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ギャグ&開闢の宴作品詰め合わせ集

NANA&夢旅人

INDEX

  • あらすじ
  • 01 マスター承認記念パーティー・1
  • 02 マスター承認記念パーティー・2
  • 03 マスター承認記念パーティー・3
  • 04 マスター承認記念パーティー・4
  • 05 リラ様との作品コラボ 〜出演を賭けた人助け!?〜・1
  • 06 リラ様との作品コラボ 〜出演を賭けた人助け!?〜・2
  • 07 リラ様との作品コラボ 〜出演を賭けた人助け!?〜・3
  • 08 リラ様との作品コラボ 〜出演を賭けた人助け!?〜・4
  • 09 リラ様との作品コラボ 〜出演を賭けた人助け!?〜・5
  • 10 リラ様との作品コラボ 〜出演を賭けた人助け!?〜・6
  • 11 【Re:開闢の宴】終盤突入企画・戦闘能力分析編 1
  • 12 【Re:開闢の宴】終盤突入企画・戦闘能力分析編 2
  • 13 【Re:開闢の宴】終盤突入企画・戦闘能力分析編 3
  • 14 【Re:開闢の宴】終盤突入企画・戦闘能力分析編 4
  • 15 【Re:開闢の宴】終盤突入企画・戦闘能力分析編 5
  • 16 【Re:開闢の宴】終盤突入企画・戦闘能力分析編 6
  • 17 【Re:開闢の宴】終盤突入企画・戦闘能力分析編 7
  • 18 【Re:開闢の宴】終盤突入企画・戦闘能力分析編 8
  • 19 【Re:開闢の宴】終盤突入企画・戦闘能力分析編 9
  • 20 夢旅人誕生日企画・Part2 (前編)
  • 21 夢旅人誕生日企画・Part2 (中編)
  • 22 夢旅人誕生日企画・Part2 (後編)
  • 23 クリスマスの戦い (前編)
  • 24 クリスマスの戦い (中編)
  • 25 クリスマスの戦い (後編)
  • 26 新年早々ドタバタなお正月・1
  • 27 新年早々ドタバタなお正月・2
  • 28 新年早々ドタバタなお正月・3
  • 29 新年早々ドタバタなお正月・4
  • 30 リラ様誕生日企画 Part2 (前編)
  • 31 リラ様誕生日企画・Part2 (後編)
  • 32 祝・リマスター発売&ホワイトデー (前編)
  • 33 祝・リマスター発売&ホワイトデー (後編)
  • 34 NG&未公開シーン映像 前編
  • 35 NG&未公開シーン映像 後編
  • 36 ハッピーハロウィンinビフロンス Part1
  • 37 ハッピーハロウィンinビフロンス Part2
  • 38 ハッピーハロウィンinビフロンス Part3
  • 39 ハッピーハロウィンinビフロンス Part4
  • 40 夢旅人誕生日企画・Part3 (前編)
  • 41 夢旅人誕生日企画・Part3 (中編)
  • 42 夢旅人誕生日企画・Part3 (後編)
  • 43 『R企画』予告編
  • 44 遠い昔での新年会?(前編)
  • 45 遠い昔での新年会?(後編)
  • 46 開闢の宴・外伝『対極の想い』
  • 47 開闢の宴・外伝2-1『心の世界』
  • 48 開闢の宴・外伝2-2
  • 49 開闢の宴・外伝2-3
  • 50 開闢の宴・外伝2-4
  • 51 開闢の宴・外伝2-5(完結)
  • 52 オリキャラ詳細・《クウ》
  • 53 オリキャラ詳細・《ウィド》
  • 54 夢旅人誕生日企画・Part4 (前編)
  • 55 夢旅人誕生日企画・Part4 (後編)
  • 56 オリキャラ詳細・《オパール》
  • 57 バレンタインデーinKHχ
  • 58 リラ様誕生日企画・Part3-1
