ゲーノベ :: ゲーム小説掲示板 > キラワケ > @ クソゲヱリミックス! @

@ クソゲヱリミックス! @

キラワケ

INDEX

  • あらすじ
  • 01 1-1 プロローグのプロローグ
  • 02 1-2 プロローグのプロローグ
  • 03 1-3 プロローグのプロローグ
  • 04 1-4 プロローグのプロローグ
  • 05 1-5 プロローグのプロローグ
  • 06 1-6 プロローグのプロローグ
  • 07 1-7 プロローグのプロローグ
  • 08 1-8 プロローグのプロローグ
  • 09 1-9 プロローグのプロローグ
  • 10 1-10 プロローグのプロローグ
  • 11 1-11 プロローグのプロローグ(終)
  • 12 2-1 俺達の戦いはこれから、だと思ったら既に始まっていた。
  • 13 2-2 俺達の戦いはこれから、だと思ったら既に始まっていた。
  • 14 2-3 俺達の戦いはこれから、だと思ったら既に始まっていた。
  • 15 2-4 俺達の戦いはこれから、だと思ったら既に始まっていた。
  • 16 2-5 俺達の戦いはこれから、だと思ったら既に始まっていた。
  • 17 2-6 俺達の戦いはこれから、だと思ったら既に始まっていた。
  • 18 2-7 俺達の戦いはこれから、だと思ったら既に始まっていた。
  • 19 2-8 俺達の戦いはこれから、だと思ったら既に始まっていた。
  • 20 2-9 俺達の戦いはこれから、だと思ったら既に始まっていた。
  • 21 2-9.5 俺達の戦いはこれから、だと思ったら既に始まっていた。
  • 22 2-10 俺達の戦いはこれから、だと思ったら既に始まっていた。
  • 23 2-11 俺達の戦いはこれから、だと思ったら既に始まっていた。
  • 24 2-12 俺達の戦いはこれから、だと思ったら既に始まっていた。
  • 25 2-13 俺達の戦いはこれから、だと思ったら既に始まっていた。
  • 2-10 俺達の戦いはこれから、だと思ったら既に始まっていた。

    4月24日



    「なんだこのクソアニメ共はっ!」
     
     ユイがいきなしそんなことを、開口一番に叫んだ。

    「なんだあれは! 視聴者舐めてんのかアァンッ!?」

     なんでヤンキー口調なんだ……

    「かわいけりゃ正義だと思うなよ! 可愛くたって脚本が駄目なら台無しなんだよっ! あんな締めじゃ視聴者は納得しないんだよおおお!」

     以上ユイの熱弁でした。え? 何を言ってるかって?

     残念ながら、俺には殆どワカランです。教室にいつも通りユキと登校したらユイとマサヒロがアニメ談義してたというわけで。

    「あのボールはなんだ! 絶対野菜じゃねぇよ、アレ! 切った断面図が、理科の教科書に出てきそうな地球みたいだったぞっ!」
     
     ……アレです。あの作品です。なんかもう一回視たんだろうね。

    「そうだよな! 遠近感とか色々残念なことにもなってるよな」
    「まったくだよ。一年に二作も作るからそういうことになるんだぜよ!」  

     ……ユイは、大変熱くなっております。扱いに十分ご注意の上、お召し上がりください。いや、食わねえけども。

    「でも同じ年に作ったアレはよかったぁなぁ」
    「たしかにベタだけど、手堅く王道で良かったよな」
    「四文字アニメは名作、の法則だぬ」

     ……。

    「そういえばなんだっけ? 同じ、絵が残念な奴で……ほら24話だけ絵が良かった……アレ」
    「なんか日本の歴史上の人物の名前を、ローマ字読みしたタイトルだったよな」

     ……駄目だついていけねえ。と、思ったところでHRのチャイムが鳴った。



     いろいろすっ飛ばして昼食。つまらない漢文とか世界史の話を書いても何の意味もないだろ?
     今日は珍しく弁当があった。昨日俺が気配りしたおかげか、機嫌を良くした姉貴が――

