第5章『夕闇の断罪者』 9
「なんだか、街の様子がおかしいですね。妙にそわそわしてるというか…」
ギンジのアルビオールにてダアトへとやってきたレイノス達。
街へと入ったアルセリアは、街の様子がいつもと違うことに気づく。
「おい、何があった」
嫌な予感を感じつつ、セネリオが近くの男性に声をかけて何が起こっているのかを尋ねる。
「ああ、これから広場でクレア・ラスティーヌの処刑が行われるみたいだ」
男性の言葉に、一同は息をのむ。
クノンが捕まってから、まだ数日だ。
あまりにも、早すぎる。
「くそ!ノエル、行くぞ!」
「ええ!」
ギンジとノエルは、すぐさま広場へと走っていった。
「クノンが、死ぬ…?」
シノンは、クノン処刑の話を聞いて呆然としていた。
せっかく決めたのに。
クノンのすべてを、受け止めるって。
彼のことを、もっと知りたいって思っているのに。
それなのに今、その命が消えようとしている。
そんなの…そんなの……!
「そんなの…嫌!クノン!」
シノンもまた、クノンのもとへ走り出した。
「俺達も行こうぜ!」
レイノスの言葉に、アルセリア以外の残りのメンバーも頷いた。
あまりにも早すぎる処刑日。
導師も不在の中、、まともに審議などされず強行されたのだろう。
いくらクノンが犯罪者であろうと、彼らの仲間として、そんな雑な処理をされることなど納得出来ようはずもなかった。
そうして、レイノス達も広場へ向かおうとしたのだが…
「お待ちなさい!」
威厳に満ちた女性の声。
聞き覚えのあるその声にレイノス達は振り向く。
「あ、あなたは…!」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ダアトの広場。
その中心には処刑対象のクレア・ラスティーヌと、処刑の実行人であるミステリアス・ソルジャー。
今、ミステリアスの拳銃が身動きの取れないクレアの眉間に狙いを定めて握られていた。
「あんたの育ての親が来たみたいだが…本当に会わなくていいのか?それくらいは俺だってクラノスだって咎める気はないぜ」
ミステリアスが、クレアに問いかける。
アルビオールを上空に見つけたクレアは、すぐに殺してくれるよう頼んできた。
ミステリアスとしても、ギンジとノエルがここに来ているというのなら、死ぬ前に話くらいはさせてやってもいいと思っていた。
しかし、クレアは首を横に振った。
「いいんだ、話せば別れが辛くなる…さっさと殺してくれ」
「…分かった」
ミステリアスは、改めて狙いを定める。
そして、その引き金に…
「ダメェェェエエエエエエエエエ!!」
突如飛んできたのはナイフが、ミステリアスの拳銃を握った腕に突き刺さる。
「あぐっ!」
突然の腕の痛みに、拳銃を取り落とすミステリアス。
その間に、ナイフを投げつけた張本人…シノンは野次馬の注目を受けながら肩で息をしていた。
「「クノン!!」」
そこへさらに現れる二人の男女。
「ギンジさん…ノエルさん」
よく知る顔に、クレアは顔を歪ませた。
クレアにとっての、大事な家族。
二人と過ごしてきた15年は、クレアにとっては幸せな日々であった。
死への覚悟が、鈍ってしまいそうなほどに。
だからこそ、死ぬ前に会いたくはなかったというのに。
「ううううぅ…あああああああああ!」
クレアの慟哭が、広場に響き渡った。
突然の妨害と次々現れる乱入者に、先ほどまで静かに固唾を飲んで見守っていた人々が一転、騒然とする。
そうして、そんな混乱した処刑会場に、最後の乱入者たちが現れる。
現れたのは、レイノス、リン、セネリオ、スクルド、アルセリア。
そして、彼らに加えて後二人。
「どういうことですか、クラノス。導師である僕が不在の中、このようなことを強行するとは」
ダアト教会導師、ロストロ・タトリンと。
「その処刑、お待ちなさい」
キムラスカ・ランバルディア王国女王、ナタリア・ルツ・キムラスカ・ランバルディアだった。
ギンジのアルビオールにてダアトへとやってきたレイノス達。
街へと入ったアルセリアは、街の様子がいつもと違うことに気づく。
「おい、何があった」
嫌な予感を感じつつ、セネリオが近くの男性に声をかけて何が起こっているのかを尋ねる。
「ああ、これから広場でクレア・ラスティーヌの処刑が行われるみたいだ」
男性の言葉に、一同は息をのむ。
クノンが捕まってから、まだ数日だ。
あまりにも、早すぎる。
「くそ!ノエル、行くぞ!」
「ええ!」
ギンジとノエルは、すぐさま広場へと走っていった。
「クノンが、死ぬ…?」
シノンは、クノン処刑の話を聞いて呆然としていた。
せっかく決めたのに。
クノンのすべてを、受け止めるって。
彼のことを、もっと知りたいって思っているのに。
それなのに今、その命が消えようとしている。
そんなの…そんなの……!
