第2章『集いし仲間』 7
ジェイドとピオニーへの報告を終えたその日の夜、一行は男性の客用寝室に集まっていた。
これからの予定について話し合うためだ。
「明日はチーグルの森へ向かおうと思う」
「シノンと合流するんだな」
レイノスの言葉にセネリオは頷く。
シノン・エルメス。
十二歳の少女ながら、スクルド奪還の旅に同行してくれた。
シュレーの丘の決戦時には度々一行の邪魔をしてきたフォルクス・ソレイユを撃退した。
「シノンや彼女のご両親が納得したとしても、準備に1日空ける必要があるから、エンゲーブで宿を取りましょう」
リンが提案する。
シノンは魔獣使いの両親と共に森で暮らしているのだ。
レイノスやリンの家のような豪邸でもないのにお世話になるわけにはいかないだろう。
「またハノンに会えるんだ〜、楽しみ〜」
「ボクも楽しみ〜」
目を輝かせて再会を心待ちにするスクルドに、クノンも同意する。
二人が会うのを楽しみにしているハノンとは、黄色の体毛を持つチーグルで、両親と同じく魔獣使いであるシノンのパートナーだ。
戦闘でもしっかりとシノンをフォローし、あのフォルクスにとどめをさしたのもこのチーグルの攻撃なのだ。
「前から思ってたけどクノン、お前ハノンのことなにかと気にかけてるよな。スクルドと同じような趣味持ってるのか?」
レイノスが尋ねる。
ハノンは、いつも人を名前で呼ぶことがないクノンが名前で呼ぶ数少ない存在だ。
他に思い当たるのは、育ての親のギンジとノエルくらいだ。
「ベツにそういうんじゃないヨ。ただ、チーグルにはチョット思い入れがあってネ…」
「思い入れ、ですか?いったいどんな?」
「あー、別に話すほどの大した話じゃないヨ」
少し遠い目になってチーグルに思い入れがあると語るクノンに、リンが食いつくが、クノンは彼にしては珍しくそこで会話を打ち切ってしまった。
「シノンと合流した後は、ダアトへ行くつもりだが…」
「…あ!また女装ですね!」
歯切れ悪くシノンとの合流後の予定について語るセネリオに、スクルドはピンと来た。
そう、彼女の言う通りダアトへ行く際にはセネリオは正体を隠すために変装をしなければならない。
そして、その変装はやはり女装となることだろう。
「着替えは、明日エンゲーブの宿を発つ時にでもしましょう」
「シノンのやつもセネリオの女装見たことないだろうし、反応が楽しみだな」
「貴様ら…」
女装について楽しそうに語るリンとレイノスの姿を恨めしげに眺めるセネリオであった。
これからの予定について話し合うためだ。
「明日はチーグルの森へ向かおうと思う」
「シノンと合流するんだな」
レイノスの言葉にセネリオは頷く。
シノン・エルメス。
十二歳の少女ながら、スクルド奪還の旅に同行してくれた。
シュレーの丘の決戦時には度々一行の邪魔をしてきたフォルクス・ソレイユを撃退した。
「シノンや彼女のご両親が納得したとしても、準備に1日空ける必要があるから、エンゲーブで宿を取りましょう」
リンが提案する。
シノンは魔獣使いの両親と共に森で暮らしているのだ。
レイノスやリンの家のような豪邸でもないのにお世話になるわけにはいかないだろう。
「またハノンに会えるんだ〜、楽しみ〜」
「ボクも楽しみ〜」
目を輝かせて再会を心待ちにするスクルドに、クノンも同意する。
二人が会うのを楽しみにしているハノンとは、黄色の体毛を持つチーグルで、両親と同じく魔獣使いであるシノンのパートナーだ。
戦闘でもしっかりとシノンをフォローし、あのフォルクスにとどめをさしたのもこのチーグルの攻撃なのだ。
「前から思ってたけどクノン、お前ハノンのことなにかと気にかけてるよな。スクルドと同じような趣味持ってるのか?」
レイノスが尋ねる。
ハノンは、いつも人を名前で呼ぶことがないクノンが名前で呼ぶ数少ない存在だ。
他に思い当たるのは、育ての親のギンジとノエルくらいだ。
「ベツにそういうんじゃないヨ。ただ、チーグルにはチョット思い入れがあってネ…」
「思い入れ、ですか?いったいどんな?」
「あー、別に話すほどの大した話じゃないヨ」
少し遠い目になってチーグルに思い入れがあると語るクノンに、リンが食いつくが、クノンは彼にしては珍しくそこで会話を打ち切ってしまった。
「シノンと合流した後は、ダアトへ行くつもりだが…」
「…あ!また女装ですね!」
歯切れ悪くシノンとの合流後の予定について語るセネリオに、スクルドはピンと来た。
そう、彼女の言う通りダアトへ行く際にはセネリオは正体を隠すために変装をしなければならない。
そして、その変装はやはり女装となることだろう。
「着替えは、明日エンゲーブの宿を発つ時にでもしましょう」
「シノンのやつもセネリオの女装見たことないだろうし、反応が楽しみだな」
「貴様ら…」
女装について楽しそうに語るリンとレイノスの姿を恨めしげに眺めるセネリオであった。