部屋割り&温泉編・2
泊まる場所も決まり、一部を除いて部屋でくつろぎながら温泉の集合時間を待つ。
そんな中、【梅の間】の廊下で何やら騒がしい音が…。
「そして――ゼアノート様をシンクロ召喚!!」
そう言いながらゼノが召喚したのは、【シュー○ング・スター・ド○ゴン】だ。
これにはレイアは目を丸くする。
「あ、あのぉ…それがゼアノート様…ですか?」
「ええ、そうよ。この見る物を魅了する素晴らしい輝き、あの髪と同じ美しい銀の色、そして圧倒的な神々しい御姿。まさにあのお方とそっくりであろう?」
「は、はぁ…?」
うっとりとした目で自分の召喚したモンスターを見るゼノに対し、レイアは生返事しか返せない。
ここで状況を呑み込めない人に説明するが、二人は今遊○王カードのデュエル真っ最中だ。現に、デュ○ルディ○クを腕に装着している。理由は…『ある物』を手に入れる為・守る為だ。
「ゼアノート様で、【ヴァ○ロン・オメガ】を攻撃!!」
「罠カード、【安○地帯】を【ヴァ○ロン・オメガ】に発動です! これにより、戦闘では破壊されません!」
「けど、ダメージまでは防げないわ」
ゼノの宣言通り、レイアのライフが100削られる。残りは――たったの200だ。対するゼノは、何と2900もライフが残っている。
「あぅ! でもこの瞬間、私は手札からモンスターを召喚します!!」
「手札から!?」
「ハイ!! 手札から、クウさんを特殊召喚です!!」
そう言うと、レイアはクウ――基、【トラ○エディア】を召喚した。
「え、そのモンスターあいつなの?」
「はい! ウィドさんが「あいつはこれがお似合いだ」と言ってましたから!!」
「そ、そう…」
自信満々に言い切るレイアに、ゼノは呆れしか浮かばなかった。
「どうしますか? ターンエンドしますか?」
「そうねぇ…妾はカードを二枚伏せて――」
手札から二枚のカードを伏せるゼノを見て、レイアは心の中で笑った。
(ふふふ…ゼノさん、無駄ですよ。次の私のターンで【ハネ○タ】を召喚。そして【ギャラ○シー・クィーンズ○イト】を使って全てのモンスターをレベル10に変更し、私のお気に入りでもある【No.99希望皇○ホープ○ラグーン】を召喚すれば――)
「【地○れ】」
「え?」
「【地○れ】。【トラ○エディア】を破壊するわ」
「ク、クウさーん!?」
レイアが気付いた時には、【トラ○エディア】は地面に呑まれて消えていく。
その光景に絶望したのか、レイアはその場で膝立ちになって放心する。
「そんな、クウさんが…クウさんが…!!」
「ふふん。すぐにやられるのを考えたら、確かにあの男とお似合いね。妾はこれでターンエンドよ」
余裕を見せながらターンを終了すると、ゼノは心の中でニヤリと笑う。
(これで相手の召喚は防いだも同然。次の妾のターン、今伏せたカード【リビン○デットの○び声】を発動して墓地にいる【○ェアリー・ア○チャー】を特殊召喚して効果を発動すれば、妾の勝利! これで、あの小娘が綺麗に掃除した部屋を奪え――)
「……しませんよ」
「え?」
声のした方を見ると、レイアの周りのオーラが変わっていた。
「許しませんよ、ゼノさんっ!!!」
バッと立ち上がり、怒鳴りつけるレイア。
そして、腕に付けたディスクのデッキに指を当てる。
「聞こえる…私を呼ぶカードの声が――ドロー!!!」
勢いよく引いた所為か、ゼノにはカードが一瞬輝いて見えてしまう。
不可思議な感覚に嫌な予感が渦巻くが、それはすぐに現実となる。
「私は墓地から罠カードを発動!!!」
「墓地からのトラップ!?」
「【ブレイ○スルー・○キル】!!! このカードをゲームから除外する事で、モンスター1体の効果を無効にします!!! 私が選択するのは、【シュー○ィング・スター・ド○ゴン】!! これで、破壊を防ぐ効果・攻撃無効の効果は消滅です!!」
