CHAPTER26【植え付けられた闇】
ソラ達の前に突如現れた謎の女性、ヘルツがついにそのフードを外し、素顔を現した。それを見たソラは衝撃を受けた。腰のあたりまで延びた赤い髪、光を失い、白黒部分が反転した青い瞳。ソラは思わず叫んだ。
「カイリ!?」
そう。ヘルツの正体はベクセスに浚われ、行方不明となっていたカイリだった。しかし、そんな事ソラには信じられなかった。現に姿も全然違って見える。しかも心から光だけでなく闇も感じる。カイリはセブンプリンセスと呼ばれる純粋な光の心を持つ七人の一人なので、別人だろうと思った。だが、ヘルツが放った言葉によって、その思想は打ち砕かれる事になる。
「どうしたの?ソラ。」
明らかにカイリの声だ。見た目はかなり変化しているが、紛れもなくソラのよく知るあのカイリであった。この時ソラは思った。
(まさか、ベクセスに何かされたのか!?)
そうとしか考えられなかった。あのカイリが俺達を襲うはずがない。そうソラは思い、未だに信じられないでいた。
「ソラ。目の前の真実から逃げるの?」
ソラの思考を読んだかのようにヘルツが言う。ヘルツの言うとおりだ。今ソラは目の前の真実から逃げようとしている。認めたくても認められない事なのだ。あのカイリが、敵にまわるなんて………。
「さ・て・と、」
ヘルツが軽く指を鳴らすと、謁見室の天上を突き破り、そこから影の巨人のようなハートレス、ダークサイドが現れた。ヘルツはダークサイドを見上げてソラに言う。
「懐かしいでしょ?あのとき島を襲ったハートレスだよ。」
「カイリ…………!」
ソラは逃げるヘルツを追いかけようとするが、ダークサイドに阻まれ、ヘルツは何処かに消えてしまった。どうやらダークサイドを倒すしか無いようだ。
一方、ヒトミとリアスは、たった今ミッキーの治療が終わったばかりだった。ミッキーはまだ目を覚まさないが、身体が少しずつ凍り付く現象はなんとか収まった。
「ふう、やったね!」
「うん!」
ヒトミとリアスはミッキーの健康体に戻ったばかりの寝顔を見て少し安心した。ヒトミが近くにあった椅子に座り込み言った
「お兄ちゃん達、大丈夫かな?」
「大丈夫さ。何せ、彼らはキーブレード使いだからね。」
その言葉にヒトミは安心感と言うものを持ち、笑顔で頷いた。今のところは格納庫にはアンチネスやハートレスは現れていないようだ。リアスはミッキーをちらっと見てから、少し考え込む。
(大丈夫さ。敵にキーブレード使いが現れなければね………。)
その頃、ヘルツが城の廊下を歩いていると、正面扉からベクセスが出てきて、ベクセスがヘルツに聞く。
「どうだった?ソラは。」
「やっぱり何も知らなかった……。」
「でしょうね。」
そう言うとベクセスはこの場には二人しかいないが、ヘルツ以外誰にも聞こえないくらい小さな声でささやいた。
「良い?ソラは貴女の事なんか見ていない。だから、復讐してやるのよ。良いわね?」
「……………………はい……。」
二人がそんなやりとりを終えると、ベクセスは闇の回廊を開き、何処かへ行ってしまった。ヘルツはベクセスを見送ると、ヘルツもまた何処かへ歩いて行った。その先はD班のいる部屋だ。ヘルツは実は数時間前にベクセスからとある命令を下されていた。
『良い?光の勢力の中に、貴女によく似た女がいるから、そいつを始末して。』
『………それに何か意味があるのですか?』
『……今はまだ言えないけど、ダークエンド様が言うには、いつか邪魔な存在になるんですって。』
『…………わかりました。』
ヘルツは例の部屋の扉の前に立ち、武器を構えた。それは狼を模したような暗黒の力に満ちたキーブレードだった
「カイリ!?」
そう。ヘルツの正体はベクセスに浚われ、行方不明となっていたカイリだった。しかし、そんな事ソラには信じられなかった。現に姿も全然違って見える。しかも心から光だけでなく闇も感じる。カイリはセブンプリンセスと呼ばれる純粋な光の心を持つ七人の一人なので、別人だろうと思った。だが、ヘルツが放った言葉によって、その思想は打ち砕かれる事になる。
「どうしたの?ソラ。」
明らかにカイリの声だ。見た目はかなり変化しているが、紛れもなくソラのよく知るあのカイリであった。この時ソラは思った。
(まさか、ベクセスに何かされたのか!?)
そうとしか考えられなかった。あのカイリが俺達を襲うはずがない。そうソラは思い、未だに信じられないでいた。
「ソラ。目の前の真実から逃げるの?」
ソラの思考を読んだかのようにヘルツが言う。ヘルツの言うとおりだ。今ソラは目の前の真実から逃げようとしている。認めたくても認められない事なのだ。あのカイリが、敵にまわるなんて………。
「さ・て・と、」
ヘルツが軽く指を鳴らすと、謁見室の天上を突き破り、そこから影の巨人のようなハートレス、ダークサイドが現れた。ヘルツはダークサイドを見上げてソラに言う。
「懐かしいでしょ?あのとき島を襲ったハートレスだよ。」
「カイリ…………!」
ソラは逃げるヘルツを追いかけようとするが、ダークサイドに阻まれ、ヘルツは何処かに消えてしまった。どうやらダークサイドを倒すしか無いようだ。
一方、ヒトミとリアスは、たった今ミッキーの治療が終わったばかりだった。ミッキーはまだ目を覚まさないが、身体が少しずつ凍り付く現象はなんとか収まった。
「ふう、やったね!」
「うん!」
ヒトミとリアスはミッキーの健康体に戻ったばかりの寝顔を見て少し安心した。ヒトミが近くにあった椅子に座り込み言った
「お兄ちゃん達、大丈夫かな?」
「大丈夫さ。何せ、彼らはキーブレード使いだからね。」
その言葉にヒトミは安心感と言うものを持ち、笑顔で頷いた。今のところは格納庫にはアンチネスやハートレスは現れていないようだ。リアスはミッキーをちらっと見てから、少し考え込む。
(大丈夫さ。敵にキーブレード使いが現れなければね………。)
その頃、ヘルツが城の廊下を歩いていると、正面扉からベクセスが出てきて、ベクセスがヘルツに聞く。
「どうだった?ソラは。」
「やっぱり何も知らなかった……。」
「でしょうね。」
そう言うとベクセスはこの場には二人しかいないが、ヘルツ以外誰にも聞こえないくらい小さな声でささやいた。
「良い?ソラは貴女の事なんか見ていない。だから、復讐してやるのよ。良いわね?」
「……………………はい……。」
二人がそんなやりとりを終えると、ベクセスは闇の回廊を開き、何処かへ行ってしまった。ヘルツはベクセスを見送ると、ヘルツもまた何処かへ歩いて行った。その先はD班のいる部屋だ。ヘルツは実は数時間前にベクセスからとある命令を下されていた。
『良い?光の勢力の中に、貴女によく似た女がいるから、そいつを始末して。』
『………それに何か意味があるのですか?』
『……今はまだ言えないけど、ダークエンド様が言うには、いつか邪魔な存在になるんですって。』
『…………わかりました。』
ヘルツは例の部屋の扉の前に立ち、武器を構えた。それは狼を模したような暗黒の力に満ちたキーブレードだった