみんなの意思を確かめる為にさらに問い掛けた
「私は本当はこのまま消えてみんなと別れるのは怖い、けど……それ以上にたくさんの人を助けたいって思う。ベネトナシュが何を目的としているかは分からないけど、絶対に止めたい。だから私に消えてほしく無いって人は、ついてこなくてもいい」
「へっ、なーに言ってんだ?」
その言葉でこの重い空気を打ち破ったのはダーク君だった
「俺達は未来永劫、一緒だろ!」
「クロナちゃんは何時でも、心の中で生きてるから!」
「スピリット達も、クロナを応援してるって!」
「ここで逃げるやつこそ、まさに外道だな」
「クロナさん、最後までお付き合いします!」
「貴女は私を受け入れてくれた。だから、今度は私が貴女の想いを受け入れる番」
「必ず貴女が、助かる情報を掴んで見せる。情報屋の名にかけてね」
ここまで着いてきた仲間達に迷いは無かった。全員との強い絆を感じ、私は自身の心に嘘をつかぬ為にもレイ君の方を見た
「レイ君……行ってきます」
レイ君はベネトナシュの、夢の世界でのクロナの帰りを待たなくてはならない。だから今回は連れていかないが、夢の世界のレイ君もまた私にとっては大切な仲間で、繋がっている。ローグやルプクスと言った仲間達とも繋がっているのだ
「うん、行ってらっしゃい」
レイ君との別れを済ませ、続いてここに来たアンセムさんは全員いる事を確認すると私達にこう言ってくれた
「今夢の世界には、とてつもない危機が訪れている。だが、君達は、それを止めるほどの最高の武器を持っている」
私達の中にある世界の危機を止めるほどの最高の武器の存在を告げると、アンセムさんはジョブゲート前にアディアの物とは比べ物にならないほどの巨大な黒いゲートを出現させた。パッと見だけなら大きな闇の回廊に見えなくもないが、それが逆にこれから向かうであろう場所にいるベネトナシュの心を表しているとも言える
「行くんだ、レイディアントスター」
アンセムさんやローグを始めとした仲間達に見送られ、私達レイディアントスターは一人ずつ最後の戦いの舞台へ続くゲートへと入っていった。最後に私が入ろうとしたとき、レイ君が私に向かって叫んだ
「クロナ!必ず帰ってきてよ!そして、現実の俺を必ず見つけ出して!」
「うん、約束する!!」
ダークエンド事件の時の最終決戦に挑むレイ君を送り出す自分を彷彿とさせる掛け合いで思わず嬉しくなり、私は仲間達を追うようにしてゲートの中へと走っていった
「どうなってんだ!?なんでクロナの幻影みてーなのがあるんだよ?」
「あぁ、それは多分……」
彼女はただの幻影などではなく、自分の知る人物の一人だと言う事を必死にアピールした
「彼女の名はν。私の夢の中で出会ったんだけど、色々と助けてくれて」
「夢って……そもそもここが夢じゃ無いの?」
「いや、そう言う事じゃ無くて……何て言ったら良いのかな……」
よく考えたら夢の中で夢を見るなんて言う事自体が不思議な事だ。じゃあνは一体何なんだと言う事だが、実際に夢ではなく私達の前に現れた為に余計に分からなくなっている
「クロナ、久しぶりね」
「……」
「私の正体、もう分かったでしょ?」
νの悲しそうな表情はまるで何かに怯えているかのようで、私は出来るだけ彼女を怖がらせないように冷静に答えた
「ベネトナシュ……だよね?でも、何だろう?ベネトナシュのような気はするんだけど、あのときみたいな殺気が無いと言うか……」
「いや、正解だよ。でもほんのちょっと違う」
訳が分かっていない他のメンバーの事は気にせずνは自身の正体について、とても苦しそうな儚い表情で答えた
「私は、ベネトナシュの善の部分に当たる存在……5年前に心が憎しみや悲しみと言った負の感情に支配されたとき、追い出されてしまったの。それ以来私は魂だけの存在となり、ある目的の為にこの世界を彷徨い続けた。その中で何年も成仏出来ずに彷徨い続けている一つの魂を見つけたの」
「それが、ルミナさんって事?」
