第2章『集いし仲間』 3
集会所を出てギンジとノエルと別れた一行。
宿の予約を済ませると、自由時間となった。
スクルドは勿論の事、レイノスも前回の旅の時にはほとんど街の様子をゆっくりと見る暇はなかったので街の探索をした。
セネリオも誘ったが、用事があるからと断る。
なんでも、優秀な鍛冶職人がいるとのことで、せっかくなのでラグネルとエタルドを見てもらおうということらしい。
そういうわけで、レイノスとスクルドは二人で街の中を歩いていた。
シェリダンには、バチカルでは見かけることのない変わった音機関などが沢山あり、歩いて見て回るだけでも楽しかった。
「ん?あそこは何かな、お兄ちゃん」
「さあな、入ってみようぜ」
街の奥に佇む、変わった建物。
レイノスとスクルドは、好奇心に任せてその建物の中に入ろうと試みるが…
「ア〜、坊ちゃん御令嬢、この先は立ち入り禁止ダヨー」
「うわっ、クノン!」
突然後ろから肩を叩かれ、レイノスはびっくりして振り向く。
振り向いた先にいたのは、先ほど集会所を飛び出してどこかに行っていたクノンだった。
「立ち入り禁止って…この中にはなにがあるんですか?」
スクルドが、建物を指さしながらクノンに訊ねる。
「あの建物は、飛晃艇ドッグ…明日ボク達が乗るアルビオール4号機があるンだヨ」
「アルビオールが!?マジかよ!」
「うん、今は明日のフライに向けて最後の点検作業中サ」
「なあなあクノン、どうしても入っちゃ駄目なのか?俺、空飛ぶ音機関ってのがどんなのなのか、早く見たいんだ」
「私も見てみたいです!」
興奮気味に懇願するレイノスとスクルドだったが、クノンはダメダメと首を振った。
「気持ちは分かるけどさ〜、明日には乗るわけだしさ、その時まで楽しみはとっとこうヨ♪」
「ちぇ〜、分かったよ。スクルド、行こうぜ」
クノンの言い分にレイノスは渋々ながら納得し、ドッグを後にした。
「ほお、これは…」
セネリオの武器を見て、武器屋の鍛冶部屋にいる中年の男性は感嘆の声を漏らす。
かつてこの鍛冶部屋にいた老人の弟子であり、彼もまた優秀な鍛冶職人であった。
「見事な剣だな、二本の剣が同調しあい切れ味を高めている、か…手入れも行き届いているし、何も言う事はないな」
「そうですか」
「あんた、これからも大事に使ってやれよ」
「ええ、勿論そのつもりです」
鍛冶職人は、ラグネルとエタルドを見比べながら、検分する。
そして、自分に出来ることはなにもなさそうだと判断すると、これからも大事に使うようにと述べてセネリオに剣を返した。
「しかし、譜術大戦時代の剣ね…」
「?…何か気になることでも?」
「いや、あの時代の特別な武器の中には、物騒な代物もあるって聞いたことがあってなあ…見たところ兄ちゃんの剣はそういう類のもんじゃねえみたいだが、もし知り合いにそういうもん持ってる奴がいたら、気を付けてくれよ」
「…ご忠告、感謝します」
そうして各々の時間を過ごした一行は翌日の朝、飛晃艇のドッグに来ていた。
「おおお、これがアルビオールか!?」
「わああ、かっこいいです!」
レイノスとスクルドは、待ちに待ったアルビオールの姿に目を輝かせていた。
「さあさあ、みんな乗り込ンデ〜」
クノンに促され、レイノス達は中に乗り込む。
「ハッチは開いてるね?それじゃあ行っくヨ〜!出発進行!」
クノンがそういうと、アルビオールは徐々に浮遊を開始した。
そして、シェリダンの街を一望できるほどの高度まで上がると…
「GO♪」
次の瞬間、凄まじい速さで前進を開始した。
