オープニングフェイズ1
オープニングフェイズ1〈もう一人のボク〉
シーンプレイヤー 御坂翼
GM「最初のオープニング。シーンプレイヤーは翼だ。前回のエンディングが終わった続きだ」
ツバサ「りょうかーい。じゃ、ダイス振ろっか――ころりんちょ」
《シーン登場》
翼1D→10 37%→47%
ツバサ「はぐぅ!?」
クウ「初っ端から飛ばしたなー…」
ムーン「禁断の言葉使ったのもあるだろ…」
グラッセ「なぜよりによってその言葉を…」
SM「それじゃ、エレクトロノイズと対峙した所から初めて行こー!」
エレクトロノイズ『どういう事か知りたいなら、教えてあげるよ――《もう一人のボク》?』
夕暮れの路地裏。プランナーに“光”を届け、ゼノスへ戻ろうとした所で現れたエレクトロノイズ。
同じ顔、同じ声をした少女は、不敵な笑みを翼に向けていた。
翼『うそ…何で、ボクがもう一人…!?』
エレクトロノイズ『知らないの? そっかぁ、ボク達の事知らないんだ。やってくれたねぇ…都築京香』
都築『………』
翼『プランナー? あいつの事、知ってるの?』
GM「翼の問いかけに、無言だったプランナーが口を開く――さて、ここで翼に《トリガーハンドアウト》を渡そう」(メモを差し出す)
ツバサ「トリガーハンドアウト!?」
グラッセ「えーと、それって…」
クウ「前回、GMがシナリオ開始前にRハンドアウトを配っただろ? これはもう一つの『ダブルハンドアウトルール』で、セッション中に特定のPCに追加のハンドアウトを渡すんだ。途中でシナリオに関わる秘密を渡すようなものだな」
ムーン「よく知ってるなお前」
クウ「別卓でトリガーハンドアウトを使ったセッションしたからな」
SM「説明ありがとう。これが翼のトリガーハンドアウトだよ」(メモを渡す)
ツバサ「どれどれ…」(ピラッ)
ツバサ「あ〜え〜い〜う〜…えーおーあーおーーーー?(;・∀・)」
クウ「ツバサ、変な声出てるぞ?」
グラッセ「もはや発音練習の一種になってますよ?」
ツバサ「あ、あはは…! 予想はしてたよ、予想はしてたけど…予想以上にスケールがでかかった…! 流石だよプランナー…!」(冷汗)
GM「ちなみに、トリガーの公開条件は『他のPC全員が翼と合流を果たす事』だ。シーンに全員が登場出来れば、トリガーハンドアウトの条件は達成されるぞ」
グラッセ「全員と合流、ですか?」
ムーン「今の翼は裏切り者の烙印を押されているんだよな。合流する事自体、難しそうだが…」
GM「ふっふっふ。色々と考察してるがいいさ。さあ、シーンを再開しよう」
翼『うそ…!』
エレクトロノイズ『嘘じゃないさ。君だって感じていた筈だ――“ボクら”との繋がりを』
都築『…だとしても彼女は、翼さんはもう私達の組織の一員です。いくら貴方でも、これ以上彼女に干渉すると言うのならば全力を持って排除します。さあ…お引き取り願いましょうか?』
エレクトロノイズ『流石は元FH日本支部長。国1つ納めていただけの気迫はあるね。
――だけど、対策ぐらい作っているよ』
直後、自分達の背後に黒い影が現れる。
否。夜が訪れた事で生まれた闇が実体化して、都築京香へと襲い掛かる。
翼『なっ!?』
都築『まさか――!』
闇に呑まれながらも、彼女は闇の向こう側にいた人物を見逃さなかった。
エレクトロノイズ…翼と同じ背丈の、フードを被った黒コートを着た子供の姿を。
GM「ここで《封印の楔》が発動。本来ならば対抗があるのだが《原初の黒:時の棺》の効果で判定は自動失敗。これにより、都築京香の持つエフェクト全てを奪い…何の力も持たない少女へと変化させる」
ツバサ「うっそおおおおん!!?」
本来ならば、このような罠でも抜け出す事が可能だったはずだ。
だが、僅かな時間だが都築京香の動きが止められる。無防備になった所で、影は彼女を包み込み、上へと持ち上げる。
力は影によって奪われ、絞めつけられているようで表情が歪む。
翼『プランナー!?』
エレクトロノイズ『あはは! すごいねたった一回の食事なのに“お兄ちゃん”が満足してる! よっぽど沢山食べたんだね!』
