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ドラゴンクエスト+α 闇を切り裂く者

デロリン・デ・ローデ

INDEX

  • あらすじ
  • 01 第一章 勇者と呼ばれた者
  • 02 第二章 勇者と呼ばれる者
  • 03 第三章 魔を司る者
  • 04 第四章 人ならざる者
  • 05 第五章 時空を統べる者
  • 06 第六章 闇に囚われし者
  • 07 最終章 闇を切り裂く者
  • 08 余章〜エピローグ〜
  • 09 外伝 闇を封じし者達
  • 第二章 勇者と呼ばれる者

    「なるほど、そういうわけで魔界に行きたいってわけか」
    翌日にルークは、ジャック(マスター)に事情を説明した。
    「しかしホントに魔界にいるのか?もしかしたら間違ってるかもしんねぇぞ」
    「…確かに間違ってるかもしれない。でも、可能性があるならそれにかけてみたいんだ!!」
    「………」
    ジャックはしばらく黙っていた。
    「…魔界に行くならまずは『鍵』を手に入れなきゃならねぇ。
     とすると、次に行くのは…ここに一番近い場所は、カラフィ村だな」
    「カラフィ村?」
    ルークが頭に疑問符を浮かべる。
    「なんだ知らないのか。カラフィは聖なる土地として有名だぞ。
     神の加護のおかげで魔物も村の近くには寄りつけない。水もきれいで良い所だ」
    納得して地図を見ると、徒歩では一日で歩いていける距離にはなかった。
    「ゲッ」
    「なんだ、これぐらいの距離なんて近い方だぞ。一週間ぐらい歩くこともあったからな」
    愚痴を言っていても仕方ないので、二人はカラフィ村へと歩き始めた。

    しばらくは魔物も出てこなかったが、日が昇りきると腹を空かせた魔物が辺りに現れた。
    「ルーク、戦ったことはあるか?」
    「いや、初めてだ」
    現れた魔物はくしざしツインズといっかくうさぎ。
    「よし、じゃぁ最初は一緒に戦ってやる。戦い方を良く覚えとけよ」
    ジャックは腰に刺さっている短剣に手をかけると、一気に敵に近づいた。
    ヒュン、と風を切る音が聞こえたかと思うと、すでにジャックは剣を抜いていた。
    くしざしツインズは前のめりに倒れると、消滅した。
    ジャックが剣を向けるより早く、魔物の突進がジャックにヒットした。
    しかし、ジャックはその攻撃を受け流し素早くとどめを刺した。
    「ふぅ、二十年ぶりだからな。身体がなまってしまっているか」
    本来ならあの程度の魔物は一瞬で倒せるらしく、ルークも驚いた様子だった。


    夜通し歩き続けると、自然が豊かな広い平原に出た。
    「ここは聖地カラフィーユ。ここを抜ければカラフィは目の前だ」
    そして数分歩くと徐々に家屋が見え始めた。
    さらに進むと集落があり、その中に大きな家があったので中に入った。

    「おぉこれは、ジャック様ではありませんか!!」
    灰色の毛で顔中が覆われている老人が杖をつきながらこちらに近づいてきた。
    「しばらくですなぁ。して今日は何用ですかな?それとそちらは息子ですかな?」
    「いや、息子ではない。じつは」

    「なるほど、そういうわけですか。ルーク殿、私はこの村の村長です。
     ……しかし、私的な目的で魔界に行くというのにアレは渡せませんな」
    さらに続け、
    「いくらジャック様と一緒とはいえ、力のない者が魔界に行っても…」
    村長の言葉はそこで切られた。

     ドォォン
    外の方で大きな地鳴りが響いた。
    「何事じゃ?!」
    「大変です!!魔物が、聖地の中に!!」
    「?!ばかな!この場所は神の加護で魔物は近づけぬはずでは!?」
    「うっ!!」
    ルークの中に何かが流れた。
    「大丈夫か、ルーク」
    「…あいつだ…ケーリーが何かやったんだ!!」
    魔界で何か起きている、そういったルークに、
    「今はそんなことよりも魔物を倒すんだ。この町には武力が一切ない。あって聖水だ」
    ジャックの低い声がルークの目を覚ます。
    気が付いた時にはすでに外に飛び出していた。
    騒がしい方へ全速力で走っていく。

    村にある家々はいくつも破壊されていて辺りから火が上がっていた。
    そこには数多くのスライムが群れをなして襲ってきている。
    ノーマルからベス、ぶち、バブル、さらにはキングまでもがいた。
    「スライム…」
    ジャックが少し思案顔になる。
    「?どうした、ジャック」
    「いや、スライムは魔物の中でもっとも弱い魔物とされている。そんな魔物が聖域の中に
     進入することなどまずあり得ない。そもそも近づくことさえ出来ないはずなんだが……やはり…」
    スライムの大群がこちらに気付いたようで、一斉に辺りのスライムが襲いかかってきた。
    「その話は後だ。今は目の前の戦闘に集中しろ」
    ジャックが件を抜くのと同時に走り出してスライムをなぎ倒していく。
    ルークはとりあえず腰にヒモだけでくくりつけている白い剣をはずして構える。
    以前はケーリーと村の近くにいる魔物を退治に向かって何度も戦闘の経験がある。
    しかし、刃物を持っての実践は初めてで、剣も凄そうな物だったので緊張した。
    そしてルークが剣を振るう。
    すると、衝撃波が巻き起こり辺りのスライム達は一瞬にして消えていた。
    「なっ!!」
    ルークが自分ではなった攻撃に目を疑った。
    ただ普通に斬りつけただけだったのに気が付いたら全滅させていた。
    「…今のがあの剣の力…いや、まだ何か…」
    「ルーク殿、あなた様はこの村を救って下さった勇者様じゃ!!
     勇者様には魔界へ行く資格があるというもの。アレはあなたに授けなければなりませぬな」
    そういって家の中に入って少し立つと何かを包んでいる風呂敷を持ってきた。
    「これが我が村に伝わる魔界への鍵の一つ、ドラゴンオーブです。
     後二つほど別の地にまつられているオーブを集めれば魔界へ行くことが出来ますぞ。では」
    そういうと村長は風呂敷に包み直してルークに渡してきた。
    それを受け取ると、村長に礼を言いカラフィーユを後にした…

    11/12/03 18:16 デロリン・デ・ローデ   

    ■作者メッセージ
    今回も読んで頂いた方にお礼を申し上げたいと思います。

    以外と閲覧数が延びているというのがちょっぴり驚きです。あまり執筆には地震がないので二話まで付いてきて頂いている方にはこれからも長い目で見て頂きたいと思います。

    こちらの小説掲示板で別の小説も執筆しようかと思っています。
    もう一つの小説が始まったときは両方とも執筆速度がかなり遅くなると思いますがご勘弁下さい。m(_ _)mペコ
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