「くぅ!?」
「さあ、始めますよ…愛と正義の儀式を!!」
追い詰めたゼノに強く宣言すると、レイアは行動を起こす。
「私は手札から【ハネ○タ】を召喚!! さらに、【ヴァ○ロン】のレベルを一つ下げて墓地から【レベ○・スティーラー】を特殊召喚!! そして魔法カード【ギャラ○シー・クィーンズ○イト】を発動し、フィールド上に出ている私のモンスターをレベル9に変更です!!」
「レベル9のモンスターが三枚!!?」
「はい! この三体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築! エクシーズ召喚!」
大きくレイアが手を振り上げると、場に出ている三体のモンスターが光り出す。
「これが、私にある確かな思い…」
一つの呟きと共に、光が集約され――“それ”が現れた。
「――スピカさん、召喚ですっ!!!」
そう言ってレイアが召喚したのは、【No.92偽骸○龍ハー○アー○ドラゴン】だった。
「ス、スピカ…?」
「はい!! このスピカさんと一緒に、ゼノさん!!! クウさんを消したあなたを倒します!! 敵討ちですっ!!!」
「ふ、ふん! 攻撃力0のモンスターで何が出来ると言うの!」
「出来ます!! スピカさんの効果は戦闘では破壊されず、発生したダメージは相手が受けるんです!! そう…【シュー○ング・スター・ド○ゴン】の攻撃はゼノさん、あなたのライフで払うんですよ!!」
「何ですって!! これでは、妾が負けてしまう!?」
今のゼノのライフは2900。大して、【シュー○ング・スター・ド○ゴン】の攻撃は3300。当たってしまえば、負けは確定だ。
絶体絶命に追い込まれ焦りを浮かべるゼノ。だが、心の中はその表情とは真逆だった。
(なーんてなると思ったら大間違いよ。妾が伏せたもう一枚のカードは【くず○のかかし】。これで相手の攻撃は無効に出来る。攻撃が無効になれば、【ハー○アー○ドラゴン】の効果は発動しない。そうなれば、妾の作戦通り次のターンで――)
「ゼノさん? これで終わりとか思ってませんよね?」
「え?」
思わずゼノが顔を上げると、レイアは一枚のカードを場に出した。
「魔法カード、【ハーピィの○根箒】発動です!! これでゼノさんの場にある魔法・罠カードを破壊します!!」
そう宣言しながらカードを発動させ、ゼノの場にある罠カード二枚を破壊した。
だが、それ以前の問題に気づいてゼノは叫んだ。
「貴女、禁止カードなんて卑怯じゃないの!?」
「外伝で卑劣な策を使ってクウさん達を陥れようとしたんですから、これぐらい当然です。卑怯には卑怯で返しませんと♪」
悪びれるどころか輝かしい笑顔で言い切るレイアに、ゼノは顔を歪めてしまう。
「この小娘、何時の間にこんなに黒く…!!」
「さあ、これで私は安全に攻撃が出来ます――…ゼノさん、外伝での分も纏めて裁きを受けて貰いますっ!!!」
笑顔から一変、鋭く睨みつけるとレイアはバッとゼノに人差し指を突き付けた。
「スピカさんで、ゼアノートを攻撃ですっ!!! 闇駆ける閃光!! シーンドライブ!!!」
「きゃあああああああああぁ!!?」
【シュー○ング・スター・ド○ゴン】の攻撃がゼノへと襲い掛かり、堪らず悲鳴を上げる。
直後、ゼノのライフは0となり二人のデュエルが終了した。
「やりました! クウさん、私がお掃除したお部屋は守りました!」
「はぁ…負けたわ。仕方ない、もう諦めてレイシャ達の部屋に泊まりましょう。それにしても、これは面白い玩具だこと」
「ハイ。合同でお世話になっているもう一人の作者様からお借りした甲斐がありました」
