【Re:開闢の宴】終盤突入企画・戦闘能力分析編 7
「さて、ようやくこのステータス分析も終盤に差し掛かりましたね」
「何か…分析って言う割には、意味のないトークばっかりやってたような気がするんだが?」
神無がジト目でウィドを見るが、その視線を笑って返した。
「これが私達の作者のスタイルですからね。とにかく、次は【アクア編】でのステータス解析です」
「じゃ、パパッと行くか! まずはアクアからだ!」
クウもそう言うと、もはやお馴染みとなったスクリーンから情報が映し出された。
【アクア】 攻撃:60 魔力:90 耐久:50 敏捷:60 戦術:85 知識:75
特殊アイテム&スキル
『キーブレード』:伝説の鍵型の武器。さまざまな扉や鍵穴などを開く・閉じる能力を持っている。
『鎧』:闇の浸食から守る鎧を身に纏う。
『キーブレードライド』:キーブレードを乗り物に変形させ、世界を結ぶ回廊の移動に使う。ちなみに、世界に居ても変形は可能。
「さすがはキーブレードマスター。どれも能力が平均値以上ありますね」
「最低の耐久も平均値をキープしていますし、戦術も高め。マスターとしての力量を持っているからこその戦闘能力ですかね?」
「みたいだな。作者の情報でも、アクアは三人の中でトリッキーだが使いやすく、更にマスターとしての力量を出す為にあえて強めに設定したそうだ」
「そんな…私なんて、まだまだです…!」
ウィドとゼロボロスとクウの話を聞き、アクアは照れるのか顔を赤くして手を振る。
そうしていると、ソラが何かを思いついたのか頭の後ろに腕を組んだ。
「って、事はさ。未来のキーブレードマスターであるリクも、その内アクアみたいに強くなるって事?」
「そっか。今は『KH2』のステータスだけど、『3D』ではまたレベル1に戻って強くなっていくんだし…アクアみたいにバランスの取れたステータスになってもおかしくないな」
「そうか? 意外と変わらないと思うが…」
ソラの考えに賛同するようにヴェンも言うが、当の本人は何処か呆れた目で二人を見る。
だが、そんなリクにカイリは不思議そうに首を傾げる。
「そう? 『3D』では何気にアクアの技幾つも覚えてるじゃない」
「『リンクスタイル』でも、アクアの『コマンドスタイル』だけがあったし…今思えば、マスターになる伏線だったんだなー」
「た、たまたまだろ…」
「とか言って顔ニヤけてるわよ、リク?」
「うっ…!」
腕を組んでウンウンと頷くソラに反論するものの、顔に出てしまっていた事をオパールに指摘されてしまう。
こうして言い逃れできないリクを中心に会話が弾む中、殺気だった視線を送る人物が。
「強くなる前に、ここで始末した方がいいようだな…」
「ムーン、さりげなく暗殺の計画立てないでよ…!!」
キーブレードを取り出すムーンを、シャオが後ろから押さえて宥めだす。
それとはまた別に、何処からかどんよりとした空気が流れだす。
「教えるつもりが、先に立派になってこうして越されていく…俺って、一体何なんだろうな…」
「テラ、後でどっか食いに行くぞ。俺が全部奢ってやるから」
キーブレードの継承をしたにも関わらず、教える前に立派になるリクの姿に落ち込むテラに、クウが肩を叩いて優しい言葉を送る。
すると、神無も便乗してテラの肩を叩いた。
「いやいや、落ち込んだ時には酒がいい! テラ、折角だし俺の家で飲みに――!!」
「あなたも大人でしょう? 未成年にお酒は禁止ですよ?」
「ハ、ハイ…!」
有無を言わせぬウィドの笑みに、さすがの神無も固まってしまう。
この様子を見て、無轟が腕を組んでクウを見た。
「これがあるから、食いに行かせようとしたのか?」
「まあな…あれでも教師だから、決まり事に厳しいんだよあいつ」
「時代は変わったな…昔は二十歳でなくても平気で酒が飲めたのだが」
「それでも、お酒は駄目です!! お酒は大人になってからですよ!!」
「す、すまんな…」
力強く注意するレイアに、さすがの無轟も顔を逸らしてしまった。
「ここにもいたか…――とにかく、空気変えて先に行くか!! 次はウィドのステータスだ!!」
