HEARTS49【決戦】
「これは!?」
俺達がプラズマイトに到達したころにはもう遅かった。なんと大量のアンチネスがプラズマイトを襲撃していた。町はもうすでに半分崩壊しており、プラズマイトの住人の姿が何処にもない。
「これ、まずいね!」
何故かついてきたヒトミが言う。なんでここにいるんだとは思いながらも冷静に頷く。今いるメンバーはフィオ、ダーク、クロナ、ソラ、ドナルド、グーフィー、ヒトミ。自分を含めて8人である。
「よし。俺とクロナ、ソラは奥に進むから、他のみんなはアンチネスを引き付けてくれる?」
作戦と言うか完全に即席の策をメンバー全員に言った。みんな頷き、フィオ、ダーク、ドナルド、グーフィーはそれぞれ武器を構え、アンチネスの群れに突っ込んでいった。だが、ヒトミだけは行かなかった。ヒトミもフィオ達と同じくミッキーにキーブレードを継承してもらっている事を俺は知っていたので、ヒトミもアンチネスの足止めに行くように言ったのだが、ヒトミだけは何故か行かない。
「ヒトミ?」
「ううん……私もお兄ちゃんと一緒に行く。私も力になりたい!」
そう言うと、改めて俺を見上げて笑顔を作った。その熱意に免じて俺はヒトミも連れていく事にして、ここはダーク達に任せて、先に進む。
そして、プラズマイトの奥の方。そこにはやはりセイがいた。キーブレードを持って静かに佇んでいる。
「セイ!」
「…………やっと来たな。」
セイは俺ではなく、クロナを見て言った。クロナはセイが自分を見ている事にあっさりと気付き、本能的に俺の後ろに隠れる。
「クロナ?」
俺が後ろに隠れたクロナをみる。クロナは何故かセイにとても怯えている。クロナ自身も、何故こんなに怖いのかわからないが、クロナはセイから何かを感じ取っていた。
「フッ、感が良いやつだな。」
「感が良い?」
セイの言葉に疑問を持ったソラが聞く。セイはその視線をクロナから離さず、
「キングダムハーツの巫女の事だ。」
「巫女?」
セイから聞き慣れない言葉が放たれた時、クロナは衝撃を受けた。俺は正直言葉の意味がイマイチわからないが、クロナはその言葉に聞き覚えがあるようだ。
「キングダムハーツの巫女は、心が世界の方のキングダムハーツと繋がっている特殊な存在で、俺はそいつを探してたのさ。」
「えーと、つまり……どういう事?」
今の解説でもちっとも理解出来ない俺にセイは呆れた声で言った
「簡単に言うと、巫女の心はキングダムハーツその物って事だよ!」
「「何っ!?」」
俺とソラ、そしてヒトミは衝撃を受けた。今ここにいるクロナこそそのキングダムハーツの巫女という不思議な存在だとセイは言っているのだ。
「あんた、何が目的でクロナさんを!?」
ヒトミがセイを強く睨みながら聞く。セイはその視線をヒトミに向ける事無く、
「俺は前にレイに言ったが、レイの心の闇の部分。つまり俺達の心は純粋な光と闇。この2つがぶつかり合う時、χブレードと呼ばれる伝説の鍵が産まれる。キングダムハーツはχブレードでしか鍵を開けない。だから純粋な光の存在であるレイと俺がχブレードとなり、巫女であるクロナの心の扉を開く事で、キーブレード戦争を再びこの世に起こすのさ。」
ここにいる者全員が衝撃を受けた。セイはなんとχブレードを使って再びキーブレード戦争を起こそうとしているのだ。
「長かったよ。生まれてすぐにアンチネスに命令してクロナを探させた。」
「!それでクロナはブラックプリズンに!?」
「ご名答。俺の計画に必要だったから10年前に捕らえておいた。」
「自分の目的の為に、人と人を引き離して悲しませて良いと思ってるのか!?」
「さぁな。もっとも、その人もキーブレード戦争でいなくなるがな。」
「貴様!」
