【T20周年記念イベント・後編】
前回でリラ側の発表も終わり、次はナナ側のオリキャラの発表に移るのだが。
「リラさん側は終了だとして…私の所、まだ決まらないの?」
「決まってるぞ。俺がゼロス…いやアルヴィンでもいいな。そうだ、人気投票殿堂入りのユーリに「あ、クウの意見全面無視で構いません。どうしても受け入れる場合は裏切りシーンもしくは死亡シーンで」ウィドてめぇ、何勝手に余計な事吹き込んでんだよ!!「あ、ちなみに私はジェイドやりたいです。インディグネイションを放ちたいですし」最強の術使いになる気満々だなオイ!?「なんならコンウェイでも構いません」ふざけんな、お前やるならリフィルかウィルで充分だろ「私をあんな狂人と一緒にするかぁ!!」自分の事棚に上げて何言ってやがんだ!!?」
「この二人はもう論外にしておこう…! オパールとレイアは?」
クウとウィドの口喧嘩を無視し、ナナは他の人に目を向ける。
「あたしは『レジェンディア』のクロエのシーンやりたかったんだけど、リクが出れないんじゃやっても意味ないし」
「さすがはツンデレキャラですね」
「誰がツンデレよ!!」
リラの言葉に、オパールはお馴染みの台詞を吐き捨てる。
一方、レイアも決まらないのか困ったように顔を俯かせていた。
「私、同じ名前のレイアって人のシーンをやろうかと思っていたんですが…『エクシリア』はもう出ちゃったので、止めようかと…」
「となると、残りはスピカとルキルとシャオ…ん? シャオがいない? まあいない人は放って置こうか」
ここでようやくシャオがいない事に気付くが、時間も惜しいのでナナは無理矢理呼び出す事はしなかった。
「俺が出るって言ってるだ「いいえ、ここは私が!」このやろ、言わせておけば「そうそう、ウィド。『ゼスティリア』の情報リラから聞いたんだけど、この物語って古い遺跡や文献が深く関わるんだってー。ほら、遺跡とか結構あるよ」なぁにぃ!!? そんな素晴らしい世界が存在するとは――行くぞ、クウ!! ゼスティリアの…基、遺跡の旅に出発じゃあああああぁ!!!「嫌だぁぁぁ!!?」」
リズがゼスティリアに関する情報を見せた瞬間、ウィドは『学者モード』に変わってしまい傍にいたクウを引き掴むなり広間を飛び出してしまった。
(((ゼスティリアの世界を全部見回るまで戻ってこないな…)))
企画そっちのけで別の世界へと旅立ったウィド(ついでに見事巻き込まれたクウ)を全員が見送っていると、演目が決まったのかスピカが声をかけた。
「じゃあ、私から先でいいかしら?」
「いいですけど、大丈夫ですか…? 精霊呼び出したり、隠し秘奥義放ったり、決闘とかしませんよね…?」
「失礼ね、任せなさいよ。私も出番は欲しいし」
不安がるナナにそう前置きすると、スピカは本題を述べた。
「『リバース』より、クレアの演説シーンよ。まあ、大きなネタバレがあるし長いから一部だけになるけど」
「おおおおおおおおっ!!!」
テイルズシリーズでも名シーンと言われている演目に、ナナが歓声を上げる。
これによりみんなの注目を浴びながら、スピカはステージに上った。
舞台は何処かの町の広場。スピカは手を後ろに縛られた状態で、沢山の人達に囲まれた処刑台に立っている。
