第5章『夕闇の断罪者』 2
「うう〜ん…」
シノンは宿屋のベッドにて、横たわっていた。
無意識の内に、彼の事を目で追っていた。
不思議な胸の高まりと共に。
(クノン…)
どうしてだろう。
彼…クノンの顔を思い出すだけで、顔が熱くなる。
妙にそわそわしてしまって落ち着かないし、それでいて幸福な気持ちが込み上げてくる。
そんなことを考えていると、部屋の扉が開いた。
やってきたのは、スクルドだった。
「シノンちゃん、元気ないけどどうしたの?ハノンの病気は治りそうなんでしょ?」
「スクルド…」
「なにか悩みがあるなら、聞くよ?」
心配そうな表情でスクルドは言う。
確かに、今のこの気持ちの正体は一人で考えても答えが出ないかもしれない。
誰かに相談するべきだろうか。
しばらく考え込んだ後、シノンはスクルドに打ち明けることを決意した。
「あのね、実は…」
…………………………………………………………………………
「…というわけなんだ」
「そっかあ、なるほどねえ」
シノンの話を聞いたスクルドは、なにか納得したような表情で相槌をうっていた。
「私、どうしちゃったのかな…ハノンみたいに、病気なのかな?」
「う〜ん、確かにある意味で病気みたいなものなのかも…」
「ええ!?そうなの!?」
「あ、病気っていっても悪い病気じゃないから心配しないで」
スクルドの言葉にシノンは首をかしげる。
病気に良いとか悪いとかあるのだろうか。
「それにしても相手はクノンさんか〜。歳の差とか、なんだかいろんな意味で大変そうかも」
「?何言ってるのスクルド…?」
「でもでも!シノンちゃんの恋、私は応援するよ!」
「え……!?」
目を丸くするシノン。
今、スクルドはなんと言った?
『シノンちゃんの恋、私は応援するよ!』
『シノンちゃんの恋』
『恋』
「え……えええええええ!?」
頭の中で何度もスクルドの言葉がリピートされ、そしてしばらくしてようやくその意味を理解したシノンは、驚愕の声を上げた。
「私が…クノンに?」
「うん、きっとシノンちゃんは私と同じ…『恋の病』にかかっちゃったんだよ」
スクルドにそう言われて、シノンは困惑する。
この気持ちが、恋?
私がクノンのことを…?
…………………………………………………………………………
その日の夜。
宿で夕食を食べていたレイノス達一行は、食事中に急激な眠気に襲われ、その場で眠ってしまった。
ただ一人を除いて…
「では、行こうか」
クラノスの言葉に、そのただ一人…クノンは頷いた。
クラノスとシンシアは、クノンを引き連れて宿屋を立ち去る。
「じゃあね、みんな…これでお別れだ」
宿を出る直前、仲間達の方を振り向いたクノンは、そう一言つぶやいた。
シノンは宿屋のベッドにて、横たわっていた。
無意識の内に、彼の事を目で追っていた。
不思議な胸の高まりと共に。
(クノン…)
どうしてだろう。
彼…クノンの顔を思い出すだけで、顔が熱くなる。
妙にそわそわしてしまって落ち着かないし、それでいて幸福な気持ちが込み上げてくる。
そんなことを考えていると、部屋の扉が開いた。
やってきたのは、スクルドだった。
「シノンちゃん、元気ないけどどうしたの?ハノンの病気は治りそうなんでしょ?」
「スクルド…」
「なにか悩みがあるなら、聞くよ?」
心配そうな表情でスクルドは言う。
確かに、今のこの気持ちの正体は一人で考えても答えが出ないかもしれない。
誰かに相談するべきだろうか。
しばらく考え込んだ後、シノンはスクルドに打ち明けることを決意した。
「あのね、実は…」
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「…というわけなんだ」
「そっかあ、なるほどねえ」
シノンの話を聞いたスクルドは、なにか納得したような表情で相槌をうっていた。
「私、どうしちゃったのかな…ハノンみたいに、病気なのかな?」
「う〜ん、確かにある意味で病気みたいなものなのかも…」
「ええ!?そうなの!?」
「あ、病気っていっても悪い病気じゃないから心配しないで」
スクルドの言葉にシノンは首をかしげる。
病気に良いとか悪いとかあるのだろうか。
「それにしても相手はクノンさんか〜。歳の差とか、なんだかいろんな意味で大変そうかも」
「?何言ってるのスクルド…?」
「でもでも!シノンちゃんの恋、私は応援するよ!」
「え……!?」
目を丸くするシノン。
今、スクルドはなんと言った?
『シノンちゃんの恋、私は応援するよ!』
『シノンちゃんの恋』
『恋』
「え……えええええええ!?」
頭の中で何度もスクルドの言葉がリピートされ、そしてしばらくしてようやくその意味を理解したシノンは、驚愕の声を上げた。
「私が…クノンに?」
「うん、きっとシノンちゃんは私と同じ…『恋の病』にかかっちゃったんだよ」
スクルドにそう言われて、シノンは困惑する。
この気持ちが、恋?
私がクノンのことを…?
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その日の夜。
宿で夕食を食べていたレイノス達一行は、食事中に急激な眠気に襲われ、その場で眠ってしまった。
ただ一人を除いて…
「では、行こうか」
クラノスの言葉に、そのただ一人…クノンは頷いた。
クラノスとシンシアは、クノンを引き連れて宿屋を立ち去る。
「じゃあね、みんな…これでお別れだ」
宿を出る直前、仲間達の方を振り向いたクノンは、そう一言つぶやいた。