「私は彼女に夢の世界とベネトナシュの心を救う使命を託した。悲しみの思い出ごと記憶は消えるけれど、魂だけの存在で何も出来ない自分が無理であれば協力してくれる相手を復活させるのは相応以上、私は彼女にプロメッサと言う名前をつけた」
「……」
「その後暫くして、クロナ……貴女が現れた。最初は貴女が迷っていたからそれを対処する為に悪者のふりをしちゃったけど、どんどん強くなっていって私は貴女に託すことにした。今の貴女達にならやれる、そう信じている」
5年前にベネトナシュの心から追い出された善の部分に当たる存在、それが“ν”だった。夢の世界と彼女の心を救う為に戦う事の出来ない自分の代わりに、それが出来る強い存在を探していた。プロメッサが甦れたのは彼女のお陰である事も分かり、これで大体繋がった
「よくわかんねーけど、要はベネトナシュを倒せば良いんだろ?任せとけよ、夢クロナ」
相変わらずと言うかプラス思考なダーク君はνの肩を叩き、自信満々に言った。しかしその瞳には多少の迷いが現れており、その眼差しは自分に向けられた
「クロナ、ベネトナシュを倒したら……お前は消える。俺達も出来ればしたくねぇんだが、それでもお前は戦うんだな?」
全員の視線が私に集まっている。この夢の世界を救う為には自身が消えなければならないのかもしれない、だがそれでも迷っている暇は無い。互いに生き残る方法があると信じて、私達は進む道を選んだ
「もちろん……みんな、最後まで一緒に戦ってくれる?」
その質問を放って数秒経った後、私はみんなの意思を確かめる為にさらに問い掛けた
「私は本当はこのまま消えてみんなと別れるのは怖い、けど……それ以上にたくさんの人を助けたいって思う。ベネトナシュが何を目的としているかは分からないけど、絶対に止めたい。だから私に消えてほしく無いって人は、ついてこなくてもいい」
「へっ、なーに言ってんだ?」
その言葉でこの重い空気を打ち破ったのはダーク君だった
「俺達は未来永劫、一緒だろ!」
「クロナちゃんは何時でも、心の中で生きてるから!」
「スピリット達も、クロナを応援してるって!」
「ここで逃げるやつこそ、まさに外道だな」
「クロナさん、最後までお付き合いします!」
「貴女は私を受け入れてくれた。だから、今度は私が貴女の想いを受け入れる番」
「必ず貴女が、助かる情報を掴んで見せる。情報屋の名にかけてね」
ここまで着いてきた仲間達に迷いは無かった。全員との強い絆を感じ、私は自身の心に嘘をつかぬ為にもレイ君の方を見た
「レイ君……行ってきます」
レイ君はベネトナシュの、夢の世界でのクロナの帰りを待たなくてはならない。だから今回は連れていかないが、夢の世界のレイ君もまた私にとっては大切な仲間で、繋がっている。ローグやルプクスと言った仲間達とも繋がっているのだ
「うん、行ってらっしゃい」
レイ君との別れを済ませ、続いてここに来たアンセムさんは全員いる事を確認すると私達にこう言ってくれた
「今夢の世界には、とてつもない危機が訪れている。だが、君達は、それを止めるほどの最高の武器を持っている」
私達の中にある世界の危機を止めるほどの最高の武器の存在を告げると、アンセムさんはジョブゲート前にアディアの物とは比べ物にならないほどの巨大な黒いゲートを出現させた。パッと見だけなら大きな闇の回廊に見えなくもないが、それが逆にこれから向かうであろう場所にいるベネトナシュの心を表しているとも言える
「行くんだ、レイディアントスター」
アンセムさんやローグを始めとした仲間達に見送られ、私達レイディアントスターは一人ずつ最後の戦いの舞台へ続くゲートへと入っていった。最後に私が入ろうとしたとき、レイ君が私に向かって叫んだ
「クロナ!必ず帰ってきてよ!そして、現実の俺を必ず見つけ出して!」
「うん、約束する!!」
ダークエンド事件の時の最終決戦に挑むレイ君を送り出す自分を彷彿とさせる掛け合いで思わず嬉しくなり、私は仲間達を追うようにしてゲートの中へと走っていった