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俺が異世界をウルーウィン

流雅

INDEX

  • あらすじ
  • 01 一話 『異世界』
  • 02 第二話 『腐』
  • 03 第三話 『町』
  • 04 第四話 『外』
  • 05 第五話 『発』
  • 06 第六話 『進』
  • 07 第七話 『向』
  • 08 第八話 『酷』
  • 第七話 『向』

    ん?
    目が覚めると周りは真っ暗、って事はまだ俺は目が覚めていないようだ
    「やっほー。』
    案の定、そこにいるのは豊だ
    「今回は何のようだ?」
    「別にー。ただ昨日は全く出てこなかったから今の内にと。」
    「悪かったな」
    「それ。本当に思ってるかい?。」
    「思っていないという証拠はあるのか?」
    「そんなことに証拠なんて物はいるのかい?。」
    「そんなことなんていうなよ、証拠がいらないのだとしたら、それはただの感情論だ」
    「感情論じゃ。だめな物なのか?。」
    「当たり前だろ、お前にとってどうでもいいことでも、他人からしたら重要な事だってある、それを感情論なんてあやふやな物で決めていいはずが無い」
    「そうかい。そういう考えもあるね。」

    「まぁ、俺はどうでもいいけどな」

    そう言い残して俺は眠った


    朝だ、周りを見ると寝袋が一つ綺麗にたたまれていた、きっとゼノアだろう
    横を見るとアイルが気持ちよさそうに寝ている、
    「…zzz…」
    鼻を摘んでみる
    「う、ううん…」
    苦しそうにしてたのでやめた
    のそのそと自分の寝ていた寝袋から起き上がり綺麗にたたんだ後、能力で創りだしたのを思い出してそのまま寝袋の存在を破壊する、見事に二度手間だ
    テントの外に出る、もうすでに起きている人たちもいるようで軽い朝食を食べている人も何人かいる
    「お、起きたか」
    ゼノアがいた、すぐ横に
    「ああ、おはよう」
    「おう」
    女性陣もほとんどが起きている
    俺の朝飯は昨日残ったパン、リアル残飯だが誰も手をつけていない昨日俺が残した物だ
    朝食を食べ終わるころにアイルが起きて来る、
    「おはようございます、ヨウヘイさん」
    「おはよう」
    するとゼノアが
    「おはようさん、時間がないぞ、早く食べろ」
    寝ぼけ眼で飯を食べていくアイル、ゼノアの言うとおりもうすぐ出発だろう

    今俺は馬車の中にいる、外では商人達が朝礼的なものをしていた
    しばらくすると御者の人が飛び乗って来る
    そしてガラガラと馬車は昨日聞いた予定通り、薄暗い洞窟の中に入っていく
    洞窟と言っても、長さは50mほどのかなり小さい洞窟だ
    そして魔物や動物なども、全くと言っていいほどいない
    特に何が起きるわけも無く、普通に馬車は洞窟をぬけた

    洞窟をぬけた後も馬車は進む、洞窟を一つぬけたからといって特に変わる物も無く、草原を走り続ける
    しばらく走ると声が響いた、
    「おーい、魔物だー!誰か出てきてくれ!」
    馬車が止まり、何事かと馬車の外を覗くが、別の冒険者がすでに対応していた
    戦ってるのは男三人だ、連携などは無く全員個人プレーだが相手が弱いのか、特に苦戦する事無く、戦っている
    魔物の方は鋭い角を生やした普通より大きい兔が3匹、ギルドのプレートをかざすと

    ホーンラビット ランクF
    討伐証明部位 角
    交換部位 毛皮 角

    ランクFか…きっと弱いのだろう
    難なく、ホーンラビットを倒した三人は手際よく自分が倒したホーンラビットの毛皮と角を剥ぎ取ると、すぐに馬車に入っていった
    そして馬車はまた動き出す

    昼が過ぎて皆が飯を馬車の中で食っている、俺もパンとそこらへんにいた鳥を猟銃で打ち落とした物を軽く焼いて食べている
    「しかし本当にすごいな、ヨウヘイの武器は」
    鳥を狩った所を見ていたミリヤに言われる
    「ああ、詳しくは教えられないけどな」
    アイシスちゃんはゼノアと一緒に昼食をとっている、側から見ると保護者にしか見えないゼノアを見て少し笑ってしまう
    食べ終わるとアイルがやってきた
    「ここから出発して、2時間ぐらいの所に村があるそうなので、そこで2時間ぐらい休憩するそうです」
    「ああ、ありがとう」
    礼を言う、それはそうともうすぐ初めての村である、ちょっとした期待を膨らませる、
    昼食が終わると暇になる、アイル達はまだ昼食を続けている、
    俺は馬車の壁にもたれかかり、昼寝を始めた

