【T20周年記念イベント・中編】
「さーて、ここからはテイルズに関するイベントと行きましょうかー!」
「イエーイ!」
いよいよ本題であるイベント企画が始まり、ナナとリラは思い思いにテンションを上げながら仕切り直した。
「なあなあ、俺達どんな事すればいいんだ?」
そうして二人で盛り上げる中、ヴェンが尤もな質問を繰り出す。
前回はイベント発表と演劇の続きをしただけで、未だに二人の口から詳細が語られていない。
「分かった! テイルズキャラとのガチンコ勝負でしょ!」
「あら素敵ね! 願っても無いイベントだわ!」
「よーし、俺とリズでそいつら木端微塵にしてやるか!」
「腕が鳴るぜ…!」
「作者、さっさとそいつら出しな!」
「「戦闘狂はちょっと黙ってろぉ!!!」」
武器を構え出すリズ、スピカ、ウラノス、クウ、ラックの戦闘狂集団に、浮かれていたナナとリラは即座に怒鳴りつけた。
「ゴホン! では改めて――ルールは簡単。長い歴史を築き上げたテイルズシリーズのシーンを、今やってる演目みたいにどれか一つ演じて貰うだけです。ただし、テイルズを祝う為のイベントですので出演権が得られるのはオリキャラのみとさせて頂きます」
「一人でやるのもよし、助っ人アリも構いません。尚、全部やるには数が多すぎるので私とリラさんのキャラから二人ずつ参加してください。尚、ネタバレ防止の為に背景や演出はありですが、脇役や服装は無しにします」
「KHキャラがいる手前、別キャラまでは呼べないか」
「ま、半ば予想はしてたけどね」
説明を聞き終えるなり、常識人としての一面を持ち合わせているおかげですぐにクウとラックは大人しく引き下がる。
「えー、つまんなーい! 私歴代主人公と戦いたかったのにー!」
「そうね。私も歴代ラスボスや隠しボスとか挑戦したかったわ」
「ま、どんな奴らが来ようが俺とリズのコンビには負けるがな」
「何だこの戦闘狂達の恐ろしい会話は…」
「さりげにウラノスお兄ちゃん、リズとのフラグ作り上げてるし…」
その横でリズ、スピカ、ウラノスが恐ろしい会話を繰り広げており、ザルディンとガイアが冷や汗を垂らしていた。実際それもやろうと思えば可能だが、そうなった場合KHメンバー達もいるとは言え、この旅館…いや、世界が崩壊しかねない。
何がともあれ、イベントの説明が終わると唐突にオパールが手を上げた。
「質問〜。これに参加するとして、あたし達に何かメリットあるの?」
「ええ。とりあえず、四人の中で一番だった人には――その人を主役にした“番外編”を書こうと思っています。リラさんのキャラが決まってもちゃんと書いてくださるそうですのでご安心を」
ナナが提示した賞品の内容に、一人反応する者がいた。
「出番…出番……ヒロイン脱するぅぅぅ!!!」
「もはや目がマジだよ、グラッセの奴…」
「まあ、話が話ですからね…」
背後に炎を燃え上がらせて尋常じゃないやる気を見せるグラッセに、リズとジェダイトが呆れの眼差しを送りつけた。
「それでは、話し合い開始〜!!」
リラの言葉を合図に、それぞれのオリキャラ達は集まって話し合いを始めた。
「さて、そろそろいいかなー?」
オリキャラ達の話し合いから五分ぐらい経った頃、リラが声をかけてきた。
「それじゃ、決まった人手を上げてー」
「俺だぁぁぁ!!!」
ナナが催促した瞬間、グラッセが勢いよく手を上げた。
「す、凄い燃えてますな…えっと、何をするんでしょうか?」
「『エクシリア』からアルクノア決戦後のシーンだ! 配役は俺とリズで行く!!」
「え…? そのシーン…?」
グラッセのお題を聞いた瞬間、ナナが固まる。
今からグラッセが演じようとするシーンは大きな話の流れの一つ…言い換えればネタバレに大きく関わる部分だ。不安になるナナに、助っ人参加であるリズが笑顔で言う。
「だって、私ミラやってみたいもん! あんな強そうな女の人の真似してみたいし!」
「まあ、あの人精霊の主ですからね…」
楽しそうにするリズに、ナナは苦笑しか浮かべる事が出来なかった。
「じゃ、準備よろしくー。楽しみだなー、あそこのシーンとは!」
(何でそんなにウキウキしてるの…グラッセ、これが分かってたからあえて選んだのか…?)
