CHAPTER6【消えた希望】
「グワァー。」
暇そうに昼寝しているのはドナルドだった。このディズニーキャッスルの庭で気持ち良さそうに寝ている。
しかしその時突然白いゲートが開き、ドナルドを叩き起こすかのようにそこから出てきた何かが彼の頭に何かがぶつかった。
「っつ!」
「グワァァァ!!」
突然ぶつかってきたのは俺だった。リアスの開いた回廊が運悪く庭に開いてしまい、真っ先に飛び出した為にドナルドとぶつかった物と思われる。
「もう何すんだよ!」
ドナルドは振り向き、怒った声で言うが俺の顔を見て、驚いた。
「レイ!無事だったんだ!」
「まぁな。」
雰囲気が変わっている事に気付き、少し同様するドナルドだが右手を引っ張り、走った。
「ちょっと来て!」
そのままドナルドに引っ張られ、ディズニーキャッスル城内に入っていく。その後をリアスがやれやれというような顔をして追いかける。
ここはディズニーキャッスルの会議室。ここでは現在起きている事態についての会議が行われており、ミッキー、ソラ、フィオ、ダーク、クロナが出席している。
「そしてアンチネス達の事については………」
ミッキーが何か言おうとしたとき、扉が荒々しく開かれ、ドナルド共々会議室に入った。
「「「「「レイ(君)!?」」」」」
「う、うん……」
一同は俺が入ってきた事に驚く。みんなの変わらぬ表情を見て少し安心し、会議に参加する事にした。
「なるほど………。」
これまで会議で出された話題を理解し、自分の頭の中を整理していた。
「つまり、なんにもわかってないんだ………。」
「あぁ。何せ、アンチネスの正体や機関の目的、そして、新たな驚異が来るかどうか、だな。」
自称相棒ことダークの言う通り、まだわからない事が多く、俺達はスタートラインから一歩も進んでいないランナーのようだった
「それにしても、世界で一番強い闇であるセイを倒したのにアンチネスがまだ世界中に存在しているのって、何だか謎だよね……」
俺の大切な人であるクロナ曰く、世界で最も強い闇に付き従うアンチネスがセイがいなくなった今でも健在する事があまりにも不自然だった。確かにと思い黙って頷く
「しかも、機関の目的はキングダムハーツらしいけど、セイを通してカイリを誘拐して、俺を利用しようとした。でもそれは失敗に終わった。」
普段からは想像も出来ないほど冷静な声でキーブレードの勇者ことソラが言った。以前ナタ姉が言っていた通り機関はキーブレードを利用してキングダムハーツを完成させようとしていた。そしてそれに加担していたセイがカイリを誘拐したが、そのまま逆に裏切っていた
「それに聞いたところによると、機関よりももっと上の存在がいるらしい。そいつが機関を突き動かしているとか………」
みんなの会話を聞いても、謎は深まるばかり。世界で一番強い闇であるセイが消えてもアンチネスはまだ世界中に存在していたり、ХV機関の行動の全てが謎だったり、これからいつ何が起きてもおかしくはない。
「あ、あのさ。」
俺はみんなの会話の中に割り込み言った。
「俺ってあのあと、どうしたんだ?」
その言葉を言い切ると、座っていたクロナが立ち上がって俺の所まで歩いて来た。その表情は何処か不安を含んでいた
「レイ君はあのあと、カイリさんと王様に助けられた。だけど……」
「だけど?」
クロナが少し俯き、言った。
「その後アンチネスが数匹現れて、王様達を襲った。でも王様達にはまともな戦力は残ってない。だから仕方なく、手放すしか無かった。そしてアンチネス達がレイ君を変な黒い穴に放り込んで、レイ君は行方不明になって……。」
「それで俺は闇の世界に………。」
クロナの話を聞いて、少し目を閉じる。すぐに開き言った
「どうでもいいけど、何か変化は?」
その台詞に全員が驚愕し、質問にはこのディズニーキャッスルの王様ことミッキーが答える。
「最近、何か怪しい集団が出没してるって噂なんだ。」
「怪しい集団?」
その言葉を呟くと、クロナがレイに教える。
「DED。ファイブ・ブレード伝説に出てきた暗黒竜【ダークエンドドラゴン】を神と信じる宗教団体だよ。」
更にクロナが話を続ける。
「なんでも、その組織は、ダークエンドドラゴンに捧げる命を求めて、日夜人々をアンチネスに変えているの。」
DEDは様々な人々から心を奪い、アンチネスに変えてからその心をダークエンドドラゴンに捧げて、ダークエンドドラゴンの復活を目論んでいる。しかし、今だかつて謎が多すぎる組織であり、アンチネスともっとも関連性がありそうな存在である。
「じゃあ、詳しい事がわかったら、連絡するよ。」
ミッキーの言葉にみんなが頷く。みんなが部屋を出ていく中、何時になく真剣な表情のクロナはレイに呼び止められた
「レイ君、話があるの。後であの場所に来て……」
そう言って部屋から出ていった。俺はそれを不思議顔思いながらクロナの後ろ姿を見つめていた。
