チーム戦・4
「とにかく、さっさと行きましょうか。次は【トリッカー】だっけ?」
リラが次のチームに目を向けると、準備万端なのかある二人が前に出た。
「それでは、私達のチームの策士が思いついた手札を使おうか」
「オッケー! 追撃は任せて!」
武器であるカードを手に微笑むルクソードに、幾つもの合成アイテムを持つオパール。
オパールはその場でしゃがみ込んで合成を始め、ルクソードはキノコに向かうと同時に軽く手を振るう。
「ギャンブラー!?」
突如、キノコの周りに現れた幾つもの配下ノーバディに驚くソラ。
すると、カヤが鼻を高くして説明した。
「『ノーバディを使ってはいけない』ってルールは無かったからな。威力は低めだが、ラクシーヌ達みたいに回復は防げる」
「そう言う事だ。はあぁ!!」
更に幾つもの巨大なカードも呼び出し、キノコに攻撃を仕掛けるルクソード。
ギャンブラーとカードの攻撃も合わさって着々とキノコの体力を減らし、残り時間10秒の所でオパールが立ち上がった。
「出来た!! ルクソード、頼むわよ!!」
その言葉を合図に、ルクソードは巨大なカードを何枚も呼び出して両端にいる他のキノコを覆い隠した。
「あたしのお気に入り!! ホワイトホール、サンダーボルト!!」
出来上がった二つの魔石を同時に投げつけると、キノコに向かって光の光線と電撃が広い範囲で襲い掛かる。
だが、カードのおかげで両端のキノコに攻撃は当たる事はなく、別チームの得点が上がるのを防いでいた。
「ルクソードのカードで攻撃を防ぐとは…」
「『他のキノコを守ってはいけない』なんてルールも何処にもないからなー」
この光景にテラが驚くと、この作戦を思いついたカヤがご機嫌になる。
そんな中、【トリッカー】のキノコはHPが0になったのか起き上がって花火を上げた。
「やった、10点獲得です!」
「さすがはカヤ。頭の出来が違いますね」
無事に満点を取ってジェダイトとゼクシオンが喜んでいると、リラが次のチームに目を向けた。
「この調子でパパッと進めるよー。【父子家庭】スタート!」
「では、ここは妾とレイシャで行くとしましょうか」
「そうだね…行くよ!」
ゼノとレイシャがそれぞれ武器であるキーブレードを取り出す。
そして先手必勝とばかりに、レイシャが一気にキノコへと迫って攻撃する。
「まずは回復を封じる! デスペリア・ベノム!!」
素早くゼノが魔法を唱えると、黒い瘴気を使ってキノコを毒状態にする。
こうして回復を防ぐ事に成功したのを見て、レイシャが動く。
「いち早く新技使わせて貰うよ!! シャドウスフィア!!」
「そして妾も…ダークヘイズ!! ダークファイガ!!」
レイシャは切先から次々と黒い球体を放ち、ゼノも闇を纏って一気に近づいて攻撃すると黒い炎を放つ。
互いに闇の攻撃をし終えると、キノコは満足そうに花火を打ち上げた。
「10点獲得だな」
「見た目に寄らず、戦闘能力は高いようだな」
同じチームであるレクセウスとザルディンが二人を冷静に分析する中、隣のチームから不穏な空気が流れ出した。
「ゼノの奴め、本当にあの時に始末しておけば良かったぜ…!!」
「それは、彼女にトドメを刺すチャンスがあったと言う事ですか?」
忌々しげにゼノを睨むウラノスに、エンが尤もな質問を投げつける。
「あぁ。だが、どっかの誰かさんの所為でそのチャンスが潰れたんだよなー、ホントどっかの誰かさんの所為でぇ?」
「すいません…ホント、すいません…!!」
「何であなたが土下座するの?」
殺気だった目で愚痴を吐くウラノスに、どう言う訳か隣のチームにいたクウが深々と土下座する。
事情を知らないテルスが首を傾げるが…詳しくは誕生日企画の番外編を読んで頂ければ分かります。
「それにしても、レイシャってあんなキャラでしたっけ? 『レイディアントチルドレン』では、もう少し…活発だったイメージがあるんですが」
「そこら辺は、何と言うか…この後のお楽しみと言う事で…」
若干雰囲気の違うレイシャに疑問を感じるナナに対し、リラは冷や汗混じりに答える。
まあ、話したらマズいネタバレがある分、それも当然だろう。
「ネタバレ関連の話をするのはいいけど、そろそろ私達の方に移させてくれない?」
そうしていると、不満げなスピカの声が飛んでくる。