こうして、アルビオールが空を駆ける旅は、無事始まったのであった。
宿の予約を済ませると、自由時間となった。
スクルドは勿論の事、レイノスも前回の旅の時にはほとんど街の様子をゆっくりと見る暇はなかったので街の探索をした。
セネリオも誘ったが、用事があるからと断る。
なんでも、優秀な鍛冶職人がいるとのことで、せっかくなのでラグネルとエタルドを見てもらおうということらしい。
そういうわけで、レイノスとスクルドは二人で街の中を歩いていた。
シェリダンには、バチカルでは見かけることのない変わった音機関などが沢山あり、歩いて見て回るだけでも楽しかった。
「ん?あそこは何かな、お兄ちゃん」
「さあな、入ってみようぜ」
街の奥に佇む、変わった建物。
レイノスとスクルドは、好奇心に任せてその建物の中に入ろうと試みるが…
「ア〜、坊ちゃん御令嬢、この先は立ち入り禁止ダヨー」
「うわっ、クノン!」
突然後ろから肩を叩かれ、レイノスはびっくりして振り向く。
振り向いた先にいたのは、先ほど集会所を飛び出してどこかに行っていたクノンだった。
「立ち入り禁止って…この中にはなにがあるんですか?」
スクルドが、建物を指さしながらクノンに訊ねる。
「あの建物は、飛晃艇ドッグ…明日ボク達が乗るアルビオール4号機があるンだヨ」
「アルビオールが!?マジかよ!」
「うん、今は明日のフライに向けて最後の点検作業中サ」
「なあなあクノン、どうしても入っちゃ駄目なのか?俺、空飛ぶ音機関ってのがどんなのなのか、早く見たいんだ」
「私も見てみたいです!」
興奮気味に懇願するレイノスとスクルドだったが、クノンはダメダメと首を振った。
「気持ちは分かるけどさ〜、明日には乗るわけだしさ、その時まで楽しみはとっとこうヨ♪」
「ちぇ〜、分かったよ。スクルド、行こうぜ」
クノンの言い分にレイノスは渋々ながら納得し、ドッグを後にした。
「ほお、これは…」
セネリオの武器を見て、武器屋の鍛冶部屋にいる中年の男性は感嘆の声を漏らす。
かつてこの鍛冶部屋にいた老人の弟子であり、彼もまた優秀な鍛冶職人であった。
「見事な剣だな、二本の剣が同調しあい切れ味を高めている、か…手入れも行き届いているし、何も言う事はないな」
「そうですか」
「あんた、これからも大事に使ってやれよ」
「ええ、勿論そのつもりです」
鍛冶職人は、ラグネルとエタルドを見比べながら、検分する。
そして、自分に出来ることはなにもなさそうだと判断すると、これからも大事に使うようにと述べてセネリオに剣を返した。
「しかし、譜術大戦時代の剣ね…」
「?…何か気になることでも?」
「いや、あの時代の特別な武器の中には、物騒な代物もあるって聞いたことがあってなあ…見たところ兄ちゃんの剣はそういう類のもんじゃねえみたいだが、もし知り合いにそういうもん持ってる奴がいたら、気を付けてくれよ」
「…ご忠告、感謝します」
そうして各々の時間を過ごした一行は翌日の朝、飛晃艇のドッグに来ていた。
「おおお、これがアルビオールか!?」
「わああ、かっこいいです!」
レイノスとスクルドは、待ちに待ったアルビオールの姿に目を輝かせていた。
「さあさあ、みんな乗り込ンデ〜」
クノンに促され、レイノス達は中に乗り込む。
「ハッチは開いてるね?それじゃあ行っくヨ〜!出発進行!」
クノンがそういうと、アルビオールは徐々に浮遊を開始した。
そして、シェリダンの街を一望できるほどの高度まで上がると…
「GO♪」
次の瞬間、凄まじい速さで前進を開始した。
こうして、アルビオールが空を駆ける旅は、無事始まったのであった。