ゲーノベ :: ゲーム小説掲示板 > NANA > Re:開闢の宴・最終章

Re:開闢の宴・最終章

NANA

INDEX

  • あらすじ
  • 01 メモリアル1
  • 02 メモリアル2
  • 03 メモリアル3
  • 04 再会とお披露目会
  • 05 やりたい事
  • 06 ツバサの正体
  • 07 恋心の絆
  • 08 手を差し出す方法
  • 09 心残り
  • 10 生まれ変わった拠点
  • 11 一日の終わり
  • 12 オーバーチュア&クリムゾンブリッツ
  • 13 叶えた夢
  • 14 正体不明の敵
  • 15 陣の使い手
  • 16 弟子同士の対決(けんか)
  • 17 親友としての思い
  • 18 使徒との交流
  • メモリアル3


     スピカとレイアに挟まれながら会話するクウは、どことなく嬉しそうだ。
     それもそうだろう。クウにとって、二人は大事な存在なのだから。

    「師匠…」

     そんなクウを見つめる一人の少女――ツバサ。
     少し距離を置いてクウを見つめる彼女は、ふと空を眺める。
     朝とも夜とも言えない、紫かかった空模様。ツバサはこの空の向こう…別の世界に居るであろう家族を思い浮かべる。


     自分の――『シャオ』としての始まりはちょっとした家出だった。
     家族と喧嘩をして、家を飛び出して、これからどうしようって所でジャスさんに出会った。勝負に勝てば、異世界…しかも過去へと行けるチケット。ボクにしてみれば、絶好の機会だった。だから勝負して、勝った。そして今いるこの世界へ来ることが出来たんだ。

     だけどそれは、旅を始めるボクに心配させないための、家族が作った口実だったんだ。

     ボクがこの世界に来る事は決定事項だった。シルビアを救う為に、未来を守る為に。だからボクは幼い頃からキーブレード使いである師匠…クウさんの指導を直々に受けて、ウィドさんから異世界に関わる物語を教えられた。その他にも、家族や友人がボク一人でも旅が出来るように様々な事を教えられてきた。
     それでも、ボクが背負うのは世界の未来だ。そんな重荷を与えないよう、父さんと母さんはナミネさんに頼んで偽の記憶を植え付けた――《家族と大喧嘩した》と言う記憶を。

     そしてボクはこの世界にやってきた。世界の異変を解決するまでは元の世界に変えれないから、色んな世界を巡る事にした。
     やがて、師匠達と出会った。もうその時にはエンと戦ってボロボロだったけど、ボクは敗北も恐れずに立ち向かって…でも勝てなかった。
     師匠とエンは同じ存在。彼の悲願と、仲間を失った悲しみで師匠だけでなく皆進むべき道を見失った。巻き込まれた形だけど、ボクはそれが嫌だった。無轟さんも同じ気持ちだから、戦うと言う行動を起こした…荒々しい形だけど、みんな立ち直ってくれた。
     でも、そんな時にイオン先輩達の故郷――ディスティニーアイランドに戻った際に、ボクにあるナミネさんの嘘の記憶が壊れて昏睡状態を起こしてしまった。そして、思い出してしまった。
     ボクは…本物の『シャオ』ではなかった。シャオはずっと前に、夜中に出て行った妹を探して、高い場所から落ちた所を庇って…死んでしまった。それが嫌で、ボクは…『ツバサ』は、兄であるシャオの記憶を取り込んだ。本当の自分の心を殺して、兄として生きる為に。
     本当は思い出したくなんてなかった。自分(シャオ)が偽物で、自分(ツバサ)が殺したようなものだったから。だから否定した。助けに来てくれた師匠達を、自分(ツバサ)を殺さない師匠達の選択を。
     でも、最終的に師匠達のおかげでお兄ちゃんの本当の気持ちを教えられて、ボクはツバサに戻る選択が出来た。ただ戻るだけじゃない、今までシャオとして生きた記憶と経験もボクの心と身体にある。
     これからはツバサとして――ボクは師匠達についていくと決めた。


    「世界の命運なんて、関係ない…そうだよね? お父さん、お母さん、お兄ちゃん…」

     ポケットから取り出したのは、貝殻で出来たペンダント。ジャスのくれたお守りの代わりに、いつの間にか持っていたものだ。
     貝殻は二枚重ねで、複雑な作りによってロケットになっている。こんな技術、誰が作ったかなんて…1人しかいないだろう。
     ロケットの中を開くと、それは自分達の幼い頃の家族写真だ。シャオと自分が、それぞれ父親と母親に抱かれて笑顔で映っている。

    「流石に、本当の事…話した方がいいのかな?」

    「ツバサ」

     急に名前を呼ばれて、慌ててロケットを両手で閉じる。
     前を向くと、話が終わったのかウィドがいた。

    「ウィドさん!?」

    「どうしました?」

    「え、えーと…そう! オルガさんが渡してくれた服、どんなのかなーって考えてたんだ! ボクの為に作ってくれた服だもん、早く見てみたいなー!」

     誤魔化すように言うが、これは本当だ。
     出発前夜。オルガに呼び出されたと思ったら「流石にシャオのままの服だとぶかぶかだから、ツバサの為に新しく衣装を作って置いたぜ! あっちの世界で着替えるといい!」と衣装の入った袋をくれたのだ。その時のオルガが妙にイキイキしていて、周りは呆れ気味のように見えたのは気のせいではないだろう。

    「そう、ですか…? ツバサ、とりあえず向かう場所も決まりましたので一緒に行きますよ」

    「うん、わかった」

     少し訝しがりながらも、ウィドはそれ以上何も追及せずに先を促す。
     その優しさとちょっとした距離感に、ツバサも何も言わずに歩き出した。

    17/10/01 01:05 NANA   

    ■作者メッセージ
    久しぶりにこちらを投稿しました。最近はTRPGもといダブクロ関連ばっかりでしたからねぇ…。

    さて、KHuxは二周年記念で9月はお祭り期間。様々なメダル登場にイベントが盛りだくさん。他のアプリゲームもあるから、集中しては出来ませんでしたがね…。
    もー、新メダルの野村さんイラストのKH2版のソラ&リク。あれは欲しかった…欲しかったのに、ジュエル全部使い果たしたのに……結局一枚も来なかったーーーー!!! と言うか、何でお祭り前にリクアートメダル出したんだよぉぉぉ!!! 結局それで5万も溜め込んだジュエル使っても一枚も出なかったし、ネクイラストもカッコいいと思うがいらないんだよおおおおおお!!! 予知者よりもアートガチャの復刻してくれぇぇぇ!!!
    あと友達やダブクロ卓に言われるままにインストールしたFGOなに!? 滅茶苦茶ストーリー壮大なんですけど、イベント面白いんですが、キャラ集めとか楽しいんですけど!? リジェネ系最高ストーリーに深く絡むと言われるマーリンとかで周りは騒いでいるが、私は今の所どうでもいい。何故なら沖田さんゲットしたからーーーー!!!(荒ぶる
    HOME
    Copyright NANA All Rights Reserved.
    CGI by まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.34c