チーム戦・3
「さて。前回でチーム紹介も終わった事だし、いよいよゲームスタートと――」
ようやくゲームを始めようとナナが話を進めていると、急に抗議の声が上がった。
「その前に、俺の技はどうなるのさ!! 本編じゃまだ一つも出てないよ!?」
「そうよね…私も出番が少ない分、皆と比べて技はそんなに無い方だし」
「貴方はその分優遇されているではないか!! 妾の技もどうなると言うのだ!!」
「あたしも出番まだ一回しかないんだけど!!」
声の主は、本編では殆ど出番が無いレイシャ、スピカ、ゼノ、ガイアだ。
レイシャ、ゼノ、ガイアは物語に関する謎を含ませている為出番がかなり少なく、戦闘シーンは未だ皆無。スピカも最強と謳われている分、出番が少なくちゃんとした戦闘シーンも一回きりなのだ。
「そこは大丈夫。レイシャとゼノは闇の技メイン。ガイアも炎の技メインが使えます。武器も用意してますし、他のキャラもネタバレしない程度での技を使えるように手配しますから」
「スピカに関しても基本的な魔法とウィドの剣技全部使えるようにしますので」
こうしてそれぞれの作者の補足説明が終わると、ナナが両手を広げた。
「それじゃ、追加の説明が終わった所で――今度こそゲームスタートと行きましょう! まずは【ヒーロー&ヒロイン】から始めっ!!」
このナナの掛け声を合図に、最初に動いたのはグラッセだった。
「よし! まずは俺とリズで――!」
「行くわよ、ムーン!! 広範囲の魔法なんてされたら相手にポイント入っちゃう!!」
「分かったぜ、リズ!! 悪いなグラッセ!」
やる気満々でグラッセが振り返った直後、リズとムーンがそれぞれ武器を持って全速力でキノコへと向かう。
この光景に、グラッセはその場でしゃがみ込んで床にのの字を書きこんだ。
「いいさ…どうせ俺なんてひ弱で役に立たない足を引っ張るだけの魔導師だよ…」
「グラッセ、生きていればきっと良い事があるから…!!」
ズーンと重くて黒いオーラを纏うグラッセを、シャオが必死で宥める。
その間にも、二人は技を使う事無く通常攻撃でキノコの体力を減らそうとする。
「やぁ!」
「おらぁ!」
二人がキノコに攻撃している間、待機しているメンバーはそれぞれ用意された席で取りつけられているモニターに表示されるHPメーターを見ていた。
「二人がかりの攻撃なのに、なかなかHPが減らないな…」
「そりゃあ、防御力や回復スピードを高めていますからね〜」
攻撃力のあるムーンやリズの攻撃でもなかなか減らない状況にテラが愚痴を零すと、ナナが鼻歌交じりに答える。
「仕方ない、ダークドロップ!!」
「同じく! うらぁ!!」
二人同時に闇の踵落としをキノコに喰わらせると、攻撃が効いて先程よりも大きくゲージが減る。
「ようやく半分切った! 二人とも残り15秒よ!!」
今の状況をアクアがモニターを見ながら教えると、ムーンは顔を歪ませる。
「このままじゃ間に合わない…!」
「どうするー? ちまちまと攻撃してある程度ポイント取るか…それとも大技ぶっ放すかの二つに一つだよ?」
「だったら…!」
ニヤニヤしながらリラが声をかけると、リズはキノコを睨みながらキーブレードに風の力を纏わせる。
「大技で一気に取ってやろうじゃない!! トルネドォ!!」
キーブレードを掲げ、キノコを中心に巨大な竜巻を発生させる。
リズの魔法によりキノコのHPは一気に削られ、残り5秒と言う所でキノコが目を覚まして花火が上がった。
「よし、10ポイント獲得だ!」
「頑張ったわね、二人とも!」
テラがガッツポーズを作る横で、アクアは戻ってくるリズとムーンに笑顔を見せた。
「次は【そっくりさん】の番「その前に質問いいか?」ハイ?」
リラがソラ達を見ていると、急にロクサスが話しかけてきた。
「作品に登場していない技が使えるんだから、それぞれの作品の設定とかも使えたり出来るのか?」
「ん〜、そうだね…一応この話では合同した番外編での設定も混ぜているから、出来ると言えば出来るかな」
「へー、そうか…!」
ナナが答えると、何故かロクサスは真っ黒な笑みを浮かべる。
