リラ様との作品コラボ 〜出演を賭けた人助け!?〜・5
「ヨシュアさん、ちょっと耳いいですか?」
「ん?」
グラッセに声をかけられ、ヨシュアは二人の戦いから目を離す。
すぐにグラッセはヨシュアの耳元で何かを話す。すると、ヨシュアはニヤリと笑ってグラッセに頷いた。
「――なるほど。君もなかなかの悪知恵だねぇ? 分かった、二人は僕が連れてくるよ」
「お願いしますねー?」
二人が会話を終了すると、ヨシュアはその場から消え去った。
グラッセとヨシュアの謎の行動に、ムーンは首を傾げた。
「グラッセ、一体何を?」
「ちょっとな…――えっと、シキにオパールさん。今の内に、シャオにあの服着せてみたらどうですか? 今なら気絶してるし」
「それもそうだね! よーし、バッチリとコーディネイトさせてあげる!」
「シキ、あたしも手伝うわよ!」
そう言うなり、二人は気絶しているシャオに近づいて服を脱ぎ始める。
和気藹々とシャオに女装させる二人に、親友としての勘かムーンの中で嫌な予感が湧き上がった。
「…本当に、何をする気なんだ?」
「見てれば分かるさ」
グラッセがニコニコ笑いながら言っている間に、シャオの着替えが着々と進んでいく。
上はピンクのフリルが付いたキャミソール。そして下はカラフルなロングスカート。その二つを着せさせると、二人は笑顔で立ち上がった。
「「かんせーい♪」」
「よーし、『ケアルガ』っと」
上機嫌の二人を見て、グラッセは癒しの魔法を唱える。
そうして癒しの光を当てると、シャオが目を覚ました。
「う、うーん…ボクは一体――…え? な、何なんだよこれぇぇぇーーーーーーーーっ!!!」
気絶から回復するなり、女装させられた姿に絶叫を上げるシャオ。
それとほぼ同時に、ヨシュアが現れて戻って来た。
「グラッセ君、連れて来たよ」
「連れて来たって誰を――」
ムーンが振り向くと、表情が凍りつく。
そこには、自分達にとって若き頃(KH2)のソラとリクがいたからだ。
「ヨシュア。来て欲しい所って、ここ?」
「リズはともかくとして…ムーン、今日は随分と大人しいんだな」
「いろいろ…あってな」
ソラが不思議そうに辺りを見回す中、リクは腕を組んで見てくるのでムーンは思わずオパールに目をやる。
リクに関してはこれでもかと言う程憎んでる。だが、前回のゼアノートの事を思えばここで反抗の意思を見せたら殺されかねない。
そうこうしていると、ソラが女装されているシャオに気づいて目を丸くした。
「え、シャオ!? その恰好…」
「あ、あああの…これは、その…!?」
「シャオ…女の子だったのか?」
「ちがーう!!! ボクは男だぁぁぁーーーーーーーーっ!!!」
これでもかと泣きながら大声を上げてソラに否定していると、グラッセが未だに戦うリズとネクの方を向いた。
「おーい、リズ!! ちょっと戦闘中断してこっち来てくれー!!」
グラッセの声に、二人は思わず戦いを止める。
そして、リズがキブレードを消してグラッセに近づいた。
「どうしたの、グラッセ?」
「シャオ…お前、何時の間にそんな恰好を?」
「原因作ったネクさんに言われたくないよぉ!!?」
驚きの目でまじまじと見るネクに、シャオは泣きながら怒鳴りつける。
この二人を無視し、グラッセはニコニコと笑いながらシキに声をかけた。
「シキさーん」
「え、何?」
「ソラさんって、このワンピース似合いそうだと思いません?」
「ねえ、ソラ!! ちょっとこれ着て見て!!」
「え、えええええええええっ!!?」
グラッセの言葉にシキは目の色を変え、ソラにワンピース(天使ワンピ)を見せつける。
突然の事に動揺するソラに、ムーンはグラッセの意図が分かったのかニヤリと黒い笑みを浮かべた。
「なるほど…だったら!」
そう言うと、ある服を掴んで何処か黒い笑顔でオパールに差し出した。
「オパールさーん、リクってこのゴスロリ似合いそうだと思いませーん?」
「リク、このゴスドレス着てみない!?」
「ムーン、お前ぇぇぇ!!!」
目を輝かせながらゴスドレス(ヴァンパイアドレス)を見せるオパールに、リクは原因を作ったムーンに怒鳴りつける。
