CHAPTER13【白凰と黒凰】
レイベス地方の明るい朝日が白夜家の白凰の部屋の中に差し込む。白凰はその光で目を覚まし、起き上がってすぐ鏡を見る。鏡に写ったのは、若干寝癖頭の白凰だった。
「すぐに直さなくては。」
そうして白凰は寝癖直し用のスプレーを頭に掛けて寝癖を直し、何時もの髪形に戻った。しかし、どうしても前髪だけは跳ねてしまう。
「さてと、そろそろ朝食だな。」
白凰は自分の部屋を出て、食事室へと足を運ぶ。食事室には必要以上に長すぎる白いテーブルがあり、その上には豪華な朝食がたくさん用意されていた。白凰は貴族の息子であるため、食事も常に豪華なのである。
「さて、頂くとしよう。」
白凰はしっかりと手を合わせ、貴族らしく丁寧に食事をする。食事中の白凰の隣にいるこの白夜家の執事がある質問をする
「お坊っちゃま。お味をいかがですか?」
白凰が食器を置き、執事の方を見て言った。
「良き味だ。明日の朝食も期待しておるぞ。」
「ありがとうございます!」
白凰の言葉に執事は頭を下げる。白凰は貴族の息子ではあるが、そこらの貴族と違って他を見下したりしない優しい心の持ち主であり、それがレイ達にとても好かれているのである。
「さてお坊っちゃま。本日は黒凰様と何処かにお出掛けになられるとか。」
「うむ。それでは、」
白凰は立ち上がり、自分の部屋へ戻った。そして出てきたときには何時もの白い高貴な服装になっていた。白凰は玄関の扉を開き、外へと歩き出した。
「行ってらっしゃいませ、お坊っちゃま。」
執事の言葉に白凰は頷き、崩壊したプラズマイトへと向かった。セイとの戦いでこの町は滅びてしまい、今では巨大な鉄の塊のような物となっている。白凰はこの町の有り様を見て、黙っている事しか出来なかった。
「どうした?」
後ろから声がした。その声の主は黒凰だった。黒凰が白凰の隣まで歩いて来た。
「黒凰か。」
「うん……。」
「ひどいな、この町の有り様は。」
「仕方無いよ。χブレードの力が暴走したんだから。」
二人が滅びた町を見詰めて話をしていると、その後ろからとある人物が二人に話しかけてくる。
「白夜白凰君だね?」
「む?」
ミッキーだった。会議を終えこの町を訪れたのだろう。白凰はミッキーを見て言った
「ミッキーか。お主のことは、レイからよく聞いていた。」
と言った。白凰はレイからよく彼の事は聞いていたが、今まで会った事は無かった。白凰は自分より何頭身も身長の低いミッキーを見下ろし言う
「何か我に用か?」
と聞く。するとミッキーはとある物を取りだし、白凰に渡した。それはミッキーがキーブレードマスターになる前、つまり修行時代に使っていたキーブレード、スターシーカーだった。
「これは、キーブレード?」
黒凰がミッキーから白凰へと手渡されたキーブレードを覗くようにして見る。白凰がこれを渡した訳を聞こうとするが、それより早くミッキーの口が開き言った
「DEDやХV機関、アンチネスという存在が、世界の平和を脅かしている。だから、君にもこの戦いに参加して欲しいんだ。そのキーブレードは君に貸してあげるから、僕達と共に戦って欲しい!」
ミッキーの頼みを受け入れるか断るか白凰は躊躇する。
「何故、我なのだ?」
「君の噂はよくレイ達から聞いていたよ。その勇敢さで、まわりを引っ張っていく頼れる人物だって。だから、君の力を借りたいんだ。」
その言葉で白凰に迷いは消え、強く頷いた。
「良かろう。我が力、この世界の為に!」
白凰がそう力強く叫ぶと、黒凰が少しあくびをして、右手を後ろにやった。そこから巨大な剣が突如出現し、軽く振って見せた。その剣をよく見て見ると、刃の部分が鬼の顔のようにおぞましいデザインの黒い巨大な剣だった。あえて呼ぶなら鬼神剣だろう。その鬼神剣にはキーチェーンがついていた。そのキーチェーンを見た白凰とミッキーは驚いた。
「えぇ!?」
「黒凰、まさかお主……。」
「気付かなかった?僕もキーブレード使いなんだよ。」
気付かなかったの所で頷くミッキーと白凰。黒凰が鬼神剣を肩に掛け言った
「という訳で、僕も戦いに参加させてもらうよ。異論は無いね?」
その言葉にもちろん頷くミッキー。キーブレード使いが増えるとなると、光の勢力にとっては嬉しいかぎりだった。
「よし、二人とも。ついてきて欲しい。」