そんな事に気付いてないのか、同じメンバーのソラは意気揚々とリクに声をかけた。
「よーし! リク、一緒に…!!」
「「いや、ここは俺に任せてくれ」」
「ロクサス?」
「ヴェンもどうしたの?」
ソラを押しのけて前に出るロクサスとヴェンに、シオンだけでなくカイリも疑問を浮かべる。
「まあいいから」
「それじゃ…行くよ!!」
ヴェンの掛け声を合図に、ロクサスは二刀流となって一気にキノコへと駆け込む。
すると、二人とも通常攻撃にも関わらずキノコをタコ殴りにしているではないか。
「何か二人とも強くない!?」
「ロクサスに至っては使えない技とか使ってる気がするんだけど!!」
「ヴェントゥスもロクサスもあんな強さだったか!?」
モニターを見なくてもHPが減っているのが分かり、ソラとシオンとヴァニタスが唖然としながら叫ぶ。
しかも周りを見ると、何故か機関メンバーは真っ黒な笑みを浮かべているロクサスを見て遠い目をしたり真っ青になって身体を振るわせたりと明らかに畏怖している。
二人の異常な強さに誰もが疑問を浮かべる中、ナナはある事を思い出した。
「リラさん!! ロクサスもヴェントゥスもどんな強さ設定にしてんですかぁ!!?」
こうした原因であろうリラに叫ぶと、目を逸らしながらしどろもどろになった。
「えーと、ね…ロクサスは別名魔王、ヴェントゥスも偽天使と…」
「ああ、だから機関の人達震えあがっているんだ…――じゃなくて!! あだ名が魔王とか偽天使とかリラさんあんまりじゃないですか!! ほら、10秒足らず! しかも技一つも使わないで終わってますよ!?」
ナナが怒鳴りながらキノコを指すと、ボロボロの状態のキノコが花火を打ち上げていた所だった。
すると、今の言葉にムッとしたのかリラは反論を上げる。
「そう言うナナさんだって、スピカさんとかウィドさんとか人の事言えないじゃないですか!! あの姉弟の強さはどう見たって魔物…いや、寧ろ化け物レベルですよ!?」
「スピカは仕方ないとして、ウィドは総合メンバーの中では下から数えた方が早いほど弱いですからね!! あくまでも強くなるのはギャグ設定のみなんですから!!」
「あの二人、一度しばき倒した方が良いみたいですね…!!」
「誰かナイツオブラウンドの魔石持ってない?」
「二人とも落ち着け!?」
「あの作者を有利にする気か!?」
作者二人の言い合いに、ウィドは拳を鳴らしスピカに至ってはとんでもないオーラを纏ってFF音ゲー最新作で出演した最強召喚獣を呼び出そうとする。
すぐにアクセルとエンが思いとどまらせようとする中、シグバールは遠い目をしていた。
「お前さん…あの女と結婚するのは止めた方がいいってハナシだ」
「俺もそう思った…」
必死で妻となる人物を宥める未来の自分を見て、クウはスピカに関する好感度が下がったとか。
「何がともあれ、次は【裏切り者】のターン!!」
「さーて、ラクシーヌ! アタイら女子の強さ、見せてやろうじゃないか!」
「もちろんよ。それじゃ…行くわよ!!」
ラックがハルバードサイズを構えると、ラクシーヌもナイフを構える。
すると、その場でラクシーヌの姿が消える。次の瞬間、キノコの両側から二人に増えた状態で現れた。
「「そらそらそらぁ!!」」
二人がかりでキノコに襲いかかるラクシーヌに、サイクスは関心を見せた。
「なるほど、力が弱い部分を分身でカバーしているのか」
「それだけじゃないようだ」
マールーシャがラクシーヌに注目していると、手に電気を溜めていた。
「「雷よっ!!」」
周りのキノコに当てないよう、分身も合わせてサンダラを放つ。
HPが削られただけでなく、キノコに電撃が纏わりついて『帯電』状態となった。
「あとは任せなぁ!!! うぉりゃあ!!」
ラクシーヌと入れ替わる様に、ラックが渾身の一撃を放つ。
すると『帯電』によって更なるダメージを負い、残り10秒と言う所で花火が上がった。
「よし、アタイ達も10ポイントゲットだ!!」
「何よ、意外と簡単じゃない」
「それはどうかなぁ…」
