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ダブルクロスThe 3rd Edition【Crumble Days】

NANA

INDEX

  • あらすじ
  • 01 ハンドアウト配布・トレーラー紹介
  • 02 PC紹介・前編
  • 03 PC紹介・中編
  • 04 PC紹介・後編
  • 05 オープニングフェイズ1&2
  • 06 オープニングフェイズ3&4&5
  • 07 ミドルフェイズ1
  • 08 ミドルフェイズ2
  • 09 ミドルフェイズ3(前編)
  • 10 ミドルフェイズ3(中編)
  • 11 ミドルフェイズ3(後編)
  • 12 ミドルフェイズ4
  • 13 ミドルフェイズ5
  • 14 ミドルフェイズ6&7
  • 15 マスターシーン
  • 16 クライマックスフェイズ1
  • 17 クライマックスフェイズ2
  • 18 クライマックスフェイズ3
  • 19 クライマックスフェイズ4
  • 20 バックトラック&エンディングフェイズ1
  • 21 エンディングフェイズ2
  • 22 エンディングフェイズ3
  • オープニングフェイズ3&4&5


     オープニングフェイズ3 シーン3〈世界の裏側〉
     シーンプレイヤー 鶴月愛星


    GM「では、このシーンでは愛星の登場となるよ。場所は黄昏市ではなくUGN日本支部になるよ」

    スピカ「分かったわ」

     《シーン登場》
     愛星1D→9 37%→46%

    スピカ「…このくらいでどうじないわよ…」

    SM「いや震えてる、震えてる」

    GM「そ、それじゃやっていこう!」



     バス横転事故から少し経った頃。
     UGN日本支部のある施設。鶴月愛星は、日本UGNのトップである霧谷雄吾の呼び出しを受けて支部長室へと足を運んでいた。
     部屋に置かれた上品なソファに腰かけながら、愛星は目の前で同じように座っている霧谷を見つめていた。

    『霧谷支部長、こんな時間に何か?』

     愛星は眼鏡に指を当てて軽く押し上げる。
     彼女は仕事でしか眼鏡をかける事はない。これから霧谷が話すのは、“仕事”に関する事なのだと理解している証でもある。
     その事を知っている為、彼も一つ頷いて本題を口にした。

    『先程、黄昏市でバス横転炎上事故が起こりました。神影小暮が別件の調査中、その現場に居合わせておりワーディングエフェクトを確認したと言う報告がなされています。現場に急行したUGNの処理班が“神影恋火”と言う学生を保護しました。爆発炎上したバスの中でも無傷……つまり、我々と同じ側(オーヴァード)です。現在、UGNの病院で治療を受けています』

    『神影…同じ苗字と言う事は、家族なのですか?』

    『はい、保護をした少女は彼女の妹だそうです。鶴月愛星さん、黄昏市支部長のあなたの管轄となります。神影恋火のケアとUGNについて説明してあげてください』

    『了解です。直ちに向かいましょう』

     一つ頷き、ソファから立ち上がる。仕事をするに辺り、余計な時間や感情は必要ないからだ。
     だが、霧谷の話はこれで終わりではなかった。

    『それから、黄昏市では“ディアボロス”春日恭二と、“メモリーチェーン”が潜伏しているそうです。もしかしたら、今回の事件に関わっている可能性もあります。十分に警戒してください』