    「お……い…お」
    眠い
    「お…!…きろ」
    眠い
    『おきろー!!!。』
    「うわ!!!」
    び、びっくりした…
    『何してんだ豊!、うっさいぞ!!」
    『いや。だってさ皆が起こしているのに起きないから…』
    『え?』
    改めて周りを見るとミリヤが俺を起こそうととしていた
    「おき…ってなんだ、やっと起きたか」
    近くにはアイシスちゃんとミリヤ、ゼノアとアイルはいない
    「何があったんだ?」
    「少々予定が狂った、外を見てみろ」
    言われたとおり外の様子を窺うと、
    「何だあれ…」
    馬車の向かっている遥か向こうに黒煙が出ていた
    「起きたか、ヨウヘイ」
    ゼノアが話しかけてくる
    「ああ、いったい何なんだ?あの煙は」
    「ただの火事、だったらいいが…まだ分からない、遠視の魔法を使っているがまだ分からないようだ」
    遠視の魔法か、そういや魔法があるんだなこの世界
    ともかく50倍スコープを創り出し、黒煙の元見る、すると

    見たくない物を見てしまった、

    頭から血飛沫を上げて倒れる男

    集団の男に遊び殺される子供

    中にまだ人がいる家を焼き晒す集団

    背後から剣で刺され、そのまま切り殺される女性

    複数で強姦される女性

    転がる首、腕、手、足、内臓

    スコープから目を離す、ああ、もういい、見たくない
    「何ですか、その棒」
    アイルがスコープを指して聞いてくる、今はそれどころじゃない
    普通ならここで吐いてもおかしくないだろう、そういえば吐くという行為は目の前の精神的にダメージを与える物から意識を逸らし、ダメージを軽くする物らしい、
    そして気付く、俺は気持ち悪いとは思っているが吐いてはいない、理由は何だろう?、
    もうすでにさっき考えた事で意識を逸らしきっているのか、それとも元からこの程度で吐く様なやわい精神ではないのか、それともこんな事すらどうでもいいと考えられるほど冷酷な人間だったのだろうか?
    まぁ今はどうでもいい、好都合だ
    「これは遠くを視る道具だ」
    アイルに言う、
    「どうでしたか?」
    答える
    「賊だろう、酷い有様だった」
    「そうですか…」
    あらかた予想はついていたのだろう、特に驚いた様子も無くただ、「伝えてきます」と言ってその場を離れた、

    しばらくすると冒険者と商人で話し合いが行われた、村を通り過ぎて安全に目的地を目指すか村を援護するか、
    15分程度話し合いが行われたが結果、“援護に参加したい冒険者だけ向かう”ことになった、
    商人の方も自分達に危険が無いなら別に何をしようとかまわないとのこと
    冒険者の反応も様々だった、怖がり向かわない者、自分の依頼を優先させる者、正義感に燃える者、もちろん向かう者は少なかった
    結果、援護に参加するのはアイル達のチームと他2人、全体の冒険者の半分にも満たなかった
    俺は悩んでいた
    『やめとけよ。[百害あって一利なし]。だぜ。』
    『ああ、俺もそう思う、けど見てしまった以上な』
    『それだけの理由で行くのかい?。自らの命を危険に晒してまでも?。』
    『そうだな、よしやめとこう』
    『…へぇ。納得するんだ。』
    驚いたように言う豊
    『お前がそういったんだろ?』
    『いやてっきり[そんなの見捨てられない!!]。だとか[困っている人がいたら助けなきゃ!!]とか言うと思ってた。』
    『おいおいおい、そんなに心が綺麗な奴じゃないぞ俺は、自己中心論だ、自分が一番大事なんだよ、』
    『主人公になれないね。君は。』
    『お前もな』
    『でも。君の自己中心論で行くとほとんどの人間が自己中心じゃないか。』
    『あたりまえだろ、全く見ず知らずの人間の為だけに全財産や命を投げれる人間なんていない、いるわけがない』
    『でも。いるじゃん。自分より家族が大事だとか。恋人が大事だとか言う人いるぜ。』
    『それはその“大切な人間”が死んだり不幸な目に遭うと自分にもダメージが来るからだ、最後はやはり自分のためなんだよ』
    『…捻くれてるね。君は。』
    『捻くれ上等だ』
    念話を切る、さて昼寝でもするか
    「すまないヨウヘイ、ちょっといいですか?」
    アイルに話しかけられる、近くには他の3人もいる
    「ん?なんだアイル」
    「ヨウヘイは参加しないのですか?」
    「ああ、そのつもりだが」
    「そっか…できれば訳を話してくれませんか?」
    困った事になった、適当に言い訳しないと
    「しいて言うなら怖いからかな」
    「そうか…無理を承知で頼みたい、力をかしてくれないか?」
    そういわれることは分かっていた、だからこそ聞く
    「なぜだ?」
    「え?」
    「なぜ見ず知らずの人のためにここまで頑張ろうとする?」
    「それは…やっぱり困っている人がいたら助けるべきだろう、自分に助けられる力があるのなら」
    目を見る、嘘偽りの無い目、だと思う、主人公に相応しい人間だと思った
    「そうか、そういう考え方もあるんだな」
    パクるなよ、と豊から聞こえた気がした
    チャチャを入れるなと思った
    「それに今この人数で行くのは難しい、賊共をうまく倒せるかどうか、うまく倒せたとしても被害はでないとは言い切れない、最悪誰か死んでしまうかもしれない」
    こちらは確かに強い、アイル達のチームもCランクと中堅並みだと聞いたし、ほかの二人も腕に自身があるのだろう、だが賊共も20人以上はいた、それに相手の力も未知数、敵全員がゴロツキなどではなくそれなりに強いのだとしたら、誰も死なずに戦うのはとてもじゃないが無理だろう
    「私からもお願いする、ヨウへイの力は大きい、力を貸してくれ」
    ミリヤがやってきて頭を下げる
    俺は自己中だ、だがアイル達俺にとってすでに“大切な人間”だ、だから力を貸そう、貸してやる
    「分かった、いいよ、力を貸す」
    「本当か!ありがとう、感謝する」
    「ありがとございます!ヨウヘイ」
    礼を言われる、悪くないと思う、所詮自己満足なのだろうが
    すると近くで話を聞いてたゼノアが
    「危険な事に巻き込んですまない、だがヨウヘイがいるだけでかなり被害は減る、無茶を聞いてくれてありがとう」
    「いいよ、ゼノア達が死ぬと嫌だからな」
    するとアイシスちゃんが
    「……ありがとう」
    と呟いてくれた、やる気が出た

