【Re:開闢の宴】終盤突入企画・戦闘能力分析編 8
「何て言うか…酷いな」
「ああ…本当に生きてるのか?」
そう言って、冷汗を垂らしているリクとテラ。
そんな二人が見る先には、無残な程ズタボロとなったシャオの姿があった。
「大丈夫ですか、シャオさん?」
「まだ痛いよぉ〜…!!」
「泣かないの。ほら、ちゃんと治してるでしょ?」
「でもぉ…!!」
シャオは泣きながら横たわりつつも、レイアとアクアによって回復魔法をかけて貰っている。
それほど酷い攻撃をどうにか耐えきったシャオを他の人も見る中、ウィドは目を向ける事も無く先に進めた。
「大丈夫ですよ、どうせこの世界では死なない設定ですし。さ、シャオの治療の間にゼロボロスを見てみましょうか」
【ゼロボロス】 攻撃:80 魔力:85 耐久:75 敏捷:85 戦術:85 知識:90
特殊アイテム&スキル
『心を知り求める者(ハーティクルメント)』:右が白色、左が黒色のグローブ。ゼロボロスとの融合によって装着された武器。
『双竜の指輪』:それぞれ紅と蒼の龍が施されたペアリングの指輪で、途方もない力を宿している。今はウィドとルキルに付けさせている。
『式』:とある少女に教えて貰った『自在法』と言う技術を自己流に改良した術。主な用途は【身体強化】で、他の用途は魔法で補っている。
『翼』:白と黒の対色の翼。飛行を行い、羽根を弾丸として撃ったり折り畳める。
「何て言うか…凄いんだな、ゼロボロス」
「さすが、いろんなボスと一人で戦ってきただけの事はあるわね…」
「それでいて、『双竜の指輪』もあちらでは神無達の助けになったのだ。同じ旅人を名乗る事はある」
ヴェンとアクアが関心すると、無轟も腕を組んで頷いている。
『双竜の指輪』は夢旅人の話でも出てきており、カルマに操られたアルガとティオンの能力を無効化にして『Sin化』による攻撃を防いだだけでなく不意打ちを喰らわせた。詳しくは第二章の心剣士編をご覧ください。
この三人の会話に、ゼロボロスも何処か嬉しそうに笑うと訳を説明した。
「まあ、僕は皆さんと違って長生きですからね。当然と言えば当然かもしれません」
「そりゃ、500年近く生きていればな…」
「ご、ごひゃく…!?」
何処か呆れ気味の神無の呟きに、ルキルは思わず唖然としてしまう。
あまりの外見と中身のギャップに他の人達も黙り込むが、ソラだけは不思議そうに首を傾げていた。
「って事は…ゼロボロスって俺達の中ではお爺さんになるのか?」
「おじい…!?」
単純思考なソラの発言に、ゼロボロスから凍りつく音が響く。
そのまま顔を引き攣らせて固まってしまったゼロボロスに、ウィドは肩を竦めて苦笑を浮かべた。
「――どうやら、一本取られたみたいですねぇ?」
「馬鹿ってのは恐ろしいな…」
クウがいろんな意味でソラに感心していると、炎産霊神も何処か楽しそうに笑い出した。
『合同編で皆にあったら、どうなるのか楽しみになって来たな〜♪』
「少なくとも、一部は傷つくか怒り狂うかのどっちかだな…」
「イリアドゥスまでもお婆さん扱いしたら、確実に地獄を見るわね…」
その情景を思い浮かべたのか、リクとオパールが青い顔をして呟いた。
「さて、ようやく次で私達パーティの紹介も最後ですね」
「シャオ、大丈夫?」
「うー…どうにかー…」
ウィドが先に進めると、カイリはシャオを立ち上がらせる。
ヨロヨロしながらも起き上ると、クウが口を開いた。
「んじゃま、シャオのステータス行って見るか!!」
【シャオ】 攻撃:50 魔力:50 耐久:50 敏捷:50 戦術:50 知識:95
『キーブレード』:伝説の鍵型の武器。さまざまな扉や鍵穴などを開く・閉じる能力を持っている。