見事に生贄にされた二人に、グラッセは黒い笑みでネクに首を傾げた。
「さあ、どうしますネクさん? ネクさんの所為で、二人がシャオのように惨めな思いしちゃいますよぉ?」
「そうだねぇ。ネク君、早くどうにかしないとソラ君達が餌食になっちゃうねぇ?」
「ぎ、ぎににに…っ!!?」
グラッセとヨシュアの言葉に、ネクは思わず歯軋りを起こす。
女装は嫌だ。しかしこのままではソラが危ない。ネクの中でそんな二つの思考が鬩ぎ合っていると、後ろから影が差した。
「男ならさっさと腹括りなさい!!」
「ごふぉ!!?」
背後からリズがキーブレードで後頭部をぶん殴るものだから、ネクはその場で白目をむいて気絶してしまった。
「ネクゥーーーーーーーっ!!?」
「人の心配してる場合じゃないぞ、ソラ!! 早く逃げ――!!」
倒れるネクに駆け寄ろうとするソラの腕を掴み、スタジオの入口へと逃げるリク。
だが、その途中で空気の切る音が響く。と、鋭く光る物が自分達の衣服に当たって壁に縫い付けられてしまう。
突然の事に二人は目を丸くするが、キラキラと目を輝かせる彼女達の後ろにいる、キーブレードを弓にしているシャオを見て何が起きたのか分かった。
「シャ、シャオ!? 何するんだ!?」
「ボクだけこんな惨めな思いするなんて、ゴメンだからねぇ…? 伯父さん達にもしっかりと味わって貰うよぉ!!!」
リクに向かって半ば泣きながら怒鳴りつけると、シャオは『フィルアーム・モード』で変形した弓を二人に構える。
こうしてシャオの放った矢によって身動き出来ない状況になった二人に、シキとオパール、そしてにゃんタンが怪しく目を光らせながら服を持って近づいた。
「大丈夫だよ、二人とも…ちゃーんと、コーディネイトしてあげるから…!!」
「大人しくしてれば、すぐに済むから…!!」
「よーし、ネクの服脱ぎ終わったわ!! 次は、っと…!!」
追い打ちをかけるように、ネクの服を脱ぎ終ったリズがキーブレードを持ちながらソラとリクへと標的を変える。
ジリジリと迫る女性陣+一匹(?)に、二人は顔を真っ青にして全身に冷や汗を掻く。
「「ひいぃ!? ちょ、まっ…!!?」」
―――直後、少年二人の涙混じりの悲鳴が辺りに響き渡ったと言う…。
「う、うえっ…!!!」
「さっ…最悪だ…!!!」
「…すぐにでも、死にたい…!!!」
力なく床に座り込んで泣いているのは、上からリボンのあるピンクワンピースにシンプルミュールを穿いたソラ。ボンデージ風の黒のゴスドレスに白いフリルの付いた黒のヘッドドレスと厚底シューズを履いたリク。そしてセーラー服に青のスニーカー、更には赤のニーハイを穿いたネクだ。
男としてのプライドがズタボロになっている三人の横では、シキがにゃんタンと一緒に満足そうに頷いていた。
「うんうん! 三人共バッチリだよ!!」
「もう、リクってばすっごく似合う〜!!」
「こうして見ると、もっと他の服着せてみたいなー!!」
そんなシキに賛同するようにオパールも嬉しそうに笑みを浮かべ、リズに至ってはサドの部分が刺激されたのかウキウキしながら他の服を品定めしている。
この正反対の光景を、少し離れた場所でムーンとシャオが見ていた。
「女って怖いな…――ま、あいつに一泡吹かせてやったからいいけど」
「そうだよ…ボクの気持ち、分かってやらせればいいんだ…っ!!」
何処か満足そうに女装されたリクを見るムーンの隣では、同じように女装しているシャオが呪詛のような呟きと共に恨みを込めた目で三人を睨む。
そこからさらに離れた所では、グラッセがウィドとヨシュアに得意げな笑みを浮かべていた。
「ウィドさん、この勝負俺の頭脳の勝利って事でいいですか?」
「そうですねぇ…ヨシュアはどう思います?」
「いいんじゃないかな? 物理的にはリズとは言え、この案が思いつかなければネク君に服を着せられなかったしね」
このヨシュアの言葉で、この相談者の勝者はグラッセとなった。
ちなみに、次の相談の準備が出来るまで三人はしばらくシキ達によって女装に付き合わされたと言う…。
「ん?」
グラッセに声をかけられ、ヨシュアは二人の戦いから目を離す。