    村から肉眼でぎりぎり見えないように近くの丘に隠れるような場所で馬車を降りる、見つかって標的にされないためだ
    馬車を出るときにルーサンにがんばってくださいと声をかけられた
    さて、行くか
    全員疲れない程度に速く歩く、ここから村の距離は300メートルくらいだ
    村の前に辿りつく、ほとんどの賊は村の中心に入っているのか近くに見張りはいない、
    とりあえず、何人かに分かれることにした、
    アイル・ミリヤとゼノア・アイシス、それ以外は全員単独のゲリラ戦だ
    村は酷かった、木製の家しか無いのか焼けていたり、半壊していたり、扉が吹飛んでいたり
    奥に進むと悲鳴が聞こえてきた、気付かれないよう音を立てずに様子を窺うするとそこにはこどもが3人“いた”、現在は2人だ
    子供の近くには賊が2人、そして近くに頭から無理やり力任せに切断された子供の遺体、賊の手には大きい血まみれの斧が握られている、きっとあの斧でやったのだろう
    俺はデザートイーグル(消音機つき)を創り出す、大丈夫だ、この距離なら外さない
    泣き叫ぶ子供達を見て嘲笑いながら、賊が斧を振りかぶった瞬間、デザートイーグルを撃っ放す
    斧を振りかぶったまま絶命した、近くにいた男の顔に血が降りかかる、混乱して動けない男の上に斧が落ちてきて―――命中、頭に斧が刺さった男は斧の重心が後ろだった事もありそのまま後ろに倒れた
    『なんてピタゴラ。』
    豊が何か言ってるが気にしない、
    子供達に近づき敵意が無いことを証明してから物陰に隠れさせる、
    俺はそのまま脚を進める

    しばらく行くと戦闘音が聞こえた、きっと誰かが戦っているのだろう
    走って音の聞こえる場所に向かう、
    戦っていたのは一緒にここまで来た男の内の一人、名前はしらん
    戦況は悪いようだ、賊は2人、男の後ろには女がいる、きっと女を助けてああなったのだろう
    にらみ合いが続く中、賊の後ろから忍び寄りつつナイフを創り出し、後ろから心臓めがけてぶっ刺す、一撃、絶命
    一瞬隙が出来たもう一人の賊に男が切りかかる、首を跳ね飛ばし終了、一撃、見事だ
    男が話しかけてくる
    「ありがとう、助かった」
    「大丈夫か?気を抜くなよ」
    「ああ」
    そういって男は女に駆け寄り安否を確かめている、ここは大丈夫そうだ
    俺は町の中心に向かって駆け出した

    11/10/02 00:03 流雅   

    ■作者メッセージ
    長いはず、だけど4851文字書いたけどさして疲れてません、慣れたんでしょうか?そうだといいんですが…

    誤字脱字が大変多いでしょうが、指摘して頂けると嬉しいです
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