『キーブレードライド』:キーブレードを乗り物に変形させ、世界を結ぶ回廊の移動に使う。ちなみに、世界に居ても変形は可能。
『モード・スタイル』:シャオが使う特殊能力で、武器を双剣や弓に変えたり能力変化を行う。
「普通だ」
「普通だね」
「普通だな」
「うん言うと思ったよ!! 自分で言うのも何だけど、何なのさこのステータス!?」
ソラ、カイリ、リクの直球な感想に、シャオは涙目になってステータスを指差す。
すると、ウィドとクウは困ったようにそれぞれ腕を組んた。
「そんな事言われても、これが通常状態のシャオのステータスですからねぇ?」
「あー…言い換えれてみれば、『358/2Days』のロクサスやシオンみたいに何の取り柄もない状態だよなぁ」
「殆どのランキングで全部平均を保ってた理由がよく分かった」
「うわーん!! グレてやるー!!」
ルキルの言葉がトドメになったのか、シャオは泣きながら叫んでしまう。
そんなシャオに、アクアは必死で宥めに入った。
「ま、まあまあ。知識は凄く高いから良いじゃない、ね?」
「言われてみれば、僕やウィドよりも高いですね…一体なぜ?」
ゼロボロスが異様な知識の高さに注目すると、クウがレポートを取り出した。
「本編でも触れた事何だが…シャオは元から、いろんな奴に戦闘に関するさまざまな事を教えて貰ってるからな」
「それでいて記憶力も良く、他人の技や魔法も覚えて使える。だからこそ、ここまで知識を高くしたそうです」
さらにウィドも補足を入れると、テラが思い出す様に顔を上げた。
「俺達は誰かと組んでの戦いを主にしていたが、よくよく考えればシャオは常に一人で戦っていたな…」
「一部の相手は手加減してたけど、一人で対等に戦えたのはその知識と『モード・スタイル』のおかげなのね」
「いや〜、それほどでも〜!」
オパールも関心していると、シャオは機嫌が良くなったのか笑顔で頭を掻く。
すると、ムーンがある事を思いだした。
「そう言えば、シャオ。お前確か本編ではリズの技使っていたよな? あれもお前の能力なのか?」
「まあね〜! 使わなかったとしても、ボク程の能力持ってたら簡単にコピー出来るから!」
胸を張りながら、自慢げにムーンに答えるシャオ。
すると、ウィドは機密情報のレポートを取り出してムーンを見た。
「ちなみに技の件では元よりリラ様に事前に許可を貰っていますので、作品の登場人物であるリズやグラッセ、ムーンの技も使わせるそうですよ」
「俺の技まで!?」
「ふっふーん、ボクの能力舐めて貰ったら困るよぉ? 無轟さんの技だって、使おうと思えば出来るんだから!!」
更に上機嫌になり、シャオは鼻を高くする。
そう。シャオの一番優れる能力は他者の技や魔法を覚えられる事にある。他者と戦ったり関係を持ったりするだけで、シャオの戦術は自然と広がっていく。
どうにかシャオのモチベーションが上がっていく中、ゼロボロスが疑問をぶつけた。
「ただし、一部は『モード・スタイル』にならないと出来ないのではないんですか? 今のステータスで放っても逆に弱体しそうですし」
「うぐぅ…!!」
ゼロボロスに言われた言葉に、シャオの心に棘が刺さる。
すると、クウも同意するように一つ頷いて苦笑を浮かべた。
「そこがシャオの弱点だな。他人の技が使えるからって言って、その分強くなる訳じゃねーし」
「あくまでも戦略が広がるけど、『モード・スタイル』を使わないとなると結果的に使える技や魔法は限られてしまう。だから知識だけが異常に高いのね」
オパールが今の話を纏めるように言うと、このステータスに納得する。
