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Kingdom Hearts Order Heaven ファーストステップ

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INDEX

  • あらすじ
  • 01 静動 1
  • 02 静動 2
  • 03 静動 3
  • 04 静動 4
  • 05 亡心 1
  • 06 亡心 2
  • 静動 2

    【マレフィセント】は墜ちた
    鍵の小僧は探していた、王女様を見つけてこれでめでたしめでたし






    となる訳がないだろう?
    鍵の小僧は全ての黒幕である【アンセム】と名乗る【ハートレス】を倒す為に、決戦の地に向かった
    俺は他の王女様たちを元の世界に戻させ……城に一人残った
    目的は勿論……

    「やっとだ……やっと、見つけた」

    【ホロウ・バスティオン】最深部、王女様たちが闇の魔女に囚われていた部屋の中にポッカリと空いた穴
    その先に、黒いコートを纏った者……フードを被っていて顔は分からんが体格的に見て男か
    静かに佇んでいるだけでソイツは違和感を放っている、世界から浮いている、まるで【存在していない】かのように

    「何者だ?」

    男は何も答えない

    「なぜ、俺の故郷を……【グレイスシティ】を破壊した?」

    脳裏を過ぎったのは日が沈まない街の最初で最後の夕焼け……そして夜
    奴らはどこからともなく現れて、まるで紙屑のように全てを壊していった
    街を、人を、世界を、あっと言う間に壊していった

    「答えろよ、それとも貴様は口が聞けんのか?」
    「……キミは、一つ勘違いをしている」

    男が口を開く
    重厚で、やはり違和感のある声だ
    男は淡々と無感情に言葉を紡ぐ

    「私たちは……いや、少なくとも私は【グレイスシティ】なんて知らない」
    「デタラメを抜かすな!あの時襲ってきたのはその黒いコートの連中だ、まさか“偶然″同じモノを着ているのだと言うのか!?」
    「……そう、なるな」
    「ふざけるな!!」

    怒りに任せ【ワイヤーブレード】を四本投げつける
    猛スピードで迫るその刃を奴は、いともたやすくそのコートの袖から延ばした【ビームサーベル】で受け止める
    さらに、受け止められた拍子に短剣から伸びたワイヤーが絡められたのかビクとも動かない

    「グッ……」
    「キミの、その憎悪に満ちた心……失えば、さぞかし強力な【ハートレス】が産まれるだろうな」

    チラリとコートから覗いた金色の目には、感情が無く硝子玉のように俺を見定めていた
    ゾクリとした寒気が俺の中を走る

    「【ゼロ・グラビデ】!!」

    咄嗟に放った、無重力魔法
    しかし、その力場は奴を捕らえられず直ぐに消えてしまった
    男は力場から飛び退いた勢いを利用し、絡め取った【ワイヤーブレード】を思いっきり引っ張る
    魔法を放った直後で力の入らない俺の身体は簡単に体勢を崩し、つんのめるようにして前に引き倒される
    直後に背中に衝撃、突如空中に現れた奴の膝が背中に突き刺さる

    「ガハッ!?」
    「無重力魔法……久しく見ていなかったな」

    地面に叩きつけられ、肺の中の空気を全て強制的に吐き出させられた俺を踏みつける男
    腕の自由が利かず、身体を起こすことが出来ない俺を奴は更なる力を込めて踏みにじる

    「さて、キミは何になるのだろうな?【シャドウ】か?【ソルジャー】か?それとも……【アンセム】のような人型のハートレスか?」
    「調子に……乗るなぁ!!」

    腕の自由を奪うだけで俺を止められると思うなよ
    僅かに動かした指の動きは確実に、ワイヤーよりもなお細いピアノ線を伝わり、俺が呼び出したその武器に命を吹き込ませる
    回転しながら、奴に襲い掛かるのは両刃の片手斧
    その奇襲を避けるために奴は俺の身体から離れる
    すぐさま立ち上がった俺は“とっておき″を出すために【ワイヤーブレード】を接続するワイヤーを切り離して、体勢を整える
    そして、今までの戦闘でボロボロになったマントから棒状の金属を取り出し、ずっと背負っていたソレに接続して握り締める

    「ほう、何かを背負っているとは思ったが……奥の手、のつもりか?」
    「俺の故郷【グレイスシティ】は世界を繋ぐ貿易港の役割を果たしていた……様々な世界の道具や魔法を知る機会には恵まれていた」

    背から下ろし、地面に叩きつければ砂埃と共にタイルにヒビが入る
    かつて、混沌の神の腹心と呼ばれた戦士がいた
    光の戦士と幾度も刃を交え、最期には滅びてしまった悪の一人
    その戦士が愛用した、その大剣の名は

    「【ソウルオブカオス・レプリカ】、模倣して、改造した俺の切り札だ」

    言葉を言い切らない内に持ち手を捻り、その力を見せつける
    柄と鍔を繋ぐように鎖が伸び、力任せに振るえば剣本体は遠心力を伴って黒コートの男に襲い掛かる
    男は【ビームサーベル】を交差させてこの一撃を防ごうとする……が

    「止まると思うな!!」
    「ヌォッ!?グゥ……」

    ガードごと、奴の身体を吹き飛ばし壁面に叩きつける
    手元に戻った【レプリカ】をさらに、変形させる
    ドリルのような形状となった【レプリカ】で追撃を加えようと突進しようとしたその時
    俺と奴の間に緑色の鳥のような何かが割って入り、風を巻き起こして俺の攻撃を止めさせた

    「あーもう、危ないですよ!ヒトにそーいう危ないものを向けちゃダメって教えられなかったんですか!」

    背後から聞こえたのは少女の声
    振り向けば、確かにそこには少女がいた
    奴と同じコートを纏っているがフードは被っておらず、金色の短めな髪と可愛らしい顔がコートとアンバランスだったが彼女も奴と同じ雰囲気を纏っていた
    コイツの仲間か?

    「誰だって言いたげな顔してますね、おにーさん!アタシは13機関の(見習い)メンバー!【青の争乱】【ディルクスル】です!!今、アナタが吹っ飛ばしちゃったオジサン、【ゼムナス】さんの手助けに参りました!!」

    ペカッとポーズを決めて言い切った少女……いや、少女なんて可愛らしいものじゃないな
    このクソガキの登場で俺と奴との間のピリピリとした空気は霧散してしまった


    14/06/09 17:53 GM   

    ■作者メッセージ
    この作品はDFF、FF14の設定や技も入れる予定です
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