すぐにグラッセはヨシュアの耳元で何かを話す。すると、ヨシュアはニヤリと笑ってグラッセに頷いた。
「――なるほど。君もなかなかの悪知恵だねぇ? 分かった、二人は僕が連れてくるよ」
「お願いしますねー?」
二人が会話を終了すると、ヨシュアはその場から消え去った。
グラッセとヨシュアの謎の行動に、ムーンは首を傾げた。
「グラッセ、一体何を?」
「ちょっとな…――えっと、シキにオパールさん。今の内に、シャオにあの服着せてみたらどうですか? 今なら気絶してるし」
「それもそうだね! よーし、バッチリとコーディネイトさせてあげる!」
「シキ、あたしも手伝うわよ!」
そう言うなり、二人は気絶しているシャオに近づいて服を脱ぎ始める。
和気藹々とシャオに女装させる二人に、親友としての勘かムーンの中で嫌な予感が湧き上がった。
「…本当に、何をする気なんだ?」
「見てれば分かるさ」
グラッセがニコニコ笑いながら言っている間に、シャオの着替えが着々と進んでいく。
上はピンクのフリルが付いたキャミソール。そして下はカラフルなロングスカート。その二つを着せさせると、二人は笑顔で立ち上がった。
「「かんせーい♪」」
「よーし、『ケアルガ』っと」
上機嫌の二人を見て、グラッセは癒しの魔法を唱える。
そうして癒しの光を当てると、シャオが目を覚ました。
「う、うーん…ボクは一体――…え? な、何なんだよこれぇぇぇーーーーーーーーっ!!!」
気絶から回復するなり、女装させられた姿に絶叫を上げるシャオ。
それとほぼ同時に、ヨシュアが現れて戻って来た。
「グラッセ君、連れて来たよ」
「連れて来たって誰を――」
ムーンが振り向くと、表情が凍りつく。
そこには、自分達にとって若き頃(KH2)のソラとリクがいたからだ。
「ヨシュア。来て欲しい所って、ここ?」
「リズはともかくとして…ムーン、今日は随分と大人しいんだな」
「いろいろ…あってな」
ソラが不思議そうに辺りを見回す中、リクは腕を組んで見てくるのでムーンは思わずオパールに目をやる。
リクに関してはこれでもかと言う程憎んでる。だが、前回のゼアノートの事を思えばここで反抗の意思を見せたら殺されかねない。
そうこうしていると、ソラが女装されているシャオに気づいて目を丸くした。
「え、シャオ!? その恰好…」
「あ、あああの…これは、その…!?」
「シャオ…女の子だったのか?」
「ちがーう!!! ボクは男だぁぁぁーーーーーーーーっ!!!」
これでもかと泣きながら大声を上げてソラに否定していると、グラッセが未だに戦うリズとネクの方を向いた。
「おーい、リズ!! ちょっと戦闘中断してこっち来てくれー!!」
グラッセの声に、二人は思わず戦いを止める。
そして、リズがキブレードを消してグラッセに近づいた。
「どうしたの、グラッセ?」
「シャオ…お前、何時の間にそんな恰好を?」
「原因作ったネクさんに言われたくないよぉ!!?」
驚きの目でまじまじと見るネクに、シャオは泣きながら怒鳴りつける。
この二人を無視し、グラッセはニコニコと笑いながらシキに声をかけた。
「シキさーん」
「え、何?」
「ソラさんって、このワンピース似合いそうだと思いません?」
「ねえ、ソラ!! ちょっとこれ着て見て!!」
「え、えええええええええっ!!?」
グラッセの言葉にシキは目の色を変え、ソラにワンピース(天使ワンピ)を見せつける。
突然の事に動揺するソラに、ムーンはグラッセの意図が分かったのかニヤリと黒い笑みを浮かべた。
「なるほど…だったら!」
そう言うと、ある服を掴んで何処か黒い笑顔でオパールに差し出した。
「オパールさーん、リクってこのゴスロリ似合いそうだと思いませーん?」
「リク、このゴスドレス着てみない!?」
「ムーン、お前ぇぇぇ!!!」
目を輝かせながらゴスドレス(ヴァンパイアドレス)を見せるオパールに、リクは原因を作ったムーンに怒鳴りつける。
見事に生贄にされた二人に、グラッセは黒い笑みでネクに首を傾げた。
「さあ、どうしますネクさん? ネクさんの所為で、二人がシャオのように惨めな思いしちゃいますよぉ?」
「そうだねぇ。ネク君、早くどうにかしないとソラ君達が餌食になっちゃうねぇ?」
