【Re:開闢の宴】終盤突入企画・戦闘能力分析編 4
【リク】 攻撃:80 魔力:60 耐久:70 敏捷:45 戦術:65 知識:75
特殊アイテム&スキル
『キーブレード』:伝説の鍵型の武器。さまざまな扉や鍵穴などを開く・閉じる能力を持っている。
「リクもやっぱり高いなー」
「それでも、魔法力は若干低めだな。戦術も、二人と違って低いと…」
あちらで暴走するムーンを無視して、ソラとテラがステータスを分析する。
「一応【3D】での技は本編では出始めましたが、それでもアタック技だけですからね。なので、低めに調整したとの事です」
「ちょっと待て、どうしてアタック技だけだ?」
補足を入れるウィドに、同じく避難したリクが不機嫌そうに眉を顰める。
すると、ウィドが機密情報のレポートを取り出してその項目のページを捲った。
「機密情報では…リクの場合、本編では【3D】でのアタック技・ガード&移動技しか使わせないそうです。一応、一部のマジック技は使わせるそうですがファイアやブリザト系と言った従来の魔法は使わない方針になっているとの事です」
「何ぃ!!? どうしてそうなるんだっ!!?」
「理由はあるんだが…現時点では、ネタバレに発展すんだよなぁ」
「そう言う訳なので、今の機密情報で我慢してください…――さて、あっちも終わりそうですし一旦この情報は消してと…」
ネタバレ関連の部分を司会二人が誤魔化していると、激しい物音が収まる。
見ると、半壊したスタジオの真ん中でバーサクが解けたのか、ボロボロになったムーンが床に両手を付いていた。
「ぜぇ…ぜぇ…!!」
「ようやく止まったか…はぁ、やっぱ年取るとキツいもんだな」
「それでもバーサク状態のムーンを止めるなんて凄いよ、神無さん…」
『魔剣バハムート』を肩に担ぎながら一息吐く神無に、ムーンよりもボロボロの状態のシャオが賞賛の言葉を送る。
そうして三人がスクリーンの前に戻ると、ムーンががっくりと肩を落とした。
「くっそ…いつの間にかリクのが終わってやがる。俺だけ損じゃねーか…」
「そんな事ありませんよ。今回特別に、作者リラ様から貰ったムーン用のステータス情報がここにありまして…」
「なぁにぃいいいい!!?」
ウィドから発せられた衝撃の言葉に、ムーンが目を見開く。
その間にも、リラ様に貰ったステータス情報がスクリーンに映し出された。
【ムーン】 攻撃:100 魔力:50 耐久:10 敏捷:80 戦術:70 知識:30
特殊アイテム&スキル
『キーブレード』:伝説の鍵型の武器。さまざまな扉や鍵穴などを開く・閉じる能力を持っている。
『異端のブレスレット』:ムーンの中に埋め込まれた月の力を極力押さえつける封印機能。元々は拒絶反応を抑え込むための物だが…。
『バーサク』:月の力で攻撃力を極限にまで倍増させる。しかし、その分理性を失うと言うデメリットも存在する。
「バーサク使いですから、攻撃力が最高値ですね」
「でも、耐久が半端無く低いんだな」
「それでも、攻撃力が最大値まであるんだ。まさに攻撃に特化したキャラだな」
「いやぁ、それほどでも…」
アクア、ヴェン、テラの会話に、ムーンは思わず笑みを浮かべる。
何だかんだでムーンの機嫌が良くなると、オパールがある個所を指した
「ところで、ブレスレットの説明に意味ありげな言葉があるんだけど…?」
「…気にするな、折角ムーンの機嫌が良くなったんだ…」
「ええ…『知らぬが仏』って言葉がありますから…」
「え!? 触れちゃいけない話題なのコレ!?」
司会者として事情を知ってるクウだけでなく、ウィドまでも遠い目で明後日の方向を見るのだ。よほどムーンに聞かせてはいけない内容のようだ。
「とにかく、話題を戻すが…バーサク使いってホントに強敵なのか?」