  • 59 リラ様誕生日企画・Part3-2
  • 60 リラ様誕生日企画・Part3-3
  • 61 リラ様誕生日企画・Part3-4
  • 62 四月の一日の出来事
  • 63 外伝・スピカ編《絆繋ぐ星》
  • 64 オリキャラ詳細・《レイア》
  • 65 【サンタになって大人達にプレゼントを配ろう計画】・前編
  • 66 【サンタになって大人達にプレゼントを配ろう計画】・後編
  • 67 リラ様誕生日企画・Part4-1
  • 68 リラ様誕生日企画・Part4-2
  • 69 リラ様誕生日企画・Part4-3
  • 70 リラ様誕生日企画・Part4-4
  • 71 リラ様誕生日企画・Part4-5
  • 72 リラ様誕生日企画・Part4-6
  • 73 リラ様誕生日企画・Part4-7
  • 74 コラボ対決作品・始動
  • 75 番外編・前編
  • 76 番外編・後編
  • 77 ダブルクロス第三弾・予告(仮)
  • 78 カナヅチを治そう
  • 79 スピカとカヤの審神者交流会1(*刀剣乱舞ネタです)
  • 80 スピカとカヤの審神者交流会2(*刀剣乱舞ネタです)
  • 81 スピカとカヤの審神者交流会3(*刀剣乱舞ネタです)
  • 82 スピカとカヤの審神者交流会4(*刀剣乱舞ネタです)
  • 83 ダブルクロス・エンドライン編予告
  • 84 誕生日の人、おめでとう
  • 85 現代パロ作品
  • 86 ダブルクロス・レネゲイドウォー
  • 87 奪われた未来、新たに進む未来
  • 88 激突、主人公対決!1
  • 89 激突、主人公対決!2
  • 90 激突、主人公対決!3
  • 91 闇の中のハロウィン(前編)
  • 92 闇の中のハロウィン(後編)
  • 93 KH3発売記念作品
  • 94 リラ様誕生日企画(魔法少女編1)
  • 95 リラ様誕生日企画(魔法少女風2)
  • 96 リラ様誕生日企画(魔法少女風3)
  • 97 KH3クリア感想会
  • 98 ミッション・お歳暮を手に入れろ
  • 99 リラ様誕生日企画・Part5-1
  • 100 リラ様誕生日企画・Part5-2
  • 101 海賊とクリスタルの航海日誌1
  • 102 海賊とクリスタルの航海日誌2
  • 103 海賊とクリスタルの航海日誌3
  • 104 海賊とクリスタルの航海日誌4
  • 105 海賊とクリスタルの航海日誌5
  • 106 海賊とクリスタルの航海日誌6
  • 107 海賊とクリスタルの航海日誌7
  • 108 海賊とクリスタルの航海日誌8
  • 109 海賊とクリスタルの航海日誌9
  • 110 海賊とクリスタルの航海日誌10
  • 111 海賊とクリスタルの航海日誌11
  • 112 海賊とクリスタルの航海日誌12(完結)
  • 113 エイプリルフールネタ(ツイステ版)
  • 114 世界的人気ゲームの映画ネタ
  • 115 ツイステの記録・2022年
  • 116 ツイステの記録2・2022年
  • 117 ツイステ特別版
  • 118 エイプリルフールネタ(ザレイズ版)
  • 119 ツイステの記録3・2022年
  • 120 ツイステの記録 2023年
  • 121 ツイステの記録 2023年まとめ・2
  • 122 誕生日特別記念(リラ様とのネタ詰め合わせ)・前編
  • 123 誕生日特別記念(リラ様とのネタ詰め合わせ)・中編
  • 124 誕生日特別記念(リラ様とのネタ詰め合わせ)・後編
  • 125 エイプリルフールネタ(ブレワイ版)
  • 祝・リマスター発売&ホワイトデー (前編)