すぐに作者二人はスピカを見るが、よく見ると何時もの闇の細剣ではなく金の装飾がなされた黒い銃剣を握っていた。
「ス、スピカさん? その黒いガンブレードは何処から?」
「これ? あなたがさっき言った『この後のお楽しみ』って所よ。それより…《没技》の件、本当に使っていいのね?」
「没技?」
何の事か分からないリラが首を傾げると、スピカは一つ頷いた。
「ええ、さっき作者と話してたの」
「本当は取り入れたかったけど、いろいろ考えて無理だと判断した技があったんですよ。どうせこの話は特別編だから、使ってもいいかなーとね」
「それじゃあ、早速――捉えて見せる!」
「なっ!?」
「この技は!!」
キノコに斬りつけたと思えば、蹴りや銃弾などの乱舞で攻撃するスピカ。
攻撃方法に加え、セリフや武器でルキルやウラノスのように分かった方はいるだろう。
「消え失せろ! シーンドライブ!!」
『『『おおーっ!!』』』
まさしく閃光の攻撃を繰り出したスピカに、誰もが歓声を上げた。
「これで満点ゲット……え?」
余裕の表情でキノコを見るが、あれだけの攻撃を受けたにも関わらず眠り続けたままだった。
「うそ!? どうしてまだ体力残っているのよ!?」
「スピカさん、キノコに何か付いてますよ!?」
その時、何かに気付いたガイアがキノコに指を差す。
よく見ると、自分達のチームのキノコにだけ、背中の方に]Vキノコから貰える最強の盾がくっついているではないか。
「どうして『リミデットキノコ』持ってるのよ!? 5は奇数だから取れるのは武器の筈でしょ!?」
「そりゃあ制限の為に決まってますよ。あんたらのチーム強いんだから、これぐらいハンデしないと」
しれっとナナが答える中、エンは悔しそうに強化されたキノコを睨む。
「『プロテガ』の効果は厄介ですね…0、6倍の攻撃しか喰らわないとなれば…」
「それでも攻撃しなきゃ! ファイア、ファイラ、ファイガ!!」
「続けるわ! ルイン、ルインガ!!」
何としてでも点数を取りたい一心でガイアが炎の魔法を放つと、スピカも回復した分を巻き返そうと連続で無の魔法を放つ。
そんな二人の攻撃に、あと8秒の所でキノコは起き上がって花火を上げた。
「どうにかギリギリで終了しましたね…」
「まったく、妙なハンデのせいで下位になる所だったぜ…」
どうにか10点を獲得しエンとウラノスが安堵で肩を落とすと、リラが次のチームに目を向ける。
「では【最強血縁】が終わった所で、【スケベ四人衆】始め!!」
「よし、デミックス! 作戦通りに頼む!」
「任せて! 舞い踊れ、水達よ!」
自信満々のクウの言葉を合図に、デミックスはシタールをかき鳴らす。
すると、キノコの周りに水の物体が幾つも現れる。
「デミックスの分身?」
水の正体にシオンが首を傾げると、分身はキノコに向かって攻撃する。
先程同様、他のチームがやったように回復を封じつつダメージを与える。すると、クウは音符となった分身を掴んで思いっきり叩きつけて振り回した。
「オラオラオラァ!」
「あれって、ワイルドダンス!?」
「そうか!? 技や魔法は封印されるけど、『リアクションコマンド』までは封印されないのか!!」
「腐ってもキーブレード使いと言う事か…」
クウの放つ技にソラとカヤが驚く中、ザルディンは何とも言えぬ顔で呟く。
こうして技を使わず着々とダメージを与えるが、それでも限界はある訳で。
「クウ! 時間も体力も残り僅かよ!」
「仕方ねえな!! ナックルフィスト!!」
モニターを見ながら叫ぶテルスのサポートに、クウは素早く拳で叩きつける。
残り3秒と言う所で、キノコは満足げに花火を上げた。
「よし、ギリギリで終了ってハナシだ!!」
「『水の舞踊』もまだ余裕があるから、次も出来る!!」
「この調子でいけば、ラストまで温存が可能ね!!」
このクウの考えた作戦の結果にシグバール、デミックス、テルスがガッツポーズを作ったのは言うまでもない。
リラが次のチームに目を向けると、準備万端なのかある二人が前に出た。
「それでは、私達のチームの策士が思いついた手札を使おうか」
「オッケー! 追撃は任せて!」
武器であるカードを手に微笑むルクソードに、幾つもの合成アイテムを持つオパール。