【ウィド】 攻撃:30 魔力:10 耐久:30 敏捷:95 戦術:50 知識:90
特殊アイテム&スキル
『シルビア』:鞘も含めた全てが銀色の両刃のレイピア。見かけや性能は何処にでも売っている剣に見えるが…。
『瞬羽』:精神を統一させ、一瞬で間合いを詰めたり離れたりする移動術。『一閃』や『絶影』など主に攻撃技と組み合わせる事が多い。
『知識の鉄槌』:所持している分厚い本で相手を殴りつける。主にツッコミ用だが、かなり強力。
『鉄脚制裁』:出来の悪い生徒(もしくは相手)に強力な蹴りを喰らわせる。尚、威力は大の大人さえも吹き飛ばすと高性能。
「何て言うか…敏捷と知識以外は低いな」
「魔力はあるけど、これって明らかにMPの分ね…」
剣士なのに何処か偏ったステータスに、テラとアクアが困ったような表情になる。
この事実に、ウィドも顔を逸らして遠い目を浮かばせた。
「どうせ私は皆さんと違って低いですよ…その分、スキルで補っているんですし…」
「『瞬羽』はともかくとして…後の2つ、スキルなのか?」
暗い空気を纏うウィドに、神無が疑問をぶつける。
すると、ルキルとクウが意味ありげに首を横に振った。
「いや、あんな説明でも結構強力だ。本編ではボスを吹き飛ばしたほどだしな」
「それにさっき、思いっきり俺もやられたし…」
「ついでに、彼には『学者モード』もありますし料理の腕だってゼアノートを昇天させた程の腕前ですし。そこを考えれば、彼はギャグパートでは“最凶”でしょうねー」
「それ、フォローのつもりですか…!!?」
ニヤニヤと笑うゼロボロスに、ウィドは肩を震わせて抜刀の構えを取る。
一髪即発の状況に全員が固まる中、クウが例のレポートを取り出した。
「一応、機密情報見せて貰ったんだが…これでも最終章で、1対1での対決あるんだとよ」
「先生が一人で戦うのか!? 一体誰と!?」
機密情報にルキルが驚くが、当の本人であるウィドは何故か困ったように頭を押さえた。
「私も知りたかったのですが、何故か機密情報がそれだけしか無くて…」
『この場合のパターンって、よっぽどのネタバレになるのか、あるいは知られたら半殺しになるのかだよね〜』
「あー、要は俺達がいつも作者にやってる事か」
炎産霊神の言葉にクウが頷いていると、神無が呆れた目をした。
「前半はいいとして、後半はシャレにならないぞ…」
「つーか、こっちの作者もお前の所の作者も命張って書いているんだな…」
ムーンが神妙な顔で腕を組んでいると、ウィドが否定するように首を振った。
「いえ、きっとどっちもドがつくMなだけでしょう」
*MもSも関係ありませんっ!!! By作者
「今、何処からか声が聞こえたような…?」
ソラが不思議そうに辺りを見回すが、司会者二人は見向きもせずに話を続けた。
「気にするな。それより、次に行くぜ」
「次はルキルですね。では、見てみましょうか」
【ルキル】 攻撃:70 魔力:70 耐久:70 敏捷:45 戦術:60 知識:80
特殊アイテム&スキル
『ソウルイーター』:闇で作られた悪魔の翼の形をした剣。
『吸収』:機関に作られたレプリカとしての機能。相手を倒す事によってその人の力を吸収する。
「何て言うか…大体リクと一緒だけど、劣ってる部分があるよね」
「でも、魔力と知識は本人と比べて高いわね…これはウィドの影響かしら?」
カイリとアクアが感想を述べると、ウィドが頷きながらレポートを取り出した。
「ええ。私も教師ですし、旅に出る前は彼と共に暮らしていましたので勉強はさせていました。尚、魔力の方は『COM』でゼクシオンを消滅させて力を得ていましたので、それを反映してこのようなステータスにしたそうです」
「へー、だからこんなバランスのある感じになっているんだね」
「リクは元々攻撃系、それに魔法が得意なゼクシオンの能力を組み合わせれば当然の結果よね」
シャオが感心する中、オパールも納得の意を見せる。
「まあ、どっちにしろ今は戦力外だから意味ないけどな」
「そっちそこ、どこぞの悪役のオッサンの姿のクセによく言うな。さすがは元敵役だなぁ?」