ゼノは残念そうに溜息を吐くと、【梅の間】とは思えない程のピカピカになった部屋を羨ましそうに見つめる。いかにレイアが頑張って掃除をしたのかが伝わるだろう。
と、ここでレイアは部屋の中にある時計を見て時間を確認した。
「あ、そろそろ温泉の時間ですね」
「丁度一汗掻けたし、行くとしましょうか」
良い時間にデュエルも終わった事で、二人は準備していた温泉の荷物を持って集合場所へと向かった。
さて、集合時間になった事で、全員が温泉の入口へと集まっている。
今か今かと待っていると、最後に来た作者陣…の一人であるリラがやってきた。
「あ、みんな集まってますねー。では待ちに待った温泉に――」
「ちょっと待った。私達の作者はどうしたんですか?」
即座に待ったをかけ、ウィドが尤もな疑問を口にする。
集まった人達の中にだって、ナナの姿は何処にも見当たらない。
「そ、それが…」
急にリラは口籠ると、事情を説明し出した…。
―――それは、温泉への時間が迫っていた時に起きた。
「ナナさーん、そろそろ温泉の準備を――」
リラがタオルや石鹸等を準備しながら、未だにテーブルで作業(KHχ)しているナナに声をかけていた。
「ぬおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!??」
直後、ナナの口からからとんでもない悲鳴が上がった。
「ど、どうしたんですか!!? 絶望したような叫びを上げて!!?」
ただ事ではないと感じ、リラは慌ててナナの元に近づく。
すると、ナナは全身を震わせて顔を俯かせていた。
「――が…」
「え?」
思わずリラが聞き返すと共に、ナナが頭を押さえて叫び出した。
「ソラリクが出ないーーーーーーーーーーーー!!? ぬぁぜだぁ!!! なぁぜソラリクではなく犬っころ(ケルベロス)のSRプラスが出たんじゃコノヤロぉぉぉーーーーーーーっ!!!!!」
「あ、あの…」
「ただでさえ課金出来ないのに、こんなカードいらねーんだよ出来ればつけたくないんだよ!!! SRでもいい!!! ソラリクカードをぉ!!! ソラリクを出せぇぇぇーーーーーーー!!!!!」
「ナナさん、言い方考えて!!? その言い方だと、見る人によっては変な風に変換されますよ!!?」
いろいろとマズいナナの発言に、リラは暴走を止めようと必死で肩を揺さぶる。
その甲斐あってか、少ししてようやくナナは冷静さを取り戻した。
「チッ…!! 分かったよ、言い方変える」
「ホッ…」
渋々だが納得をしたナナに、リラは安堵の息を吐いた。
「空陸出せぇ!!! 陸空を見せろぉぉぉーーーーーーーーー!!!」
「イラついてるからってわざと言ってるでしょぉぉぉーーーーーーーーっ!!!??」
その直後、ナナに負けず劣らずの大声でツッコミを入れる事となったそうな…。
「――と言う訳で、このまま暴走されても困るんでこれ(ハリセン)でツッコミついでに何発か殴って気絶させてきました」
どうやって手に入れたのかは全く不明だが、巨大ハリセンを見せながら話をシメるリラ。
この説明に、スピカとウィドはヤレヤレと肩を竦めた。
「ナイス判断ね」
「あの作者、変にキレて誤解を生みかねない行動何回も犯してますからね」
自分達の作者の行動に慣れきっている二人に対し、ジェダイトは頭に無数のクエスチョンマークを浮かべていた。
「あのー、そちらの作者が言ってる意味が分からないのですが…?」
「分からなくていいんだよ」
無知な彼に変な知識を与えてはいけないとばかりに、ラックに肩を掴まれたのは言うまでもないだろう。
そんな中、【梅の間】の廊下で何やら騒がしい音が…。
「そして――ゼアノート様をシンクロ召喚!!」
そう言いながらゼノが召喚したのは、【シュー○ング・スター・ド○ゴン】だ。
これにはレイアは目を丸くする。