「そんなの…嫌!クノン!」
シノンもまた、クノンのもとへ走り出した。
「俺達も行こうぜ!」
レイノスの言葉に、アルセリア以外の残りのメンバーも頷いた。
あまりにも早すぎる処刑日。
導師も不在の中、、まともに審議などされず強行されたのだろう。
いくらクノンが犯罪者であろうと、彼らの仲間として、そんな雑な処理をされることなど納得出来ようはずもなかった。
そうして、レイノス達も広場へ向かおうとしたのだが…
「お待ちなさい!」
威厳に満ちた女性の声。
聞き覚えのあるその声にレイノス達は振り向く。
「あ、あなたは…!」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ダアトの広場。
その中心には処刑対象のクレア・ラスティーヌと、処刑の実行人であるミステリアス・ソルジャー。
今、ミステリアスの拳銃が身動きの取れないクレアの眉間に狙いを定めて握られていた。
「あんたの育ての親が来たみたいだが…本当に会わなくていいのか?それくらいは俺だってクラノスだって咎める気はないぜ」
ミステリアスが、クレアに問いかける。
アルビオールを上空に見つけたクレアは、すぐに殺してくれるよう頼んできた。
ミステリアスとしても、ギンジとノエルがここに来ているというのなら、死ぬ前に話くらいはさせてやってもいいと思っていた。
しかし、クレアは首を横に振った。
「いいんだ、話せば別れが辛くなる…さっさと殺してくれ」
「…分かった」
ミステリアスは、改めて狙いを定める。
そして、その引き金に…
「ダメェェェエエエエエエエエエ!!」
突如飛んできたのはナイフが、ミステリアスの拳銃を握った腕に突き刺さる。
「あぐっ!」
突然の腕の痛みに、拳銃を取り落とすミステリアス。
その間に、ナイフを投げつけた張本人…シノンは野次馬の注目を受けながら肩で息をしていた。
「「クノン!!」」
そこへさらに現れる二人の男女。
「ギンジさん…ノエルさん」
よく知る顔に、クレアは顔を歪ませた。
クレアにとっての、大事な家族。
二人と過ごしてきた15年は、クレアにとっては幸せな日々であった。
死への覚悟が、鈍ってしまいそうなほどに。
だからこそ、死ぬ前に会いたくはなかったというのに。
「ううううぅ…あああああああああ!」
クレアの慟哭が、広場に響き渡った。
突然の妨害と次々現れる乱入者に、先ほどまで静かに固唾を飲んで見守っていた人々が一転、騒然とする。
そうして、そんな混乱した処刑会場に、最後の乱入者たちが現れる。
現れたのは、レイノス、リン、セネリオ、スクルド、アルセリア。
そして、彼らに加えて後二人。
「どういうことですか、クラノス。導師である僕が不在の中、このようなことを強行するとは」
ダアト教会導師、ロストロ・タトリンと。
「その処刑、お待ちなさい」
キムラスカ・ランバルディア王国女王、ナタリア・ルツ・キムラスカ・ランバルディアだった。