「削三連！！」

連続で突き出される双剣をメビウスを飛び越すように跳んで躱す。

振り返り様に【ベーゼ】を振るい、奴の隙を突く。攻撃自体は受け止められたが、そのまま聖堂の祭壇に向かって弾き飛ばす。


「オラァ！！」


「グッ……っと、馬鹿力だな」


「そいつはどーもっと！」


そこから追撃の一撃として飛び掛かりながら大きく降り下ろす。

この一撃はギリギリ避けられ、祭壇に剣がぶつかりかけたその時


















『ポーン』















『あ　た　　界の　　　　ね　　　　い　　。　　し　騎　　　を　助け　　　さ　。　　　　　Aura　　　　　　　　O　虚ろなる　死出へ続く　逢魔ヶ淵』


どこからか澄んだ音と共に少女の声が響く。


「Aura…だと……
…しかも、Oサーバー？」


困惑した様子でメビウスが呟く。

アウラって、あの女の子の声のことかな？


「………取り合えず、サイナラー！」


「は？って、待て！！？」


待てと言われて待つもんかい。呆けてるあんたが悪いんだ！

闇の回廊を開き、そこに飛び込む俺。目的地は勿論、トワイライトタウンだ！






ーーーーー


「……なんだこりゃ？」


アイツが飛び込んだ後もこの変な黒い穴は残っている。

AIDA達の穴とは見た目が違う穴だ。


「オッサン、大丈夫か！？」


「っあ！やぁ、ハセヲ青年にアトリ女史、ついでにクーン君」


「やぁ、じゃねぇだろ！？」


「そうですよ、八咫さんから聞きましたよ。チートをしていた人と戦っているって、怪我してませんか？」


「そうそう、ってかついでってなんだよ！ついでって！」


純白の、まさに聖騎士といった見た目をした翼人の少年――ハセヲ。

白い帽子にカボチャパンツがトレードマークの少女――アトリ。

腰まで届く青髪を一本に束ね、最近片眼が緑になった中二予備軍な青年――クーン。


「ま、いいじゃないのwところでさ、あのチーターが消えた後、こんなん残ったんだけど……何か分かる？」


恐る恐る近づくアトリ女史。残り数歩のところで足を止めた。


「“鐘の音”……とても大きな鐘が鳴る音が聞こえます。後………これって…………“雷”？」


「俺の“目”でも見透すことができないなんて……一体なんなんだよ、コイツは」


アトリ女史とクーン君の強化された聴力と視力によっても詳しいことは分からないか。

俺は再び、その穴に近づき、今度はカーソルを当ててみた。

すると、画面に表示されたのは【闇の回廊】という名称と、【Oサーバー】というイレギュラーサーバーの名だった。

確か、AuraがOサーバーのエリアワードを言っていたな……コイツか！


「【闇の回廊】？Oサーバーってどういうことだ」


「あーっと、それについてちょいと情報があんだけど、一回レイヴンのホームに戻ってからにしよや」


不満そうなハセヲ青年にさらに言葉を重ねる。


「知識の蛇でチーターについて調べたり、情報の共有もしないといけないでしょ？」


「うう……」


よし、もう一押しだ！


「後、おっちゃん疲れたし♪」


「アンタ、それが本音だろ！？」


あら、良いツッコミ。

三人を連れて、俺達は【グリーマレーヴ大聖堂】を後にする。