「あ、あのぉ…それがゼアノート様…ですか?」
「ええ、そうよ。この見る物を魅了する素晴らしい輝き、あの髪と同じ美しい銀の色、そして圧倒的な神々しい御姿。まさにあのお方とそっくりであろう?」
「は、はぁ…?」
うっとりとした目で自分の召喚したモンスターを見るゼノに対し、レイアは生返事しか返せない。
ここで状況を呑み込めない人に説明するが、二人は今遊○王カードのデュエル真っ最中だ。現に、デュ○ルディ○クを腕に装着している。理由は…『ある物』を手に入れる為・守る為だ。
「ゼアノート様で、【ヴァ○ロン・オメガ】を攻撃!!」
「罠カード、【安○地帯】を【ヴァ○ロン・オメガ】に発動です! これにより、戦闘では破壊されません!」
「けど、ダメージまでは防げないわ」
ゼノの宣言通り、レイアのライフが100削られる。残りは――たったの200だ。対するゼノは、何と2900もライフが残っている。
「あぅ! でもこの瞬間、私は手札からモンスターを召喚します!!」
「手札から!?」
「ハイ!! 手札から、クウさんを特殊召喚です!!」
そう言うと、レイアはクウ――基、【トラ○エディア】を召喚した。
「え、そのモンスターあいつなの?」
「はい! ウィドさんが「あいつはこれがお似合いだ」と言ってましたから!!」
「そ、そう…」
自信満々に言い切るレイアに、ゼノは呆れしか浮かばなかった。
「どうしますか? ターンエンドしますか?」
「そうねぇ…妾はカードを二枚伏せて――」
手札から二枚のカードを伏せるゼノを見て、レイアは心の中で笑った。
(ふふふ…ゼノさん、無駄ですよ。次の私のターンで【ハネ○タ】を召喚。そして【ギャラ○シー・クィーンズ○イト】を使って全てのモンスターをレベル10に変更し、私のお気に入りでもある【No.99希望皇○ホープ○ラグーン】を召喚すれば――)
「【地○れ】」
「え?」
「【地○れ】。【トラ○エディア】を破壊するわ」
「ク、クウさーん!?」
レイアが気付いた時には、【トラ○エディア】は地面に呑まれて消えていく。
その光景に絶望したのか、レイアはその場で膝立ちになって放心する。
「そんな、クウさんが…クウさんが…!!」
「ふふん。すぐにやられるのを考えたら、確かにあの男とお似合いね。妾はこれでターンエンドよ」
余裕を見せながらターンを終了すると、ゼノは心の中でニヤリと笑う。
(これで相手の召喚は防いだも同然。次の妾のターン、今伏せたカード【リビン○デットの○び声】を発動して墓地にいる【○ェアリー・ア○チャー】を特殊召喚して効果を発動すれば、妾の勝利! これで、あの小娘が綺麗に掃除した部屋を奪え――)
「……しませんよ」
「え?」
声のした方を見ると、レイアの周りのオーラが変わっていた。
「許しませんよ、ゼノさんっ!!!」
バッと立ち上がり、怒鳴りつけるレイア。
そして、腕に付けたディスクのデッキに指を当てる。
「聞こえる…私を呼ぶカードの声が――ドロー!!!」
勢いよく引いた所為か、ゼノにはカードが一瞬輝いて見えてしまう。
不可思議な感覚に嫌な予感が渦巻くが、それはすぐに現実となる。
「私は墓地から罠カードを発動!!!」
「墓地からのトラップ!?」
「【ブレイ○スルー・○キル】!!! このカードをゲームから除外する事で、モンスター1体の効果を無効にします!!! 私が選択するのは、【シュー○ィング・スター・ド○ゴン】!! これで、破壊を防ぐ効果・攻撃無効の効果は消滅です!!」
「くぅ!?」
「さあ、始めますよ…愛と正義の儀式を!!」
追い詰めたゼノに強く宣言すると、レイアは行動を起こす。