    「べ、べつにユウくんの為に作ったんじゃないからね! ただ余り物を入れただけなんだからっ」

     と、言われました。俺の反応はというと。

    「……」

     と、するしかありませんでした。

    「ねぇユウくん! お姉ちゃんの”つんでれ”どうだった!?」
    「すごいよかったよ」

     もろ棒演技でそう答えた。

    「ほんとう!? じゃ、じゃっ、次はヤンデレを――」
    「あ、それはやめてください」

     蘇る記憶。暗い階段。折りたたみ式ナイフ。頸動脈。生首。nice bort.
     浮かぶのは、見るからに危ない単語のオンパレード。 
     ……絶対に、ヤンデレなんかにさせてたまるか。いや、増やしてたまるかっ!
     それに”つんでれ”の発音が微妙な時点の姉にやられてたら、プライド的にもたまったもんじゃない。

    「あの……今日はお弁当なのですか?」

     姫城さん(さん付けで呼ぶことにした)が、話しかけてきた。

    「あ、うん」

     何気なく答える。うーん相変わらず、どう見ても美人だよなぁ……本当に、あの行動が無ければ。清楚で美人なクラスメイトの一人だったんだがなぁ……
     
    「あ、あの……」

     姫城さんがもどかしそうに、言い淀んでいる。どうしたんだろう。

    「?」
    「ユウジ様とお昼。ご一緒してもよろしいですか?」
    「あっ、い――」

     はっ! 蘇る記憶。暗い階――大丈夫。姫城さんは、もうヤンデレじゃないはずだ。
     昨日のことで、悔い改めてくれたはずだ。いや、俺はそう信じたい、というか信じるぜ!

    「ああ、いいよ」
    「じゃあ、こちらに机に持ってきますから」
    「悪いな」
    「いえいえ、私からお誘いさせて頂いたので……こちらの机を拝借して」

     ということで俺の後ろの学食組の開いている席を使って、姫城さんと向かい合わせで食べることにした。
     ちなみにユイ、ユキ、マサヒロは学食組なので居ません。なんというタイミング。 
     俺は机に、所々擦れて傷がついた、平たいアルミの弁当箱を側の鞄から取り出す。
     そして向いの姫城さんはというと。机に、二段重ねの子ぶりなピンクのプラスチックの弁当を、持ってきた巾着袋から取り出した。

    「お弁当はユウジ様が作っているのですか?」

     なんとも普通な質問。良かった、彼女はもう普通の女の子のようだ。

    「いや……姉に作ってもらってるんだ」

     姉貴が、毎朝早起きして作ってくれる弁当を頂いている。そんな姉貴に改めて感謝。 

    「そうだったのですか……」

     すると何故か姫城さんは考え込み始めた。……なんか「チャンスです」とか聞こえたが、気にせず弁当を俺は、開ける――

    「ぶぶっ!?」

     俺の開いたその平たい弁当箱のご飯部分には驚きの展開が――

     『ユウくんLOVE』 

     ”はぁと”という効果音がピッタリな、ハートが桜でんぶで描かれ、そのハート下には”ユウくんLOVE”と文字で書かれていた。もちろん女性が書いたような綺麗な丸っこい字で。 

    「(汗)」

     あれ、おかしいな。暑くもないのに汗がダラダラ出てくるぞ。まるで洪水だ。これが後のノアの大洪水か。ああ、なるほどな。
     ……汗が出ている理由なんてほぼ分かってるさ。ああ、大体わかるさ! だってさ――

     姫城さんが、俺の弁当と俺の顔を交互に見ながら、怪しい笑いを受かべてるんですよ?

    「ふふふふ」

     とかいう、低い笑い声が漏れてるんですもの。

    「ユウジ様、嘘はいけません」
    「な、なんのことだいっ?」
    「このお弁当……ユウジ様のお姉さまが、作ったものじゃないでしょう?」

     めっさ笑顔。笑顔が殺気を放っている、正直俺鳥肌立ってます。ブァアアアアアアってね。凄い勢いですよ。

    「いや、姉貴が作ったんだ」

     声が震えている気がする。そんな勇気をこめて言った言葉は――


    「嘘ですっ」


     某レナもびっくりの迫力で、掻き消されましたとさ。いや、声そのものは小さいんだけど、威圧感が凄まじいんだよ、コレが。実際やられてみ?

    「……今なら間に合います、でないとユウジ様が大変なことに」
    「間に合うって何が! 大変ってどんな風に!?」
    「……目を覚ますと、ユウジ様は”舞、舞、舞”と私の名前を連呼しているでしょう」
    「何が起こった! 寝ている間の俺に何が起こった!?」

     色々怖すぎる!

    「または、ユウジ様のお姉さんが、いつの間にか私に変わっています」

     いくらなんでも気付くぞそれは!