シャオが他者の技を使う場合、殆どは『モード・スタイル』を行使しなければいけない。『モード・スタイル』を使えない普通の状態となれば、このような中途半端な状態になるもの頷ける。
「…そうだよ、どうせボクは『モード・スタイル』を使わなかったら皆と違って取り得なんてないんだ…」
「シャオ、そう気を落とすなって…」
ズーンと重い空気を纏って座り込んでのの字をを書くシャオに、ムーンは宥める様に肩を叩いた。
「さて、ここで私達のパーティのステータスは終わりなんですが……実は、まだまだあるんですよねぇ」
「そうなの!? でも、他に誰かいたっけ?」
「カイリは戦わないし…」
ウィドの意外な言葉に、カイリとソラはそれぞれ首を捻る。
「いるだろ? まっ、俺達はまだ会ってはいないけどな」
考え込むカイリに、何故か苦笑しながらクウが助け舟を出す。
このヒントに、座り込んでいたシャオが答えを思いついたのか勢いよく立ち上がった。
「もしかして、スピカさんのもあるの!?」
「はい。そう言う訳ですから、見てみましょうか」
【スピカ】 攻撃:80 魔力:145 耐久:75 敏捷:95 戦術:100 知識:120
『具現化』:その名の通り、自分の中の闇を具現化させる能力。スピカの場合、闇で作った細剣を作り出す。
『瞬羽』:精神を統一させ、一瞬で間合いを詰めたり離れたりする移動術。ウィドと同じく剣技に用いるが、彼女のレベルになれば通常の移動にも用いれる。
『詠唱』:即座に魔法を発動せず、時間をかけて発動させるスキル。通常よりも威力が上がる。
「スピカの能力だけが異常に高いんだが…?」
「それでいて、スキルも充実してるな…」
「リズがボコボコにされた理由が、嫌ってほど分かった…」
「まあ、今はその話の掲載をリラ様が解除なさってますから読んでいない方には分かりませんが」
ここにはいない人物のステータスに、クウ、テラ、ムーンが唖然の目をするとウィドが補足を入れる。
あまりにも自分達とはレベルの丈が違うスピカの強さに他の人も黙り込んでいると、おずおずとレイアが口を開いた。
「あのぉ、思ったんですけど…スピカさん、確か今は『Sin化』してませんでしたっけ…?」
レイアの放った質問に、スタジオの空気が凍りつく。
断章の最後では仮面は付けてはいなかったようだが、エンとの対決の際にカルマの策略によりスピカは仮面を付けられていた。
「って事は…こんな強敵と戦うのか俺達ぃ!!?」
「あの作者何てシナリオを考えてくれたんだぁぁぁ!!?」
「ステータスの一部親父より超えてるんだろ…倒せるのか、これ…?」
リクとヴェンが恐怖を交えて叫ぶ中、神無は顔を引く付かせてしまう。
それもそうだろう。もしかしたら、合併した話で彼女と戦う可能性もあるのだから。
「あー…現時点では、何とも言えねえなこれ」
「エンに敗れたとはいえ、翼を具現させた状態で戦っていましたからね。厳しいのは確定でしょう」
「そう言えば、あとがきで作者も言ってたな。『ソロでの撃破は一部除いて無理な強さ設定』だって…」
司会者としてクウとウィドが言うと、ルキルもあとがきでの作者の言葉を思い出す。
これによりスタジオの空気が氷点下になろうとする中、一人だけ笑みを浮かべる物がいた。
「フッ、面白い。実際に彼女と戦ってみたいものだ」
『そうだねー。こっちの作者のキャラで彼女は最強なんでしょ? どれだけ強いのか楽しみだよ〜』
「オッサンとガキは相変わらずだな…」
まさに戦闘狂としての性か、逆に戦う気になる無轟と炎産霊神にクウはこっそりと呟く。
何がともあれ凍った空気が緩和されると、ウィドが機密情報のレポートを取り出した。
「ちなみに、他の敵キャラもステータスがあります。ただし、特殊アイテムやスキルはネタバレを含むので今回は無しになりますが――…折角ですので、一気に出しましょうか」