「フン、最初から最後まで敵だったお前に言われたくないな。シオンと違って『3D』ではまったくって言っていい程触れられなかった奴に?」
「そうか、ホンモノの言いたい事はよーく分かった…裏に来いよ。リメイク版『KH』の前に、ここで実力見せてボコボコにしてやるっ…!!」
「上等だ…ソラに会わせる前にお前の存在跡形も無く消してやるよニセモノォ…!!」
「ふ、二人とも落ち着いて…!!」
本編での事情も言いながら何やら只ならぬ空気を纏わせる二人に、どうにかシャオが宥めに入る。
それでもバチバチと火花が飛び合っていると、一人の人物が動いた。
「いい加減にやめんかお前達ぃ!!!」
「「ごふぉ!!?」」
怒鳴り声と共に、ウィドが二人の頭に本を投げつけて床に撃沈させた。
「まったく、こんな大勢の前でみっともない!! 喧嘩するなら誰もいない所でやりなさい!!」
「「す、すみません…!!」」
ガミガミと仁王立ちで説教を始めるウィドの権幕に、二人は正座しながら頭を下げる。
この様子を、シャオは冷や汗を垂らしながら距離を取った。
「さすがウィドさん…見事に場が収まったよ」
「あのスキル、結構使えたりするんだな…」
実際に見せたウィドの『知識の鉄槌』に、さすがの神無もその効果に納得してしまった。
「そうそう、これは機密情報と言うより予定表なんだが…一応、ルキルもリクとは違う強化をさせるらしいぞ」
「そうなの? 何か楽しみだなー!」
クウがレポートを見ながら説明すると、何故かシャオが笑顔になる。
嬉しそうなシャオに対し、クウは遠い目で顔を逸らした。
「まあ、その為に――…一度、ヤバイ状況に追い込むとか何とか…」
「今、不吉な言葉が聞こえたんだけど!?」
ボソリと呟くクウの言葉が聞こえ、シャオは即座にツッコミを入れる。
そんなシャオに、ムーンが訝しげな表情を浮かべた。
「シャオ、お前今回だけ何か突っかかりが多くないか?」
「うぇ!? そ、そうかなぁ? ボクは何時だって数少ないツッコミ担当だよ、アハハハ…!」
「数少ないって…まあ、確かにボケや傍観のメンバーが多いけど」
「で、でしょ! 大体、あのリズ達との番外編だってボクがツッコミやってたんだよ? ホント、全部にツッコミしないと二人がこれでもかって暴走してハチャメチャな事に――」
「シャオく〜ん? ちょーっとお話いいかなぁ?」
突然聞こえた少女の呼びかけに、シャオは背筋が凍りつく。
ギギギ、と首を動かして後ろを振り向くと、そこには何故か黒い笑みを浮かべたリズとグラッセがキーブレードを持って立っていた。
「リ、リズにグラッセ…!!? ななななんで、ここに…っ!!?」
「細かい事は気にしないの♪ それより…こっちに来いや」
「俺も丁度『エリクサー』買い捲ったからな…これで『トランス』をどこまで続けられるか付き合えよ」
何やら怒りのオーラを纏いながら、シャオを呼びつける二人。
これに危機感を感じたのか、シャオは涙目で震えながら周りを見回した。
「だ、誰か助け――!!!」
「さ、説明も終わりましたしゼロボロスのを映しましょうか…――ああ、シャオ。喉乾いたので、今すぐ売店で全員分のジュース買ってきなさい」
「買い出しと思わせて死刑宣告ぅ!!?」
すぐに説教を中断して差し出すウィドにツッコミを入れるが、二人は即座にシャオの肩を鷲掴みした。
「じゃ、私達も買い物に付き合ってあげる。行きましょうか、シャオ♪」
「さあ、来いよシャオ♪」
「うわぁぁぁん!!! ボクまだ死にたくないよぉぉぉーーーーっ!!!」
必死にシャオが叫ぶが、二人に引き摺られながらスタジオを後にする。
この一部始終に、ルキルは思わずムーンに目を向けた。
「お前の友達って、一体…?」
「聞かないでくれ…!!」
ムーンが痛そうに胃腸を押さえる中、神無はソラとカイリに頭を下げていた。
「二人とも、こっちではイオンみたいな優しい子に育ててくれて本当にありがとな…――でなければ、俺達の存在が霞んでいた…」
「「えっと、その…?」」
「何か…分析って言う割には、意味のないトークばっかりやってたような気がするんだが?」
神無がジト目でウィドを見るが、その視線を笑って返した。