翼『…なんで、こんな…!』
エレクトロノイズ『あれ? こんなに楽しいのに何で怖がってるの? 何で怖いの? あ、そっか――ボクが、お前を怖がらせる為にやっているもんね?』
翼『…怖がらせる、って…!』
エレクトロノイズ『だって、世界はこんなに恐ろしいんだよ? 怖いんだよ? バカみたいに日常を平和に過ごすなんて……お門違いだろ?』
無邪気に笑っていた顔は一瞬で、無表情となって冷たい目を翼に向ける。
この変わりように、翼は内心で恐怖に襲われて背中に冷たい汗が垂れおちる。
翼『…そうか。お前は既に衝動に――恐怖に飲み込まれている存在…!』
エレクトロノイズ『さて…ライトニング。お前を縛る者、今ここで解き放ってあげるよ。そして堕ちようよ、ボクと一緒の所までさぁ?』
都築『っ…逃げてください、翼さん! 今の貴方なら、遠くへ逃げられるはずです!』
GM「翼。今の君は、この選択肢が取れる。どれにする?」(メモを渡す)
ツバサ「どれどれ…(メモを読む)……うーーーーーわーーーーー(; ・`д・´)」
ムーン「俺、メモ読めないけどツバサの反応でろくでもない事が書かれているのはよーく分かった」
グラッセ「ムーンに同じく」
クウ「もはや初っ端からクライマックスな雰囲気じゃねーか」
SM「外野はメタ読み止めて! 翼、どうする?」
ツバサ「GM――『3番』を選びたい」
グラッセ「3番?」
ムーン「一体何のことだ?」
GM「ほう…『3番』ね? 何をする気?」
ツバサ「《インスピレーション》を使って、プランナーと一緒に逃げたい。出来ない?」
SM「ええ!? い、いや…流石にそれはちょっと…!! 無理だよねGM?」
GM「………」
SM「GM?」
GM「……全部だ」
ツバサ「え?」
GM「流石にそれはこちらも想定外だ。だから、このシナリオ中《インスピレーション》を『使用禁止にする』と言う制約を付けるなら、都築京香と共に逃げられると言う事にしてもいい。どうする?」
ツバサ「うーわー…! 結構な痛手になるよねそれ…!」
GM「嫌なら、1番か2番を選べばいいのさ。ちなみに、使う場合はちゃんと浸蝕率を上げて貰うぞ」
ツバサ「ど、どうしよう…!!」
グラッセ「確かに《インスピレーション》使えないのはこちらとしても辛いな…」
ムーン「何度もそれに助けられてきたからな…」
クウ「俺は別にいいと思う。《インスピレーション》無しでもクリアは出来るんだろ?」
GM「ああ。やろうと思えば可能だ」
クウ「なら、翼がそれを選んでも大丈夫って訳だ。俺はどっちでもいいぜ」
ツバサ「空さん…」
グラッセ「まあ助ける方法があるのに、見捨てるってのも気分悪いし…ここは翼の好きなようにしなよ」
ムーン「イージーモードで進むか、ハードモードに挑戦するかって選択になるんだろ。俺もどっちでもいいぜ。汝の為したいように為すがよい、ってな」
ツバサ「ありがと。なら…」
翼『――ごめん、プランナー』
その一言と共に、翼は《ワーディング》を張る。
翼が選んだ選択は――逃亡。
ではない。
翼『最初で最後になるかもしれない命令違反させて貰うよぉ!!!』
拒絶と、敵への抗いだった。
全身の電流をフルに放電し、都築京香を捕らえていた影を討ち払いエレクトロノイズと子供を僅かに退かせる。
無造作に放った電流は周りの建物に当たり、窓ガラスや壁の破片が降り注ぐ。翼は身体に当たる瓦礫を気にせずに駆け出し、地面に倒れた都築京香の手を掴んでその場を逃亡した。
???『―――!』
エレクトロノイズ『いいよ、追わなくて』
逃げた二人を子供は追おうとするが、エレクトロノイズはそれを制止する。
分かっているのだ。翼と同じノイマンを持つからこそ――効率の良い逃走ルートを割り出している。追う事は安易ではないだろうと。
エレクトロノイズ『どうせ裏切り者のお前なんて助ける奴は誰もいない……抗うって言うのなら、徹底的に、この世界から居場所を根こそぎ奪ってやる』
ツバサ「…浸蝕率は49%。早くも50%近い数値になっちゃった…」
