CHAPTER22【砕かれた希望】
その後ミッキーを連れてグミシップ格納庫に身を潜め、そこにいたC班であるソラ、ヒトミ、リアスに現状を説明、すぐにヒトミが手当てにあたる。ミッキーが倒れたとなると、光の勢力としてはかなり痛い。何故ならミッキーは光の勢力の要のような人物だったからだ。そんな人がやられたとなると、希望が砕かれたも同然である。四人の間にはどうしようもない空気が流れていた。数十分立ってやっと口を開いた人物がいた。ソラだ。
「なぁレイ、白凰とシュージさんは?」
ソラがミッキーを心配しながらも、隣で壁にもたれている俺に聞いた。
「今アンチネス達を偵察してる。」
ソラとリアスがその言葉に頷くと、格納庫に誰かが入ってきた。白凰だ。こちらに向かって走ってくる。
「白凰、状況は?」
「レイ、大変だ。アンチネス達がこの城を占領しつつある!」
「何だって!?」
その質問に白凰は答え、その解答にソラは驚く。しかも白凰の話ではシュージがたった一人でアンチネス達の侵食を食い止めているらしい。ソラはいてもたってもいられなくなり、黙って外に向かって走り出した。それを黙って見送った俺は1度倒れているミッキーを見る。身体の一部が凍り付き、ヒトミのケアルガをもってしても全然傷が癒えない。それどころかどんどん身体が凍り付いていき、このままではミッキーは氷の塊となって死んでしまう。
「王様!しっかりして!」
ヒトミが治療しながら呼び掛けるも、ミッキーがその目を開く気配はなく、心臓の鼓動さえ不安定な物になってきた。ヒトミは治療を止めてレイの方へ歩いていき、なんと目の前で頭を深く下げた。それには流石に白凰も驚き、音を立ててこぼれ落ちたヒトミの涙を確かに感じた。
「ごめんなさい…………お兄ちゃん…………私は、私はっ…………お兄ちゃんの、この世で一番大好きな人の友達を救えそうにないっ!!私ではっ、王様を救えないっ!お兄ちゃん……みんな…………本当にごめんなさい………!」
何度も何度もヒトミの目から流れ落ちる涙を見て、この場にいる全員がヒトミの気持ちを理解した。ヒトミは誰よりもブラコンである為、俺や大切な友達もまた家族同然であった為、ヒトミは今こんなにも辛いのだ。涙を流し頭を下げ続けるヒトミを見て彼女の頭を優しく撫でた。
「…………お兄ちゃん?」
ヒトミは顔を上げ、俺の顔を見詰める。自身の表情は闘気に満ち溢れた物だった。俺はその右手で優しくヒトミの涙を拭き取り、言った。
「救えないというのは………力のないやつの事だ。」
ヒトミはその言葉の意味を噛みしめ、頷く。俺はヒトミに背を向け、格納庫の出口前に立って言った。
「だが、」
遠くからヒトミの顔を見て、言った。
「自分の弱さを認めたなら、そいつは力があるやつだ。」
そう言って外に走っていった。白凰もそのあとを追いかける。ヒトミは自分の言葉で砕かれていた希望を取り戻し、ミッキーの手当てを再開した。その様子を見たリアスはヒトミにこう言った
「ねぇ、良ければ僕も手伝うよ。回復は得意なんだ。」
ヒトミは真剣その物となった表情で頷き、ミッキーの手当てを改めて開始する
「なぁレイ、白凰とシュージさんは?」
ソラがミッキーを心配しながらも、隣で壁にもたれている俺に聞いた。
「今アンチネス達を偵察してる。」
ソラとリアスがその言葉に頷くと、格納庫に誰かが入ってきた。白凰だ。こちらに向かって走ってくる。
「白凰、状況は?」
「レイ、大変だ。アンチネス達がこの城を占領しつつある!」
「何だって!?」
その質問に白凰は答え、その解答にソラは驚く。しかも白凰の話ではシュージがたった一人でアンチネス達の侵食を食い止めているらしい。ソラはいてもたってもいられなくなり、黙って外に向かって走り出した。それを黙って見送った俺は1度倒れているミッキーを見る。身体の一部が凍り付き、ヒトミのケアルガをもってしても全然傷が癒えない。それどころかどんどん身体が凍り付いていき、このままではミッキーは氷の塊となって死んでしまう。
「王様!しっかりして!」
ヒトミが治療しながら呼び掛けるも、ミッキーがその目を開く気配はなく、心臓の鼓動さえ不安定な物になってきた。ヒトミは治療を止めてレイの方へ歩いていき、なんと目の前で頭を深く下げた。それには流石に白凰も驚き、音を立ててこぼれ落ちたヒトミの涙を確かに感じた。
「ごめんなさい…………お兄ちゃん…………私は、私はっ…………お兄ちゃんの、この世で一番大好きな人の友達を救えそうにないっ!!私ではっ、王様を救えないっ!お兄ちゃん……みんな…………本当にごめんなさい………!」
何度も何度もヒトミの目から流れ落ちる涙を見て、この場にいる全員がヒトミの気持ちを理解した。ヒトミは誰よりもブラコンである為、俺や大切な友達もまた家族同然であった為、ヒトミは今こんなにも辛いのだ。涙を流し頭を下げ続けるヒトミを見て彼女の頭を優しく撫でた。
「…………お兄ちゃん?」
ヒトミは顔を上げ、俺の顔を見詰める。自身の表情は闘気に満ち溢れた物だった。俺はその右手で優しくヒトミの涙を拭き取り、言った。
「救えないというのは………力のないやつの事だ。」
ヒトミはその言葉の意味を噛みしめ、頷く。俺はヒトミに背を向け、格納庫の出口前に立って言った。
「だが、」
遠くからヒトミの顔を見て、言った。
「自分の弱さを認めたなら、そいつは力があるやつだ。」
そう言って外に走っていった。白凰もそのあとを追いかける。ヒトミは自分の言葉で砕かれていた希望を取り戻し、ミッキーの手当てを再開した。その様子を見たリアスはヒトミにこう言った
「ねぇ、良ければ僕も手伝うよ。回復は得意なんだ。」
ヒトミは真剣その物となった表情で頷き、ミッキーの手当てを改めて開始する