オパールはその場でしゃがみ込んで合成を始め、ルクソードはキノコに向かうと同時に軽く手を振るう。
「ギャンブラー!?」
突如、キノコの周りに現れた幾つもの配下ノーバディに驚くソラ。
すると、カヤが鼻を高くして説明した。
「『ノーバディを使ってはいけない』ってルールは無かったからな。威力は低めだが、ラクシーヌ達みたいに回復は防げる」
「そう言う事だ。はあぁ!!」
更に幾つもの巨大なカードも呼び出し、キノコに攻撃を仕掛けるルクソード。
ギャンブラーとカードの攻撃も合わさって着々とキノコの体力を減らし、残り時間10秒の所でオパールが立ち上がった。
「出来た!! ルクソード、頼むわよ!!」
その言葉を合図に、ルクソードは巨大なカードを何枚も呼び出して両端にいる他のキノコを覆い隠した。
「あたしのお気に入り!! ホワイトホール、サンダーボルト!!」
出来上がった二つの魔石を同時に投げつけると、キノコに向かって光の光線と電撃が広い範囲で襲い掛かる。
だが、カードのおかげで両端のキノコに攻撃は当たる事はなく、別チームの得点が上がるのを防いでいた。
「ルクソードのカードで攻撃を防ぐとは…」
「『他のキノコを守ってはいけない』なんてルールも何処にもないからなー」
この光景にテラが驚くと、この作戦を思いついたカヤがご機嫌になる。
そんな中、【トリッカー】のキノコはHPが0になったのか起き上がって花火を上げた。
「やった、10点獲得です!」
「さすがはカヤ。頭の出来が違いますね」
無事に満点を取ってジェダイトとゼクシオンが喜んでいると、リラが次のチームに目を向けた。
「この調子でパパッと進めるよー。【父子家庭】スタート!」
「では、ここは妾とレイシャで行くとしましょうか」
「そうだね…行くよ!」
ゼノとレイシャがそれぞれ武器であるキーブレードを取り出す。
そして先手必勝とばかりに、レイシャが一気にキノコへと迫って攻撃する。
「まずは回復を封じる! デスペリア・ベノム!!」
素早くゼノが魔法を唱えると、黒い瘴気を使ってキノコを毒状態にする。
こうして回復を防ぐ事に成功したのを見て、レイシャが動く。
「いち早く新技使わせて貰うよ!! シャドウスフィア!!」
「そして妾も…ダークヘイズ!! ダークファイガ!!」
レイシャは切先から次々と黒い球体を放ち、ゼノも闇を纏って一気に近づいて攻撃すると黒い炎を放つ。
互いに闇の攻撃をし終えると、キノコは満足そうに花火を打ち上げた。
「10点獲得だな」
「見た目に寄らず、戦闘能力は高いようだな」
同じチームであるレクセウスとザルディンが二人を冷静に分析する中、隣のチームから不穏な空気が流れ出した。
「ゼノの奴め、本当にあの時に始末しておけば良かったぜ…!!」
「それは、彼女にトドメを刺すチャンスがあったと言う事ですか?」
忌々しげにゼノを睨むウラノスに、エンが尤もな質問を投げつける。
「あぁ。だが、どっかの誰かさんの所為でそのチャンスが潰れたんだよなー、ホントどっかの誰かさんの所為でぇ?」
「すいません…ホント、すいません…!!」
「何であなたが土下座するの?」
殺気だった目で愚痴を吐くウラノスに、どう言う訳か隣のチームにいたクウが深々と土下座する。
事情を知らないテルスが首を傾げるが…詳しくは誕生日企画の番外編を読んで頂ければ分かります。
「それにしても、レイシャってあんなキャラでしたっけ? 『レイディアントチルドレン』では、もう少し…活発だったイメージがあるんですが」
「そこら辺は、何と言うか…この後のお楽しみと言う事で…」
若干雰囲気の違うレイシャに疑問を感じるナナに対し、リラは冷や汗混じりに答える。
まあ、話したらマズいネタバレがある分、それも当然だろう。
「ネタバレ関連の話をするのはいいけど、そろそろ私達の方に移させてくれない?」
そうしていると、不満げなスピカの声が飛んでくる。
すぐに作者二人はスピカを見るが、よく見ると何時もの闇の細剣ではなく金の装飾がなされた黒い銃剣を握っていた。
「ス、スピカさん? その黒いガンブレードは何処から?」
「これ? あなたがさっき言った『この後のお楽しみ』って所よ。それより…《没技》の件、本当に使っていいのね?」
「没技?」