「何でそんな事言うんだ?」
「そうだよ。サイクスって『KH2』ではゼムナスの前のボスだし、『358/2Days』でもロクサスが脱走した時だってボスとして出て来たし強敵でしょ?」
ルキルとカイリが思った事を言うと、クウが機密情報を取り出した。
「この機密情報見てみろ…作者は『KH2FM』で大量の『ガードアップ』欲しさに再戦のサイクスを1時間で12回連続で倒した記録持ってるって書いてあるぞ」
『『『えええええええっ!!?』』』
「一時間で、12回…? って事は、えーと…?」
全員が驚いている中、ソラが無い頭を使って計算をする。
難しい顔で指を使うソラに、ウィドは痛そうに頭を押さえた。
「…一週間丸々の補習スケジュールを立てないといけませんね…」
「ソラ、普通に考えて分かるでしょ?」
「あの作者…再戦状態のサイクスを五分で倒してたのか…?」
カイリが呆れた目をする中、リクが唖然としながら呟く。
「しかも、『クリティカルモード』での記録だそうですよ」
「嘘ぉ!!?」
ウィドの補足にヴェンが驚くが、この話は本当です。
尚、これを数週間行っても『留まりし思念』を倒すのにかなり時間をかけました。
「ちくしょー!! さっきから俺だけ損な事ばっかり…ん?」
ゲストなのに弄りキャラ扱いされる環境に苛立つムーンの視界に、ある物が入る。
ボロボロになったスタジオの壁の間に、スイッチらしきものが隠されている。近づいて手に取ると、そこには『ムーン専用』と書かれた赤いボタンのリモコンと発生場所のメモが。
若干ムカつくがメモに書かれた立ち位置を確認すると…――何と、そこには丁度リクが立っているではないか。
(元々俺用ってのが気になるが……リク!! 俺の身代わりになって貰うっ!! おらぁ、喰らえぇぇぇ!!!)
獰猛な笑みを浮かべながら、ポチッとボタンを押すムーン。
直後、リクの真上から大量の水が落ちてきた。
「ぶふぉ!?」
「み、水!? 何でいきなり!?」
突然水が降ってくるので、近くにいたソラだけでなく周りの人達も驚いてしまう。
「リク!? ちょっと、タオ…ル…」
そんな状況でも、いち早くオパールがタオルを持って顔を拭こうとする。だが、リクの顔を覗き込んだ途端、そのまま固まってしまう。
それもそうだろう…あれだけあった筋肉が無くなり、胸が膨らみ、背も低くなり、どこからどうみても“女性”に変わってしまったのだから。
「う、う、うっ…!? うわあああああああああっ!!?」
「え…えーと…?」
変わり果てた自分の姿に絶叫を上げるリクに、さすがのムーンも顔を引くつかせてしまう。
混乱する二人に、ウィドがやれやれと肩を竦めて呆れた目でムーンを見た。
「駄目じゃないですか、ムーン。折角、シンメイの協力の元であなたに用意した『娘溺○』の水をリクに使ってしまっては…――人一人分しか採取出来なかったと言うのに…」
「ちょっと待て!!? あんたは俺にあんな水をぶっ掛けるつもりだったのかぁぁぁ!!?」
「それよりも、どうすれば元の身体に戻るんだぁ!!?」
ウィドが種明かしするなり、即座に親子二人が詰め寄る。
「当たり前ですよ。なにせ、あなたの初期設定は“女”だったのでしょう? いやー、その髪も下ろせば“若い頃の父親そっくり”になるんですから、きっと今のリクのように“可愛らしい姿”だったんでしょうね〜?」
「あの…それ以上、言わないであげてください…」
ウィドの毒舌にムーンだけでなくリクまでも撃沈する様子に、シャオはどうにか言葉を紡ぐ。
「そうそう、リクはお湯を掛ければ男性の姿に戻りますよ。本来は奥深くの修行場から取りたかったのですが、温泉の元ならぬ『娘溺○』の元しか入手出来なくて…おかげで、効果は一回きりなんですよねぇ」
