【Re:開闢の宴】終盤突入企画・戦闘能力分析編 6
【レイア】 攻撃:5 魔力:95 耐久:15 敏捷:20 戦術:70 知識:55
特殊アイテム&スキル
『レジストロッド』:先端に水晶の付いた白い杖。キーブレードのように自分の意思によって取り出すので、持ち運びは必要ない。
『純白のローブ』:全身を覆う、金の装飾が施された白いローブ。闇の浸食を抑える為の衣装だが、実はそれ以外の効果も…。
『詠唱』:即座に魔法を発動せず、時間をかけて発動させるスキル。通常よりも威力が上がる。
「レイアは魔力と戦術と知識以外が凄く低いな…」
「魔導師タイプだからしょうがないけど、もし攻め込まれたりしたら終わりね」
「私、役立たずって事ですか…」
ルキルとアクアが分析すると、レイアがショボンと頭を下げる。
見るからに落ち込んでいる様子に、慌ててカイリとシャオがフォローを入れる。
「で、でも魔力は今まで紹介されたキャラの中でもダントツに高いでしょ? それに、いろんな魔法使えるんだから戦術もあるし」
「そうだよ! テラさん達のような攻撃中心パーティの中で、レイアさんの魔法は必須だよ!? レイアさんが回復やサポートしなかったら、テラさん達普通に怪我ばっかりしてるだろうし!!」
「ま、まあそうだな。ある程度魔法は使えるが、アクアやヴェン程得意な訳ではないし…レイアがいてくれて、本当に助かるよ」
二人に続く様にテラもお礼を言うと、レイアがゆっくりと顔を上げた。
「そう、ですね…――テラさん達と出会う前だって、クウさんは平気で無茶してばっかりでしたし、テラさんもヴェンさんやアクアさんの為に先走ったり怪我も気にせずに戦おうとしたり……いつも私だけ心配させてるのに、どうしてこうブツブツ…」
「レイア、いろいろ溜まってたのね…」
「痛いお言葉ですね、お三方?」
「嫌味か、それ?」
さっきと違って不満をぶちまけるレイアにアクアが冷や汗を掻くと、ゼロボロスがクウ達を見てニッコリと微笑む。
この挑発に乗ってしまうクウを余所に、無轟は不思議そうな顔をして軽く腕を組んだ。
「要は、怪我をしなければいいのだろう。ならば、次からは一瞬で敵を葬れるよう全力を尽くそう」
「客観点そこじゃねーよ、オッサン!!」
「そうですか? では頑張ってくださいね、無轟さん!」
「レイア、納得する所じゃないだろっ!!」
「俺達と違って、心配もさせない程強いとは…さすがは最強と呼ばれる人物だ」
「確かにオッサンは強いが、それとこれとは別なの理解してくれぇ!!」
ボケる三人に次々とツッコミを入れるクウに、ムーンが何処か遠い目で眺めていた。
「…大変だな、あいつ」
「何だかんだで、テラも天然の部分ありますし。ツッコミ役が一人だと、その内過労死するんじゃないんでしょうかね〜?」
「先生、何か楽しそうに見えるんだが…?」
「気のせいです。さ、次は最強と言われる無轟のステータスを見ましょうか」
ルキルにそう言い返すなり、ウィドは次の情報をスクリーンに映しだした。
【無轟】 攻撃:100 魔力:50 耐久:95 敏捷:75 戦術:70 知識:55
特殊アイテム&スキル
『明王・凛那』:清廉された茜色の刀身をした日本刀。炎産霊神の炎に耐えられる武器として、伽藍と言う変人の器師に作って貰った名刀。
『焔王武具・緋乃炎産霊神(ひのかぐつち)』:炎産霊神の力を最大限に発揮し、全ての能力を飛躍的に上昇させるスキル。その際霞の炎を身に纏い、刀も炎を吐き出し続けて真紅の双眸に変化する。
「最強だけあって、ステータスがかなり高いな…」
「魔力や知識は低いとは言え平均的…さすがの一言だわ」
「しかも、これ以上にパワーアップするのかよ…」
ヴェン、アクア、ルキルが唖然とする中、息子である神無も驚きながらステータスを眺めていた。
「まあ、俺は記憶の親父と戦ったけどここでは若い頃の親父だろ? これぐらい強くて当たり前だよな…」
「マジで味方にして良かったのか、オッサン…」
「頼もし過ぎて、逆に不安になってきたんだが…」
パーティメンバーでもあるクウとテラも青い顔をしていると、炎産霊神が自信ありげに胸を叩いた。
『もー、大丈夫だって。ドーンと大船に乗った気持ちでいなよ!』
「ああ。少なくとも、足手纏いにはならない筈だ」
「確かに、オッサンは足手纏いにはならねーよ…――俺達がオッサンの足手纏いになるんだからよ…」
クウがボソリと呟くと、ほぼ全員が頷いた。
攻撃、耐久はここにいるメンバーの中では一番上で、その他のステータスも平均またはそれ以上なのだ。自分達が戦う前に敵がやられるのがオチだ。
それに加え、通常以上パワーアップしようものなら加勢の筈が巻き込まれてしまう想像が浮かんでしまう。
スタジオに重い空気が漂っていると、神無が前に出て思いっきり頭を下げた。
