「はあぁぁ！！」

キーブレードをブーメランのように投げ、アンチネスにヒットした後、回転して自身の所に帰ってくる技、ストライクレイドでアンチネス達を攻撃を決めた。ブリザド系統魔法を駆使して応戦するクロナ。

攻撃を喰らったアンチネス達は一体ずつ奇声を発しながら消滅していく。クロナは自分と俺に回復魔法、ケアルガを掛けて二人の傷を癒す。しかし、未だアンチネスに囲まれた状況である。だが、数えられる程度の数なのでそう恐れる事は無い。

「一気に決めるよクロナ！」
「わかったよレイ君！」

そう言うと二人は同時に光の柱を出現させる魔法、ホーリーを使って、アンチネス達を吹っ飛ばし消滅させた。

「Yeah！」

そう言ってクロナとハイタッチする。実を言うと俺の得意教科は英語であり、会話中にも幾つか英語が混じっている事が多い。

二人がアンチネス討伐に喜んでいると、ディアス号の近くに別の大きな船が迫ってきた。そしてそこから一人の男がディアス号の甲板に飛び降りた。それは上半身裸の筋肉質で、髪形は角切りと以外とシンプルな容姿をした男だった。身長もけっこう高い。

「お前らがキーブレード使いってやつかい？」

男が野太い声で俺達に聞いた。

「人に物を訪ねる時は、まず自分から、だよ」

相変わらずだろうか、案の定自分ルールを言った。男はそれを理解したように自己紹介をした

「俺はベルーガって言うんだ」

何故かあっさりしているが一見すると優しそうな顔つきと口調だが、何かを感じる俺とクロナ。何故ならベルーガの腰のベルトには、短剣、長剣、片手銃の姿があったからだ。彼は間違いなくただ者ではない

「おいおい、そう警戒なさんなって。俺はおまんらに聞きたい事があるだけさ。」
「聞きたい事？」

クロナが口を開き、少し疑ったような声で言った。するとベルーガは言った

「この辺りに、ジャック・スパロウって言う海賊がいてな。俺ハンターだからバルボッサってやつにそいつを潰すように頼まれた訳よ。それで、そいつの行方を聞きたいんだが」

やはりただ者ではなかった。ベルーガはハンターだったのだ。ジャックがどんな人物かは全く知らない俺達だが、ハンターとなると、ジャックという人物が危ない事を察した俺達は顔を合わせて頷いた

「その依頼は断った方が良い」

冷静に俺がそう言った。ベルーガはそれに疑問を持ち俺に聞く。

「あ？何でだ？」

だがその時、謎の爆発音がここより東の方角から聞こえた。その方向を見てみると、なんと死の島と呼ばれる１つの島から黒い煙が立ち込めていた。

「まずい！」

俺はベルーガをスルーして慌てて舵を取り、アンチネス船やベルーガの乗ってきた船から凄いスピードで逃げて見せた。そして、ベルーガやたまたまそこに居合わせたアンチネスをも巻き込んで、死の島へと向かう