【Re:開闢の宴】終盤突入企画・戦闘能力分析編 9
【リリス】 攻撃:85 魔力:120 耐久:85 敏捷:85 戦術:85 知識:75
【クォーツ】 攻撃:50 魔力:155 耐久:45 敏捷:40 戦術:150 知識:150
【フェン】 攻撃:70 魔力:57 耐久:130 敏捷:45 戦術:70 知識:75
【セヴィル】 攻撃:125 魔力:125 耐久:80 敏捷:70 戦術:120 知識:110
【マリェース】 攻撃:70 魔力:100 耐久:65 敏捷:75 戦術:95 知識:80
【エン】 攻撃:190 魔力:180 耐久:110 敏捷:180 戦術:175 知識:180
『『『ちょっと待てぇぇぇーーーーーーっ!!!??』』』
ステータス情報を出し終えるなり、一部のキャラ全員から絶叫が上がる。
この様子に、ウィドは予想通りと言わんばかりに頭を押さえた。
「言いたい事は分かります。エンだけがぶっとんだ設定、そうですよね?」
「何コレ!? 本当に俺達こんなのと戦うの!?」
「13人のゼアノートと戦った方がマシに思えてくるんだが…!!?」
ソラとリクが代表で思った事を述べると、ウィドが頭を押さえたまま目を逸らした。
「『神並みの強さのラスボスなんだから、これぐらい強くするのは当たり前』。作者の言葉がそれだったので、血塗れにしてきましたよ」
「あ、もう処刑済んでたんだ」
何処か棒読みにヴェンが言うが、誰もがウィドの行動に同意した。普通はこんなボスと戦わせようとする作者に同情などしないだろう。
「思ったんだが、敵のステータスは何かしらの能力が100以上あるんだな…」
そんな中、テラは空気を変えようと他の敵のステータスに注目する。
すると、ウィドはレポートを手に取って説明した。
「理由は夢旅人のキャラに合わせる為だそうです。彼のキャラは半神と言う存在と戦えるキャラと互角、しかも勝っているんです。その上で戦う人数もかなり増えるから、これぐらい強くしないと駄目だろうと言う考えであえて強めに設定したそうです」
「いや、まあ…言われればそうだけど…」
ある意味では正論だがルキルがどうにも納得出来ずにいると、ウィドは更にページを捲った。
「そもそも、こちらの状況を説明すると『KH2』組のソラ達はゼムナス戦を終えて更に成長しているのでレベルは70代くらい。テラ達『Bbs』組は最終決戦前だからレベルは35(『KH2』で言えば60〜70代)くらい。私達オリキャラも、強さのバランスを取る為にそれくらいのレベルにしているそうです」
「だからって、こんな強い状態の奴らやカルマの軍勢と戦うのか!?」
「俺達れっきとしたKHキャラだぞ!? これじゃあ完全に空気になるって!!」
こんな強敵達と戦う事に、一度エンと戦った神無だけでなくソラまでギャアギャアと騒ぎ出す。
直後、ウィドが無言で二人の前に【キャラ強化用・シナリオ企画書(予定)】と書かれた一枚の紙を突き出した。
「何これ?」
「作者が隠し持ってたプロットです。表紙の通り、今後の私達の強化設定について書かれてあるらしいのですが…」
「あの作者、よほど知られたくないのか表紙だけ破り捨ててとんずらしやがったんだ…」
ウィドに続く様に、クウも苛立ちの混じった笑みを浮かべる。よくよくウィドの握った紙を見ると、端の方が乱暴に破られている。
「要はトカゲの尻尾切って逃げたようなものね…」
「だが言い換えてみれば、それだけ重要な内容とも取れるな」
司会者二人と作者の乱闘情景を思い浮かべながらオパールが顔を引き攣らせていると、テラが企画書の紙を見ながら考え込む。
まだ予定の段階だが、今のステータスよりも強くなるのは間違いないだろう。問題はそれが何時なのか、またどんな風に強化をさせるのか。それは恐らく作者しか知らない。
「なあ、どんな風に強くなるんだろうな俺達って!?」
「凄く楽しみです!!」
「予定ってのが若干引っ掛かるけどね…」
ヴェンとレイアがはじゃく中、後ろからこっそりとカイリが呟く。
どうにか場が収まると、ウィドは軽く咳払いした。
「さて、今回の企画はここで終了と致しましょう。どうでしたか、ゲストのお二方?」
「まあ、何だ…――ようやく実家(夢旅人パート)に戻れる…!!」
「俺も同感…帰ったらお菓子食いまくってストレス発散したい…!!」
「ご苦労様です…」
涙目で喜ぶ神無とムーンに、シャオは申し訳なさそうに深々と頭を下げる。
すると、無轟が徐に近づいてある物を取り出した。
「神無、もうあちらに戻るのか…――では、これを渡して置こう」
「何だこれ? 重箱?」
父親が取り出した風呂敷に入った三段重ねの重箱に、神無は首を傾げる。
『それ、さっきスピカから差し入れに貰った奴だよね? いいの?』
「ああ。彼の姉からは《沢山作ったから大勢で食べてください》と渡されたからな。神無、あちらに戻ったらお世話になっている奴とでも食べてくれ」
「エ…!?」
炎産霊神と無轟の会話に、クウの背筋が凍りつく。
そうとは気づかずに、神無は重箱に手を伸ばした。
「へー、そうなのか。じゃあ、ありがたく頂く「神無、今すぐ投げ捨てろぉ!? それ爆弾だぁ!?」はああああぁぁぁ!!?」
突然大声で叫んだクウの警告の言葉に、神無は驚きのままに掴んだ重箱を遠くの壁側まで放り投げた。
ズガーーーーンっ!!!
