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Re:開闢の宴・最終章

NANA

INDEX

  • あらすじ
  • 01 メモリアル1
  • 02 メモリアル2
  • 03 メモリアル3
  • 04 再会とお披露目会
  • 05 やりたい事
  • 06 ツバサの正体
  • 07 恋心の絆
  • 08 手を差し出す方法
  • 09 心残り
  • 10 生まれ変わった拠点
  • 11 一日の終わり
  • 12 オーバーチュア&クリムゾンブリッツ
  • 13 叶えた夢
  • 14 正体不明の敵
  • 15 陣の使い手
  • 16 弟子同士の対決(けんか)
  • 17 親友としての思い
  • 18 使徒との交流
  • 正体不明の敵


     ルキルは困惑していた。
     互いの力量を知る為の模擬戦は夕方まで行い、拠点に戻り、食事も済ませて自由行動となった。そこまではいい。
     問題は、声を掛けたい相手が作戦会議の場に参加していた事だ。

    「まだ出発出来ない?」

    「ええ。事前にあちらに、組織の方に私達の近況を書いた手紙を出してあるわ。だから返事が返ってくるまでは、この街で待機する事になるの」

    「…大丈夫なのか、それ?」

    「少なくとも、無断で行くよりは事前に伝えた方がいいでしょ? 私が一緒だとしても、場合によっては敵対しかねないから…誰かさんを見た瞬間にね」

    「………」

     ウィドの発した疑問に答えつつ、スピカは不安げなクウにジト目を送り付ける。
     気まずい空気になるが、同じように参加しているアクアが話題を変える。

    「あちらとこちらの世界に時間のずれがあって助かりましたね。でなければ、きっと間に合わなかったかもしれません」

    「シルビアの力を封じたって事は、恐れているのと同定義。取り戻せば、こちらが有利に傾くはずよ」

    「その為にも、姉さん達の所属する組織とやらに接触する必要があるのに、足止めとは…」

    「仕方ないわ。とにかく、今私達が出来る事を纏めて――」

     かれこれ30分は話し合っているのに、会議はまだまだ終わりそうにない。
     ルキルは諦めて、玄関へと向かう。扉を開けて外に出ようとすると、音で気づいたのだろう。ウィドが振り向いて声をかけて来た。

    「ルキル? どこに行くんですか?」

    「…少し、散歩してくる」

    「流石にこんな時間に一人は危険です。私も一緒に行きますよ」

    「一人でも大丈夫だから! 先生は気にせず話をしててくれ!」

     自分の事で、迷惑を掛けられない。そう思ったのだろう。ルキルは逃げる様に外に飛び出した。
     扉が閉まる際に、ウィドが自分を呼ぶ声が聞こえた気がする。しかし、立ち止まる訳にもいかず、夜の街へと駆け出した。



    「…はぁ、はぁ」

     ルキルは街中を走り、広場のような所へたどり着く。途中ハートレスも出たが、防衛装置のおかげもあって難なく振り切れた。
     戦いはしなかったが、全力で逃げたので疲れたのには変わりない。休憩も含めて、息を整えようと壁の所に凭れ掛かった。
     冷たい空気。月と星だけが闇を照らす薄暗さ。静まり返った夜の空間に、ルキルに孤独が芽生える。

    「結局、一人か…」

     そう呟き、すぐに否定するように頭を振る。
     こんなことしなくても、時間を潰す方法はいくらでもあった。けれど、あの場所から逃げたのは他らなぬ自分の意志だ。
     自分の正体を知られた事で、近づきたいと思って、そうして距離は縮まった。けれど、どうやらまだまだらしい。

    「共に居たいと言った言葉は、嘘じゃないのにな…」

     手を広げ、キーブレードを取り出す。
     僅かながらに残っていたシオンの想いと力を受け継いだ事で出に入れたもの。彼女が成し得られなかった事が出来るのに…まだ、打ち解けられない。
     もう一度溜息を吐いて、ルキルはキーブレードを消す。