GM「翼のシーンはこれで終了だ。次は凍矢のOPと行こうか」
シーンプレイヤー 御坂翼
GM「最初のオープニング。シーンプレイヤーは翼だ。前回のエンディングが終わった続きだ」
ツバサ「りょうかーい。じゃ、ダイス振ろっか――ころりんちょ」
《シーン登場》
翼1D→10 37%→47%
ツバサ「はぐぅ!?」
クウ「初っ端から飛ばしたなー…」
ムーン「禁断の言葉使ったのもあるだろ…」
グラッセ「なぜよりによってその言葉を…」
SM「それじゃ、エレクトロノイズと対峙した所から初めて行こー!」
エレクトロノイズ『どういう事か知りたいなら、教えてあげるよ――《もう一人のボク》?』
夕暮れの路地裏。プランナーに“光”を届け、ゼノスへ戻ろうとした所で現れたエレクトロノイズ。
同じ顔、同じ声をした少女は、不敵な笑みを翼に向けていた。
翼『うそ…何で、ボクがもう一人…!?』
エレクトロノイズ『知らないの? そっかぁ、ボク達の事知らないんだ。やってくれたねぇ…都築京香』
都築『………』
翼『プランナー? あいつの事、知ってるの?』
GM「翼の問いかけに、無言だったプランナーが口を開く――さて、ここで翼に《トリガーハンドアウト》を渡そう」(メモを差し出す)
ツバサ「トリガーハンドアウト!?」
グラッセ「えーと、それって…」
クウ「前回、GMがシナリオ開始前にRハンドアウトを配っただろ? これはもう一つの『ダブルハンドアウトルール』で、セッション中に特定のPCに追加のハンドアウトを渡すんだ。途中でシナリオに関わる秘密を渡すようなものだな」
ムーン「よく知ってるなお前」
クウ「別卓でトリガーハンドアウトを使ったセッションしたからな」
SM「説明ありがとう。これが翼のトリガーハンドアウトだよ」(メモを渡す)
ツバサ「どれどれ…」(ピラッ)
ツバサ「あ〜え〜い〜う〜…えーおーあーおーーーー?(;・∀・)」
クウ「ツバサ、変な声出てるぞ?」
グラッセ「もはや発音練習の一種になってますよ?」
ツバサ「あ、あはは…! 予想はしてたよ、予想はしてたけど…予想以上にスケールがでかかった…! 流石だよプランナー…!」(冷汗)
GM「ちなみに、トリガーの公開条件は『他のPC全員が翼と合流を果たす事』だ。シーンに全員が登場出来れば、トリガーハンドアウトの条件は達成されるぞ」
グラッセ「全員と合流、ですか?」
ムーン「今の翼は裏切り者の烙印を押されているんだよな。合流する事自体、難しそうだが…」
GM「ふっふっふ。色々と考察してるがいいさ。さあ、シーンを再開しよう」
翼『うそ…!』
エレクトロノイズ『嘘じゃないさ。君だって感じていた筈だ――“ボクら”との繋がりを』
都築『…だとしても彼女は、翼さんはもう私達の組織の一員です。いくら貴方でも、これ以上彼女に干渉すると言うのならば全力を持って排除します。さあ…お引き取り願いましょうか?』
エレクトロノイズ『流石は元FH日本支部長。国1つ納めていただけの気迫はあるね。
――だけど、対策ぐらい作っているよ』
直後、自分達の背後に黒い影が現れる。
否。夜が訪れた事で生まれた闇が実体化して、都築京香へと襲い掛かる。
翼『なっ!?』
都築『まさか――!』
闇に呑まれながらも、彼女は闇の向こう側にいた人物を見逃さなかった。
エレクトロノイズ…翼と同じ背丈の、フードを被った黒コートを着た子供の姿を。
GM「ここで《封印の楔》が発動。本来ならば対抗があるのだが《原初の黒:時の棺》の効果で判定は自動失敗。これにより、都築京香の持つエフェクト全てを奪い…何の力も持たない少女へと変化させる」
ツバサ「うっそおおおおん!!?」
本来ならば、このような罠でも抜け出す事が可能だったはずだ。
だが、僅かな時間だが都築京香の動きが止められる。無防備になった所で、影は彼女を包み込み、上へと持ち上げる。
力は影によって奪われ、絞めつけられているようで表情が歪む。
翼『プランナー!?』
エレクトロノイズ『あはは! すごいねたった一回の食事なのに“お兄ちゃん”が満足してる! よっぽど沢山食べたんだね!』