直後、重箱が大爆発を起こして爆炎と煙が上げる。
そうしてスタジオの壁の一部に穴を空けた光景に、テラは震えながらクウを見た。
「…重箱式の爆弾なのか、アレ…?」
「いや、ウィドと同じグロテクスな料理の筈なんだが…まさか、本当に爆弾になってるとは…!?」
「さすが、先生のお姉さん…料理の腕までレベルが上なんて…」
顔を引き攣ったまま説明するクウに、ルキルも唖然としてしまう。
再び周りの空気が淀んでいると、同じく固まっているムーンにリクが近づいた。
「おい、ムーン」
「な、何だよ…!?」
何の前触れも無く声をかけられ、軽く身構えるムーン。
そんなムーンに、リクは何処か恥ずかしそうに顔を逸らすと白い紙袋を差し出した。
「土産だ。リズ達とでも食べてくれ」
「へ?」
予想もしなかった言葉にムーンが目を丸くすると、リクは顔を逸らしながら無理やり手に紙袋を持たせる。
少しの間放心していたが、我に返ってムーンは紙袋の中を覗く。そこにはドライアイスを入れたシーソルトアイスの箱詰めの他に、クッキーやカップケーキなどの手作りのお菓子が詰められている。
再度顔を上げると、いつの間にかリリィとオパールもムーンに顔を向けて笑っていた。
「ふふっ…例え別の世界でも、父親らしい事ぐらいはしないとね?」
「“あたし達”も手伝って作ったんだし、感謝しなさいよ?」
「も、貰ってはおくが…――爆弾じゃないよな?」
先程の重箱を思い出しながら恐る恐るムーンが問う。
その途端、プチンと切れた音と共に、リリィの髪が青から金へと染まり、オパールも般若の顔を浮かべた。
「「あんな殺人料理人達と一緒にするんじゃないわよっ!!!」」
「どわぁ!!? すみません俺が悪かったぁぁぁ!!?」
ムーンは必死に逃げながら、襲い掛かるリリスとオパールに悲鳴のように謝りを入れる。
再びスタジオが騒がしくなった光景に、アクアは苦笑を浮かべてしまった。
「…結局こうなったわね」
「折角リクが珍しく素直になったのに…もう…」
カイリも呆れの溜息を吐くと、ウィドとクウも肩を竦めた。
「仕方ありませんね。そこで暴れている人達は置いといて…読者の皆様は楽しんでいただけたでしょうか?」
「分析とは書いたが、最初に言ったようにKHキャラはあくまでも作者の独断と偏見によって振り分けられたステータスだ。この設定は小説内だけだから、ゲーム本編とごっちゃにしないようにな」
「ここまで読んでくれてありがとう! それじゃあ、またどこかで〜!!」
未だにドタバタと騒ぐ中、最後にシャオが大きく手を振って締めを入れた。
■作者メッセージ
これにて、今回の戦闘力分析企画が終了です。完結までだいぶ長くなってしまい、本当にお待たせいたしました。
ちなみに、次の話も決まっていて出来れば11月26日には作品を出したいと思っています。
ちなみに、次の話も決まっていて出来れば11月26日には作品を出したいと思っています。