悪霊の家・パート6
空淵『(ピ、ピピ…プルル、プルル)』
氷狩(KP)『何です、空淵? あなたから電話して来るなんて珍しいですね。依頼は終わったんですか?』
空淵『一日で終わるか。大体人に仕事押し付けたのはお前だろ』
氷狩(KP)『別にいいでしょう。私とあなたの仲ですし』
空淵『あー、そうだなー。恋人同士だもんなー』
氷狩(KP)『キサマ、ヒタイニカザアナアケルゾ?』
空淵『すいませんでしたぁ!!』
氷狩(KP)『大体、その嘘があったからあなたも玲愛もこうしていれるんでしょう? もっと私に感謝なさい。と言うかその借りを依頼で返しなさい』
空淵『人の腕傷付けておいてよく言う…』
氷狩(KP)『――で、どうして電話してきたんですか?』
空淵『なんか、さ。無性にお前と話をしたかった…じゃ、駄目か?』
氷狩(KP)『…私より、玲愛にすればいいでしょう?』
空淵『あー、昨日玲愛と話したけど怒ってさ。しばらく家にも帰れない状況なんだよ。今は別の家で世話になって貰ってるんだけど』
氷狩(KP)『そう、か』
空淵『氷狩、あのさ…』
氷狩(KP)『空淵?』
空淵『…ちゃんと、帰るから。玲愛にもそう伝えて置いてくれよ』
氷狩(KP)『空淵、分かってるのか? 私も玲愛もあなたの傍にいないんだぞ?』
空淵『大丈夫、一人じゃねーからさ』
氷狩(KP)『あなたが暴走しても、怪我をしても、助けてやれないんだぞ?』
空淵『相手に迷惑かけないよう、努力するさ』
氷狩(KP)『…押し付けて、すみません』
空淵『簡単には死なねーよ。それに、こんな事件にお前を巻き込むくらいなら俺が代わりに引き受けてやるから――怯えてたもんな、あの時』
氷狩(KP)『違う…あれは…!』
空淵『氷狩?』
氷狩(KP)『――玲愛は私がどうにかして置きます。だから、無事に戻ってきなさい』
空淵「『サンキュ、氷狩』それで電話を切るか」
オルガ「じゃ、ベランダに出て会話に加わるぜ。『空淵、彼女に電話か?』」
空淵『ぶっ! 誰が彼女だ!? あいつはそんなんじゃ…――つーかオルガ、終わったのか? てか大丈夫か?』
オルガ『ん、あぁ…正直、気晴らししたい気分なんだ。そう言う訳で、空淵の彼女の話でも聞いて憂さ晴らししようかと』
空淵『憂さ晴らしってな…』
オルガ『で、だ。声をちらっと聴いてたんだが…お前そっちの趣味があるのか?』
空淵『……ハ?』
菜月『いや、何も言うなよ空淵。オイラ達は広い心を持っているんだ、偏見なんてしねーよ』
オルガ『ああそうだ。男同士で付き合ってても、今の日本じゃ少しずつ受け入れる環境が増えているんだ。俺達はどうこう言うつもりはないから気にすんな!!』
空淵「『えーと…俺、もの凄い勘違い受けてる?』って言うか、お前ら楽しんでるだろ!?」
菜月&オルガ「「タノシム? ナニヲ?」」
空淵「KP、この何も知らないバカ二人に氷狩の正体バラしていいか?」
KP「それ本人に聞いてくれない? 僕はあくまでも演じてるだけだから…ま、聞いた所で却下って言うだろうね」
空淵「『ちくしょう、誤解だぁぁぁ!!!』」(PLと探索者がシンクロした瞬間)
KP「さて、それでは時間を進めて三人共12時までに待ち合わせ場所についたって事にするけど構わないかい?」
空淵「まあ、特にやる事もないしな」
菜月「図書館行くのも調べるのも時間かかるし、それで大丈夫かな」
オルガ「あ、カフェには車で来てるんだよな? なら俺のコスプレ衣装車に載せてていいか?」
KP「全然OKだよ。では、12時になったら依頼人がやってきて君達と同じ席に座るよ」
空淵「おい、荷物載せてるの俺の車だよな? 普通許可求めるの持ち主の俺だよな?」
家主(KP)『(無視して)ウォッホン! 昨日は早々に帰って済まなかった。まずは屋敷の鍵を渡しておこう。ん? ところでそちらの方は?』