これから行われるシーンが余程楽しみなリラに対し、内容を知っているナナは微妙な面付きでステージへと目を向けた。
舞台は一面がステンドガラスで作られた部屋に変わり、崩壊を始めているのか辺りが揺れており稲妻がなっている。
その真ん中でグラッセは床に倒れながら、奥で肩を押えるリズに向かって叫ぶ。
「だめだよ…。ミラ……ミラがいなくなったら、僕は…!」
「そんな顔をするな」
「…っ…!」
肩を押えながら笑いかけるリズに、グラッセの表情が強張る。
「さらばだ、ジュード」
そう言うと、リズは目の前にある機械へと向かい合い、赤いオーラを立ち上らせながら両手を翳す。
「はああああああああああああっ!!」
力を前方の機械に向かって解放すると共に、振動がより一層酷くなる。
「…ミっ」
そんなリズの後ろ姿を見ながら、グラッセは叫んだ
「ミラーーーーーーーーーー!!」
同時に閃光が走り、辺り一面が真っ白に染まった。
「いやー! これぞテイルズ!! 今後の二人の弄りがいのネタ……グフン! 感動的なシーンですなー!」
(なんでこんな暗いのに限って活き活きしてるの、リラさん…)
二人の演技が終わりリラが楽しそうにする横で、ナナが心の中で呟いてしまう。
そうこうしていると、演技を終えたリズが徐に近づいて声をかけた。
「最後までしたかったけど、ネタバレ禁止だからってグラッセに言われてこの辺で止めたんだけど良かった?」
「ええ、いいですよ。と言うか、この後も続いたらグラッセだけじゃなくいろんな奴らが落ち込んだり発狂するから止めてね…」
首を傾げるリズに、ナナは遠い目で注意をする。
理由は…プレイした人ならお分かりでしょう。
「さて、次はだーれだ?」
グラッセ達の演技で調子を良くしたリラが声をかけると、奥で手が上がった。
「妾とゼアノート様がいくわ!」
「え? あの、KHキャラは禁止「何か言ったか?」そうですね特別に認めますから闇を纏ったキーブレードは仕舞ってくださいぃ!!?」
(((力づくで認めさせやがった…)))
産み親であるリラを脅してゼアノートの出場権を得たゼノに、誰もが心の中で呟いた。
「妾達はテイルズ外伝である『レディアントマイソロジー3』の最終ボスイベントを演じるわ。若き頃のゼアノート様が、妾を助けて下さるシーン…――ああ、なんと至福の一時…!」
「えー、あんな奴に助けられるって私嫌だなー」
「シッ! そんな言葉聞かれたら半殺しじゃすみませんよ!」
ナナの呟きに、リラが即座に口を塞ぐ。
その間にも、ゼノとゼアノートはグラッセ達と入れ替わる様に舞台に上がった。
場所は広いドームに変わり、周りには結晶で彩られているが、美しいよりも不気味さを醸し出している。
その中央で、ゼノとゼアノートが対峙している。
「だったら、なぜ、僕を取り込んだ! 僕を封じ込めてまで!」
ヒステリックにゼノが叫ぶ中、前方に何かが映る。
【一緒に生きていきたいからだ!】
「って、待て! なぜ俺の台詞だけ選択肢形式だ!?」
唯一の台詞をスクリーンに映され、思わずゼアノートが怒鳴りつける。
「だって、それが仕様だから」
「仕様ってなんだ!?」
答えたナナにツッコミを入れてしまうが、ゼノは尚も演技を続ける。
「無理さ…。僕の世界はルミナシアとは交わらない……交じりたくもない。やはり、君を奪うまでは世界樹は諦めてくれそうにない。来るんだ、ディセンダー。僕のモノになってもらうよ!」
(((この狂った感じ…まさしくハマリ役だ…)))
ラザリスを演じたゼノに、誰もが思った感想を口にしたい衝動を堪えて心の中だけに止める。
そうして演技を終えるなり、ゼノは乙女の目でゼアノートに詰め寄った。
「どうです、ゼアノート様。妾の渾身の気持ちを込めた演技はぁ?」
「あ、あぁ良かったぞ…ハ、ハハハ…!」
先程とは打って変わったゼノに迫られ、ゼアノートは顔を引き攣らせる。
「ゼムナスよ、なぜあんな危険な思考を持つ女を配下にしたのだ…!! 命が幾つあっても足りないぞ…!!」
「ぶるぁ…私に聞かないでくれぇ…!!」
同じように、アンセムとゼムナスも顔を真っ青にしてゼノのヤンデレに近い思考に対して話をしていたとか。