喜ぶラックとラクシーヌを尻目に、ナナはニヤリと黒い笑みを浮かべていた。
ようやくゲームを始めようとナナが話を進めていると、急に抗議の声が上がった。
「その前に、俺の技はどうなるのさ!! 本編じゃまだ一つも出てないよ!?」
「そうよね…私も出番が少ない分、皆と比べて技はそんなに無い方だし」
「貴方はその分優遇されているではないか!! 妾の技もどうなると言うのだ!!」
「あたしも出番まだ一回しかないんだけど!!」
声の主は、本編では殆ど出番が無いレイシャ、スピカ、ゼノ、ガイアだ。
レイシャ、ゼノ、ガイアは物語に関する謎を含ませている為出番がかなり少なく、戦闘シーンは未だ皆無。スピカも最強と謳われている分、出番が少なくちゃんとした戦闘シーンも一回きりなのだ。
「そこは大丈夫。レイシャとゼノは闇の技メイン。ガイアも炎の技メインが使えます。武器も用意してますし、他のキャラもネタバレしない程度での技を使えるように手配しますから」
「スピカに関しても基本的な魔法とウィドの剣技全部使えるようにしますので」
こうしてそれぞれの作者の補足説明が終わると、ナナが両手を広げた。
「それじゃ、追加の説明が終わった所で――今度こそゲームスタートと行きましょう! まずは【ヒーロー&ヒロイン】から始めっ!!」
このナナの掛け声を合図に、最初に動いたのはグラッセだった。
「よし! まずは俺とリズで――!」
「行くわよ、ムーン!! 広範囲の魔法なんてされたら相手にポイント入っちゃう!!」
「分かったぜ、リズ!! 悪いなグラッセ!」
やる気満々でグラッセが振り返った直後、リズとムーンがそれぞれ武器を持って全速力でキノコへと向かう。
この光景に、グラッセはその場でしゃがみ込んで床にのの字を書きこんだ。
「いいさ…どうせ俺なんてひ弱で役に立たない足を引っ張るだけの魔導師だよ…」
「グラッセ、生きていればきっと良い事があるから…!!」
ズーンと重くて黒いオーラを纏うグラッセを、シャオが必死で宥める。
その間にも、二人は技を使う事無く通常攻撃でキノコの体力を減らそうとする。
「やぁ!」
「おらぁ!」
二人がキノコに攻撃している間、待機しているメンバーはそれぞれ用意された席で取りつけられているモニターに表示されるHPメーターを見ていた。
「二人がかりの攻撃なのに、なかなかHPが減らないな…」
「そりゃあ、防御力や回復スピードを高めていますからね〜」
攻撃力のあるムーンやリズの攻撃でもなかなか減らない状況にテラが愚痴を零すと、ナナが鼻歌交じりに答える。
「仕方ない、ダークドロップ!!」
「同じく! うらぁ!!」
二人同時に闇の踵落としをキノコに喰わらせると、攻撃が効いて先程よりも大きくゲージが減る。
「ようやく半分切った! 二人とも残り15秒よ!!」
今の状況をアクアがモニターを見ながら教えると、ムーンは顔を歪ませる。
「このままじゃ間に合わない…!」
「どうするー? ちまちまと攻撃してある程度ポイント取るか…それとも大技ぶっ放すかの二つに一つだよ?」
「だったら…!」
ニヤニヤしながらリラが声をかけると、リズはキノコを睨みながらキーブレードに風の力を纏わせる。
「大技で一気に取ってやろうじゃない!! トルネドォ!!」
キーブレードを掲げ、キノコを中心に巨大な竜巻を発生させる。
リズの魔法によりキノコのHPは一気に削られ、残り5秒と言う所でキノコが目を覚まして花火が上がった。
「よし、10ポイント獲得だ!」
「頑張ったわね、二人とも!」
テラがガッツポーズを作る横で、アクアは戻ってくるリズとムーンに笑顔を見せた。
「次は【そっくりさん】の番「その前に質問いいか?」ハイ?」
リラがソラ達を見ていると、急にロクサスが話しかけてきた。
「作品に登場していない技が使えるんだから、それぞれの作品の設定とかも使えたり出来るのか?」
「ん〜、そうだね…一応この話では合同した番外編での設定も混ぜているから、出来ると言えば出来るかな」
「へー、そうか…!」
ナナが答えると、何故かロクサスは真っ黒な笑みを浮かべる。