菜月『こいつは丹羽空淵。いろいろあって一緒に屋敷を調べる事になったんだ。ヤクザだけどみかむごぉ!!?(口を塞がれる)』
空淵『どーも空淵です!! ヤ、ヤ・ク・ザ…薬剤師ですどーぞ宜しく!!』
KP「ぶっは!!(噴き出す)」
空淵「いちいち笑うんじゃねぇ!! こっちは(理不尽なロストしないよう)必死なんだよ!!(*11)」
オルガ「なるほど、ヤクザと書いて薬剤師。これは座布団一枚だな」
空淵「笑点じゃねぇ!!」
KP「く、くくく…っ!! い、いいだろう…本来ぶっ! 《信用》とか、《説得》とか、必要だけど…くはっ! リアル言いくるめで…認めぁははははっ!!」
空淵「笑いすぎだスズノヨミっ!!」
家主(KP)「はぁはぁはぁ……『薬剤師ですか、一瞬危ない職業かと思いました。ちなみにオルガ君…だったかね。私に聞きたい事があると窺ったが?』さあ、ここからは質問タイムだよ」
オルガ「よーし。『例の幽霊屋敷なんだが、何か知っている事とかないか?』」
家主(KP)『知っている事ですか…うーむ』
空淵『とりあえず、あんたが知っている情報について教えてくれないか?』
家主(KP)「(上手いRPだ。さすがに慣れて来たね)『ああ、それなら構わない。では、私が知りうる情報を皆に教えよう』そう言うと、以下の情報を君達に教えるよ」
・あの屋敷の前の持ち主は、マカリオと言う家族だった。その夫婦は現在精神病院に入院しており、子供は少し離れた地区の親戚の家に預けられている。
・実際に悪霊は見た事無いが、誰もいない筈の二階から大きな物音がなったりして不気味に思っている。
KP「以上だ」
オルガ「うーん…とりあえずマカリオって言うのは菜月の手に入れた情報だな」
菜月「そして二階が危険と…でも地下に何かあるって話だよな? 矛盾してないか?」
空淵「さあな…二つを調べるか、あるいは片方調べるか…情報としてはまだ繋がらないな」
KP「それじゃあ、ここで三人共《アイデア》振ってくれ」
【アイデア】
菜月50→39 成功
オルガ55→44 成功
空淵65→45 成功
KP「では、君達はネットで調べられた事から地元の新聞社に行けば何か分かるのではないかと言う推理を巡らせる事が出来たよ」
菜月「よーし、新しい情報ゲットだ!」
空淵「図書館ともう一つは新聞社か。今回も二手に分かれるか?」
オルガ「でも、前に住んでいた家族とかも話聞いてた方がいいんじゃないか? 被害者なんだから、何か見ているかもしれないし」
菜月「って事は、三手になるか…図書館はオイラで確定だから…」
オルガ「新聞社は俺が行こうか? 芸能人だからある程度は顔が…」
空淵「いや、そう言う所に芸能人が乗り込むのも…俺がそっちに…」
KP(おいおい……ボクに三つ分けてやれって言うのか!? 確かに情報は必要だけど、さすがに厳しいって! いや、やろうと思えば出来るけど…時間制限、設けるんじゃなかったかなぁ…)
空淵「――よし、これでいいだろ。KP、とりあえず…どうした?」
KP「な、なんでもないよ…で、誰がどう言う順番で行くの? 同時進行は無理だからね?」
菜月「まずオイラが図書館。オルガがマカリオさんって所。空淵が新聞社だ」
KP「OK。じゃあ、ささっと進めていこう。移動手段は空淵の車?」
菜月「ああ。ただ、その途中でオルガを駅に下ろすよ。離れた土地に住んでいるんだから駅での移動が楽だろ?」
空淵「で、菜月を図書館に下ろして俺がそのまま新聞社に行くぜ」
KP「分かった。じゃあ菜月の描写をしよう。時刻は13時30分。菜月が今の情報で調べられる情報は――『屋敷について』、『コービットについて』の2つになるかな。調べる場合…2時間経過だ(本当は4時間なんだが、早くクリアして欲しいし大目に見よう)」
菜月「2時間か。よーし、夕方までには調べられる! 一気に二つとも調べ上げてやる!」