ミッキーが自分のキーブレード、キングダムチェーンD(ダークサイド)を使って異空間に繋がる裂け目、異空の回廊を出現させ、その中に入っていく。二人はその後を追いかけて歩き出す
「すぐに直さなくては。」
そうして白凰は寝癖直し用のスプレーを頭に掛けて寝癖を直し、何時もの髪形に戻った。しかし、どうしても前髪だけは跳ねてしまう。
「さてと、そろそろ朝食だな。」
白凰は自分の部屋を出て、食事室へと足を運ぶ。食事室には必要以上に長すぎる白いテーブルがあり、その上には豪華な朝食がたくさん用意されていた。白凰は貴族の息子であるため、食事も常に豪華なのである。
「さて、頂くとしよう。」
白凰はしっかりと手を合わせ、貴族らしく丁寧に食事をする。食事中の白凰の隣にいるこの白夜家の執事がある質問をする
「お坊っちゃま。お味をいかがですか?」
白凰が食器を置き、執事の方を見て言った。
「良き味だ。明日の朝食も期待しておるぞ。」
「ありがとうございます!」
白凰の言葉に執事は頭を下げる。白凰は貴族の息子ではあるが、そこらの貴族と違って他を見下したりしない優しい心の持ち主であり、それがレイ達にとても好かれているのである。
「さてお坊っちゃま。本日は黒凰様と何処かにお出掛けになられるとか。」
「うむ。それでは、」
白凰は立ち上がり、自分の部屋へ戻った。そして出てきたときには何時もの白い高貴な服装になっていた。白凰は玄関の扉を開き、外へと歩き出した。
「行ってらっしゃいませ、お坊っちゃま。」
執事の言葉に白凰は頷き、崩壊したプラズマイトへと向かった。セイとの戦いでこの町は滅びてしまい、今では巨大な鉄の塊のような物となっている。白凰はこの町の有り様を見て、黙っている事しか出来なかった。
「どうした?」
後ろから声がした。その声の主は黒凰だった。黒凰が白凰の隣まで歩いて来た。
「黒凰か。」
「うん……。」
「ひどいな、この町の有り様は。」
「仕方無いよ。χブレードの力が暴走したんだから。」
二人が滅びた町を見詰めて話をしていると、その後ろからとある人物が二人に話しかけてくる。
「白夜白凰君だね?」
「む?」
ミッキーだった。会議を終えこの町を訪れたのだろう。白凰はミッキーを見て言った
「ミッキーか。お主のことは、レイからよく聞いていた。」
と言った。白凰はレイからよく彼の事は聞いていたが、今まで会った事は無かった。白凰は自分より何頭身も身長の低いミッキーを見下ろし言う
「何か我に用か?」
と聞く。するとミッキーはとある物を取りだし、白凰に渡した。それはミッキーがキーブレードマスターになる前、つまり修行時代に使っていたキーブレード、スターシーカーだった。
「これは、キーブレード?」
黒凰がミッキーから白凰へと手渡されたキーブレードを覗くようにして見る。白凰がこれを渡した訳を聞こうとするが、それより早くミッキーの口が開き言った
「DEDやХV機関、アンチネスという存在が、世界の平和を脅かしている。だから、君にもこの戦いに参加して欲しいんだ。そのキーブレードは君に貸してあげるから、僕達と共に戦って欲しい!」
ミッキーの頼みを受け入れるか断るか白凰は躊躇する。
「何故、我なのだ?」
「君の噂はよくレイ達から聞いていたよ。その勇敢さで、まわりを引っ張っていく頼れる人物だって。だから、君の力を借りたいんだ。」
その言葉で白凰に迷いは消え、強く頷いた。
「良かろう。我が力、この世界の為に!」
白凰がそう力強く叫ぶと、黒凰が少しあくびをして、右手を後ろにやった。そこから巨大な剣が突如出現し、軽く振って見せた。その剣をよく見て見ると、刃の部分が鬼の顔のようにおぞましいデザインの黒い巨大な剣だった。あえて呼ぶなら鬼神剣だろう。その鬼神剣にはキーチェーンがついていた。そのキーチェーンを見た白凰とミッキーは驚いた。
「えぇ!?」
「黒凰、まさかお主……。」
「気付かなかった?僕もキーブレード使いなんだよ。」
気付かなかったの所で頷くミッキーと白凰。黒凰が鬼神剣を肩に掛け言った
「という訳で、僕も戦いに参加させてもらうよ。異論は無いね?」
その言葉にもちろん頷くミッキー。キーブレード使いが増えるとなると、光の勢力にとっては嬉しいかぎりだった。
「よし、二人とも。ついてきて欲しい。」
ミッキーが自分のキーブレード、キングダムチェーンD(ダークサイド)を使って異空間に繋がる裂け目、異空の回廊を出現させ、その中に入っていく。二人はその後を追いかけて歩き出す