「これが私達の作者のスタイルですからね。とにかく、次は【アクア編】でのステータス解析です」
「じゃ、パパッと行くか! まずはアクアからだ!」
クウもそう言うと、もはやお馴染みとなったスクリーンから情報が映し出された。
【アクア】 攻撃:60 魔力:90 耐久:50 敏捷:60 戦術:85 知識:75
特殊アイテム&スキル
『キーブレード』:伝説の鍵型の武器。さまざまな扉や鍵穴などを開く・閉じる能力を持っている。
『鎧』:闇の浸食から守る鎧を身に纏う。
『キーブレードライド』:キーブレードを乗り物に変形させ、世界を結ぶ回廊の移動に使う。ちなみに、世界に居ても変形は可能。
「さすがはキーブレードマスター。どれも能力が平均値以上ありますね」
「最低の耐久も平均値をキープしていますし、戦術も高め。マスターとしての力量を持っているからこその戦闘能力ですかね?」
「みたいだな。作者の情報でも、アクアは三人の中でトリッキーだが使いやすく、更にマスターとしての力量を出す為にあえて強めに設定したそうだ」
「そんな…私なんて、まだまだです…!」
ウィドとゼロボロスとクウの話を聞き、アクアは照れるのか顔を赤くして手を振る。
そうしていると、ソラが何かを思いついたのか頭の後ろに腕を組んだ。
「って、事はさ。未来のキーブレードマスターであるリクも、その内アクアみたいに強くなるって事?」
「そっか。今は『KH2』のステータスだけど、『3D』ではまたレベル1に戻って強くなっていくんだし…アクアみたいにバランスの取れたステータスになってもおかしくないな」
「そうか? 意外と変わらないと思うが…」
ソラの考えに賛同するようにヴェンも言うが、当の本人は何処か呆れた目で二人を見る。
だが、そんなリクにカイリは不思議そうに首を傾げる。
「そう? 『3D』では何気にアクアの技幾つも覚えてるじゃない」
「『リンクスタイル』でも、アクアの『コマンドスタイル』だけがあったし…今思えば、マスターになる伏線だったんだなー」
「た、たまたまだろ…」
「とか言って顔ニヤけてるわよ、リク?」
「うっ…!」
腕を組んでウンウンと頷くソラに反論するものの、顔に出てしまっていた事をオパールに指摘されてしまう。
こうして言い逃れできないリクを中心に会話が弾む中、殺気だった視線を送る人物が。
「強くなる前に、ここで始末した方がいいようだな…」
「ムーン、さりげなく暗殺の計画立てないでよ…!!」
キーブレードを取り出すムーンを、シャオが後ろから押さえて宥めだす。
それとはまた別に、何処からかどんよりとした空気が流れだす。
「教えるつもりが、先に立派になってこうして越されていく…俺って、一体何なんだろうな…」
「テラ、後でどっか食いに行くぞ。俺が全部奢ってやるから」
キーブレードの継承をしたにも関わらず、教える前に立派になるリクの姿に落ち込むテラに、クウが肩を叩いて優しい言葉を送る。
すると、神無も便乗してテラの肩を叩いた。
「いやいや、落ち込んだ時には酒がいい! テラ、折角だし俺の家で飲みに――!!」
「あなたも大人でしょう? 未成年にお酒は禁止ですよ?」
「ハ、ハイ…!」
有無を言わせぬウィドの笑みに、さすがの神無も固まってしまう。
この様子を見て、無轟が腕を組んでクウを見た。
「これがあるから、食いに行かせようとしたのか?」
「まあな…あれでも教師だから、決まり事に厳しいんだよあいつ」
「時代は変わったな…昔は二十歳でなくても平気で酒が飲めたのだが」
「それでも、お酒は駄目です!! お酒は大人になってからですよ!!」
「す、すまんな…」
力強く注意するレイアに、さすがの無轟も顔を逸らしてしまった。
「ここにもいたか…――とにかく、空気変えて先に行くか!! 次はウィドのステータスだ!!」
【ウィド】 攻撃:30 魔力:10 耐久:30 敏捷:95 戦術:50 知識:90
特殊アイテム&スキル
『シルビア』:鞘も含めた全てが銀色の両刃のレイピア。見かけや性能は何処にでも売っている剣に見えるが…。