「イエーイ!」
いよいよ本題であるイベント企画が始まり、ナナとリラは思い思いにテンションを上げながら仕切り直した。
「なあなあ、俺達どんな事すればいいんだ?」
そうして二人で盛り上げる中、ヴェンが尤もな質問を繰り出す。
前回はイベント発表と演劇の続きをしただけで、未だに二人の口から詳細が語られていない。
「分かった! テイルズキャラとのガチンコ勝負でしょ!」
「あら素敵ね! 願っても無いイベントだわ!」
「よーし、俺とリズでそいつら木端微塵にしてやるか!」
「腕が鳴るぜ…!」
「作者、さっさとそいつら出しな!」
「「戦闘狂はちょっと黙ってろぉ!!!」」
武器を構え出すリズ、スピカ、ウラノス、クウ、ラックの戦闘狂集団に、浮かれていたナナとリラは即座に怒鳴りつけた。
「ゴホン! では改めて――ルールは簡単。長い歴史を築き上げたテイルズシリーズのシーンを、今やってる演目みたいにどれか一つ演じて貰うだけです。ただし、テイルズを祝う為のイベントですので出演権が得られるのはオリキャラのみとさせて頂きます」
「一人でやるのもよし、助っ人アリも構いません。尚、全部やるには数が多すぎるので私とリラさんのキャラから二人ずつ参加してください。尚、ネタバレ防止の為に背景や演出はありですが、脇役や服装は無しにします」
「KHキャラがいる手前、別キャラまでは呼べないか」
「ま、半ば予想はしてたけどね」
説明を聞き終えるなり、常識人としての一面を持ち合わせているおかげですぐにクウとラックは大人しく引き下がる。
「えー、つまんなーい! 私歴代主人公と戦いたかったのにー!」
「そうね。私も歴代ラスボスや隠しボスとか挑戦したかったわ」
「ま、どんな奴らが来ようが俺とリズのコンビには負けるがな」
「何だこの戦闘狂達の恐ろしい会話は…」
「さりげにウラノスお兄ちゃん、リズとのフラグ作り上げてるし…」
その横でリズ、スピカ、ウラノスが恐ろしい会話を繰り広げており、ザルディンとガイアが冷や汗を垂らしていた。実際それもやろうと思えば可能だが、そうなった場合KHメンバー達もいるとは言え、この旅館…いや、世界が崩壊しかねない。
何がともあれ、イベントの説明が終わると唐突にオパールが手を上げた。
「質問〜。これに参加するとして、あたし達に何かメリットあるの?」
「ええ。とりあえず、四人の中で一番だった人には――その人を主役にした“番外編”を書こうと思っています。リラさんのキャラが決まってもちゃんと書いてくださるそうですのでご安心を」
ナナが提示した賞品の内容に、一人反応する者がいた。
「出番…出番……ヒロイン脱するぅぅぅ!!!」
「もはや目がマジだよ、グラッセの奴…」
「まあ、話が話ですからね…」
背後に炎を燃え上がらせて尋常じゃないやる気を見せるグラッセに、リズとジェダイトが呆れの眼差しを送りつけた。
「それでは、話し合い開始〜!!」
リラの言葉を合図に、それぞれのオリキャラ達は集まって話し合いを始めた。
「さて、そろそろいいかなー?」
オリキャラ達の話し合いから五分ぐらい経った頃、リラが声をかけてきた。
「それじゃ、決まった人手を上げてー」
「俺だぁぁぁ!!!」
ナナが催促した瞬間、グラッセが勢いよく手を上げた。
「す、凄い燃えてますな…えっと、何をするんでしょうか?」
「『エクシリア』からアルクノア決戦後のシーンだ! 配役は俺とリズで行く!!」
「え…? そのシーン…?」
グラッセのお題を聞いた瞬間、ナナが固まる。
今からグラッセが演じようとするシーンは大きな話の流れの一つ…言い換えればネタバレに大きく関わる部分だ。不安になるナナに、助っ人参加であるリズが笑顔で言う。
「だって、私ミラやってみたいもん! あんな強そうな女の人の真似してみたいし!」
「まあ、あの人精霊の主ですからね…」
楽しそうにするリズに、ナナは苦笑しか浮かべる事が出来なかった。
「じゃ、準備よろしくー。楽しみだなー、あそこのシーンとは!」
(何でそんなにウキウキしてるの…グラッセ、これが分かってたからあえて選んだのか…?)