そんな事に気付いてないのか、同じメンバーのソラは意気揚々とリクに声をかけた。
「よーし! リク、一緒に…!!」
「「いや、ここは俺に任せてくれ」」
「ロクサス?」
「ヴェンもどうしたの?」
ソラを押しのけて前に出るロクサスとヴェンに、シオンだけでなくカイリも疑問を浮かべる。
「まあいいから」
「それじゃ…行くよ!!」
ヴェンの掛け声を合図に、ロクサスは二刀流となって一気にキノコへと駆け込む。
すると、二人とも通常攻撃にも関わらずキノコをタコ殴りにしているではないか。
「何か二人とも強くない!?」
「ロクサスに至っては使えない技とか使ってる気がするんだけど!!」
「ヴェントゥスもロクサスもあんな強さだったか!?」
モニターを見なくてもHPが減っているのが分かり、ソラとシオンとヴァニタスが唖然としながら叫ぶ。
しかも周りを見ると、何故か機関メンバーは真っ黒な笑みを浮かべているロクサスを見て遠い目をしたり真っ青になって身体を振るわせたりと明らかに畏怖している。
二人の異常な強さに誰もが疑問を浮かべる中、ナナはある事を思い出した。
「リラさん!! ロクサスもヴェントゥスもどんな強さ設定にしてんですかぁ!!?」
こうした原因であろうリラに叫ぶと、目を逸らしながらしどろもどろになった。
「えーと、ね…ロクサスは別名魔王、ヴェントゥスも偽天使と…」
「ああ、だから機関の人達震えあがっているんだ…――じゃなくて!! あだ名が魔王とか偽天使とかリラさんあんまりじゃないですか!! ほら、10秒足らず! しかも技一つも使わないで終わってますよ!?」
ナナが怒鳴りながらキノコを指すと、ボロボロの状態のキノコが花火を打ち上げていた所だった。
すると、今の言葉にムッとしたのかリラは反論を上げる。
「そう言うナナさんだって、スピカさんとかウィドさんとか人の事言えないじゃないですか!! あの姉弟の強さはどう見たって魔物…いや、寧ろ化け物レベルですよ!?」
「スピカは仕方ないとして、ウィドは総合メンバーの中では下から数えた方が早いほど弱いですからね!! あくまでも強くなるのはギャグ設定のみなんですから!!」
「あの二人、一度しばき倒した方が良いみたいですね…!!」
「誰かナイツオブラウンドの魔石持ってない?」
「二人とも落ち着け!?」
「あの作者を有利にする気か!?」
作者二人の言い合いに、ウィドは拳を鳴らしスピカに至ってはとんでもないオーラを纏ってFF音ゲー最新作で出演した最強召喚獣を呼び出そうとする。
すぐにアクセルとエンが思いとどまらせようとする中、シグバールは遠い目をしていた。
「お前さん…あの女と結婚するのは止めた方がいいってハナシだ」
「俺もそう思った…」
必死で妻となる人物を宥める未来の自分を見て、クウはスピカに関する好感度が下がったとか。
「何がともあれ、次は【裏切り者】のターン!!」
「さーて、ラクシーヌ! アタイら女子の強さ、見せてやろうじゃないか!」
「もちろんよ。それじゃ…行くわよ!!」
ラックがハルバードサイズを構えると、ラクシーヌもナイフを構える。
すると、その場でラクシーヌの姿が消える。次の瞬間、キノコの両側から二人に増えた状態で現れた。
「「そらそらそらぁ!!」」
二人がかりでキノコに襲いかかるラクシーヌに、サイクスは関心を見せた。
「なるほど、力が弱い部分を分身でカバーしているのか」
「それだけじゃないようだ」
マールーシャがラクシーヌに注目していると、手に電気を溜めていた。
「「雷よっ!!」」
周りのキノコに当てないよう、分身も合わせてサンダラを放つ。
HPが削られただけでなく、キノコに電撃が纏わりついて『帯電』状態となった。
「あとは任せなぁ!!! うぉりゃあ!!」
ラクシーヌと入れ替わる様に、ラックが渾身の一撃を放つ。
すると『帯電』によって更なるダメージを負い、残り10秒と言う所で花火が上がった。
「よし、アタイ達も10ポイントゲットだ!!」
「何よ、意外と簡単じゃない」
「それはどうかなぁ…」
喜ぶラックとラクシーヌを尻目に、ナナはニヤリと黒い笑みを浮かべていた。