「死ぬのが怖くて、言っているんじゃありません! 大好きな人達と憎みあって生きるのは、死ぬのと同じくらい、辛い事だって思うから」
心からの思いをその場にいる人達に語りかけると、ゆっくりと顔を伏せる。
「どうか、私の最後のお願いを聞いてください。皆さんがパイを…ピーチパイを食べる事があったら、一度だけ目を閉じて考えてください」
そうして、スピカはゆっくりと目を伏せて問いかけた。
「あなたが“おいしい”と感じる心に、種族はありますか?」
スピカの演技が終わるなり、広間はどう言う訳か静まり返る。
「ク…ク…」
そんな中、ナナは体をプルプルと震わせ。
「クレアーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!!」
泣きながら、主人公の如く心の底から叫んだ。
「さすがはヒロインの一人、よくぞ演じた!! これぞテイルズ!! 鬱でも絶望でもない、この感動を見たかったんだよ!! 誰かピーチパイを持ってこい!!! 宴だぁぁぁーーーーーーー!!!」
「ナナさん、落ち着いて! だ、誰かこの人止めて……って、みんな泣いてるぅ!!?」
感動と我慢の報われのあまり叫んでいるナナをリラが押え込みながら振り返ると、同じように感動に包まれたのか殆どの人達が涙を流していた。
「俺、こんなに泣きたいって思ったの久々かも…!」
「う、ううっ…! 世の中ってのは、こんな心が綺麗な人もいるんだね…!」
「ピーチパイ…食べたくなってきた…!」
「シーソルトアイスでも代用出来るかな…?」
そうして、涙を流しながらグラッセ、ラック、ムーン、ロクサスが思い思いに言葉を発する。
スピカのおかげで一気に会場の空気が良い様に変わっていると、最後に残っていたルキルが前に出た。
「よし、じゃあ次は俺だな」
「あんたの事だから、どうせ『アビス』でしょ」
「何で分かったんだ!?」
見通したように言ったリラの言葉に、反射的にルキルが叫ぶ。
『アビス』と言えばレプリカの話でもあるのだから、ある意味分かって当然だろう。
「ええい! 俺は『アビス』のルーク断髪シーンをするぞ!」
「あれ、意外。てっきりアッシュとの決闘あたりだと思ってたのに」
予想が外れてナナがそう言うと、ルキルは不機嫌そうに鼻を鳴らす。
「俺もそうしたかったんだが、本物が出れないとなるとやりがいがないからな」
「ふん、俺だって出れたら一回目の戦闘を再現してお前をボコボコにしてやれたものを…」
何やら不穏な空気と共に、リクとルキルの間で激しい火花がまき散らされた。
「ち、ちなみにティア役は? 一人じゃ無理だよね?」
「それなんだが…あいつでいいか?」
ナナにそう言いながら指名したのは、広間の入り口に立っていたリリスだった。
「はぁ!? わ、私!?」
「あー、うん。この場でクール系女子と言ったらリリスしかいないよねー」
狼狽えるリリスに対し、ナナは納得を見せる。
ナナ側のオリキャラは一言で言うとツンデレ・癒し&天然系・大人・純粋。リラ側でも破壊神・戦闘狂・変態・常識人・性悪とクールビューティー系女子は誰一人としていな「アタイらの説明が酷いのは気のせいか!?」「そうじゃ! 妾が性悪だとぉ!!」あ、ちょ止めて攻撃しないでぇぇぇ!!!