「ああ…本当に生きてるのか?」
そう言って、冷汗を垂らしているリクとテラ。
そんな二人が見る先には、無残な程ズタボロとなったシャオの姿があった。
「大丈夫ですか、シャオさん?」
「まだ痛いよぉ〜…!!」
「泣かないの。ほら、ちゃんと治してるでしょ?」
「でもぉ…!!」
シャオは泣きながら横たわりつつも、レイアとアクアによって回復魔法をかけて貰っている。
それほど酷い攻撃をどうにか耐えきったシャオを他の人も見る中、ウィドは目を向ける事も無く先に進めた。
「大丈夫ですよ、どうせこの世界では死なない設定ですし。さ、シャオの治療の間にゼロボロスを見てみましょうか」
【ゼロボロス】 攻撃:80 魔力:85 耐久:75 敏捷:85 戦術:85 知識:90
特殊アイテム&スキル
『心を知り求める者(ハーティクルメント)』:右が白色、左が黒色のグローブ。ゼロボロスとの融合によって装着された武器。
『双竜の指輪』:それぞれ紅と蒼の龍が施されたペアリングの指輪で、途方もない力を宿している。今はウィドとルキルに付けさせている。
『式』:とある少女に教えて貰った『自在法』と言う技術を自己流に改良した術。主な用途は【身体強化】で、他の用途は魔法で補っている。
『翼』:白と黒の対色の翼。飛行を行い、羽根を弾丸として撃ったり折り畳める。
「何て言うか…凄いんだな、ゼロボロス」
「さすが、いろんなボスと一人で戦ってきただけの事はあるわね…」
「それでいて、『双竜の指輪』もあちらでは神無達の助けになったのだ。同じ旅人を名乗る事はある」
ヴェンとアクアが関心すると、無轟も腕を組んで頷いている。
『双竜の指輪』は夢旅人の話でも出てきており、カルマに操られたアルガとティオンの能力を無効化にして『Sin化』による攻撃を防いだだけでなく不意打ちを喰らわせた。詳しくは第二章の心剣士編をご覧ください。
この三人の会話に、ゼロボロスも何処か嬉しそうに笑うと訳を説明した。
「まあ、僕は皆さんと違って長生きですからね。当然と言えば当然かもしれません」
「そりゃ、500年近く生きていればな…」
「ご、ごひゃく…!?」
何処か呆れ気味の神無の呟きに、ルキルは思わず唖然としてしまう。
あまりの外見と中身のギャップに他の人達も黙り込むが、ソラだけは不思議そうに首を傾げていた。
「って事は…ゼロボロスって俺達の中ではお爺さんになるのか?」
「おじい…!?」
単純思考なソラの発言に、ゼロボロスから凍りつく音が響く。
そのまま顔を引き攣らせて固まってしまったゼロボロスに、ウィドは肩を竦めて苦笑を浮かべた。
「――どうやら、一本取られたみたいですねぇ?」
「馬鹿ってのは恐ろしいな…」
クウがいろんな意味でソラに感心していると、炎産霊神も何処か楽しそうに笑い出した。
『合同編で皆にあったら、どうなるのか楽しみになって来たな〜♪』
「少なくとも、一部は傷つくか怒り狂うかのどっちかだな…」
「イリアドゥスまでもお婆さん扱いしたら、確実に地獄を見るわね…」
その情景を思い浮かべたのか、リクとオパールが青い顔をして呟いた。
「さて、ようやく次で私達パーティの紹介も最後ですね」
「シャオ、大丈夫?」
「うー…どうにかー…」
ウィドが先に進めると、カイリはシャオを立ち上がらせる。
ヨロヨロしながらも起き上ると、クウが口を開いた。
「んじゃま、シャオのステータス行って見るか!!」
【シャオ】 攻撃:50 魔力:50 耐久:50 敏捷:50 戦術:50 知識:95
『キーブレード』:伝説の鍵型の武器。さまざまな扉や鍵穴などを開く・閉じる能力を持っている。
