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R旅館へようこそ

NANA

INDEX

  • あらすじ
  • 01 第一日目・1
  • 02 第一日目・2
  • 03 第一日目・3
  • 04 第一日目・4
  • 05 チーム戦・1
  • 06 チーム戦・2
  • 07 チーム戦・3
  • 08 チーム戦・4
  • 09 チーム戦・5
  • 10 チーム戦・6
  • 11 チーム戦・7
  • 12 チーム戦・8
  • 13 チーム戦・9
  • 14 チーム戦・10
  • 15 チーム戦・11
  • 16 チーム戦・12
  • 17 部屋割り&温泉編・1
  • 18 部屋割り&温泉編・2
  • 19 部屋割り&温泉編・3
  • 20 【KH2.5 HD】発売記念・番外編
  • 21 第一日目・夕食編
  • 22 演劇イベント編・1
  • 23 演劇イベント編・2
  • 24 演劇イベント編・3
  • 25 演劇イベント編・4
  • 26 演劇イベント編・5&【T20周年記念イベント・前編】
  • 27 【T20周年記念イベント・中編】
  • 28 【T20周年記念イベント・後編】
  • 29 演劇イベント編・6
  • 30 演劇イベント編・7(殆どがオマケです)
  • 31 新年特別編・禁断のぶっちゃけキャラトーク!(前編)
  • 32 新年特別編・禁断のぶっちゃけキャラトーク!(中編)
  • 33 新年特別編・禁断のぶっちゃけキャラトーク!(後編)
  • 演劇イベント編・2


    【キングダムハーツ 始まりのチルドレン】 《最終話 ―安息の日々を―》



     ]V機関の起こした全ての事件も解決した、ディスティニーアイランドの離れ小島。
     夕日に照らされる砂浜で、リズ・グラッセ・ムーンはある話をしていた。

    『グラッセ…本当にいいの?』

    『あぁ、もう決めたんだ』

     不安げなリズに、グラッセは決意したように大きく頷く。
     そして、目の前の二人に宣言した。

    『みんなの記憶から、父さんやリクさん……それにさまざまなキーブレードの勇者に関する記憶を人々から消し去る。そうすれば、もう勇者とか血筋とか関係がなくなるだろ?』

    『確かにキーブレードに関する記憶を消せば、持ち主だとしても二度とキーブレードは出せなくなる…いい判断ね、グラッセ』

    『だが、始めからキーブレードの勇者として育てられたお前は、みんなの記憶から消える事になるんだぞ? 俺やリズも同類だ。狭間や闇の世界で生きる者達以外は、全員忘れる』

     グラッセの意見に賛成なリズに対し、ムーンは不安を隠しきれずに念を押すようにグラッセを見る。
     しかし、それでもグラッセの心は変わらなかった。

    『構わないよ。リズやムーンが受けてきた苦しみや悲しみに比べれば、軽いもんだ。それに――』

     ここで何かを言おうとするが、グラッセはすぐに口を噤んで軽く首を振った。

    『――いや、何でもない。リズ、頼めるか?』

    『…分かったよ、グラッセ』

     グラッセの決意に、長年一緒だったリズは何を言っても無駄だと悟る。
     そして、リズは両手を光らせて記憶を操る力を発動させる。
     自分達に取って忌まわしき存在を跡形も無く砕く為に。



     ―――リズが記憶を操る…基、砕く力を発動させて数日が経った。
     全ての記憶を壊した事に成功した事を報告しようと、ムーンは仲間の所に行っている。
     そしてリズとグラッセの二人は、ディスティニーアイランドの夜の海岸で語り合っていた。

    『結構時間掛かったけど……どうにか、皆の記憶からキーブレードに関する記憶を砕けて良かったよ。これで光の世界にキーブレードは二度と現れる事は無いし!』

    『そうだな…――じゃあ、これで残るは最後の後始末だな』

    『エ…?』

     思わぬグラッセの言葉にリズが首を傾げると、キーブレードを取り出して…――そのまま自身の胸へと突き刺した。
     突然の事にリズが固まっていると、グラッセから心が飛び出す。その場でグラッセは倒れるが、残る力を振り絞る様にその心に向かって…氷結の魔法を放ち、粉々に砕いた。