『瞬羽』:精神を統一させ、一瞬で間合いを詰めたり離れたりする移動術。『一閃』や『絶影』など主に攻撃技と組み合わせる事が多い。
『知識の鉄槌』:所持している分厚い本で相手を殴りつける。主にツッコミ用だが、かなり強力。
『鉄脚制裁』:出来の悪い生徒(もしくは相手)に強力な蹴りを喰らわせる。尚、威力は大の大人さえも吹き飛ばすと高性能。
「何て言うか…敏捷と知識以外は低いな」
「魔力はあるけど、これって明らかにMPの分ね…」
剣士なのに何処か偏ったステータスに、テラとアクアが困ったような表情になる。
この事実に、ウィドも顔を逸らして遠い目を浮かばせた。
「どうせ私は皆さんと違って低いですよ…その分、スキルで補っているんですし…」
「『瞬羽』はともかくとして…後の2つ、スキルなのか?」
暗い空気を纏うウィドに、神無が疑問をぶつける。
すると、ルキルとクウが意味ありげに首を横に振った。
「いや、あんな説明でも結構強力だ。本編ではボスを吹き飛ばしたほどだしな」
「それにさっき、思いっきり俺もやられたし…」
「ついでに、彼には『学者モード』もありますし料理の腕だってゼアノートを昇天させた程の腕前ですし。そこを考えれば、彼はギャグパートでは“最凶”でしょうねー」
「それ、フォローのつもりですか…!!?」
ニヤニヤと笑うゼロボロスに、ウィドは肩を震わせて抜刀の構えを取る。
一髪即発の状況に全員が固まる中、クウが例のレポートを取り出した。
「一応、機密情報見せて貰ったんだが…これでも最終章で、1対1での対決あるんだとよ」
「先生が一人で戦うのか!? 一体誰と!?」
機密情報にルキルが驚くが、当の本人であるウィドは何故か困ったように頭を押さえた。
「私も知りたかったのですが、何故か機密情報がそれだけしか無くて…」
『この場合のパターンって、よっぽどのネタバレになるのか、あるいは知られたら半殺しになるのかだよね〜』
「あー、要は俺達がいつも作者にやってる事か」
炎産霊神の言葉にクウが頷いていると、神無が呆れた目をした。
「前半はいいとして、後半はシャレにならないぞ…」
「つーか、こっちの作者もお前の所の作者も命張って書いているんだな…」
ムーンが神妙な顔で腕を組んでいると、ウィドが否定するように首を振った。
「いえ、きっとどっちもドがつくMなだけでしょう」
*MもSも関係ありませんっ!!! By作者
「今、何処からか声が聞こえたような…?」
ソラが不思議そうに辺りを見回すが、司会者二人は見向きもせずに話を続けた。
「気にするな。それより、次に行くぜ」
「次はルキルですね。では、見てみましょうか」
【ルキル】 攻撃:70 魔力:70 耐久:70 敏捷:45 戦術:60 知識:80
特殊アイテム&スキル
『ソウルイーター』:闇で作られた悪魔の翼の形をした剣。
『吸収』:機関に作られたレプリカとしての機能。相手を倒す事によってその人の力を吸収する。
「何て言うか…大体リクと一緒だけど、劣ってる部分があるよね」
「でも、魔力と知識は本人と比べて高いわね…これはウィドの影響かしら?」
カイリとアクアが感想を述べると、ウィドが頷きながらレポートを取り出した。
「ええ。私も教師ですし、旅に出る前は彼と共に暮らしていましたので勉強はさせていました。尚、魔力の方は『COM』でゼクシオンを消滅させて力を得ていましたので、それを反映してこのようなステータスにしたそうです」
「へー、だからこんなバランスのある感じになっているんだね」
「リクは元々攻撃系、それに魔法が得意なゼクシオンの能力を組み合わせれば当然の結果よね」
シャオが感心する中、オパールも納得の意を見せる。
「まあ、どっちにしろ今は戦力外だから意味ないけどな」
「そっちそこ、どこぞの悪役のオッサンの姿のクセによく言うな。さすがは元敵役だなぁ?」
「フン、最初から最後まで敵だったお前に言われたくないな。シオンと違って『3D』ではまったくって言っていい程触れられなかった奴に?」
「そうか、ホンモノの言いたい事はよーく分かった…裏に来いよ。リメイク版『KH』の前に、ここで実力見せてボコボコにしてやるっ…!!」