『キーブレードライド』:キーブレードを乗り物に変形させ、世界を結ぶ回廊の移動に使う。ちなみに、世界に居ても変形は可能。
『モード・スタイル』:シャオが使う特殊能力で、武器を双剣や弓に変えたり能力変化を行う。
「普通だ」
「普通だね」
「普通だな」
「うん言うと思ったよ!! 自分で言うのも何だけど、何なのさこのステータス!?」
ソラ、カイリ、リクの直球な感想に、シャオは涙目になってステータスを指差す。
すると、ウィドとクウは困ったようにそれぞれ腕を組んた。
「そんな事言われても、これが通常状態のシャオのステータスですからねぇ?」
「あー…言い換えれてみれば、『358/2Days』のロクサスやシオンみたいに何の取り柄もない状態だよなぁ」
「殆どのランキングで全部平均を保ってた理由がよく分かった」
「うわーん!! グレてやるー!!」
ルキルの言葉がトドメになったのか、シャオは泣きながら叫んでしまう。
そんなシャオに、アクアは必死で宥めに入った。
「ま、まあまあ。知識は凄く高いから良いじゃない、ね?」
「言われてみれば、僕やウィドよりも高いですね…一体なぜ?」
ゼロボロスが異様な知識の高さに注目すると、クウがレポートを取り出した。
「本編でも触れた事何だが…シャオは元から、いろんな奴に戦闘に関するさまざまな事を教えて貰ってるからな」
「それでいて記憶力も良く、他人の技や魔法も覚えて使える。だからこそ、ここまで知識を高くしたそうです」
さらにウィドも補足を入れると、テラが思い出す様に顔を上げた。
「俺達は誰かと組んでの戦いを主にしていたが、よくよく考えればシャオは常に一人で戦っていたな…」
「一部の相手は手加減してたけど、一人で対等に戦えたのはその知識と『モード・スタイル』のおかげなのね」
「いや〜、それほどでも〜!」
オパールも関心していると、シャオは機嫌が良くなったのか笑顔で頭を掻く。
すると、ムーンがある事を思いだした。
「そう言えば、シャオ。お前確か本編ではリズの技使っていたよな? あれもお前の能力なのか?」
「まあね〜! 使わなかったとしても、ボク程の能力持ってたら簡単にコピー出来るから!」
胸を張りながら、自慢げにムーンに答えるシャオ。
すると、ウィドは機密情報のレポートを取り出してムーンを見た。
「ちなみに技の件では元よりリラ様に事前に許可を貰っていますので、作品の登場人物であるリズやグラッセ、ムーンの技も使わせるそうですよ」
「俺の技まで!?」
「ふっふーん、ボクの能力舐めて貰ったら困るよぉ? 無轟さんの技だって、使おうと思えば出来るんだから!!」
更に上機嫌になり、シャオは鼻を高くする。
そう。シャオの一番優れる能力は他者の技や魔法を覚えられる事にある。他者と戦ったり関係を持ったりするだけで、シャオの戦術は自然と広がっていく。
どうにかシャオのモチベーションが上がっていく中、ゼロボロスが疑問をぶつけた。
「ただし、一部は『モード・スタイル』にならないと出来ないのではないんですか? 今のステータスで放っても逆に弱体しそうですし」
「うぐぅ…!!」
ゼロボロスに言われた言葉に、シャオの心に棘が刺さる。
すると、クウも同意するように一つ頷いて苦笑を浮かべた。
「そこがシャオの弱点だな。他人の技が使えるからって言って、その分強くなる訳じゃねーし」
「あくまでも戦略が広がるけど、『モード・スタイル』を使わないとなると結果的に使える技や魔法は限られてしまう。だから知識だけが異常に高いのね」
オパールが今の話を纏めるように言うと、このステータスに納得する。
シャオが他者の技を使う場合、殆どは『モード・スタイル』を行使しなければいけない。『モード・スタイル』を使えない普通の状態となれば、このような中途半端な状態になるもの頷ける。