これから行われるシーンが余程楽しみなリラに対し、内容を知っているナナは微妙な面付きでステージへと目を向けた。
舞台は一面がステンドガラスで作られた部屋に変わり、崩壊を始めているのか辺りが揺れており稲妻がなっている。
その真ん中でグラッセは床に倒れながら、奥で肩を押えるリズに向かって叫ぶ。
「だめだよ…。ミラ……ミラがいなくなったら、僕は…!」
「そんな顔をするな」
「…っ…!」
肩を押えながら笑いかけるリズに、グラッセの表情が強張る。
「さらばだ、ジュード」
そう言うと、リズは目の前にある機械へと向かい合い、赤いオーラを立ち上らせながら両手を翳す。
「はああああああああああああっ!!」
力を前方の機械に向かって解放すると共に、振動がより一層酷くなる。
「…ミっ」
そんなリズの後ろ姿を見ながら、グラッセは叫んだ
「ミラーーーーーーーーーー!!」
同時に閃光が走り、辺り一面が真っ白に染まった。
「いやー! これぞテイルズ!! 今後の二人の弄りがいのネタ……グフン! 感動的なシーンですなー!」
(なんでこんな暗いのに限って活き活きしてるの、リラさん…)
二人の演技が終わりリラが楽しそうにする横で、ナナが心の中で呟いてしまう。
そうこうしていると、演技を終えたリズが徐に近づいて声をかけた。
「最後までしたかったけど、ネタバレ禁止だからってグラッセに言われてこの辺で止めたんだけど良かった?」
「ええ、いいですよ。と言うか、この後も続いたらグラッセだけじゃなくいろんな奴らが落ち込んだり発狂するから止めてね…」
首を傾げるリズに、ナナは遠い目で注意をする。
理由は…プレイした人ならお分かりでしょう。
「さて、次はだーれだ?」
グラッセ達の演技で調子を良くしたリラが声をかけると、奥で手が上がった。
「妾とゼアノート様がいくわ!」
「え? あの、KHキャラは禁止「何か言ったか?」そうですね特別に認めますから闇を纏ったキーブレードは仕舞ってくださいぃ!!?」
(((力づくで認めさせやがった…)))
産み親であるリラを脅してゼアノートの出場権を得たゼノに、誰もが心の中で呟いた。
「妾達はテイルズ外伝である『レディアントマイソロジー3』の最終ボスイベントを演じるわ。若き頃のゼアノート様が、妾を助けて下さるシーン…――ああ、なんと至福の一時…!」
「えー、あんな奴に助けられるって私嫌だなー」
「シッ! そんな言葉聞かれたら半殺しじゃすみませんよ!」
ナナの呟きに、リラが即座に口を塞ぐ。
その間にも、ゼノとゼアノートはグラッセ達と入れ替わる様に舞台に上がった。
場所は広いドームに変わり、周りには結晶で彩られているが、美しいよりも不気味さを醸し出している。
その中央で、ゼノとゼアノートが対峙している。
「だったら、なぜ、僕を取り込んだ! 僕を封じ込めてまで!」
ヒステリックにゼノが叫ぶ中、前方に何かが映る。
【一緒に生きていきたいからだ!】
「って、待て! なぜ俺の台詞だけ選択肢形式だ!?」
唯一の台詞をスクリーンに映され、思わずゼアノートが怒鳴りつける。
「だって、それが仕様だから」
「仕様ってなんだ!?」
答えたナナにツッコミを入れてしまうが、ゼノは尚も演技を続ける。
「無理さ…。僕の世界はルミナシアとは交わらない……交じりたくもない。やはり、君を奪うまでは世界樹は諦めてくれそうにない。来るんだ、ディセンダー。僕のモノになってもらうよ!」
(((この狂った感じ…まさしくハマリ役だ…)))
ラザリスを演じたゼノに、誰もが思った感想を口にしたい衝動を堪えて心の中だけに止める。
そうして演技を終えるなり、ゼノは乙女の目でゼアノートに詰め寄った。
「どうです、ゼアノート様。妾の渾身の気持ちを込めた演技はぁ?」
「あ、あぁ良かったぞ…ハ、ハハハ…!」
先程とは打って変わったゼノに迫られ、ゼアノートは顔を引き攣らせる。
「ゼムナスよ、なぜあんな危険な思考を持つ女を配下にしたのだ…!! 命が幾つあっても足りないぞ…!!」
「ぶるぁ…私に聞かないでくれぇ…!!」
同じように、アンセムとゼムナスも顔を真っ青にしてゼノのヤンデレに近い思考に対して話をしていたとか。