第2章『集いし仲間』 10
翌朝、レイノス達は行動を開始した。
このダアトでの目的は、ミステリアスおよびアルセリアとの合流、そして導師ロストロとの謁見だ。
ミステリアスは導師の従者であるから謁見のついでに合流すればいいとして、アルセリアは街の外れに住んでいる。
そこで一行は二手に分かれて行動することとなった。
「セリア、元気かなあ」
能天気な様子でそういったのはシノンだ。
こちらはアルセリアとの合流を目的としたチームである。
メンバーはレイノス、リン、シノン。
「う〜ん、どうなんだろう」
「リン、何か気になることでもあるのか?」
リンはなにやら微妙そうな表情をしている。
レイノスは気になってその表情の理由を尋ねる。
「うん…スクルドを取り戻した日の夜のことなんだけど、セリア、うなされててね」
「…うなされてた?」
「うん…多分賊のあの姉弟を殺しちゃったことを、相当気に病んでたんじゃないかしら」
リンの話を聞き、レイノスはアルセリアについて考える。
彼女は、人一倍優しい女性だった。
そんな彼女が(とどめを刺したのはミステリアスとクノンとはいえ)人を殺すというのはかなりショックだったことだろう。
実際、アルセリアは一度あの姉弟との戦場から逃げ出してしまったらしい。
そして彼女はなにより…家族というものをとても大切にしていた。
そんな彼女が賊とはいえ姉弟を殺すことになってしまったのは、相当に辛かったはずだ。
「あ、見えてきたわよ」
「あれがセリアのお家?うわあ、森の中にあるなんて私のお家みたい」
遠くに見えるセリアの家を眺めながら、レイノスは彼女のことを考えていた。
一方、もうひとつのチームはロストロと面会していた。
教会に着いてすぐ、待ち構えていたミステリアスに連れてこられたのだ。
ミステリアスいわく、「そろそろ来ると思っていた」らしい。
「クノン、元気そうですね」
「ヤホー、導師サマ」
相手が導師だろうと軽い感じで話をするクノン。
「あなたがレイノスの妹ですか。無事に救出されたようでなによりです」
「ありがとうございます」
ペコリとお辞儀をして礼を言うスクルド。
「そして、あなたも久しぶりです。セネリオ・バークハルス」
「…………」
ロストロの言葉に応じず、セネリオは黙したままだ。
「ミステと密かに連絡を取り合っていたことは知ってたけど、こうしてあなたと会うのはあなたがまだオラクルにいた頃以来…いや、5ヶ月前にも第四石碑の丘で会ってたんでしたっけ」
「俺は…」
「分かっています、クラノスについては僕も不審に思いますから。僕はあなたの味方です」
そういった後、ロストロは申し訳なさそうな表情となった。
「特務師団のこと…すみません。僕の力が足りないばかりに」
「あなたが気にすることはありません。あいつらも俺も、覚悟はできていましたから」
「特務師団って、セネリオさんの所属してた所ですよね。何かあったんですか?」
スクルドの問いに、セネリオは答えない。
心なしか、表情に漂う影みたいなものが濃くなったような気がする。
彼の代わりに、ロストロが答えた。
「特務師団は…そのほとんどが処刑され、解体されてしまったんです」
「え!?」
ロストロの話にスクルドは驚き、慌ててセネリオに向き直る。
「ご、ごめんなさいセネリオさん!私、無神経なことを」
「気にするな。さっきも言ったように覚悟はできてた」
「僕がクラノスに不審を覚えたのもこの一件からです。確かに彼らはセネリオ脱走の手引きはしてましたが、それにしたって処分が重すぎる」
「俺も含めて、特務師団はクラノスについて疑念を抱き、調べてましたからね。口封じということでしょう」
「セネリオさん…」
ロストロとセネリオの会話を聞きながら、スクルドは悲しそうな表情をしていた。
スキット「乙女系男子?」
クノン「てか導師サマ、漆黒の女装にはスルーなわけ?」
ロストロ「変装の為でしょう?無理やり女装させられる辛さは僕も分かるから、その事に関して彼をからかうきはないよ」
クノン「あー、確かに導師サマって、すごい女っぽい見た目だよね。初めて会ったときも、声聞くまでは男か女か分かんなかったヨ」
ロストロ「これでも父親似なんだよねえ…」
クノン「ガルディオスのお嬢様には気を付けたほうがいいヨ。ボクのことも女装させたがってたし」