デスティニーアイランドの高台、俺達が何時もの場所と呼んでいる場所にやって来た。そこにクロナが待っていたからだ。今のクロナは夕日に照らされ、何だか切なさを感じる上に今にも泣き出しそうな顔でまっすぐ見つめてくる。
「クロナ、話って?」
その言葉を放った途端、彼女は数十秒の間黙っていた。
「レイ君………何だか変わったね。」
やっと出た言葉がそれだった。恐らく『どうでもいい』と俺が言った時に気づいたのだろう、とてつもなく悲しみが混じった声だった。その言葉に俺は平然と答える。
「変わらない人間なんていないさ………。」
当然の事、そのはずだったのだが、クロナは強く首を振った。そしてなんと泣いて抱き付いた。
「私は…………レイ君に変わって欲しく無かった!何時も、何時も私を励ましてくれたっ!泣いていた私の心を、何時も笑わせてくれたレイ君のままでいてほしかったっ!!」
「クロナ?」
静かに顔を上げて、もはや1つの物しか視界に入れていないほど涙を流しているクロナ。もう顔が涙でいっぱいだ。こっちにまでその悲しみが伝わってくるようだった。
「まだわからないっ!?私は好きなのっ!!レイ君の事が、何時も明るい笑顔を見せてくれるレイ君がっ!!」
その悲しみを訴えるように強く叫んだ。今思い返せば今まで彼女と共に過ごしてきたのは何時もの“レイ”。明るく楽しく、そして誰にでも優しいやつだった。でもそれはもう存在せず、今の俺がいる。かつての俺の残像にクロナは囚われすぎているのかもしれないが、彼女の気持ちもわかる。親友がなってほしくない物に変化するのは誰でも耐えられない物だろう、しかし人は常に変わり行く為どうしようも無かった。そんな事から現実逃避するかのように思わずクロナは俺から目を反らし、それを見た俺は泣きそうになりながらもクロナを突き放し、彼女は思わず尻もちをつく。そして俺はそのまま何も言わずに何時もの場所を去っていった。
「レイ君の……レイのバカあぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
一生懸命に叫んだ言葉だった。クロナのクリスタルのように透き通る青い目から落ちる真珠のように煌めく涙は、その日無数に零れた。夕日がクロナを照らし、その切なさは1秒1秒立つ毎に増加していく。
(レイ君……帰ってきてよ!お願いっ!!)
クロナはその日、無数の涙を流すと同時に大きな叫び声を上げた。クロナにとって、俺との別れは辛すぎたのかもしれない。自分の中の希望を無くすくらいに
暇そうに昼寝しているのはドナルドだった。このディズニーキャッスルの庭で気持ち良さそうに寝ている。
しかしその時突然白いゲートが開き、ドナルドを叩き起こすかのようにそこから出てきた何かが彼の頭に何かがぶつかった。
「っつ!」
「グワァァァ!!」
突然ぶつかってきたのは俺だった。リアスの開いた回廊が運悪く庭に開いてしまい、真っ先に飛び出した為にドナルドとぶつかった物と思われる。
「もう何すんだよ!」
ドナルドは振り向き、怒った声で言うが俺の顔を見て、驚いた。
「レイ!無事だったんだ!」
「まぁな。」
雰囲気が変わっている事に気付き、少し同様するドナルドだが右手を引っ張り、走った。
「ちょっと来て!」
そのままドナルドに引っ張られ、ディズニーキャッスル城内に入っていく。その後をリアスがやれやれというような顔をして追いかける。
ここはディズニーキャッスルの会議室。ここでは現在起きている事態についての会議が行われており、ミッキー、ソラ、フィオ、ダーク、クロナが出席している。
「そしてアンチネス達の事については………」
ミッキーが何か言おうとしたとき、扉が荒々しく開かれ、ドナルド共々会議室に入った。
「「「「「レイ(君)!?」」」」」
「う、うん……」
一同は俺が入ってきた事に驚く。みんなの変わらぬ表情を見て少し安心し、会議に参加する事にした。
「なるほど………。」
これまで会議で出された話題を理解し、自分の頭の中を整理していた。
「つまり、なんにもわかってないんだ………。」
「あぁ。何せ、アンチネスの正体や機関の目的、そして、新たな驚異が来るかどうか、だな。」
自称相棒ことダークの言う通り、まだわからない事が多く、俺達はスタートラインから一歩も進んでいないランナーのようだった
「それにしても、世界で一番強い闇であるセイを倒したのにアンチネスがまだ世界中に存在しているのって、何だか謎だよね……」
俺の大切な人であるクロナ曰く、世界で最も強い闇に付き従うアンチネスがセイがいなくなった今でも健在する事があまりにも不自然だった。確かにと思い黙って頷く
「しかも、機関の目的はキングダムハーツらしいけど、セイを通してカイリを誘拐して、俺を利用しようとした。でもそれは失敗に終わった。」
普段からは想像も出来ないほど冷静な声でキーブレードの勇者ことソラが言った。以前ナタ姉が言っていた通り機関はキーブレードを利用してキングダムハーツを完成させようとしていた。そしてそれに加担していたセイがカイリを誘拐したが、そのまま逆に裏切っていた