    『春日恭二、ですか…』

     その名前を聞いた途端、真剣だった愛星の表情が俄かに崩れた。

    『どうかされましたか?』

    『いえ…春日は春日でも、あの少女でない事が少し残念なだけです』

    『春日末央の事ですか? そう言えば、彼女とあなたには浅はからぬ因縁がありましたね。ですが、無理に対峙する必要はないでしょう。あなたの本分は』

    『分かってます。彼女と戦ったら最後、情報収集と支援に特化している私にまず勝ち目はありません』

     淡々と自分の評価を口にする愛星。自虐にも聞こえなくはないが、それが自分の持つ能力であり、覆せない結果だ。

    『だからこそ、悔しく思うのです…』

     そうして、静かに本音を漏らす。
     愛星の心の内を読み取ったのか、霧谷は少しだけ黙り込む。
     だが、すぐに話を戻すようにコホン、と咳払いをした。

    『鶴月支部長、気持ちは分かりますが感傷に更けるのは後にしましょう』

    『申し訳ありません…では、彼女の事もFHエージェントについてもこちらで対処します。霧谷支部長、あなたの肩の荷を少しだけ下すのも私に出来る事ですしね』

    『それはありがたいですね、よろしくお願いします』

    『霧谷支部長も過労で倒れないように。近いうちに胃に穴が開くんじゃないかってUGNの人達の間では噂になっているんですからね』

    『ははは、出来るだけ気を付けますよ』

     軽い談笑で固くなった空気をほぐし、今度こそ愛星は部屋を出る。
     管轄でもある自分の居場所、そこに住む人達を守る為に。



     オープニングフェイズ4 シーン4〈追跡〉
     シーンプレイヤー 言峰切嗣


    GM「それじゃあ、次は切嗣の番だよー。ダイス振ってね」

    ウィド「ふっ、いよいよ私の出番ですね!」

     《シーン登場》
     切嗣1D→7 41%→48%

    ウィド「いやー、次で50%超える辺りですかねー!?」

    SM「この姉弟凄いわね…」



     事件が起こった直後に、時間は戻る。
     黄昏市にある教会で神父をしている言峰切嗣。彼はUGNの依頼で町に潜入しているFHの調査をしていた。
     そして今、彼はとうとうアジトを突き止めて建物の中に潜入していた。

    『ここか…場所は悪くないが、罠も張らないとは爪が甘い』

     廃れてしまったビルの階段を上りながら、奥に進む切嗣。忍ばせた拳銃をいつでも取り出せるように、懐に手を入れている。
     慎重に最上階に辿り着くと、近くの部屋から話し声が聞こえてくる。切嗣はすぐに壁に背を付け、会話の盗み聞きをした。

    『…以上だ。後は頼むぞ』

    『ふん、青二才の小僧が。まあいい、それぐらいやってやろう“ダイヤモンドダスト”』

    (もう少し近づくか、それとも…)

     何やら重要な話をしているようで、切嗣は判断を考える。
     だが、急に目つきを変えると低く呟く。

    『――排除しろ』

     その一言で、切嗣の背後の影が伸びる。
     同時に、何者かと激突したのか甲高い音が傍で響き渡った。

    『っ! UGNのネズミめ。そこそこと嗅ぎ回っているのか』

    『ディアボロス、今の内に引き上げよう』

     戦いの音に気付き、二人は逃げ出す。
     一方、切嗣は目の前に現れた人型の結晶体を、自分の影から作った不可視の剣を振るう女性と戦わせている。
     しかし、敵の結晶体は攻撃が当たっているのに怯む様子がない。

    『セイバーの攻撃が効かない? ただのジャームではないな…!』

     相手の強さを図ると、セイバーと呼んだ影を下がらせ足元の影に戻す。
     すると、何処からか一枚のカードを切嗣は取り出した。
     見た目はやけに古びているが、折り目は一切ついていない。そのカードを顔の前に翳すと、淡い光を放って浮かび上がらせる。

    『ペルソナ――マガツイザナギ!!』

     光り輝くカードを片手で握り潰すと共に、禍々しい影が現れる。
     それは二刀の刀を握った人型となり、結晶体に向かって闇の一撃を放つ。
     だが、影が放った斬撃は防がれる。しかし、牽制にはなったのかそいつは窓から飛び降りて逃げ出した。

    『結局逃がしたか…』

     窓から覗くが、痕跡は何処にもない。完全に逃げ去ったようだ。
     そうして外を見つめていると、切嗣の携帯が鳴った。

    『何だ?』

     取り出して確認すると、UGNから一件のメールが届いている。
     中を開くと、そこにはバス横転事故や搬送されたオーヴァードの事が書かれてあった。

    『新たなオーヴァードの出現、か…』

     しばらく思考すると、切嗣は携帯を戻してビルの階段を降り始める。

    (敵の居場所は分からない。ディアボロスと関係があるのならば、行くのも悪くはないだろう)



