CHAPTER30【闇の力を】
リアスの後を追ってたどり着いた場所は、崩壊したプラズマイトだった。以前セイだった頃のディアとこの場所で戦った。その時にこの街はχブレードの暴走に巻き込まれ、跡形もなく崩壊したのだ。
「ディアス君。」
リアスがプラズマイトの有り様を見つめながら俺を呼ぶ。現在時刻は6時。そろそろ日が落ちそうだ。
「君は、自分をどう思っている?」
こちらの方を見る事はなく、崩壊したプラズマイトを見つめたままリアスは俺に聞いた。突然俯き、握り拳が強く揺れる。
「俺は、…………みんなを守れなかった……!もうみんなを傷付けたく無いのに、俺がいると逆にみんなが傷付いてしまう……!俺は、どうしたら良いんだ?俺は何時までも弱いままなのか!?」
その言葉を涙とともに解き放つと、アースの夕日を見上げ、震えた声で呟いた。
「誰か、教えてくれよ………!」
そう言い切ると、自分の目から流れていた涙が止まった。自分自身はまだ悲しいのだが、どれだけ嘆いても涙さえ流れなくなった。どうしようか、この際みんなに嫌われてしまおうか。そうすればみんな俺を避けて、危険な目に合わないですむはず。そう思った。今の自分にはかつての前向きな心は存在しない。明るさも、何もかも、全て無くした今の俺はレイではないと言った方が良いだろう。自分を失った俺はもうどうすれば良いのかわからない。現に今とても不安そうな表情をしている。その表情を見て、リアスは言った
「自分を失ったんだね。」
まるで自分の思考を読み取ったかのようなリアスの発言にレイは驚き、やっと顔を上げた。
「そして君は、自分が嫌われてでもみんなを守ろうとしている。違う?」
自分の考えている事がとことん読まれていて、俺はただただ頷くしか無かった。一体何故リアスはここまで自分の考えている事がわかるのか俺には謎だらけだ。リアスは突如、右手から1つのキーブレードを出現させた。それは、巨大で邪悪なダイヤモンドが埋め込まれており、悪魔の翼と天使の翼が入り交じったような姿だった。
「これは?」
そのキーブレードを見て、俺は強大な闇の力をそのキーブレードから感じ取っていた。リアスはそのキーブレードを上空に放り投げ、なんとキーブレードが中に浮いた。
「これは【ブラックパラデス】。暗黒の力を持つとされるキーブレード。」
リアスはこの邪悪なキーブレード、ブラックパラデスについて語り始める。
「かつてファイブ・ブレード伝説に出てくる暗黒竜が5人のキーブレード使いの持つキーブレードをコピーし、闇のみで産み出した、史上最悪のキーブレード。手にした者は闇の力を意のままに操れるが、ブラックパラデスに意思を乗っ取られる。」
「………。」
「そんな感じに、あまりにも凶悪すぎて、ファイブ・ブレード闇の勇者であるシリカが自分の闇の力全てを使い果たし、封印したとされている。でも、あまりにも凶悪だから、一般に知られている伝説の中では出てこない。つまり、より深い歴史を調べない限りその存在を知る事が出来ない、虚悪の存在。」
リアスの解説を聞き、改めて俺はブラックパラデスを見る。闇の力を感じるが、それ以上に強大な力も感じる。
(俺は今まで、みんなを守れなかった。それは力が無かったから。もしブラックパラデスを、闇の力を手にいれれば、俺は、強くなれる!!)
自身のキーブレード“だった”レイムチェーンのキーチェーンが地面に落ちる音が響いた。そして、キーブレードに代わりについていたキーチェーンはブラックパラデスの物だった。そして、キーブレードはみるみるその姿を変え、やがてブラックパラデスの姿になった。
「おめでとう。これで君は、強くなった。」
「あぁ、そうだね。ありがとうリアス。」
この瞬間、自分自身は変わってしまった。そのまま二人はプラズマイトを去り、レイムチェーンのキーチェーンは廃墟に取り残された
「ディアス君。」
リアスがプラズマイトの有り様を見つめながら俺を呼ぶ。現在時刻は6時。そろそろ日が落ちそうだ。
「君は、自分をどう思っている?」
こちらの方を見る事はなく、崩壊したプラズマイトを見つめたままリアスは俺に聞いた。突然俯き、握り拳が強く揺れる。
「俺は、…………みんなを守れなかった……!もうみんなを傷付けたく無いのに、俺がいると逆にみんなが傷付いてしまう……!俺は、どうしたら良いんだ?俺は何時までも弱いままなのか!?」
その言葉を涙とともに解き放つと、アースの夕日を見上げ、震えた声で呟いた。
「誰か、教えてくれよ………!」
そう言い切ると、自分の目から流れていた涙が止まった。自分自身はまだ悲しいのだが、どれだけ嘆いても涙さえ流れなくなった。どうしようか、この際みんなに嫌われてしまおうか。そうすればみんな俺を避けて、危険な目に合わないですむはず。そう思った。今の自分にはかつての前向きな心は存在しない。明るさも、何もかも、全て無くした今の俺はレイではないと言った方が良いだろう。自分を失った俺はもうどうすれば良いのかわからない。現に今とても不安そうな表情をしている。その表情を見て、リアスは言った
「自分を失ったんだね。」
まるで自分の思考を読み取ったかのようなリアスの発言にレイは驚き、やっと顔を上げた。
「そして君は、自分が嫌われてでもみんなを守ろうとしている。違う?」
自分の考えている事がとことん読まれていて、俺はただただ頷くしか無かった。一体何故リアスはここまで自分の考えている事がわかるのか俺には謎だらけだ。リアスは突如、右手から1つのキーブレードを出現させた。それは、巨大で邪悪なダイヤモンドが埋め込まれており、悪魔の翼と天使の翼が入り交じったような姿だった。
「これは?」
そのキーブレードを見て、俺は強大な闇の力をそのキーブレードから感じ取っていた。リアスはそのキーブレードを上空に放り投げ、なんとキーブレードが中に浮いた。
「これは【ブラックパラデス】。暗黒の力を持つとされるキーブレード。」
リアスはこの邪悪なキーブレード、ブラックパラデスについて語り始める。
「かつてファイブ・ブレード伝説に出てくる暗黒竜が5人のキーブレード使いの持つキーブレードをコピーし、闇のみで産み出した、史上最悪のキーブレード。手にした者は闇の力を意のままに操れるが、ブラックパラデスに意思を乗っ取られる。」
「………。」
「そんな感じに、あまりにも凶悪すぎて、ファイブ・ブレード闇の勇者であるシリカが自分の闇の力全てを使い果たし、封印したとされている。でも、あまりにも凶悪だから、一般に知られている伝説の中では出てこない。つまり、より深い歴史を調べない限りその存在を知る事が出来ない、虚悪の存在。」
リアスの解説を聞き、改めて俺はブラックパラデスを見る。闇の力を感じるが、それ以上に強大な力も感じる。
(俺は今まで、みんなを守れなかった。それは力が無かったから。もしブラックパラデスを、闇の力を手にいれれば、俺は、強くなれる!!)
自身のキーブレード“だった”レイムチェーンのキーチェーンが地面に落ちる音が響いた。そして、キーブレードに代わりについていたキーチェーンはブラックパラデスの物だった。そして、キーブレードはみるみるその姿を変え、やがてブラックパラデスの姿になった。
「おめでとう。これで君は、強くなった。」
「あぁ、そうだね。ありがとうリアス。」
この瞬間、自分自身は変わってしまった。そのまま二人はプラズマイトを去り、レイムチェーンのキーチェーンは廃墟に取り残された