     3月14日。この日は【KH HD1.5】の発売日。
     だが、忘れてはならない毎年男性を中心に行われるあの行事でもある…。



    「はうわぁ…!!」

     目の前にある沢山のクッキーの入った籠に、レイアは感嘆の声を上げる。
     レイアだけでなく、本編で登場する女性キャラ達も驚く様に目を見開いている。
     そんな女性達に、ソラが代表で声をかけた。

    「カイリ、ホワイトデーのクッキーどうだ?」

    「うん、凄く美味しそう!!」

    「そうそう! お店で売ってる物と見間違えるくらい美味しそうじゃない!」

     ソラの言葉に、カイリとオパールは余程嬉しいのか笑顔で答える。
     手作りとは思えないクッキーの出来栄えに、シオンも不思議そうに作ったであろう男性達を見た。

    「これ、本当に皆で作ったの?」

    「ああ! どうかな、アクア!?」

     ヴェンが頷いてアクアを見ると、嬉しそうに微笑んでいた。

    「凄いわ…作るの大変だったでしょ? テラもありがとう」

    「いや…当然の事をしたまでだ」

     アクアがお礼を言うなり、テラは恥ずかしそうに顔を逸らし顔を赤らめる。
     周りが春一色の空気に包まれる中、スピカは足りない人物達に気づいた。

    「ねえ、シャオ。クウとウィドの姿が見当たらないんだけど、二人は何処にいるの?」

    「まあ、いろいろとね…アハハハ…」

    「そう?」

     目を逸らして乾いた笑い声を上げるシャオに、これ以上は無駄と判断したのかスピカは話題を終わらせる。
     そうして顔を逸らしたスピカに、シャオは心の中でこっそりと溜息を吐いた。

    (昨日あんな事になったら、ねぇ…)



     ―――話は、前日に遡る…。



    「――よーし、さっそくホワイトデーのクッキー作り始めるぞー!!」

    「おおーっ!!」

     とある厨房でエプロンを付けて拳を上げるソラの掛け声に合わせるように、同じくエプロンを付けたヴェンも隣で拳を上げる。
     やる気満々の二人の横では、やはりエプロンを付けているテラ、ゼロボロス、シャオの姿があった。

    「それにしても、お菓子と言うのはこんなにも材料が必要なのか…」

    「僕もそれなりに料理はする方ですが、お菓子は滅多にする機会が無いですね…」

    「まあまあ、ここはボクに任せてよ。さーて、頑張るぞー!!」

     目の前の用意された材料や器材を確認している三人から少し離れた場所では、同じようにエプロンを付けているクウが何処か遠い目でその様子を見ていた。

    「ホワイトデーって事で、男性メンバー全員がクッキーを作る事になったのはいいが……いや、俺も含めたこっちのメンバーはまだいい」

     そう結論付けると、クウは後ろを振り向く。
     そこには、暗いオーラを漂わせて椅子に座っているリクとルキルがいた。

    「また…あの時代を振り返るのか…」

    「今後の合併作品の人気に影響受けなきゃいいけどな…」

    「あっちで黒いオーラ漂わす二人もまだいい…――あー、いや。料理出来そうな二人が戦力外になるのは結構痛手だが…」

     お菓子作りに参加出来る精神状態ではない二人に思わず頭を押さえると、今度は横へと視線を動かした。

    「久々の料理、腕が鳴りますねぇ♪」

    「料理はあまりしないが…焼くのは任せておけ」

    『無轟ー、下手してここ一帯燃やさないようにねー?』

    「何でこの三人までもが加わっているんだぁーーーーーっ!!?」

     エプロンを付けて笑顔を見せるウィドに、腕を組む無轟とケラケラ笑っている炎産霊神に、クウは絶叫を上げる。
     すると、ウィドは不満げにクウを睨みつけた。

    「何ですか? 無轟はともかく、私が加わって何か問題あるんですか?」

    「大有りに決まってるだろぉ!!? 折角の発売日に大惨劇起こす気かぁ!!?」

     事情を知らない(知ろうともしない)ウィドに、クウは思いっきり怒鳴りつける。
     ハッキリ言うと、ウィドの料理の腕前は酷いの一言に尽きる。あとがきや番外編では敵はもちろん味方も含め、数々の犠牲者を出してきたのだから。
     ホワイトデーに加えリメイク発売日に集団食中毒を起こしては堪らないのに、当の本人は不思議そうに首を傾げていた。

