「ねぇ、知ってる？」

その頃機関の城ではクールな女機関員がノリの良さそうな機関員と会話をしていた。どちらもフードを被っていて、顔が見えない。

「ヘイもちろん。光の勇者を継ぐものレイがしらけてんだろ？ヘイヘイ！」
「何時もノリノリね。」

機関は既に俺が冷めてしまっている事を知っていた。この新入り達は何を考えているのかは謎だが、ノリの良さそうな機関員がそのフードを初めて外した。

「貴方の素顔は初めて見るわね。」

赤色の太陽のように弾けたロングヘア、緑色のつり目。これがノリの良さそうな機関員の姿である。

「あぁ。この俺“アレクセイ”の姿さ！ヘイヘイ！」

アレクセイは自分の姿を何故か自慢しているが女機関員はそれをあっさりと無視し、こう言った

「さてと、本題に戻るけど、今や光の勇者は使い物にならない。だから今のうちに他の勇者を叩く。良いわね？」
「任せろよ！ヘイヘイっ！」

アレクセイと名乗る機関員はそう自信たっぷりに言って見せた。アレクセイはノーバディにも関わらず、とても明るい、所謂ノーバディっぽくないノーバディである。そのアレクセイはすぐに調子に乗る癖があるのでよくこの女機関員が見張っているらしい。

「と言うか、他の勇者は誰かつかめてんのかい？ヘイヘイ！」
「まだ。でも、いずれわかるはず。」

アレクセイは少し微笑み、闇の回廊を瞬間的に出現させた。

「じゃ行ってくる！」

そう言ってアレクセイは闇の回廊の中へと走った。女機関員は静かに自分の部屋に戻る。

その頃、別の部屋では他の新入り機関員二人が話していた。その一人は暇潰しにサッカーの練習をしている。

「ゼムナス様は何を考えているのかわからへんなぁ。」

関西弁の機関員がフードを外して言った。その素顔は金髪の侍のようなポニーテールで前髪がとても独特的であり、緑色の優しい目の少年のようだった。その機関員の言葉に、サッカーの練習をしている機関員が言う

「俺らは命令をとりあえず聞いておけばいい、それだけだ」

関西弁の機関員は少し不安な表情をして、上層部に位置するキングダムハーツを見つめた。今も少しずつ心が集まって来ている。そして静かに呟いた。

「………せやな！」