「私は手札から【ハネ○タ】を召喚!! さらに、【ヴァ○ロン】のレベルを一つ下げて墓地から【レベ○・スティーラー】を特殊召喚!! そして魔法カード【ギャラ○シー・クィーンズ○イト】を発動し、フィールド上に出ている私のモンスターをレベル9に変更です!!」
「レベル9のモンスターが三枚!!?」
「はい! この三体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築! エクシーズ召喚!」
大きくレイアが手を振り上げると、場に出ている三体のモンスターが光り出す。
「これが、私にある確かな思い…」
一つの呟きと共に、光が集約され――“それ”が現れた。
「――スピカさん、召喚ですっ!!!」
そう言ってレイアが召喚したのは、【No.92偽骸○龍ハー○アー○ドラゴン】だった。
「ス、スピカ…?」
「はい!! このスピカさんと一緒に、ゼノさん!!! クウさんを消したあなたを倒します!! 敵討ちですっ!!!」
「ふ、ふん! 攻撃力0のモンスターで何が出来ると言うの!」
「出来ます!! スピカさんの効果は戦闘では破壊されず、発生したダメージは相手が受けるんです!! そう…【シュー○ング・スター・ド○ゴン】の攻撃はゼノさん、あなたのライフで払うんですよ!!」
「何ですって!! これでは、妾が負けてしまう!?」
今のゼノのライフは2900。大して、【シュー○ング・スター・ド○ゴン】の攻撃は3300。当たってしまえば、負けは確定だ。
絶体絶命に追い込まれ焦りを浮かべるゼノ。だが、心の中はその表情とは真逆だった。
(なーんてなると思ったら大間違いよ。妾が伏せたもう一枚のカードは【くず○のかかし】。これで相手の攻撃は無効に出来る。攻撃が無効になれば、【ハー○アー○ドラゴン】の効果は発動しない。そうなれば、妾の作戦通り次のターンで――)
「ゼノさん? これで終わりとか思ってませんよね?」
「え?」
思わずゼノが顔を上げると、レイアは一枚のカードを場に出した。
「魔法カード、【ハーピィの○根箒】発動です!! これでゼノさんの場にある魔法・罠カードを破壊します!!」
そう宣言しながらカードを発動させ、ゼノの場にある罠カード二枚を破壊した。
だが、それ以前の問題に気づいてゼノは叫んだ。
「貴女、禁止カードなんて卑怯じゃないの!?」
「外伝で卑劣な策を使ってクウさん達を陥れようとしたんですから、これぐらい当然です。卑怯には卑怯で返しませんと♪」
悪びれるどころか輝かしい笑顔で言い切るレイアに、ゼノは顔を歪めてしまう。
「この小娘、何時の間にこんなに黒く…!!」
「さあ、これで私は安全に攻撃が出来ます――…ゼノさん、外伝での分も纏めて裁きを受けて貰いますっ!!!」
笑顔から一変、鋭く睨みつけるとレイアはバッとゼノに人差し指を突き付けた。
「スピカさんで、ゼアノートを攻撃ですっ!!! 闇駆ける閃光!! シーンドライブ!!!」
「きゃあああああああああぁ!!?」
【シュー○ング・スター・ド○ゴン】の攻撃がゼノへと襲い掛かり、堪らず悲鳴を上げる。
直後、ゼノのライフは0となり二人のデュエルが終了した。
「やりました! クウさん、私がお掃除したお部屋は守りました!」
「はぁ…負けたわ。仕方ない、もう諦めてレイシャ達の部屋に泊まりましょう。それにしても、これは面白い玩具だこと」
「ハイ。合同でお世話になっているもう一人の作者様からお借りした甲斐がありました」
ゼノは残念そうに溜息を吐くと、【梅の間】とは思えない程のピカピカになった部屋を羨ましそうに見つめる。いかにレイアが頑張って掃除をしたのかが伝わるだろう。
と、ここでレイアは部屋の中にある時計を見て時間を確認した。
「あ、そろそろ温泉の時間ですね」
「丁度一汗掻けたし、行くとしましょうか」