地の分を滅多打ちにするラックとゼノを尻目に、リリスは舌打ちするとルキルを睨んだ。
「し、仕方ないわね…協力するのは今回だけだ! 行くわよ!」
どこか不機嫌そうにズンズンと歩いてステージに上がったリリス。後に続く様に、ルキルも舞台へと上がって準備を始めた。
場所は建物内に存在する白い花畑。上から光が注がれているが、辺りは夜のように暗い。
その花畑の中央に、ルキルとリリスが立っている。
「……ティア、確かナイフ持ってたよな」
「ええ、持ってるけど…」
「ちょっと貸してくれ」
リリスがナイフを差し出しと、ルキルは受け取る。
じっとナイフを見つめると、徐に後ろの髪を束ねて刃を当てる。
「ルーク!」
リリスが驚きながら声をかけるが、ルキルは構う事無く一気にナイフで髪を切った。
「これで、今までの俺とはさよならだ…」
そう言ってリリスに笑いかけると、決意を感じ取ったのか同じように笑う。
そしてルキルは握ったままの銀の髪を風に流す様に放す。やがて銀の髪は飛ばされて花畑の中で霧散して消えた。
「どうだ、この演技…って、どうした?」
舞台が元に戻ってルキルが振り返ると、全員がポカンとした表情になっていた。
「切った…髪、本当に切っちゃった…!?」
「KHじゃ逆なのに…」
「ガーネットからダガーになっちゃった…」
「それ分かる人しか分からないネタだぞ」
ソラ、カイリ、ヴェン、アクセルの話の内容から分かると思うが、演技が終わっているにも関わらずルキルの髪は短髪になったままだ。
ようやく彼らが唖然となっている理由が分かると、ルキルは思い出したように髪を握った。
「ああ、これか? 安心しろ、鬘を使ってる」
そう言いながらルキルが髪を引っ張ると、鬘が外れる。そこから、また元の長い長髪が現れた。
「あー、ビックリしたー。本当に切ったら大変な事になりますもんね……ナナさん? どうかした?」
「え? あ、いや…か、鬘で良かったなーアハハ…!」
訝しげにリラが話しかけると、ナナは何故か冷や汗を流しながら作り笑いを浮かべだす。何か触れられたくない事があるようだ。
「で、これで全部演目は終了だよな…――それで、この中で誰が一番なんだ、作者ぁ!!」
「グラッセ、必死過ぎるよ…」
ギラギラと目を輝かせて詰め寄るグラッセに、さすがのリズも引いてしまう。
「それなんですが、とりあえずこの後のあとがきで説明します。そう言う事で、これにて一旦イベント企画は終了しまーす!」
「ここまでお付き合い頂いた読者の皆さん、ありがとうございます。次からはまた演劇イベントに戻りますので、どうぞお楽しみにー!」
イベントの終了宣言をナナとリラがしていると、シグバールが呆れた眼差しを向けた。
「それはいいとして、ウィドとクウが未だに戻ってないってハナシなんだが?」
「大丈夫、大丈夫。ウィドさんも師匠もどうせ次の回には戻って来るよ」
ここでようやく今まで姿が見えなかったシャオが戻っており、テラが心配そうに話しかけた。
「シャオ、どこにいたんだ?」
「え、えーと。ちょっとトイレにね〜…」
そう言いながら、シャオは苦笑いを浮かべながら頭を掻いた。
■作者メッセージ
ナナ「それではここであとがきに移行します。ここを使うのも久々ですー」
グラッセ「それはどうでもいいから、さっさと誰が一番か教えろぉ!!」
ナナ「そう慌てないでと言うか落ち着いて!! トランスしかかってるからぁ!!」
グラッセ「チッ…まあ、ここでボコボコにしちゃあマズいか」(元に戻る)
ナナ「ホッ…。では、その方法なんですがとりあえずリラさんや合併活動している夢さんと話し合ってから誰が一番かを決めようと思っています。本当は感想欄を使って読者に投票と言う形がベストなんでしょうか、このサイトは閲覧が少ないしルール無視して変な書き込みとかされたら削除なんて無理だから…」
グラッセ「あー…その辺考えたら、話し合いしかないよな」
ナナ「尚、発表の方は決まり次第こちらのあとがきで書き込みさせて貰います。それでは、今後ともこちらのギャク作品をどうぞよろしくお願いします」
グラッセ「それはどうでもいいから、さっさと誰が一番か教えろぉ!!」
ナナ「そう慌てないでと言うか落ち着いて!! トランスしかかってるからぁ!!」
グラッセ「チッ…まあ、ここでボコボコにしちゃあマズいか」(元に戻る)
ナナ「ホッ…。では、その方法なんですがとりあえずリラさんや合併活動している夢さんと話し合ってから誰が一番かを決めようと思っています。本当は感想欄を使って読者に投票と言う形がベストなんでしょうか、このサイトは閲覧が少ないしルール無視して変な書き込みとかされたら削除なんて無理だから…」
グラッセ「あー…その辺考えたら、話し合いしかないよな」
ナナ「尚、発表の方は決まり次第こちらのあとがきで書き込みさせて貰います。それでは、今後ともこちらのギャク作品をどうぞよろしくお願いします」