    「大惨劇…? ああ、『KH』や『COM』での話の事ですか? そうですよね、『KH』は闇によるすれ違いが起きてそれぞれが対立しますし、『COM』でのソラ編とリク編はどちらも先に進むにつれて意外な展開が待ってますし。それに『358/2Days』の話はいろいろと悲しい話ですし…あれがフルシアターで見れるんですから、画面前の皆がボロ泣きに――」

    「そっちじゃねぇぇぇーーーーーっ!!!」

     ある意味ではウィドの言い分は正しいが、確かにそっちではない。
     こうして忙しくツッコミをするクウに、何と無轟が肩に手を置いた。

    「そう騒ぐな、クウ。さすがに料理ぐらいは俺でも出来る」

    「…本当か?」

    『そうそう。料理ってのは、食材を黒焦げにしない程度に燃やせばOKでしょ?』

    「一瞬でも期待を見せた俺がバカだった!!!」

     胸を張って答える炎産霊神に、クウは思わず拳を壁に叩きつける。
     クウが絶望に浸っていると、ソラ達の方ではお菓子作りの準備に取り掛かっていた。

    「で、これがクッキーのレシピか…」

    「ううー…何か、凄く説明が多すぎる…」

    「アクアはよくこう言った物を作れるな…」

     ヴェンが今回の為に用意したレシピを見ていると、ソラとテラがゲンナリと表情を歪める。
     そんな三人に、同じようにレシピを見ていたシャオはキョトンと目を丸くした。