「上等だ…ソラに会わせる前にお前の存在跡形も無く消してやるよニセモノォ…!!」
「ふ、二人とも落ち着いて…!!」
本編での事情も言いながら何やら只ならぬ空気を纏わせる二人に、どうにかシャオが宥めに入る。
それでもバチバチと火花が飛び合っていると、一人の人物が動いた。
「いい加減にやめんかお前達ぃ!!!」
「「ごふぉ!!?」」
怒鳴り声と共に、ウィドが二人の頭に本を投げつけて床に撃沈させた。
「まったく、こんな大勢の前でみっともない!! 喧嘩するなら誰もいない所でやりなさい!!」
「「す、すみません…!!」」
ガミガミと仁王立ちで説教を始めるウィドの権幕に、二人は正座しながら頭を下げる。
この様子を、シャオは冷や汗を垂らしながら距離を取った。
「さすがウィドさん…見事に場が収まったよ」
「あのスキル、結構使えたりするんだな…」
実際に見せたウィドの『知識の鉄槌』に、さすがの神無もその効果に納得してしまった。
「そうそう、これは機密情報と言うより予定表なんだが…一応、ルキルもリクとは違う強化をさせるらしいぞ」
「そうなの? 何か楽しみだなー!」
クウがレポートを見ながら説明すると、何故かシャオが笑顔になる。
嬉しそうなシャオに対し、クウは遠い目で顔を逸らした。
「まあ、その為に――…一度、ヤバイ状況に追い込むとか何とか…」
「今、不吉な言葉が聞こえたんだけど!?」
ボソリと呟くクウの言葉が聞こえ、シャオは即座にツッコミを入れる。
そんなシャオに、ムーンが訝しげな表情を浮かべた。
「シャオ、お前今回だけ何か突っかかりが多くないか?」
「うぇ!? そ、そうかなぁ? ボクは何時だって数少ないツッコミ担当だよ、アハハハ…!」
「数少ないって…まあ、確かにボケや傍観のメンバーが多いけど」
「で、でしょ! 大体、あのリズ達との番外編だってボクがツッコミやってたんだよ? ホント、全部にツッコミしないと二人がこれでもかって暴走してハチャメチャな事に――」
「シャオく〜ん? ちょーっとお話いいかなぁ?」
突然聞こえた少女の呼びかけに、シャオは背筋が凍りつく。
ギギギ、と首を動かして後ろを振り向くと、そこには何故か黒い笑みを浮かべたリズとグラッセがキーブレードを持って立っていた。
「リ、リズにグラッセ…!!? ななななんで、ここに…っ!!?」
「細かい事は気にしないの♪ それより…こっちに来いや」
「俺も丁度『エリクサー』買い捲ったからな…これで『トランス』をどこまで続けられるか付き合えよ」
何やら怒りのオーラを纏いながら、シャオを呼びつける二人。
これに危機感を感じたのか、シャオは涙目で震えながら周りを見回した。
「だ、誰か助け――!!!」
「さ、説明も終わりましたしゼロボロスのを映しましょうか…――ああ、シャオ。喉乾いたので、今すぐ売店で全員分のジュース買ってきなさい」
「買い出しと思わせて死刑宣告ぅ!!?」
すぐに説教を中断して差し出すウィドにツッコミを入れるが、二人は即座にシャオの肩を鷲掴みした。
「じゃ、私達も買い物に付き合ってあげる。行きましょうか、シャオ♪」
「さあ、来いよシャオ♪」
「うわぁぁぁん!!! ボクまだ死にたくないよぉぉぉーーーーっ!!!」
必死にシャオが叫ぶが、二人に引き摺られながらスタジオを後にする。
この一部始終に、ルキルは思わずムーンに目を向けた。
「お前の友達って、一体…?」
「聞かないでくれ…!!」
ムーンが痛そうに胃腸を押さえる中、神無はソラとカイリに頭を下げていた。
「二人とも、こっちではイオンみたいな優しい子に育ててくれて本当にありがとな…――でなければ、俺達の存在が霞んでいた…」
「「えっと、その…?」」
■作者メッセージ
前回の投稿からかなり時間が空いてしまい、大変長らくお待たせしてしまいました。
ただ、まだいろいろとありますので次の投稿も日にちが空くとは思いますが出来る限りは夢さんのバトンの間に終わらせたいと思っています。
ただ、まだいろいろとありますので次の投稿も日にちが空くとは思いますが出来る限りは夢さんのバトンの間に終わらせたいと思っています。