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ドラゴンクエスト+α 闇を切り裂く者

デロリン・デ・ローデ

INDEX

  • あらすじ
  • 01 第一章 勇者と呼ばれた者
  • 02 第二章 勇者と呼ばれる者
  • 03 第三章 魔を司る者
  • 04 第四章 人ならざる者
  • 05 第五章 時空を統べる者
  • 06 第六章 闇に囚われし者
  • 07 最終章 闇を切り裂く者
  • 08 余章〜エピローグ〜
  • 09 外伝 闇を封じし者達
  • 第六章 闇に囚われし者

    「なあジャック、魔界に行く鍵はこれで揃ったけど、どっから魔界に行けるんだ?」
    「ここからでもいけるぞ。さっさと行って用事を済ませるぞ」
    ジャックが袋から三つのオーブを取り出す。その三つで三角形を作り三人を囲う。
    「神の作りし聖なる宝玉よ、我らを魔の世界へと導け」
    目を閉じながらジャックが唱えると、オーブはまばゆい輝きを放った。
    そして辺りは光に包まれた。

    あまりの眩しさに目を瞑っていたが、やがて光が収まると目を開ける。
    「な、んだ、これ…」
    目の前には闇が広がっていた。
    暗闇ではない。光はないのに地面も空も、遠くの方まで見える。
    大地は枯れてしまっていて緑はない。枯れ木ばかりが立っている。
    空は赤黒い。暗いわけではないが、黒と赤がマーブル模様のように混ざろうとしているかのように見える。
    しかし、ルークはそんなことに驚いたのではない。
    「…ずいぶんと、禍々しいな。貴様は何者だ」
    ジャックが剣を構える。
    「フフフ…久しぶりだな、我が友よ。しかし、残念だ。大切な友と別れねばならないとは」
    そこにはルークが探し求めていた友、ケーリーがいた。
    ケーリーはルークと同じ剣を構えた。
    しかし、ルークのは白く輝いていたのに対し、ケーリーのは黒く暗い闇を放ち、ケーリーを包んでいた。
    「この子が、あなたの友達…?冗談でしょ?」
    いつも気楽そうにしているリーネが額に汗を浮かべる。
    「黙れ小娘。…久しいな、ルーク」
    ケーリーはリーネをにらみつけた。その瞬間、リーネは背筋に冷たい物を感じ、瞬きすら出来なくなった。
    「…お前、だれだ…」
    「おいおい、ちょっと会わない間に親友の顔を忘れたのか?」
    見下すようにルークを見る。ルークは知らぬ間に剣を構えていた。
    「僕とやろうって言うのかい。今まで勝った事なんてないのに」
    ジャックも剣を構える。が、
    「じゃまだな」
    ケーリーが剣を振るとジャックとリーネは消えていた。
    「さて、ぼくはちょっと忙しいんだ。君も帰ってよ」
    再び剣を振る。しかし、ルークは消えなかった。
    「…仕方ないな。君にいられると困るんだ」
    今まで一歩も動かなかったケーリーの足が動く。
    その動きはジャックよりも早かった。ルークは何も考えず防御した。
    剣と剣がぶつかり合い火花が散る。
    「強くなったね。ルーク。でも、残念だ」
    ケーリーが剣を振るう。すると今度は剣の周りを漂っていた闇がまっすぐにルークをねらった。
    ルークも剣を振るい、光を放つ。お互いの力は打ち消し合い消滅した。
    「…ケーリーを返せ…!!」
    ルークがケーリーに向かって大きく踏み込む。そのまま剣を振り斬撃を繰り出しその後ろから剣で斬りつける。
    ケーリーの前に闇の盾が出来る。それで防御できると思っていたケーリーは剣を振りかぶった。
    しかし、最初の斬撃がヒットすると闇の盾は消えてしまい、次の剣による攻撃がケーリーの腹を切り裂いた。
    「ぐっ、」
    斬られたところからは血は出てこない。代わりに暗い闇があふれてきた。
    腹を斬られたことによりバランスを崩して力が入らないが、せめてもの攻撃に剣の塚で殴りつけた。
    体勢を低くしていたので上からの圧力により地面につっこんだ。
    すばやく起きあがり剣を構える。
    ケーリーの傷は闇をこぼしていたが、やがてその闇が傷を塞いだ。
    「君じゃあ僕は倒せないよ」
    (くっ、どうすれば…)
    その時、ルークの剣が光り輝いた。その光は辺り一帯を優しく包み込んだ。
    「その程度、何が…!?」
    光をあびたケーリーの剣から闇が消えていた。しかし、その刀身は黒く淀んでいた。
    「…それがどうした!さっさと消えろ!!」
    まるで余裕が無くなったように動きが単調になる。
    その攻撃をたやすくかわし、ケーリーの腹に再び攻撃を加えた。
    「ぐあっ、」
    今度は先ほどとは違い、赤い液体が飛び出してきた。
    「ぐっ、まだだ、私はまだこんな所では…」
    カラン、ケーリーの手から剣が落ちる。そして、しばらく苦しみ、ケーリーは地面に倒れた。

    11/12/03 18:17 デロリン・デ・ローデ   

    ■作者メッセージ
    次回、待望の最終回へ続く…(たぶん)

    はい、デロリンです!今回は短くなってしまいましたが、内容は今までと変わらず書けていると思います。
    テンションが上がると一気に書けてしまい、なんかもう大変です。
    長い話は面倒なので次回にまた、ノシ
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