SONG3【キーブレード】
CDショップで無事に自分の大好きなアイドルグループの曲を買い終えたリューザは、それを家で聞くことを楽しみにしつつもイヤホンで別の音楽を聞きながら帰宅していた。今でこそ普通の生活を送っている彼であるが、その帰り道に一人の少年と出会した
「お、リューザじゃないか」
「アキラ!」
この少年アキラはリューザの友達であり、学校でもよく同じ成績である事やよく一緒にいる事から似た者コンビと呼ばれている
「あれ、もしかしてLivの?」
「当然だろ。せっかくの機会なのに逃すかよ」
「ははっ、だよね〜」
何となく話が進んだリューザはせっかくなのでアキラに付き合う事にした。その日のアキラの予定は特になく、ただ単純に二人で町中ブラブラしては下らない会話で笑ったりした
すっかり日も暮れた午後7時、リューザはせっかくなのでアキラを家に送っていく事にした
「じゃあ、また学校でね、リューザ」
「あぁ。と言っても、もう1月だから大した授業なんて無いと思うけどな」
リューザ達は今年で16才、今の中学を3月に卒業したら高校生となる。そんな近くて遠い未来の事を話しながら歩いていると、突如信号機が大破した
「……え?」
突然の事態に着いていけず、アキラがポカンと口を開けているといつの間にかリューザ達を謎の黒い魔物達が取り囲んでいた
「わわっ!何なのこいつら!?」
「これって……!」
困惑しているアキラとは対照的にリューザはこの魔物達に見覚えがあった。そう、今まで4度も自分の夢に現れた少年、彼の冒険を何度も阻んできた魔物“ハートレス”。リューザの記憶が正しければ今彼らを取り囲んでいる魔物はハートレスで間違い無いだろう
「俺が何とかするから、アキラは先に帰ってろ!」
「わ、分かった!」
リューザはアキラを庇い、彼がいなくなった事を確認するとハートレス達を人目の無い場所まで引き付けた。逃げている間幸いな事に誰にも見られていなかったが、辿り着いた場所は行き止まりであった為に逆にリューザが不利となってしまった
「くっ……どうすれば……?」
その瞬間、夢の中の彼が使っていたキーブレードの事が頭に過った。リューザは自身の右手に目を落とし、ある一つの事が思い浮かんだ
「もしかしたら……!」
もしやと思い右手に想いを込め、剣を振るうようにして右手を降り下ろすと、何か鉄のような物がぶつかる音がした。そう、リューザの予想通り右手に出現したキーブレードがハートレスに直撃したのだ
「よし!」
リューザはそのままキーブレードを使い形勢逆転していった。初めて武器を使って戦うリューザであったがその試合運びは完璧であり、殆どノーダメージで戦闘を終わらせた。その瞬間にキーブレードは消滅し、リューザはあの夢の事を振り替える
「……キーブレードって……何だ?」
リューザはそんな疑問を抱きながらも家に帰宅し、大好きなLivの歌を聴いた途端そのような悩みは吹き飛んだ
「……ついに見つけた。あれが、そうなのか……」
そしてそれを遠くから見つめる、ピンク色のポニーテールをした少年の姿もあった
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