    ウィド「――と言う所で、私のシーンは終了です」

    ウラノス「おい、ペルソナまでぶっこんで来たぞ…」

    ウィド「何ならタナトスでも使いますよー?」

    ガイア「それはそれで最強じゃん…もう神父じゃなくて殺し屋だよこの人…」



     オープニングフェイズ5 シーン5〈暗躍〉
     シーンプレイヤー 神影雷神


    GM「最後のOPは雷神だよ。さ、ダイスを振って」

     《シーン登場》
     雷神1D→3 42%→45%

    ウラノス「ふ、まずまずだな」

    ガイア「いやまずまずじゃないよ!? 少ない筈なのに多いよ!?」

    ウィド「私といい勝負じゃないですかー…」

    スピカ「それでも私の方が高いってなんなの…」



     時刻は、恋火と羽粋が病院に搬送された頃。
     人為的に行われたバス横転事故の事を何一つ知らない雷神は、現在晩御飯の買い物から帰っているところだった。

    『晩御飯の買い物はこれで十分だな。さーて、今日は俺が食事当番だから野菜丼でいいよなー』

     食事当番を良い事に自分の好きな献立を考える雷神。そんな彼が、昔は上層の暗殺職に就いていたと誰が思うだろうか。
     大量の野菜が入ったビニール袋を片手に持って上機嫌で帰宅する雷神だが、曲がり角でオールバックの眼鏡の男性――春日恭二が苛立ちながら出てきた。

    『くそ、《ダイヤモンドダスト》と逸れたか…』

    『うぉ!? 誰だよオイ!?』

    『む? 貴様、“バーストハウル”か。ふむ、丁度いい所に出くわしたな』

    『あ? あんたみたいなFHの落ちこぼれが何でこんな所にいるんだよ?』

    『だ、誰が落ちこぼれだと!! 私は幹部候補と言われるエージェントだぞ!! 今は確かにUGNに押され気味だが、必ず――ん?』

     言い訳がましい台詞で雷神に怒鳴っていたが、春日の胸ポケットから着信音が鳴る。
     すぐに携帯を取り出すと、部下からだったのかすぐに耳に当てる。

    『そうか。例の爆発事故は成功したか……生還者は二人で、どちらもUGNによって病院に搬送されて引き取っただと? 《メモリーチェーン》は何をやっていたのだ…! ふむ…』

     相手の話を聞き終えると、そのまま通信を切る。すると、春日は満面の笑みで雷神を見てきた。

    『“バーストハウル”。喜べ、貴様の妹がオーヴァードに覚醒したそうだ。これは我々にとっても非常に都合がいい、貴様の妹をFHに迎える準備をしたい。近い内に私の元に『おい待てよ』』

     やけに低い声と共に、雷神を中心に広範囲の《ワーディング》が貼られる。丁度《ワーディング》に巻き込まれた人達は、一斉に倒れ始める。

    『てめぇ…要は俺の妹を病院送りにする程危険な目に合わせたって事だよな? そんな奴の所に、俺の大事な妹を引き渡して堪るかぁぁぁぁ!!!』

     体全体から激しい雷を放電させると、腕に仕込んでいた機械から折り畳み式のチャクラムを取り出す。
     今にも殲滅せんと睨む雷神の姿に、たまらず春日も冷や汗交じりに後ずさる。

    『ま、待て…!! 傭兵如きの貴様がエージェントである私に歯向かって良いと思っているのかぁ!? それに君の妹をFHに渡しても悪い様にはしない、輝かしい未来を与える事を約束する!!』

    『命に関わるほどの事故に巻き込んだ上に、無理やりオーヴァードに覚醒させた時点で信用出来るかボケがぁ!!! そのままじっとしろぉ…てめえの全身をコンクリートと共にミンチにしてやらぁぁぁ!!!』

     雷神にしては珍しく正論を述べると共に、問答無用で春日に攻撃する。
     余りの激しさにコンクリートが抉れ焦げ臭い臭いが充満する。だが、コンクリートの破片からは春日の姿が見つかる事はなかった。

    『チィ!! 逃げ足だけは早い奴だぜ…!! コロス、奴はこの俺が徹底的に殺してやる…!!』

     チャクラムを仕舞いながら物騒な台詞を吐き捨てる雷神。

    『病院って言ってたな…恋火、待ってろ』

     どうにか頭を冷静にすると、雷神は春日の連絡を思い出しながらこの町で一番大きな病院へと駆け出した。

    16/06/12 22:58 NANA   

    ■作者メッセージ
     補足コーナー

     シンボライズカード:ウロボロス専用のユニークアイテムの一つ。幾多の偶然を得てウロボロス能力者の手に辿り着く古びたカード。持ち主の操る影は、そこに描かれた物が暗示する姿を取り特異な能力を発揮する。遊○王カードとか思った人、私と同じ思考です(オイ
     効果はセットアッププロセスに使用する事で、ウロボロスの「技能:〈RC〉」のエフェクトを使用した際、判定にダイス+1、攻撃の場合は更に攻撃力+3することが出来る。
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