ソラがキーブレードを構え、セイに向かって攻撃を仕掛ける。だが、セイは闇の中から何かを引っ張り出した。それを見たソラは攻撃を止めた。それは前回セイに捕らえられたカイリだった。
「カイリっ!!」
「ソラ……ごめん!」
カイリは闇の鎖によって拘束されており、セイの盾として利用されている。これでは迂闊に攻撃が出来ない。
「フッ、お友達は傷つけられないか?なら、俺が傷つけてやるよ!」
セイがそう言うと鎖に突然電流が流れ始め、カイリを襲った。
「うわあぁぁ!!」
「カイリ!!」
電流にやられて気絶し、地面に倒れるカイリ。それを見たセイは、
「この鎖には電流が流れる仕掛けがしてあってな。お前らが下手に動けば、こいつは気絶じゃすまないぜ?」
「セイ……!なんて事を!」
俺がセイに向かって叫んだ。その隣のソラは、悔しくて仕方なかった。“もっと早くリクを見つけてれば、いや、もっと早く帰ってやれば、カイリを守れたのに”悔しさのあまりに、地面を殴った。そのままソラは大きく叫んだ
「うわあぁぁぁぁーーーーーーっ!!」
その様子を見た俺とヒトミ、クロナにもその悲しみが強く伝わってきた。ソラは叫び終わると、大量の涙を地面に垂らしている。
「ッハハハハハ!!」
なんとセイはソラの今の姿を見て笑い出した。
「無様な姿だなぁ!光の勇者さんよぉ!こんなやつの為に泣くなんて、マヌケ過ぎるぜ………」
セイは言いたい放題にソラを侮辱した。しかしこの時、俺の中の何かがはち切れた
「お前、いい加減にしろよ……!」
その言葉は俺の怒りをかった。今の言葉は所謂死亡フラグであり、セイは俺の逆鱗に触れた。
「お前は、お前だけは…………、殺すっ!!」
俺の目が再び金色に輝きだし、ディアスの紋章も紫の光を放っている。キーブレードも光り輝いている。セイはフッと笑い、キーブレードを構えた
俺達がプラズマイトに到達したころにはもう遅かった。なんと大量のアンチネスがプラズマイトを襲撃していた。町はもうすでに半分崩壊しており、プラズマイトの住人の姿が何処にもない。
「これ、まずいね!」
何故かついてきたヒトミが言う。なんでここにいるんだとは思いながらも冷静に頷く。今いるメンバーはフィオ、ダーク、クロナ、ソラ、ドナルド、グーフィー、ヒトミ。自分を含めて8人である。
「よし。俺とクロナ、ソラは奥に進むから、他のみんなはアンチネスを引き付けてくれる?」
作戦と言うか完全に即席の策をメンバー全員に言った。みんな頷き、フィオ、ダーク、ドナルド、グーフィーはそれぞれ武器を構え、アンチネスの群れに突っ込んでいった。だが、ヒトミだけは行かなかった。ヒトミもフィオ達と同じくミッキーにキーブレードを継承してもらっている事を俺は知っていたので、ヒトミもアンチネスの足止めに行くように言ったのだが、ヒトミだけは何故か行かない。
「ヒトミ?」
「ううん……私もお兄ちゃんと一緒に行く。私も力になりたい!」
そう言うと、改めて俺を見上げて笑顔を作った。その熱意に免じて俺はヒトミも連れていく事にして、ここはダーク達に任せて、先に進む。
そして、プラズマイトの奥の方。そこにはやはりセイがいた。キーブレードを持って静かに佇んでいる。
「セイ!」
「…………やっと来たな。」
セイは俺ではなく、クロナを見て言った。クロナはセイが自分を見ている事にあっさりと気付き、本能的に俺の後ろに隠れる。
「クロナ?」
俺が後ろに隠れたクロナをみる。クロナは何故かセイにとても怯えている。クロナ自身も、何故こんなに怖いのかわからないが、クロナはセイから何かを感じ取っていた。
「フッ、感が良いやつだな。」
「感が良い?」
セイの言葉に疑問を持ったソラが聞く。セイはその視線をクロナから離さず、