    『グラッセ!? 何で…!!』

     すぐにリズが駆け寄り、消えようとしているグラッセを抱き起す。
     すると、身体が薄れる中でグラッセは弱々しくもリズへと笑いかけた。

    『実質上、俺は、最後の光の勇者だからな……心を、粉々にくだけば…お前を怯えさせる光は…完全に…根絶やし出来る…』

    『グラッセ…』

    『闇を糾弾させる…光の血筋は…俺で、終わらせる……そう、決めてたんだ…だから、これでいい…』

     最後までリズ達の事を思っての行動だと聞かされ、何時しか彼女の目に涙が浮かぶ。
     それを見ながら、グラッセは笑顔を向けた。

    『じゃあな、リズ……この新しい世界で…しっかり、いき、て…』

     最後まで言い終わらぬうちに、グラッセはリズの腕の中で光となって消えてしまった。

    『グラッセ…グラッセーーーーーーー!!!』



     ―――こうして一人の少年の心を犠牲にし、過去に起きたキーブレードの勇者の存在は人々の記憶から永劫に忘れられた。キーブレードも人々の前に、光の世界には二度と現れる事は無かった。
     その代わり、彼は狭間に生きる者達に安息の日々を与えた。彼女達は、決して忘れないだろう。
     グラッセと言う、最後のキーブレードの勇者の存在を…。




     今 過去 未来も 僕らが願っている夢の欠片 掴み取るまで Challenge the GAME

    (カードを指で挟んで立つリズを中心に作品内で登場する登場人物キャラがいる、ゆっくりとカメラがズームアウトして行きやがてカードの絵図になって銀河へと飛んでいく)


     《レディゴー!!》

    (掛け声と共に軽快な音楽が流れ、さまざまな登場キャラ達が登場しては消えていき、最後にアップでリズが映し出される)


     打ち壊せないくらいの問題が

    (学校の教室でリズの発言にグラッセの顔が真っ赤に染まっている)


     僕らをまた 試している

    (月夜のレイディアントガーデンの住宅街の中にグラッセが佇んでいる)


     君が胸に 抱き続ける心

    (トワイライトタウンの学校で笑顔のテルスと自信無さげのグラッセがアップで映る)


     信じ抜いて それが力になる

    (泣きじゃくるグラッセと握手するジェダイド、オリンポスコロシアムに降り立つグラッセ達、カヤとの出会いが映しだされる)


     涙を 流して 挫けそうでも

    (抵抗しようと藻掻く中で銀色の鎖が光るシーン、冥界でリズが闇を扱った事に驚くシーン、ダンスホール内で尋常じゃない量の闇を生産しているシーンが映される)


     絆で 明日を 繋いでいこう!

    (島でリズを背にアクセルと対峙するグラッセ達三人、コロシアムで対峙する四人、リズを守る様にマールーシャの攻撃をリフレガで防ぐグラッセが連続で映る)


     全て壊すんだ!

    (トランスの暴走でディスティニーアイランドの住宅街を無残に破壊する)






    「メガフレアァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!」






     ズガァアアアアアァアアアァァアアアアアアアァァアアアアァァン!!!!!





    「あー、折角作ったのにー」

    「私達の苦労まで全て壊してくれましたね」

    「これだから何時まで経ってもヒロイン扱いなんだよ」

    「まったくだわ、この頭の悪い単細胞め」

     爆発音と共に、オパール、ウィド、ウラノス、ゼノが半目となって文句を垂れる。
     そんな四人の前にはトランス状態となったグラッセと、今しがたステージ上で上映された映像機材だった残骸があった。

