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ドラゴンクエスト+α 闇を切り裂く者

デロリン・デ・ローデ

INDEX

  • あらすじ
  • 01 第一章 勇者と呼ばれた者
  • 02 第二章 勇者と呼ばれる者
  • 03 第三章 魔を司る者
  • 04 第四章 人ならざる者
  • 05 第五章 時空を統べる者
  • 06 第六章 闇に囚われし者
  • 07 最終章 闇を切り裂く者
  • 08 余章〜エピローグ〜
  • 09 外伝 闇を封じし者達
  • 第五章 時空を統べる者

    チュン、チュン
    日差しが眩しい。窓からの木漏れ日でルークの目が覚めた。
    「ふあ〜、」
    間の抜けたあくびが飛び出る。
    「ようやく起きたか」
    低く鋭い声が後ろから聞こえた。
    「アンタ、いったいいつから起きてたんだよ…」
    驚きつつベッドから起きあがる。
    「これから出撃というのに、何とも緊張感に欠けるな」
    部屋のテーブルでコーヒーを飲んでいるジャック。手に持っているカップをおいてリーネを起こしに行った。
    そして、三人は山へと向かっていった。

    まだ早朝で、辺りは霧がかっていた。
    「さて、準備は良いか」
    ルークとリーネは小さく頷いた。
    先日は気が付かなかったが辺りをひかりごけが覆っており、壁のほころびからの光もあってか、薄暗いながらもよく見える。
    明け方で魔物もまだ眠っているのか、襲ってくる気配がない。
    「襲ってこないならそれで構わん」
    ジャックは先頭を切って道を進んで行く。
    程なくして開けた場所にでた。
    そこにはゴーレムが二体いた。
    ルークは剣を抜きそのまま右のゴーレムに斬りかかった。
    ゴーレムはその斬撃を両手で受け止めた。
    「しまっ…」
    ゴーレムは両手で剣を押さえたまま足を振り上げルークを蹴飛ばした。
    「がっ…!」
    動きを封じられたままだったので、まともに受け身が取れず直撃を受けた。
    そのまま吹き飛ばされ大きなダメージを負ってしまった。
    「油断するなと言っただろうが」
    ジャックがルークをかばうように前にでてゴーレムに斬りかかる。
    再びゴーレムは受け止めようとしたが、ジャックのすばやい動きでかわされ重心を崩してしまった。
    それを見逃さなかったジャックはゴーレムの足を払った。
    その大きな体は地面に倒れ込み、その上からジャックの会心の一撃が襲いかかった。
    ゴーレムの目から光が消えた。
    もう一体のゴーレムがとどめを刺して若干の隙が出来たジャックにすばやい動きで襲いかかった。
    「メラミ!!」
    背後から火の玉が勢いよく飛んできてゴーレムを包み込んだ。
    攻撃を受け、ひるんだ隙にジャックがゴーレムののど元に剣を差し込み切り払った。
    そして、もう一体のゴーレムも倒れた。
    「あ、危なかった…」
    ルークが安堵の息を漏らすと、
    「バカ者!!油断するなと言っただろう!」
    ジャックが一喝する。ビクッとルークが跳ね上がる。
    「私たちはお前が魔界に行きたいと言うからそれに付き合っているというのにお前が死んでは意味がないだろう!」
    重い言葉がルークの心に突き刺さる。
    「…ごめん」
    ルークはそれ以上は何も言わなかった。ジャックも、何も言わずに先に進んだ。
    リーネはルークの方を心配そうに見ていたが、ジャックに続いて行ってしまった。

    それからしばらくは魔物も出ず、順調に進んでいった。
    「そろそろ最上部か」
    今までずっと黙っていたジャックが口を開いた。
    そして、目の前に大きな吹き抜けが現れた。
    上を見上げると久しぶりに見た気がする青い空があった。
    そして、奥には緑色の鱗を輝かせている大きな龍がいた。
    「グルルルルル…」
    こちらに気が付いたようで牙と牙の間から唾液を垂らしている。
    「どうやらここのボスは奴のようだな」
    油断するなよ、とルークに釘をさし、戦闘態勢に入る。
    今度は慎重に、剣を構えて様子をうかがう。
    相手もこちらの出方をうかがっている。
    両者の硬直の中、リーネがメラを放った。
    威力が小さく、ドラゴンにはほとんどダメージを与えることは出来なかったが、一瞬そちらに気を取られた。
    その隙を見逃さずルークは剣を振った。
    相手の体が大きくうかつに懐に入らず遠距離から剣を振る。
    当然、剣は掠りもしなかったが矛先から白く光る閃光が飛び出した。
    ドラゴンの体に閃光があたる。するとあたった部分に大きな傷跡が出来た。
    しかし、その傷はあまり深くなく、すぐにルークに矛先を向けた。
    大きく息を吸い込んで、口から炎をはき出した。
    とっさのことで少し反応が遅れたが、何とかかわしきれた。
    しかし、バランスを崩してしまいドラゴンの爪がルークの体をねらう。
    「危ない!!」
    ジャックがルークの元に駆け出す。
    ガキン、と鈍い音が響く。
    「ぐっ…」
    ジャックの脇腹が赤く滲む。
    「ジャック、大丈夫か!?」
    心配するルークに、
    「バカ者!今は戦闘中だ!適を倒すことに集中しろ!」
    ルークは言葉を飲み込み剣を構え直し、そのまま懐へと飛び出した。
    まっすぐ伸びた矛先がドラゴンの腹に突き刺さった。
    「グオオオオ」
    激しい雄叫びを上げ、地に突っ伏し、しばらく暴れていた。

    討伐が終わり、王様の元へ報告に行った。
    「王様、ただいま帰還しました」
    腹の治療を終えたジャックが王様に告げる。
    王様も機嫌を良くした。
    宝の数が多かったため、どこに何があるかも分からず、ジャックが負傷したため早々に切り上げてきた。
    その日は疲れていたためまだ日のあるうちから眠りについた。

    翌日には騎士団の手によって全ての宝物が城に戻ってきた。
    「よくぞやってくれた。改めて礼を言おう。そしてこれが約束の品だ」
    兵士の一人がなにやら風呂敷を持ってきた。
    「これが我が国に治められてきた『スライムオーブ』だ」
    兵士の持っていた風呂敷のなっから出てきたのは青色に光る水晶が出てきた。
    「そして、実はおもしろいことに例の宝の中にもう一つ入っていたんだ」
    王が手招きをするともう一人兵士が風呂敷を持ってやってきた。
    そしてその中には茶色く輝く水晶が出てきた。
    「これは確か『ゴーレムオーブ』だったかな」
    ジャックは二つの水晶を受け取ると、袋の中に入れた。
    「ありがとうございます。では、我々はこれで」
    三人はレインウォールを後にした。

    11/12/09 14:41 デロリン・デ・ローデ   

    ■作者メッセージ
    かなり勢いで書いた物なのでどうなっているかは自分でも全く分かりません。
    あ、でも内容は理解していますよ。ただちゃんと伝わってるかなとか、思ってるのと間違ってないかなとか、色々あるのですよ。いろいろ…

    全体的に見るとあまり長くない小説になってしまいました。
    主人公はルークですが、台詞が多いのでジャックがほとんど主人公ですねww
    これが完結したらジャックの物語でも書こうかな…
    では、ノシ

    追記
    12月9日40時分に若干変更しました。
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