「ぎ、ぎににに…っ!!?」
グラッセとヨシュアの言葉に、ネクは思わず歯軋りを起こす。
女装は嫌だ。しかしこのままではソラが危ない。ネクの中でそんな二つの思考が鬩ぎ合っていると、後ろから影が差した。
「男ならさっさと腹括りなさい!!」
「ごふぉ!!?」
背後からリズがキーブレードで後頭部をぶん殴るものだから、ネクはその場で白目をむいて気絶してしまった。
「ネクゥーーーーーーーっ!!?」
「人の心配してる場合じゃないぞ、ソラ!! 早く逃げ――!!」
倒れるネクに駆け寄ろうとするソラの腕を掴み、スタジオの入口へと逃げるリク。
だが、その途中で空気の切る音が響く。と、鋭く光る物が自分達の衣服に当たって壁に縫い付けられてしまう。
突然の事に二人は目を丸くするが、キラキラと目を輝かせる彼女達の後ろにいる、キーブレードを弓にしているシャオを見て何が起きたのか分かった。
「シャ、シャオ!? 何するんだ!?」
「ボクだけこんな惨めな思いするなんて、ゴメンだからねぇ…? 伯父さん達にもしっかりと味わって貰うよぉ!!!」
リクに向かって半ば泣きながら怒鳴りつけると、シャオは『フィルアーム・モード』で変形した弓を二人に構える。
こうしてシャオの放った矢によって身動き出来ない状況になった二人に、シキとオパール、そしてにゃんタンが怪しく目を光らせながら服を持って近づいた。
「大丈夫だよ、二人とも…ちゃーんと、コーディネイトしてあげるから…!!」
「大人しくしてれば、すぐに済むから…!!」
「よーし、ネクの服脱ぎ終わったわ!! 次は、っと…!!」
追い打ちをかけるように、ネクの服を脱ぎ終ったリズがキーブレードを持ちながらソラとリクへと標的を変える。
ジリジリと迫る女性陣+一匹(?)に、二人は顔を真っ青にして全身に冷や汗を掻く。
「「ひいぃ!? ちょ、まっ…!!?」」
―――直後、少年二人の涙混じりの悲鳴が辺りに響き渡ったと言う…。
「う、うえっ…!!!」
「さっ…最悪だ…!!!」
「…すぐにでも、死にたい…!!!」
力なく床に座り込んで泣いているのは、上からリボンのあるピンクワンピースにシンプルミュールを穿いたソラ。ボンデージ風の黒のゴスドレスに白いフリルの付いた黒のヘッドドレスと厚底シューズを履いたリク。そしてセーラー服に青のスニーカー、更には赤のニーハイを穿いたネクだ。
男としてのプライドがズタボロになっている三人の横では、シキがにゃんタンと一緒に満足そうに頷いていた。
「うんうん! 三人共バッチリだよ!!」
「もう、リクってばすっごく似合う〜!!」
「こうして見ると、もっと他の服着せてみたいなー!!」
そんなシキに賛同するようにオパールも嬉しそうに笑みを浮かべ、リズに至ってはサドの部分が刺激されたのかウキウキしながら他の服を品定めしている。
この正反対の光景を、少し離れた場所でムーンとシャオが見ていた。
「女って怖いな…――ま、あいつに一泡吹かせてやったからいいけど」
「そうだよ…ボクの気持ち、分かってやらせればいいんだ…っ!!」
何処か満足そうに女装されたリクを見るムーンの隣では、同じように女装しているシャオが呪詛のような呟きと共に恨みを込めた目で三人を睨む。
そこからさらに離れた所では、グラッセがウィドとヨシュアに得意げな笑みを浮かべていた。
「ウィドさん、この勝負俺の頭脳の勝利って事でいいですか?」
「そうですねぇ…ヨシュアはどう思います?」
「いいんじゃないかな? 物理的にはリズとは言え、この案が思いつかなければネク君に服を着せられなかったしね」
このヨシュアの言葉で、この相談者の勝者はグラッセとなった。
ちなみに、次の相談の準備が出来るまで三人はしばらくシキ達によって女装に付き合わされたと言う…。
■作者メッセージ
えー、本編の方を優先的に進めていたので、この番外編更新が大分遅くなりまして申し訳ございません。
予定としては、このコラボ小説はあと一回の相談で終了しますので、そこまで見て頂ければと思っております。
予定としては、このコラボ小説はあと一回の相談で終了しますので、そこまで見て頂ければと思っております。