    「何でこんなにパッシング受けるの!? 文句言いたいのは俺の方だけど!! って言うか、何だよこの歌付きのエンディングは!!?」

    「遊○王ゼ○ル名物、追悼エンディングです」

     怒りで煮えたぎってるグラッセの問いに、ゼクシオンが爽やかな笑顔で答えた。

    「別名スタッフの悪ノリじゃないか!? それよりも、何でこんな不吉なもの作ったんだよ!!? しかも俺で、嘘っぱちエンドまで作り上げて!?」

    「今度の番外編で今のような製作の依頼が合ってね。ここでの演出も兼ねて、練習がてらに作ってみたのよ」

    「不憫ネタが似合いそうなのは、あなたしかいませんから〜」

    「俺はお前が大っ嫌いだからな」

    「妾も同文よ。どうせなら記憶無くすよりも、キーブレード使い全員を皆殺しにした後に自害する的な感じにしたかったのだけれど」

    「僕は唯面白そうだったので」

    「まともな理由なに一つないじゃないかぁぁぁ!!?」

     オパール、ウィド、ウラノス、ゼノ、ゼクシオンの答えに、ちょっとはマトモな答えを期待したグラッセは噴火寸前の雄叫びを上げた。
     まあ、勝手に自分の死亡エンドを作られた上に、追悼EDまで流されたのだ。グラッセのように怒っても仕方ないだろう。

    「作者!? こんな出し物、さすがに却下――!!」

     この5人だけは許さんと言わんばかりに、グラッセが作者二人に同意を求めようと振り返ると。

    「いやー、ナナさん。私が送った最終話部分を上手い具合に編集して作りましたねー」

    「隠すのにすっごく苦労しましたけどねー。ウィド達と話し合って、後は機械が得意なオパールが上手く編集して」

    「あ、そうだ。オパールさん、忘れない内に今の映像DVDに焼いてくれません? ネタ出しに役に立ちそうなので〜」

    「お前らも共犯かぁぁぁ!!!??」

     和気藹々と今の映像の出来を話す二人に、グラッセの怒りのボルテージは最高潮に達してしまった。

    「さて、幼なじみ君はほっといて…これはもう合格だよな」

     無視とばかりにウラノスがグラッセを押しのけ、自信ありげに作者二人に話す。
     この出し物は審査員である二人も進んで協力したのだ。もはや合格は当然だろう。

    「あ〜…その事何ですけど」

     だが、どう言う訳かナナは苦笑いをして目を背ける。
     それに続く様にリラも申し訳なさそうに頬を掻いて話をする。

    「実は、これ以外にも現時点で決まっている出し物の案を見たんですけど、どれもこれも良さげなのばっかりで…」

    「なので、急遽ルールを変更して採点は得点制にしようと思いまして」

    『『『『『はあああぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーっ!!!??』』』』』

     何の前触れもないルール変更に、グラッセ達だけでなく別室で話し合いしていたキャラ達も大広間へとなだれ込んでくる。
     そんな中、一番近くにいたウラノスがナナへと掴みかかった。

    「得点制ってどう言う事だよ!?」

    「それを今から説明します!? この演劇での出し物を、私とリラさんで非公開で採点します。全て終わった後に得点をランキングで発表し……得点の高い『2チーム』のみに、部屋の格上げを行います!」

    『『『『『2チーム!?』』』』』

    「チームによっては人数が多いのも含まれるんだから、当然でしょ」

     当然だと言わんばかりにリラが反論すると、ナナも補足を付け足す。

    「とにかく、変わったのは採点方法だけで演劇に関してのルールはそのままですのでご安心ください」

    「じゃあ、あたし達が作ったこの映像…」

    「どんな結果かは、最後までお預けと言う訳ですか」

    「って、この映像本当に出し物にするの!? こんなの合成だろ!? どう考えても演劇じゃない「いやいや、動画も立派な作品じゃないか」「そうそう。あんたは不憫で輝くキャラなんだから」お前らぁぁぁ!!!」

     オパールとゼクシオンが落胆しながら溜息を吐く横で、作者に弄られるグラッセであった…。

    14/11/01 23:15 NANA   

    ■作者メッセージ
    今回は急なルール変更となってしまいましたが、この後も繰り広げられる出し物にはさほど影響はありません。
    尚、今回ネタにした追悼EDに関しては、今月中にある番外編でまた出します。私の作品を読んでくれている人は、多分何日に出すか分かると思いますが…。
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