「キングダムハーツの巫女の事だ。」
「巫女?」
セイから聞き慣れない言葉が放たれた時、クロナは衝撃を受けた。俺は正直言葉の意味がイマイチわからないが、クロナはその言葉に聞き覚えがあるようだ。
「キングダムハーツの巫女は、心が世界の方のキングダムハーツと繋がっている特殊な存在で、俺はそいつを探してたのさ。」
「えーと、つまり……どういう事?」
今の解説でもちっとも理解出来ない俺にセイは呆れた声で言った
「簡単に言うと、巫女の心はキングダムハーツその物って事だよ!」
「「何っ!?」」
俺とソラ、そしてヒトミは衝撃を受けた。今ここにいるクロナこそそのキングダムハーツの巫女という不思議な存在だとセイは言っているのだ。
「あんた、何が目的でクロナさんを!?」
ヒトミがセイを強く睨みながら聞く。セイはその視線をヒトミに向ける事無く、
「俺は前にレイに言ったが、レイの心の闇の部分。つまり俺達の心は純粋な光と闇。この2つがぶつかり合う時、χブレードと呼ばれる伝説の鍵が産まれる。キングダムハーツはχブレードでしか鍵を開けない。だから純粋な光の存在であるレイと俺がχブレードとなり、巫女であるクロナの心の扉を開く事で、キーブレード戦争を再びこの世に起こすのさ。」
ここにいる者全員が衝撃を受けた。セイはなんとχブレードを使って再びキーブレード戦争を起こそうとしているのだ。
「長かったよ。生まれてすぐにアンチネスに命令してクロナを探させた。」
「!それでクロナはブラックプリズンに!?」
「ご名答。俺の計画に必要だったから10年前に捕らえておいた。」
「自分の目的の為に、人と人を引き離して悲しませて良いと思ってるのか!?」
「さぁな。もっとも、その人もキーブレード戦争でいなくなるがな。」
「貴様!」
ソラがキーブレードを構え、セイに向かって攻撃を仕掛ける。だが、セイは闇の中から何かを引っ張り出した。それを見たソラは攻撃を止めた。それは前回セイに捕らえられたカイリだった。
「カイリっ!!」
「ソラ……ごめん!」
カイリは闇の鎖によって拘束されており、セイの盾として利用されている。これでは迂闊に攻撃が出来ない。
「フッ、お友達は傷つけられないか?なら、俺が傷つけてやるよ!」
セイがそう言うと鎖に突然電流が流れ始め、カイリを襲った。
「うわあぁぁ!!」
「カイリ!!」
電流にやられて気絶し、地面に倒れるカイリ。それを見たセイは、
「この鎖には電流が流れる仕掛けがしてあってな。お前らが下手に動けば、こいつは気絶じゃすまないぜ?」
「セイ……!なんて事を!」
俺がセイに向かって叫んだ。その隣のソラは、悔しくて仕方なかった。“もっと早くリクを見つけてれば、いや、もっと早く帰ってやれば、カイリを守れたのに”悔しさのあまりに、地面を殴った。そのままソラは大きく叫んだ
「うわあぁぁぁぁーーーーーーっ!!」
その様子を見た俺とヒトミ、クロナにもその悲しみが強く伝わってきた。ソラは叫び終わると、大量の涙を地面に垂らしている。
「ッハハハハハ!!」
なんとセイはソラの今の姿を見て笑い出した。
「無様な姿だなぁ!光の勇者さんよぉ!こんなやつの為に泣くなんて、マヌケ過ぎるぜ………」
セイは言いたい放題にソラを侮辱した。しかしこの時、俺の中の何かがはち切れた
「お前、いい加減にしろよ……!」
その言葉は俺の怒りをかった。今の言葉は所謂死亡フラグであり、セイは俺の逆鱗に触れた。
「お前は、お前だけは…………、殺すっ!!」
俺の目が再び金色に輝きだし、ディアスの紋章も紫の光を放っている。キーブレードも光り輝いている。セイはフッと笑い、キーブレードを構えた
■作者メッセージ
次回、VSセイ