何の事か分からないリラが首を傾げると、スピカは一つ頷いた。
「ええ、さっき作者と話してたの」
「本当は取り入れたかったけど、いろいろ考えて無理だと判断した技があったんですよ。どうせこの話は特別編だから、使ってもいいかなーとね」
「それじゃあ、早速――捉えて見せる!」
「なっ!?」
「この技は!!」
キノコに斬りつけたと思えば、蹴りや銃弾などの乱舞で攻撃するスピカ。
攻撃方法に加え、セリフや武器でルキルやウラノスのように分かった方はいるだろう。
「消え失せろ! シーンドライブ!!」
『『『おおーっ!!』』』
まさしく閃光の攻撃を繰り出したスピカに、誰もが歓声を上げた。
「これで満点ゲット……え?」
余裕の表情でキノコを見るが、あれだけの攻撃を受けたにも関わらず眠り続けたままだった。
「うそ!? どうしてまだ体力残っているのよ!?」
「スピカさん、キノコに何か付いてますよ!?」
その時、何かに気付いたガイアがキノコに指を差す。
よく見ると、自分達のチームのキノコにだけ、背中の方に]Vキノコから貰える最強の盾がくっついているではないか。
「どうして『リミデットキノコ』持ってるのよ!? 5は奇数だから取れるのは武器の筈でしょ!?」
「そりゃあ制限の為に決まってますよ。あんたらのチーム強いんだから、これぐらいハンデしないと」
しれっとナナが答える中、エンは悔しそうに強化されたキノコを睨む。
「『プロテガ』の効果は厄介ですね…0、6倍の攻撃しか喰らわないとなれば…」
「それでも攻撃しなきゃ! ファイア、ファイラ、ファイガ!!」
「続けるわ! ルイン、ルインガ!!」
何としてでも点数を取りたい一心でガイアが炎の魔法を放つと、スピカも回復した分を巻き返そうと連続で無の魔法を放つ。
そんな二人の攻撃に、あと8秒の所でキノコは起き上がって花火を上げた。
「どうにかギリギリで終了しましたね…」
「まったく、妙なハンデのせいで下位になる所だったぜ…」
どうにか10点を獲得しエンとウラノスが安堵で肩を落とすと、リラが次のチームに目を向ける。
「では【最強血縁】が終わった所で、【スケベ四人衆】始め!!」
「よし、デミックス! 作戦通りに頼む!」
「任せて! 舞い踊れ、水達よ!」
自信満々のクウの言葉を合図に、デミックスはシタールをかき鳴らす。
すると、キノコの周りに水の物体が幾つも現れる。
「デミックスの分身?」
水の正体にシオンが首を傾げると、分身はキノコに向かって攻撃する。
先程同様、他のチームがやったように回復を封じつつダメージを与える。すると、クウは音符となった分身を掴んで思いっきり叩きつけて振り回した。
「オラオラオラァ!」
「あれって、ワイルドダンス!?」
「そうか!? 技や魔法は封印されるけど、『リアクションコマンド』までは封印されないのか!!」
「腐ってもキーブレード使いと言う事か…」
クウの放つ技にソラとカヤが驚く中、ザルディンは何とも言えぬ顔で呟く。
こうして技を使わず着々とダメージを与えるが、それでも限界はある訳で。
「クウ! 時間も体力も残り僅かよ!」
「仕方ねえな!! ナックルフィスト!!」
モニターを見ながら叫ぶテルスのサポートに、クウは素早く拳で叩きつける。
残り3秒と言う所で、キノコは満足げに花火を上げた。
「よし、ギリギリで終了ってハナシだ!!」
「『水の舞踊』もまだ余裕があるから、次も出来る!!」
「この調子でいけば、ラストまで温存が可能ね!!」
このクウの考えた作戦の結果にシグバール、デミックス、テルスがガッツポーズを作ったのは言うまでもない。
■作者メッセージ
悪役軍団が残ってはいますが、一旦ここで終了です(オイ
こちらも久々の投稿で、長らく待たせてしまった感があります。3月後半からネットが使えなくなったから…それなりに大変だったなぁ…。
ネタはそれなりに頭に入っていたり、途中途中書いていたりはしているので、6月中に頑張って取り戻そうとは思っています。
こちらも久々の投稿で、長らく待たせてしまった感があります。3月後半からネットが使えなくなったから…それなりに大変だったなぁ…。
ネタはそれなりに頭に入っていたり、途中途中書いていたりはしているので、6月中に頑張って取り戻そうとは思っています。