良い時間にデュエルも終わった事で、二人は準備していた温泉の荷物を持って集合場所へと向かった。
さて、集合時間になった事で、全員が温泉の入口へと集まっている。
今か今かと待っていると、最後に来た作者陣…の一人であるリラがやってきた。
「あ、みんな集まってますねー。では待ちに待った温泉に――」
「ちょっと待った。私達の作者はどうしたんですか?」
即座に待ったをかけ、ウィドが尤もな疑問を口にする。
集まった人達の中にだって、ナナの姿は何処にも見当たらない。
「そ、それが…」
急にリラは口籠ると、事情を説明し出した…。
―――それは、温泉への時間が迫っていた時に起きた。
「ナナさーん、そろそろ温泉の準備を――」
リラがタオルや石鹸等を準備しながら、未だにテーブルで作業(KHχ)しているナナに声をかけていた。
「ぬおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!??」
直後、ナナの口からからとんでもない悲鳴が上がった。
「ど、どうしたんですか!!? 絶望したような叫びを上げて!!?」
ただ事ではないと感じ、リラは慌ててナナの元に近づく。
すると、ナナは全身を震わせて顔を俯かせていた。
「――が…」
「え?」
思わずリラが聞き返すと共に、ナナが頭を押さえて叫び出した。
「ソラリクが出ないーーーーーーーーーーーー!!? ぬぁぜだぁ!!! なぁぜソラリクではなく犬っころ(ケルベロス)のSRプラスが出たんじゃコノヤロぉぉぉーーーーーーーっ!!!!!」
「あ、あの…」
「ただでさえ課金出来ないのに、こんなカードいらねーんだよ出来ればつけたくないんだよ!!! SRでもいい!!! ソラリクカードをぉ!!! ソラリクを出せぇぇぇーーーーーーー!!!!!」
「ナナさん、言い方考えて!!? その言い方だと、見る人によっては変な風に変換されますよ!!?」
いろいろとマズいナナの発言に、リラは暴走を止めようと必死で肩を揺さぶる。
その甲斐あってか、少ししてようやくナナは冷静さを取り戻した。
「チッ…!! 分かったよ、言い方変える」
「ホッ…」
渋々だが納得をしたナナに、リラは安堵の息を吐いた。
「空陸出せぇ!!! 陸空を見せろぉぉぉーーーーーーーーー!!!」
「イラついてるからってわざと言ってるでしょぉぉぉーーーーーーーーっ!!!??」
その直後、ナナに負けず劣らずの大声でツッコミを入れる事となったそうな…。
「――と言う訳で、このまま暴走されても困るんでこれ(ハリセン)でツッコミついでに何発か殴って気絶させてきました」
どうやって手に入れたのかは全く不明だが、巨大ハリセンを見せながら話をシメるリラ。
この説明に、スピカとウィドはヤレヤレと肩を竦めた。
「ナイス判断ね」
「あの作者、変にキレて誤解を生みかねない行動何回も犯してますからね」
自分達の作者の行動に慣れきっている二人に対し、ジェダイトは頭に無数のクエスチョンマークを浮かべていた。
「あのー、そちらの作者が言ってる意味が分からないのですが…?」
「分からなくていいんだよ」
無知な彼に変な知識を与えてはいけないとばかりに、ラックに肩を掴まれたのは言うまでもないだろう。
■作者メッセージ
本編がなかなか進まない中でのこちらでの投稿となってしまいました。後半部分の実話ネタを入れる為だけに…。
尚、前半の遊○王対決は…ある動画を参考にして作り上げました。一応使うカードは大まかで変更しているので、大丈夫かなーと思うのですが…。何かあれば変更。マズければ削除も考えてはいます。
尚、前半の遊○王対決は…ある動画を参考にして作り上げました。一応使うカードは大まかで変更しているので、大丈夫かなーと思うのですが…。何かあれば変更。マズければ削除も考えてはいます。