CHAPTER10【全力の意味】
俺は今突然現れた機関の一人アレクセイと出会いたった一人で戦っている。どちらも同じくらいの実力で、どちらが有利という訳でもなく、どちらが不利という訳でもない。完全に互角なのだ。
「はぁ……はぁ……ヘイ光の勇者!」
「?」
息切れしながらアレクセイが俺の冷めた目を見て言った。
「もし前のお前なら、俺に勝ててたかもな!」
「どういう事だ?」
「何、簡単な事さ。今のお前は冷めきってしまって、敵をぶっ潰すくらいの事しか頭に入ってない。そうだろ?」
「…………まぁな。」
「じゃあ、喰らってもらうぜ!」
アレクセイはその右手に握られている巨大鎌を振り上げ、俺に向かって振り下ろす。それを横にジャンプしてかわした。地面に突き刺さった鎌を引き抜き、アレクセイは更に攻撃を繰り出す。それらをキーブレードで全て受け止めて見せた。
「やるな!ヘイヘイ!」
そう言って鎌を持ち直すアレクセイ。しかし、その隙にアレクセイの腹を攻撃し、ダメージを与えた。
「うっ………!やるじゃん。」
しかし、何事も無かったかのように振り返り、鎌をブーメランのようにして投げた。それは肩にダイレクトにヒットしてしまい、肩から血が出てきた。血が出た右肩を空いていた左手で押さえる。
「くっ………!」
「痛いか?痛いのは嫌だろ?だったらさっさと消えちゃいな!」
そう言ってアレクセイの鎌が俺の頭に向かって振り下ろされる。だがその時、緑色の炎の弾丸が鎌を弾き飛ばした。
「何!?」
炎が飛んできた方向へ振り向くと、そこにはリアスがアレクセイを強く睨んで立っていた