    「そうかな? これぐらい普通だよ?」

    「シャオは、お菓子作りの経験があるんですか?」

    「うん! これでも料理は手伝いの一環でやってたからね! だから、ドーンと任せといてよ!」

     ゼロボロスに頷くと、シャオは得意げに胸を叩く。
     シャオの作り出した空気に感化されたのか、テラはクスリと笑った。

    「頼もしいな、それじゃあ早速作るか」

    「「おおーっ!」」

    「とにかく、クッキーはあいつらに任せて…――俺はウィドとオッサンとガキを見張れば、どうにかなるか…?」

     ソラとヴェンが拳を上げるのを見て、クウはこっそり問題の三人を盗み見る。
     何がともあれ、ようやく男性陣によるクッキー作りがスタートした。

    「まずは、生地作りですね。ソラ、材料は何ですか?」

    「えっと…材料は、無塩バター 100g・塩 ひとつまみ・グラニュー糖 70g・卵黄 2個分・薄力粉 120gだって」

     さっそくゼロボロスが指示を出すと、ソラはレシピを見ながら材料を読み上げる。
     すると、ヴェンは不思議そうに首を傾げた。

    「無塩バター? 普通のバターとどう違うんだ?」

    「それを言うなら、グラニュー糖も砂糖とは違うんですかね?」

    「卵黄って、黄金の卵の事かな?」

    「薄力粉…小麦粉でもいいのか?」

    「分からないからって適当な材料使うなぁぁぁーーーーーーっ!!!」

     ヴェンに続く様にゼロボロス、ソラ、テラの様子に、即座にクウはツッコミを入れる。
     前言撤回したい気持ちになっていると、ここでシャオが助け舟を出した。

    「しょうがないなぁ。材料はボクが用意するから、皆は作り方見て手順道理に作ってよね!」

     親指を立てて腕を突き出すシャオに、ソラとヴェンは目を輝かせた。

    「シャオ、頼もしい!」

    「さすがだな、シャオ!」

    「えへへへ〜♪」

    「…シャオがマトモで本当に良かった…」

     二人に頼られて浮かれるシャオに、クウは心の底から安堵の息を漏らした。



    「じゃあ、さっそく料理開始だー!!」

     気を取り直し、ソラが叫ぶとレシピ係のヴェンは最初の手順を読み上げた。

    「まず…無塩バターをヘラで潰してほぐします、だって」

    「テラさん、お願いしまーす」

    「よし、任せろ!」

     すぐにシャオが耐熱ボウルに無塩バターを入れると、テラに渡す。
     さっそくテラはバターを潰す。が、バターは予想以上に固くなかなか潰れない。

    「い、意外と固いな…!」

    「冷蔵庫に入れてたからねー。結構堅くなってるみたい」

    「少し湯銭で温めたらどうだ?」

     シャオが呑気に答えていると、クウがアドバイスを出す。
     その言葉に反応したのか、無轟が前に出てボウルを手に取った。

    「なら任せろ」

    『それっと!』

     同時に、隣にいた炎産霊神が指を軽く動かすと共に耐熱ボウルは炎に包まれた。

    「「ぎゃーっ!!?」」

    「こんなものか」

     シャオとクウが悲鳴を上げている間に、炎は収まり無轟は満足そうにボウルを置く。
     中を見ると、バターが液状となり泡立つように焼けていた。

    「うわぁ! こんがりとしたバターの香りが広がってる!」

    「美味しそー!」

    「さすがだな!」

     食欲をそそるバターの香りに、ソラとヴェン、更にはテラまでも目を輝かせて無轟を見る。
     だが、本来の目的をしっかりと覚えているツッコミ二人は反論を上げた。

    「何してんだ、オイ!! 溶けたら使い物にならねえだろうがぁ!?」

    「そうだよ! バターを『ほぐす』だよ!? 液状にしたら駄目なんだって!!」

     クウとシャオが注意をしていると、突然ウィドは鞘から剣を引き抜いた。

    「それなら、また固めればいいんですね? 無轟、それをください。凍らせます」

    「溶けたら何でも固めればいいってもんじゃねーよ!!」

     剣技で凍らせようとするウィドに、クウは怒鳴りつける。
     一部を除いた固形の食品を溶かした場合、成分が変質してしまうので読者の皆も凍らせてまた固めると言った行動は絶対にやらないように。

    「とにかく、別のバター用意したから! これでやり直してよね!?」

     そんな事をしている間に、シャオが別のボウルにバターを入れてやり直させる。
     初っ端から不安になる光景が広がったものの、どうにかテラはバターをほぐした。

    「よし、ほぐしたぞ。ヴェン、この後はどうすればいいんだ?」

    「えーと…塩を一つまみ加えたら、今度は泡立て器で混ぜてクリーム状にするだって」

    「一つまみって…どれぐらいだ?」

     分量があいまいな為、テラは困った顔をする。
     しかし、シャオは手際よくその辺にあった塩を軽く摘まむと小皿に落とした。

    「これぐらいかな。はい、泡立て器」

     そうして塩の乗った小皿と共に泡立て器をテラに差し出す。
     今度はバターと塩をテラが混ぜていると、ソラが訝しげに先程の塩を見た。

    「でもさー、どうして塩って必要なんだ? お菓子作るんだから、砂糖だけでいいんじゃないのか?」

    「それもそうだよな…このレシピ、間違ってるのか?」

     考えに同意したのかヴェンも頷くなり、レシピの紙を不審そうに見る。
     この二人に、ゼロボロスは苦笑しながら訳を説明した。

    「違いますよ。甘い物に塩を入れるのは、より甘さを引き出たせる為です。シーソルトアイスだってしょっぱいのに美味しいと感じるでしょう?」

    「そっか! シーソルトアイスだって、しょっぱいけど甘さがあるもんな!」

     好きな食べ物で例を出すと、ソラは納得したのか手を叩く。
     すると、ウィドも便乗して塩の入った袋を持った。

    「では、ここはもっと塩を…」

    「入れなくていいっ!! と言うか、お前は何もするな!!」

    「あなたにだけは言われたくありませんよ!! 姉さんを捨てた大罪人が!!」

    「うぐぉ…!?」

     つい最近ようやく本編で明らかになった事実に、クウは苦しそうに胸を押さえこむ。
     そのまま撃沈している間にも、ウィドは有無をも言わせぬオーラを纏ってクウを睨みつけている。この様子に、テラは目を逸らしながら呟いた。

    「クウには悪いが…ウィドの思考を料理から逸らすにはいいかもしれないな」

     何度もウィドの料理の凄まじさを見ているので、テラは止める事をせず料理に集中した。

    13/03/14 12:09 NANA&夢旅人   

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