「…そうだよ、どうせボクは『モード・スタイル』を使わなかったら皆と違って取り得なんてないんだ…」
「シャオ、そう気を落とすなって…」
ズーンと重い空気を纏って座り込んでのの字をを書くシャオに、ムーンは宥める様に肩を叩いた。
「さて、ここで私達のパーティのステータスは終わりなんですが……実は、まだまだあるんですよねぇ」
「そうなの!? でも、他に誰かいたっけ?」
「カイリは戦わないし…」
ウィドの意外な言葉に、カイリとソラはそれぞれ首を捻る。
「いるだろ? まっ、俺達はまだ会ってはいないけどな」
考え込むカイリに、何故か苦笑しながらクウが助け舟を出す。
このヒントに、座り込んでいたシャオが答えを思いついたのか勢いよく立ち上がった。
「もしかして、スピカさんのもあるの!?」
「はい。そう言う訳ですから、見てみましょうか」
【スピカ】 攻撃:80 魔力:145 耐久:75 敏捷:95 戦術:100 知識:120
『具現化』:その名の通り、自分の中の闇を具現化させる能力。スピカの場合、闇で作った細剣を作り出す。
『瞬羽』:精神を統一させ、一瞬で間合いを詰めたり離れたりする移動術。ウィドと同じく剣技に用いるが、彼女のレベルになれば通常の移動にも用いれる。
『詠唱』:即座に魔法を発動せず、時間をかけて発動させるスキル。通常よりも威力が上がる。
「スピカの能力だけが異常に高いんだが…?」
「それでいて、スキルも充実してるな…」
「リズがボコボコにされた理由が、嫌ってほど分かった…」
「まあ、今はその話の掲載をリラ様が解除なさってますから読んでいない方には分かりませんが」
ここにはいない人物のステータスに、クウ、テラ、ムーンが唖然の目をするとウィドが補足を入れる。
あまりにも自分達とはレベルの丈が違うスピカの強さに他の人も黙り込んでいると、おずおずとレイアが口を開いた。
「あのぉ、思ったんですけど…スピカさん、確か今は『Sin化』してませんでしたっけ…?」
レイアの放った質問に、スタジオの空気が凍りつく。
断章の最後では仮面は付けてはいなかったようだが、エンとの対決の際にカルマの策略によりスピカは仮面を付けられていた。
「って事は…こんな強敵と戦うのか俺達ぃ!!?」
「あの作者何てシナリオを考えてくれたんだぁぁぁ!!?」
「ステータスの一部親父より超えてるんだろ…倒せるのか、これ…?」
リクとヴェンが恐怖を交えて叫ぶ中、神無は顔を引く付かせてしまう。
それもそうだろう。もしかしたら、合併した話で彼女と戦う可能性もあるのだから。
「あー…現時点では、何とも言えねえなこれ」
「エンに敗れたとはいえ、翼を具現させた状態で戦っていましたからね。厳しいのは確定でしょう」
「そう言えば、あとがきで作者も言ってたな。『ソロでの撃破は一部除いて無理な強さ設定』だって…」
司会者としてクウとウィドが言うと、ルキルもあとがきでの作者の言葉を思い出す。
これによりスタジオの空気が氷点下になろうとする中、一人だけ笑みを浮かべる物がいた。
「フッ、面白い。実際に彼女と戦ってみたいものだ」
『そうだねー。こっちの作者のキャラで彼女は最強なんでしょ? どれだけ強いのか楽しみだよ〜』
「オッサンとガキは相変わらずだな…」
まさに戦闘狂としての性か、逆に戦う気になる無轟と炎産霊神にクウはこっそりと呟く。
何がともあれ凍った空気が緩和されると、ウィドが機密情報のレポートを取り出した。
「ちなみに、他の敵キャラもステータスがあります。ただし、特殊アイテムやスキルはネタバレを含むので今回は無しになりますが――…折角ですので、一気に出しましょうか」