    「いたいたー!」

    「探したぞー、ルキル!」

     その時、ツバサとソラの声が聞こえた。見ると、後を追ってきたのだろう。笑顔で近づいてくる。

    「お前ら…何で」

    「ルキルが心配だからに決まってるだろ?」

    「そうだよ。父さんが強いって言っても、こんな時間に一人じゃ危険だよ。だから、ボク達が来たんだよ!」

    「別に、来なくても俺は…」

     本当は嬉しいのに、つい反対の事を言って遠ざけようとしてしまう。
     けれど、二人はまったく気にしておらず、ソラはルキルの隣に座り込んだ。

    「なあ、ルキル。折角だからさ、ルキルの事聞かせてよ」

    「え?」

    「だって俺、まだルキルの事そんなに知らないからさ。リクと同じ…えーと、『パプリカ』だっけ?」

    「『レプリカ』だ! それは野菜だろ!」

    「あー、それそれ! リクと同じって言うのは聞いたけどさー、でも一緒じゃないだろ?」

    「そう、なのか…?」

    「んー、少し前の卑屈さはリクと似てるけど、でもこう…うーん、何て言うんだろ…! どっか違うんだよなー。どこが違うかは、上手く言えないけど…!」

    「言いたい事は分かるよ、ソラさん。…ね、少しお話しようよ。小さな事でも、ボク達にとってはそれで充分だから」

     悩むソラに、ツバサもまた反対側に座って笑顔を見せる。
     二人の優しさと興味に、ルキルは照れながらそっぽを向く。

    「…少し、だけなら」

     たったそれだけの言葉なのに、二人は嬉しそうに輝く満面の笑みを向けてくる。その純粋な輝きに、光みたいだと密かに思った。



    「へー、ウィドって家事ダメダメなのかー」

    「言っておくが、先生の前でそれを言うなよ? 丸一日説教コースだからな?」

    「うっ! 気を付ける…絶対言わない…!」

    「ソラさん、トラウマになってる…」

    「トラウマにならない方がおかしいだろ…」

     本を片手に持って黒い眼差しで仁王立ちするウィドの説教を三人とも思い浮かべ、顔を青ざめる。

    「ね。父さんの服って、ウィドさんのお下がりなの?」

    「よく知ってるな。正確には昔着ていた先生の服を、町の仕立て屋に頼んで俺用のサイズにして貰った。雪国の世界に住んでるんだ、半袖の恰好では過ごせないさ…背もこうして伸びたから、いい機会だって言ってさ」

     白のコートの裾を引っ張りながら、服を新調した時の思い出をツバサに語る。
     小さいけどそれなりの思い出を語っていると、急にソラが不思議そうにルキルを見つめる。

    「どうした?」

    「んー…ルキルってさ、その…人形、なんだよな?」

    「それが?」

    「嫌な言い方になるかもしれないけど…人形って事は、背とか伸びないんじゃないかって思ったんだけど…」

    「…言われてみれば」

     ソラに指摘されて、ルキルも伸びた髪を弄る。
     ヴィクセンが作り上げたレプリカとは、人形そのものだ。食事は取れるし、睡眠も出来る。とは言え、成長する事は出来ないように作られている…はずだ。
     自分の身体に疑問を持つルキルだが、ツバサは呑気に首を傾げた。

    「んー? 普通に成長するもんじゃないの? ボクはよく分からないけど…ふあぁ…」

    「流石にこれ以上は先生達が心配するな…そろそろ帰るか」

     眠そうにツバサが欠伸をするのを見て、もう遅い時間になったと察したルキルが立ち上がる。二人もまた帰ろうと立ち上がり、広場を後に帰路につく。


    「こんばんは」


     あと数歩、の所で後ろから男の声がかかる。
     振り返ると、広場の中央。そこに白いローブを着た青年が額に手を翳して夜空を見上げている。その隣には、黒いワンピースを着た少女が御付きのように佇んでいる。