「それに聞いたところによると、機関よりももっと上の存在がいるらしい。そいつが機関を突き動かしているとか………」
みんなの会話を聞いても、謎は深まるばかり。世界で一番強い闇であるセイが消えてもアンチネスはまだ世界中に存在していたり、ХV機関の行動の全てが謎だったり、これからいつ何が起きてもおかしくはない。
「あ、あのさ。」
俺はみんなの会話の中に割り込み言った。
「俺ってあのあと、どうしたんだ?」
その言葉を言い切ると、座っていたクロナが立ち上がって俺の所まで歩いて来た。その表情は何処か不安を含んでいた
「レイ君はあのあと、カイリさんと王様に助けられた。だけど……」
「だけど?」
クロナが少し俯き、言った。
「その後アンチネスが数匹現れて、王様達を襲った。でも王様達にはまともな戦力は残ってない。だから仕方なく、手放すしか無かった。そしてアンチネス達がレイ君を変な黒い穴に放り込んで、レイ君は行方不明になって……。」
「それで俺は闇の世界に………。」
クロナの話を聞いて、少し目を閉じる。すぐに開き言った
「どうでもいいけど、何か変化は?」
その台詞に全員が驚愕し、質問にはこのディズニーキャッスルの王様ことミッキーが答える。
「最近、何か怪しい集団が出没してるって噂なんだ。」
「怪しい集団?」
その言葉を呟くと、クロナがレイに教える。
「DED。ファイブ・ブレード伝説に出てきた暗黒竜【ダークエンドドラゴン】を神と信じる宗教団体だよ。」
更にクロナが話を続ける。
「なんでも、その組織は、ダークエンドドラゴンに捧げる命を求めて、日夜人々をアンチネスに変えているの。」
DEDは様々な人々から心を奪い、アンチネスに変えてからその心をダークエンドドラゴンに捧げて、ダークエンドドラゴンの復活を目論んでいる。しかし、今だかつて謎が多すぎる組織であり、アンチネスともっとも関連性がありそうな存在である。
「じゃあ、詳しい事がわかったら、連絡するよ。」
ミッキーの言葉にみんなが頷く。みんなが部屋を出ていく中、何時になく真剣な表情のクロナはレイに呼び止められた
「レイ君、話があるの。後であの場所に来て……」
そう言って部屋から出ていった。俺はそれを不思議顔思いながらクロナの後ろ姿を見つめていた。
デスティニーアイランドの高台、俺達が何時もの場所と呼んでいる場所にやって来た。そこにクロナが待っていたからだ。今のクロナは夕日に照らされ、何だか切なさを感じる上に今にも泣き出しそうな顔でまっすぐ見つめてくる。
「クロナ、話って?」
その言葉を放った途端、彼女は数十秒の間黙っていた。
「レイ君………何だか変わったね。」
やっと出た言葉がそれだった。恐らく『どうでもいい』と俺が言った時に気づいたのだろう、とてつもなく悲しみが混じった声だった。その言葉に俺は平然と答える。
「変わらない人間なんていないさ………。」
当然の事、そのはずだったのだが、クロナは強く首を振った。そしてなんと泣いて抱き付いた。
「私は…………レイ君に変わって欲しく無かった!何時も、何時も私を励ましてくれたっ!泣いていた私の心を、何時も笑わせてくれたレイ君のままでいてほしかったっ!!」
「クロナ?」
静かに顔を上げて、もはや1つの物しか視界に入れていないほど涙を流しているクロナ。もう顔が涙でいっぱいだ。こっちにまでその悲しみが伝わってくるようだった。
「まだわからないっ!?私は好きなのっ!!レイ君の事が、何時も明るい笑顔を見せてくれるレイ君がっ!!」
その悲しみを訴えるように強く叫んだ。今思い返せば今まで彼女と共に過ごしてきたのは何時もの“レイ”。明るく楽しく、そして誰にでも優しいやつだった。でもそれはもう存在せず、今の俺がいる。かつての俺の残像にクロナは囚われすぎているのかもしれないが、彼女の気持ちもわかる。親友がなってほしくない物に変化するのは誰でも耐えられない物だろう、しかし人は常に変わり行く為どうしようも無かった。そんな事から現実逃避するかのように思わずクロナは俺から目を反らし、それを見た俺は泣きそうになりながらもクロナを突き放し、彼女は思わず尻もちをつく。そして俺はそのまま何も言わずに何時もの場所を去っていった。
「レイ君の……レイのバカあぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
一生懸命に叫んだ言葉だった。クロナのクリスタルのように透き通る青い目から落ちる真珠のように煌めく涙は、その日無数に零れた。夕日がクロナを照らし、その切なさは1秒1秒立つ毎に増加していく。
(レイ君……帰ってきてよ!お願いっ!!)
クロナはその日、無数の涙を流すと同時に大きな叫び声を上げた。クロナにとって、俺との別れは辛すぎたのかもしれない。自分の中の希望を無くすくらいに