「お、お湯ね!! すぐに用意して来るー!!」
補足を入れるウィドに、オパールは脱兎の如くスタジオを飛び出してしまった。
「オパールがいなくなりましたが、まあ気にせず続けましょうか」
「親父…俺今すぐ被害を被る前に帰りたいんだが…」
「我慢しろ」
『そうだよ、こんな騒動も何時しか慣れるから』
そう言って肩に手を置く無轟と炎霊産神の目には、何処か哀愁が混ざっていたと言う。
【オパール】 攻撃:30 魔力:0 耐久:35 敏捷:80 戦術:95 知識:75
特殊アイテム&スキル
『エアタガー』:軽い金属の素材で作られたナイフ。その為、力が弱いオパールでも扱える。
『合成』:アイテムや素材を自在に組み合わせ、さまざまな魔石や強化したアイテムを作り出す技術。
『盗む』:素早い手捌きで敵から持ち物を奪い取る。ただ、本編では滅多に出ないが…。
『機械操作』:グミシップ、大型小型コンピューターなど、いろんなジャンルの機械を動かす技術。
「攻撃、耐久は平均以下。魔力に至っては0か…」
「それでも戦術が凄く高い…大きく締めてるのは『合成』のスキルのおかげなのね」
「自分でサポートタイプって言ってただけの事はあるな」
「オパールの『合成』で、【3D】での『リンクスタイル』を再現させちゃうんだもん。本当に凄いよ」
ルキルが冷静に分析すると、アクア、テラ、カイリが戦術の高さを評価する。
『合成』では必ずアイテムが必要になるが、それでも魔法力を使わずに攻撃・回復・補助と何でも行える。まさにサポートタイプならではのスキルだ。
「そうそう、これはオパールの裏情報になるんですが…オパールに戦闘やスキルの知識を教えたのは、『FF12』のキャラであるバルフレアとフラン、ノノと言う名前のモーグリだそうですよ」
「それって、『FF12』の設定では結構強いキャラ達だよな!? そんな人達に教えて貰ってたのか!?」
「ええ。この設定が、今後こちらのストーリーでそれなりに絡むそうです」
オパールに関する意外な人物にヴェンが驚くと、ウィドもレポートを持ちながら頷く。
『FF12』をやっていない人の為にこの二人を軽く説明しよう。バルフレアとは、賞金首に登録される程の凄腕の空賊。フランは【ヴィエラ】と言う兎と人が合わさった種族で、バルフレアの相棒として行動している。尚、ノノと言うのは彼らが所有している飛空艇の設備士である。本編では、彼らとは数年前に出会い行動していた設定にしてあります。
補足の説明を終えると、神無が関心したように軽く腕を組んだ。
「ステータスを見ると弱そうなイメージがあるが、こう言った設定を聞くとまた違って見えるな…」
「あと、あれも見れば更に変わるぜ」
「あれ?」
クウの言葉に、思わず指した方向を見る神無。
そこには、女となったリクの前に蒸気が噴き上がるヤカンを持ったオパールがいた。
「リクー!! お湯持って来たわよ!!!」
「あ、あの…!? そのヤカン、蓋が水蒸気で激しく揺れてるんだが…!?」
「今沸騰させてきたお湯だもん!! ほら、早くそこに立って!!」
「いや、待てぇ!!! せめて人肌ぐらいの温度まで冷ましてくれ!!! そもそも、ヤカンは実写版でも『危険ですからマネしないで』ってテロップが…――あっづあああああああああっ!!!??」
全身に冷汗を掻きながら言い聞かせるリクの言葉を無視し、オパールは沸騰したお湯(100℃)を頭からぶっ掛けた。良い子の皆は、決してこんな事をしてはいけません。
そうして男性の姿に戻ったものの、あまりの熱さに悲鳴を上げるリクにムーンと神無は唖然としてしまった。
「…愛の力ってすげーな…」
「…早く実家(夢旅人パート)に戻りたい…」