CHAPTER12【シュージとライガ】
その頃、アースのレイベス地方にある豪邸、ブレード家の庭では、シュージとライガが戦闘特訓を開始していた。
「じゃあ、宜しく頼むぞライガ。」
「あぁ、全力で行くぞシュージ。」
シュージが手持ちピアノのような武器、チャムナルを出現させ、右手にしっかりと握った。シュージが高く飛び上がり、空中でドの音とミの音を奏で、大きな音符を2発飛ばした。ライガはそれに動揺することはなく、冷静に魔法を放つ。
「ザ・ライトミスト!」
そう叫び右手を振るうと、ライガの右腕から大量の光輝く霧が発生した。その霧は2つの音符をしっかりと受け止め、見事に攻撃を防いだ。
「やるなライガ。」
「シュージこそ!」
二人は笑顔でお互いを称えあった。この二人が何故特訓をしているかというと数時間前に遡る
『なあシュージ。』
シュージの家を訪ねたライガがシュージの名前を呼ぶ。
『なんだ?』
『プラズマイトで、アンチネス達が現れたってのは知ってるよな?』
その言葉にシュージは頷く。
『もしかしたら、これからもっと事件が起きるかもしれない。何時までもレイ達に任せっきりはいけない。だから、俺達先輩が、後輩を守るために動こうと思うんだ!』
『つまり、今度は俺達が動くときという事だな。』
『あぁ!』
ライガはシュージの目を見る。同じくシュージもライガの目をしっかりと見る。お互いに笑顔で頷き、
『『よし!』』
そうして、特訓に励んでいるという事である。二人は三時間前から特訓を開始しており、もう体力が限界だ。
「よし、今度は俺からだ!」
ライガが天高く飛び上がり、そこから大量の光輝く霧を放った。しかもその霧は槍のような形となり、シュージに向かって勢いよく落ちてくる。
「クラシックバリア!」
シュージはソとシの音を奏で、音符のシールドを作り、霧の槍を見事に防いだ。
「何っ!?」
「俺もまだまだ現役だな。」
二人の特訓がクライマックスに差し掛かった時、突然二人は謎の気配を感じた。玄関の方から感じた謎の気配の正体は、謎の黒いフードの男だった。
「誰だ?」
シュージが謎の男に訪ねるが、シュージの言葉を無視し、ゆっくりとシュージとライガに近づく。そして、歩きながら男は言った。
「ソラ達に伝えてくれ。」
その言葉で二人の視線は謎の男に集中し、男は言った。
「ファイブ・ブレード伝説の戦いが、またこの時代で起きようとしている。気を付けろ。」
「「何?」」
謎の言葉を残し、男は去っていった。シュージは手に握っていたチャムナルをしまい、ライガと目を合わせる。
「あいつは一体?」
「わからない。」
これから戦いに参戦しようとする二人はこの日、1つの謎を抱く事になった