ロストロ「気をつけます」
このダアトでの目的は、ミステリアスおよびアルセリアとの合流、そして導師ロストロとの謁見だ。
ミステリアスは導師の従者であるから謁見のついでに合流すればいいとして、アルセリアは街の外れに住んでいる。
そこで一行は二手に分かれて行動することとなった。
「セリア、元気かなあ」
能天気な様子でそういったのはシノンだ。
こちらはアルセリアとの合流を目的としたチームである。
メンバーはレイノス、リン、シノン。
「う〜ん、どうなんだろう」
「リン、何か気になることでもあるのか?」
リンはなにやら微妙そうな表情をしている。
レイノスは気になってその表情の理由を尋ねる。
「うん…スクルドを取り戻した日の夜のことなんだけど、セリア、うなされててね」
「…うなされてた?」
「うん…多分賊のあの姉弟を殺しちゃったことを、相当気に病んでたんじゃないかしら」
リンの話を聞き、レイノスはアルセリアについて考える。
彼女は、人一倍優しい女性だった。
そんな彼女が(とどめを刺したのはミステリアスとクノンとはいえ)人を殺すというのはかなりショックだったことだろう。
実際、アルセリアは一度あの姉弟との戦場から逃げ出してしまったらしい。
そして彼女はなにより…家族というものをとても大切にしていた。
そんな彼女が賊とはいえ姉弟を殺すことになってしまったのは、相当に辛かったはずだ。
「あ、見えてきたわよ」
「あれがセリアのお家?うわあ、森の中にあるなんて私のお家みたい」
遠くに見えるセリアの家を眺めながら、レイノスは彼女のことを考えていた。
一方、もうひとつのチームはロストロと面会していた。
教会に着いてすぐ、待ち構えていたミステリアスに連れてこられたのだ。
ミステリアスいわく、「そろそろ来ると思っていた」らしい。
「クノン、元気そうですね」
「ヤホー、導師サマ」
相手が導師だろうと軽い感じで話をするクノン。
「あなたがレイノスの妹ですか。無事に救出されたようでなによりです」
「ありがとうございます」
ペコリとお辞儀をして礼を言うスクルド。
「そして、あなたも久しぶりです。セネリオ・バークハルス」
「…………」
ロストロの言葉に応じず、セネリオは黙したままだ。
「ミステと密かに連絡を取り合っていたことは知ってたけど、こうしてあなたと会うのはあなたがまだオラクルにいた頃以来…いや、5ヶ月前にも第四石碑の丘で会ってたんでしたっけ」
「俺は…」
「分かっています、クラノスについては僕も不審に思いますから。僕はあなたの味方です」
そういった後、ロストロは申し訳なさそうな表情となった。
「特務師団のこと…すみません。僕の力が足りないばかりに」
「あなたが気にすることはありません。あいつらも俺も、覚悟はできていましたから」
「特務師団って、セネリオさんの所属してた所ですよね。何かあったんですか?」
スクルドの問いに、セネリオは答えない。
心なしか、表情に漂う影みたいなものが濃くなったような気がする。
彼の代わりに、ロストロが答えた。
「特務師団は…そのほとんどが処刑され、解体されてしまったんです」
「え!?」
ロストロの話にスクルドは驚き、慌ててセネリオに向き直る。
「ご、ごめんなさいセネリオさん!私、無神経なことを」
「気にするな。さっきも言ったように覚悟はできてた」
「僕がクラノスに不審を覚えたのもこの一件からです。確かに彼らはセネリオ脱走の手引きはしてましたが、それにしたって処分が重すぎる」
「俺も含めて、特務師団はクラノスについて疑念を抱き、調べてましたからね。口封じということでしょう」
「セネリオさん…」
ロストロとセネリオの会話を聞きながら、スクルドは悲しそうな表情をしていた。
スキット「乙女系男子?」
クノン「てか導師サマ、漆黒の女装にはスルーなわけ?」
ロストロ「変装の為でしょう?無理やり女装させられる辛さは僕も分かるから、その事に関して彼をからかうきはないよ」
クノン「あー、確かに導師サマって、すごい女っぽい見た目だよね。初めて会ったときも、声聞くまでは男か女か分かんなかったヨ」
ロストロ「これでも父親似なんだよねえ…」
クノン「ガルディオスのお嬢様には気を付けたほうがいいヨ。ボクのことも女装させたがってたし」
ロストロ「気をつけます」