【図書館】
菜月75→77・41 片方成功
菜月「げっ!」
KP「では君は膨大な資料の中からどうにかコービットについて調べる事は出来たよ」
・68年前にウォルター・コービットは隣人から訴えられた。隣人はコービットの「深刻な(悪)習慣と不吉な態度」により、この地区から出て行って貰いたいと訴えたのである。
菜月「訴えた…それって、裁判にかけられたって事か?」
KP「ああそうさ。その辺を調べるなら、もう一度《図書館》ロールに成功する必要があるよ。時間的に調べるのはあと一回になるけど」
菜月「うーむ…屋敷か裁判か…よし、裁判についてもう一回《図書館》だ!」
【図書館】
菜月75→62 成功
菜月「よっしゃ!!」
KP「では、これが本日最後の情報だ」
・コービットが裁判に勝った事は明らかである。54年前の彼の死亡記事で、住所がまだそこになっているからだ。その記事には第2の訴訟事件が起こった事も述べられている。コービットが遺言で自分を自宅の地階に埋葬するのを指示したのを止めさせようとする裁判である。
菜月「これでも地下って書いてあるのか…一体何があるっていうんだ?」
KP「菜月、そろそろ図書館の閉会時間が迫って放送がなるんだけど」
菜月「なら、すぐに出ていくぜ」
KP「では、ここで《アイデア》もしくは《法律》振って」
菜月「へ?」
【法律】
菜月60→33 成功
菜月「さっきのファンブルが嘘のようだぜ」
KP「では君は裁判についての情報は文書保管ホールに納めている事を思いつくよ」
菜月「おおおっ! 法律取って置いて良かったー!」
KP「では次は空淵に移ろう」
KP「空淵、君は菜月達を送って新聞社のビルへと辿り着く。時刻は14時だ」
空淵「とりあえず入るとして…調べさせてもらうのってどうすればいいんだ?」
KP「まずは受付だね。で、一人で来ている訳だろ…《言いくるめ》か《説得》に成功すれば中に入れて情報を手に入れる事が出来るよ」
空淵「《言いくるめ》持ってるが、25なんだよな…仕方ない、やるか」
【言いくるめ】
空淵25→12 成功
菜月&オルガ&KP「「「成功した!?」」」
空淵「よっしゃあ!! 俺にもダイスの女神が微笑んでるぜ!!」
KP「では…一人だった事もあり受付で許可を貰うと、君は資料室に案内してもらい幾つもの記事を見せて貰う事になった。全部を把握するのに時間は…4時間かかるね」
空淵「菜月が終わったのが18時30分だろ。丁度いい、全部調べるぜ」
KP「では、手に入れた情報はこれだ」
・マカリオ家に関する記事は短く、大した情報は書かれていない。
・40年前、フランスの家族が屋敷に住んでいたが両親は亡くなり3人の子供は身体に障害を負った事で最終的に逃げ出した。
・11年前にも別の家族が移り住んだが、すぐに一家全員が病気にとりつかれた。6年前に長男が狂気に陥って包丁で自殺し、傷心の一家は引っ越した。
・3年前にまた別の家族が屋敷を借りたが、全員同時に病気にかかったためすぐに出て行った。
空淵「うわぁ…知れば知る程ヤバいなあの屋敷…」
KP「さて空淵、ここで《APP×3》を振ってくれ」
空淵「え?」
【APP×3】
空淵33→42 失敗
空淵「う、失敗…」
KP「《信用》も振っていいよ。時間を経過させるけど」
空淵「…《信用》にかける」
【信用】
空淵19→94 失敗
空淵「ちくしょう! 結局失敗か!」
KP「では、案内してくれた人が「すみません。これ以上部外者の方を入れる訳にはいかなくて、そろそろ宜しいでしょうか?」と言ってくるよ」
空淵「仕方ない、帰るわ…菜月と合流する」
KP「じゃあ、次はオルガの番だ」
■作者メッセージ
*11:現代日本なので、裏稼業の職の人は下手な行動をすれば警察に突き出され逮捕されロストとなる事があるのです。