「あの、すまん。こんな親父だけど、本っ当に頼みますっ!!」
「神無さん、頭を上げてください…!」
謝る神無にすぐにアクアが宥めていると、ウィドが重い溜息を吐きながらレポートを取り出した。
「さて、ここで気分を変える為に息子である神無のステータスも見ましょうか」
「何ぃ!? 俺のもあるのか!?」
「はい、あなたの分も産み親である夢旅人様にちゃーんと貰っていますよ。そう言う訳でさっそく見ましょうか」
【神無】 攻撃:90 魔力:60 耐久:85 敏捷:75 戦術:70 知識:80
特殊アイテム&スキル
『心剣』:心の感情や魂が武器の形となって結晶化したモノ。その時の強い感情によって、さまざまな心剣を所有する事が出来る。
『神威開眼』:心剣を進化する技術で、所有する心剣に“神格”を得ることが赦される。もちろん、能力も数倍に跳ね上がる。
「さすがは、息子だ…無轟さんと似たようなスキル持ってる…」
「攻撃や耐久は劣ってますけど、魔力と知識は無轟より上ですね」
「まあ、親父と違って俺は心剣士になってるからな…原因はそれかもしれないな」
ルキルとゼロボロスが思った事を口にすると、神無が気難しそうに頭を掻く。
すると、ウィドもレポートを置いて困ったように額に手を置いた。
「今回は情報不足によりこちらも理由を聞いていなかったので、真相は分かりませんがね。それにしても、全体的にステータスはバランスが取れていますね」
「その上で更にパワーアップするんだもんな。この話ではソラの『ドライヴ』や、俺達の『コマンドスタイル』使えないから、凄く羨ましい…」
「そう言えば、どうして私達の作者さんは使わないんでしょうか?」
ヴェンの言葉に、ふとレイアに疑問が過り首を傾げる。
ソラの『ドライヴ』は二刀流になったり特別な攻撃も出来るし、『コマンドスタイル』もパワーアップはしないが多彩な攻撃が行えると戦いが有利になるスキルをどうして使わせないのか。
この疑問に答えたのは、意外にもクウだった。
「あー、ソラは仲間いないと出来ない芸当だし、テラ達のも一々攻撃させて変化させる描写が面倒って事で無いそうだ。唯一使うのは、リクの『リンクスタイル』とシャオの『モード・スタイル』のみだとよ」
「「「あの作者…潰す」」」
「あんたら…本当にキーブレードの勇者なのか?」
先程のオパールのように殺気を漂わせながらキーブレードを取り出す弟子三人に、神無がツッコミを決める。
その間にクウが肩を竦めながらレポートを仕舞っていると、シャオがある事に気づいた。
「ねえ、さっきから会話に入っていないメンバーがいるような気がするんだけど…?」
「そのメンバーなら、あちらにいますよ」
ウィドが指した方向に、シャオが目を向ける。
すると、そこにはクウから買い占めた写真を持ってガールズトークをするカイリ、オパール、リリィの三人がいた。
「やーん、この写真のソラ可愛い〜! 特に、この寝ぼけてワンダニャンを枕にして抱いてる所とかキュンってきちゃうー!」
「この海に濡れたリクの顔もいいけど…暑さで制服をだらしなくさせてるから、肌が見えるか見えないかの際どさ何てグッてくるわー!」
「うんうん! それにしても、リクって女装凄く似合うよね…メイド服とか、ドレスでこんなに美しくなるなんて…女になった時の事を考えたら、何か切ない」
「まあまあ。これでも見て気分を変えて、ね?」
「そ、その写真はぁ!!?」
「やだ…凄すぎる…っ!!!」
「でしょ〜? あまりにも凄くて、画面の前の皆に見せられないのが残念だけど♪」
カイリがどんな写真を見せたのか、そこは皆様のご想像にお任せします。
そうして好きな人の写真で盛り上がっている三人から少し離れた場所では、暗いオーラで佇むソラとリクの姿があった。
「うう…何で、こんな事に…」
「俺の存在って、一体…」
ズーンと落ち込んでいる二人に、元凶であるクウも苦笑いを浮かべてしまった。
「ははは…さすがに悪かった。ほら、これで機嫌直してくれ」
「何を…ぬわぁ!?」
「ブフッ!?」
クウの取り出した代物に、二人が目を見開く。
それもそうだ。クウが取り出したのは浴衣姿のカイリに、露出のある踊り子姿のオパール、さらに水着姿のリリィの写真だったのだから。
予想もしなかった写真にソラの顔が真っ赤になる中、どうにか理性を保ったリクはクウに目を向けた。
(こ、これを何処で!!?)
「企業秘密だ。今ならタダでやるから、許してくれないか?」
ニコヤカに写真を見せつけて答えるクウに、リクは顔を逸らして小さく呟いた。
「…仕方ない、10枚だ」
「何だかんだで、お前もやっぱり男だな」
「うるさい…!!」
そう言いつつも、クウから貰った写真を奪い取るとリクはこっそりと懐に仕舞いこむ。
一方で、ソラは頭がオーバーヒートしたのか頭から湯気を出して固まっていたそうな。