    「その後、ユウジ様のお姉さんを見た者は、誰も居ません……」
    「ホラー!?」

     ……全くと言っていいほどヤンデレは改善していなかった。というか増強されてません? だめだこいつ……早くなんとかしないと。

    「いえ、待ってください」

     待ちますとも! ちゃんと理解してくれるまで待ちましょうとも!

    「整理すると……ユウジ様が嘘を付いて、姉に仕立て上げようとした可能性が高い。ということです」
    「信用無いんだね! 俺!?」

     なんて疑い深さ……探偵になってください。そんで迷探偵とか呼ばれててください。

    「それなら……姫城さんは、誰が作ったように見えるんだ?」
    「おそらく……一番近しい人として、篠文さんですね」

     そうきたか! やっぱ昨日のこと引きずってるじゃねぇか! ……いや、まてよ。

    「それはおかしいだろ、あいつは俺を呼び捨てで”ユウジ”と呼ぶんだぜ? なら飯に書いてある”ユウくん”はおかしいはずだ」

     流石にこの言い訳は苦しいかな……

    「確かに……そうですね」

     わぁい奇跡! 納得しちゃったよ。

    「それでは……ですね」
    「そう、だから、俺の姉貴――」

    「別の女ですかっ!

     違いますから、絶対違いますから。

    「そうですよね……ユウジ様はとても魅力的ですから」
    「だから違う! 姉貴が作ってきたんだって」
    「まだ言うのですか……」
    「いや、なんで俺呆れられてんの……?」

     なんだかんだで、俺、ピーンチ。このままじゃ”舞・舞・舞”を連呼するどっかの宗教の崇拝者みたいになってしまう!
     どうするか――そんな時だ。


    「あ、ユウくーん!」


     その時の俺には女神。女神の声が聞こえた。後々考えて……全ての要因はあいつなのだが、今の俺にはそんなの関係ねぇ!

    「おお、姉貴」

     そう姉貴を呼ぶと向かいの姫城が驚きの表情を示す
     
    「え? あなたが……ユウジ様のお姉さまなのですか?」

     すると姉貴は途端に。

    「こんにちは、ユウジが常日頃お世話になっています』

     丁寧口調で言うと、姉が姫城さんに頭を下げた。

    「どうも、ユウく……ユウジの姉の下之ミナです」

     簡単な自己紹介を姫城に。するとその雰囲気に押され。

    「え、あ、はいユウジ君の友人の姫城です」

     様付けがいつの間にかなくなってる! 新鮮!

    「食事中にごめんなさい……ほんの少しユウジをお借りしてもよろしいですか?」
    「え……は、はいどうぞ。お構いなく(もしかして本当にお姉さまがユウジ様のお弁当を……? ユウくんと言っていましたし)」

     姉貴に呼び出され、昼休みの喧騒にまみれた廊下。助かった……いや。

    「姉貴……」

     のせいなんですけどね。全て。

    「ねぇ、ねぇ! どうだった? お姉ちゃんのお弁当っ!」
    「……一発殴らせて貰ってもいいか」
    「え! なんで? なんでお姉ちゃんを殴――」

     ガツッ、となんとも鈍い音。

    「あうぅ……痛い」

     「なんで……なんで」と姉貴が、涙目で頭を押さえながら、呟いているが気にしない。当然の制栽だ。

    「で……なんで俺を呼んだんだ?」
    「ふぇ? ええと……あ、そうだ』

     ……一瞬忘れてただろ、姉貴。

    「放課後にね、ユウくん少し教室の前で待っててくれる?」
    「え、何か放課後にあるのか?」
    「う……うんまぁねっ!」
    「……」

     姉貴は目を背けて言った。ああ……ろくなことに遭わないな、一瞬で悟った俺は大分毒されているのだろう。

    「絶対待ってて」

    「!」

     今度は真剣に向き合ってそう言った。

    「お願い」

    「……」

     はぁ……姉貴のお願いには弱いんだよなぁ。

    「……わかったよ」

     相変わらず、俺は姉に甘いんだよな。 ……直さないと。

    「ありがとう! じゃ、放課後にねっ!」

     と言って去って行った……というか、それだけだったんだ。

    「……」

     約束しちまったし。仕方ない、放課後は教室前で待ってるか……はい、これ伏線だから覚えておいてな。

    11/07/10 03:57 キラワケ   

    HOME
    Copyright キラワケ All Rights Reserved.
    CGI by まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.34c