    「いやー、今夜は綺麗な月だねー。そう思わないかい?」

     こちらに振り返り、ニコリと挨拶する青年。だが、いつの間にか現れた人物にルキルは目を細めて警戒心を抱く。

    「お前、誰だ?」

    「やだなー、そんなに警戒しないでよー。俺達は通りすがりの――」

    「レクト、さん…!? ニルヴァナさんも、何で…!?」

     ルキルの疑問に答えたのは、青年でも少女でもなく、ツバサだった。
     驚いた顔で正体不明の二人の名前を呟くツバサに、ソラは疑問を浮かべる。

    「あそこの二人、ツバサの知り合い?」

    「なぜ、私達の名前を……!」

    「あ、いや、その…!」

    「ふーん、俺達の名前を知っているって事は――俺達が何者かも、知ってるって事かな?」

     狼狽えるツバサに、今度は相手の二人――レクトとニルヴァナが警戒心を高める。
     そして、ニルヴァナと呼ばれた少女は小さな手に闇を宿して2メートルはある黒い槍を作り上げる。そして、レクトと言う青年は右手を光らせるように白い杖を取り出した。
     武器を取り出した二人に、ルキルとソラもまたキーブレードを出現させて構える。

    「敵か!?」

    「お前ら、何なんだ!? エンの仲間か!?」

    「エン? 誰か知らないけど――まあ、折角だし」

     ニヤリとレクトは笑うと、左手に一本のナイフを取り出す。
     それを足元――広場の中央に位置する場所に投げて突き刺すと、広場を囲む様に障壁が作られる。
     戦いの場を作り上げると共に三人を閉じ込めると、先程のナイフを今度は指の間全てに挟む様に取り出して、ソラ達に見せつける。

    「ちょっと俺達と遊んでよ」

     心底楽しそうにレクトは言い放ち、構えたナイフを投げつけた。

    18/06/19 00:12 NANA   

    ■作者メッセージ
    ルキル「KH3 2019年 1月25日発売決定!! やっと、やっとだー!!」

    リク「…いやなんでお前が大々的に宣伝しているんだ?」

    ルキル「最新PV見れば分かる。僅かだが、俺が、確実にあれは俺が出ていた…どう考えてもあのシーンは味方としての復活フラグ!!! 数年前に神棚や賽銭箱に願いを捧げて良かった…願えば必ず奇跡は起こる! 夢は叶うんだよ!! COMからすでに10年以上…俺の存在忘れていた奴らに一矢報いった気分だあはははは!!!」

    リク「てか、あれはお前だがお前じゃないだろ。設定上、リク=レプリカだが、もう半分以上はこの作者に改造されているようなもんだろうが」

    ウィド「それはそれとして、あなた発表される前まで『ゼアノートはいやだ…ハゲノートの仲間入りは嫌だ…』とかってベットで丸くなってましたしね」

    ルキル「過去の事は忘れた。俺は希望ある未来だけを見ているからな!! いや、KH3早く発売しないかなー!!」

    ロクサス「俺も登場はしてないけど復活フラグ立ってるからな!! ロクサスファンのみんなを長年待たせたんだ、きっと活躍して見せる!!」

    カイリ「私だってようやく新衣装で登場したんだから! KHUxでソラと一緒にいち早くアバターコーデ出来るようになっているからね! ゲームしている人は2500ジュエル集めて是非ともゲットだよ!」

    ソラ「新ステージも楽しみだなー! 前に言ってたア○雪、予想どおりでたし、しかも海賊第三作品目まで! どんなステージが出て来るのか楽しみだなー! FFキャラ誰が出るかなー!」




    アクア「…………」(ズーン)

    テラ「ア、アクアァ…あの、その…気を落とさずに、な?」

    ヴェン「そ、そうだよ! まだ希望は残ってるよ!」

    アクア「いいの…気にしないで…あんな未来、確率は0ではなかったし…うふふ…」

    ヴェン「駄目だよアクア!? アクアが闇落ちしたって言うなら、テラどうなのさ! テラなんてもう何年も前から闇落ちしているんだよ!?」

    テラ「ごはっ!」(バタリ)

    ヴェン「わー! テラごめーん!」
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