翼『…なんで、こんな…!』
エレクトロノイズ『あれ? こんなに楽しいのに何で怖がってるの? 何で怖いの? あ、そっか――ボクが、お前を怖がらせる為にやっているもんね?』
翼『…怖がらせる、って…!』
エレクトロノイズ『だって、世界はこんなに恐ろしいんだよ? 怖いんだよ? バカみたいに日常を平和に過ごすなんて……お門違いだろ?』
無邪気に笑っていた顔は一瞬で、無表情となって冷たい目を翼に向ける。
この変わりように、翼は内心で恐怖に襲われて背中に冷たい汗が垂れおちる。
翼『…そうか。お前は既に衝動に――恐怖に飲み込まれている存在…!』
エレクトロノイズ『さて…ライトニング。お前を縛る者、今ここで解き放ってあげるよ。そして堕ちようよ、ボクと一緒の所までさぁ?』
都築『っ…逃げてください、翼さん! 今の貴方なら、遠くへ逃げられるはずです!』
GM「翼。今の君は、この選択肢が取れる。どれにする?」(メモを渡す)
ツバサ「どれどれ…(メモを読む)……うーーーーーわーーーーー(; ・`д・´)」
ムーン「俺、メモ読めないけどツバサの反応でろくでもない事が書かれているのはよーく分かった」
グラッセ「ムーンに同じく」
クウ「もはや初っ端からクライマックスな雰囲気じゃねーか」
SM「外野はメタ読み止めて! 翼、どうする?」
ツバサ「GM――『3番』を選びたい」
グラッセ「3番?」
ムーン「一体何のことだ?」
GM「ほう…『3番』ね? 何をする気?」
ツバサ「《インスピレーション》を使って、プランナーと一緒に逃げたい。出来ない?」
SM「ええ!? い、いや…流石にそれはちょっと…!! 無理だよねGM?」
GM「………」
SM「GM?」
GM「……全部だ」
ツバサ「え?」
GM「流石にそれはこちらも想定外だ。だから、このシナリオ中《インスピレーション》を『使用禁止にする』と言う制約を付けるなら、都築京香と共に逃げられると言う事にしてもいい。どうする?」
ツバサ「うーわー…! 結構な痛手になるよねそれ…!」
GM「嫌なら、1番か2番を選べばいいのさ。ちなみに、使う場合はちゃんと浸蝕率を上げて貰うぞ」
ツバサ「ど、どうしよう…!!」
グラッセ「確かに《インスピレーション》使えないのはこちらとしても辛いな…」
ムーン「何度もそれに助けられてきたからな…」
クウ「俺は別にいいと思う。《インスピレーション》無しでもクリアは出来るんだろ?」
GM「ああ。やろうと思えば可能だ」
クウ「なら、翼がそれを選んでも大丈夫って訳だ。俺はどっちでもいいぜ」
ツバサ「空さん…」
グラッセ「まあ助ける方法があるのに、見捨てるってのも気分悪いし…ここは翼の好きなようにしなよ」
ムーン「イージーモードで進むか、ハードモードに挑戦するかって選択になるんだろ。俺もどっちでもいいぜ。汝の為したいように為すがよい、ってな」
ツバサ「ありがと。なら…」
翼『――ごめん、プランナー』
その一言と共に、翼は《ワーディング》を張る。
翼が選んだ選択は――逃亡。
ではない。
翼『最初で最後になるかもしれない命令違反させて貰うよぉ!!!』
拒絶と、敵への抗いだった。
全身の電流をフルに放電し、都築京香を捕らえていた影を討ち払いエレクトロノイズと子供を僅かに退かせる。
無造作に放った電流は周りの建物に当たり、窓ガラスや壁の破片が降り注ぐ。翼は身体に当たる瓦礫を気にせずに駆け出し、地面に倒れた都築京香の手を掴んでその場を逃亡した。
???『―――!』
エレクトロノイズ『いいよ、追わなくて』
逃げた二人を子供は追おうとするが、エレクトロノイズはそれを制止する。
分かっているのだ。翼と同じノイマンを持つからこそ――効率の良い逃走ルートを割り出している。追う事は安易ではないだろうと。
エレクトロノイズ『どうせ裏切り者のお前なんて助ける奴は誰もいない……抗うって言うのなら、徹底的に、この世界から居場所を根こそぎ奪ってやる』
ツバサ「…浸蝕率は49%。早くも50%近い数値になっちゃった…」
GM「翼のシーンはこれで終了だ。次は凍矢のOPと行こうか」