ハッピーハロウィンinビフロンス Part3
「さて、いよいよ中層だね!」
「ここは人が多いからね〜。どんなお菓子貰えるかな〜?」
先頭を歩くカイリとシャオがワクワクしながら、談話室へとやってくる。
そこでは、睦月・皐月・アビス・チェル・イヴ・アガレスが待っていた。
「ようこそ、ハオス」
「待ちくたびれたぞ」
「チェルさん、イヴさん。トリック・オア・トリート」
「ト、トリック・オア・トリート!」
やってきた子供達にアビスとチェルが声をかけると、ヘカテーとハオスがお馴染みとなった言葉で返す。
すると、待ってましたとばかりにイヴと睦月がお菓子を取り出した。
「はいはい、お菓子ね。私達からはアガレス直伝のお化けケーキよ」
「俺達からは、蜂蜜酒で作ったゼリーだ! ちゃんと子供でも食べれるように作ったから、安心してくれ」
「ありがとうございます」
性格なのか思わずシンクがお礼を言うと、アガレスは微笑みを浮かべた。
「気にしなくていい。ハロウィンは今や、子供が喜ぶ為のお祭りなのだからね」
「にしても、吸血鬼の次は悪魔か…その前も竜がいるし、ここの人達はどうなっているんだ?」
「リク、それ言っちゃ駄目」
いろいろとマズいリクの発言に、即座にカイリが口を塞ぐ。
そうしているとお菓子を貰って喜んでいたソラとヴェンが、睦月達を見て急に首を傾げた。
「なあ、思ったんだけど…睦月とか皐月って、俺達と同じくらいの年齢だよな?」
「確かに。普通に考えたら俺達のようにお菓子貰う立場なのに、どうして大人側にいるんだ?」
「人を見かけで判断しない事ね。私達はこれでも、あなた達よりも何倍、何十倍も生きているのよ」
「そう言う事。だから俺達も渡す側になったんだ」
呆れ気味に説明するアビスに付け加える様に、睦月も苦笑を浮かべ訳を話す。
永遠剣士は言って見れば不老でもある。その為、命に係わる傷やら病気を負わない限り何百、何千年と生き続ける事が可能なのだ。
「そう…だったんですか…」
「人は見かけによらないって事か」
「私もビックリです」
「はい、同じ年にしか見えません」
「あなた達が言えるセリフじゃないわよ…」
アルマが呟く横で、ルキルとレイアとフィフェルにツッコミを入れるアイギス。
少なくとも、二人は生まれてから一年経ったか経ってないかの年齢であるし、レイアに至ってはノーバディとして生まれてからまだ半年ぐらいしか経っていない。
「ふーん、って事は…睦月達って、実は年寄りだったんだな!」
無邪気な笑みを浮かべ、ケラケラとソラが笑う。
失礼な言い方だが、ある意味で当たっているので思わず他の人もクスクスと笑ってしまった。
「『青の燐煉架(アスール・エルブシオン)』」
直後、ソラの真横から青い火柱が立ち上った。
「誰が、年寄りですって…!!?」
まるで地の底から唸る声と共にチリチリと痛むような視線が送られ、ソラだけでなく全員が振り返る。
そこには、武器である永遠剣を握ったアビスが仁王立ちでソラを…いや、子供メンバー全員を睨んでいた。
『『『に、逃げろぉぉぉーーーーーっ!!!??』』』
「待ちなさーーーーーいっ!!!」
全速力で逃げ出す子供達を、鬼の形相で追いかけるアビス。
こうして彼らが去った後には、アビスのあまりの怖さに睦月と皐月が震えあがっていた。
「アビスが怖い…!!」
「俺もそう思う…!!」
「本当に子供は元気だな…」
そんな二人の横で、チェルは遠い目をしてボソリと呟いていた。
その後、どうにかアビスから逃げ切る事に成功した子供達は、広間の前で座り込んでいた。
「あ、危なかった…!」
「ハロウィンなのに、刃物沙汰になる所でした…!」
「言葉には気を付けてよ、ソラ…」
「ご、ごめん…!」
リクとシンクが思い思いに呟く中、カイリは元凶であるソラに注意する。
他の人達もゼェゼェと息をしていると、複数の足音が近づいてきた。
「どうしたの、あなた達? そんなに息を切らして?」
目を向けると、姉妹であるクェーサーとアトス、そして双子であるリュウアとリュウカが不思議そうにこちらを見ていた。
「クェーサーに…アトス…」
「リュウアとリュウカ…」
まだ息が整っていないのか、絶え絶えにして名前を言うオルガとアイギス。
そんな彼らを見かねてか、アトスが何やら液体を入れる大きめの容器を取り出した。
「そんなに走って、喉乾いてるでしょ? 今日の為に姉さんと作ったミックスジュースがあるんだけど、飲む?」
「ジュース!? 飲む飲むー!」
このアトスの言葉に、即座にヴェンが飛びつく。
アトスはクェーサーと共に紙コップにジュースを注ぐと、一人一人に配る。こうしてカラカラになった喉を潤していると、リュウカもバスケットを取り出した。
「じゃあ、私もアトスさんと作ったお菓子あげるね」
そう言って中を開けると、様々な形をしたクッキーが入っていた。
「すごーい、ハートレス型のクッキーだ!」
「これはアンヴァース…あ、ドリームイーターもある」
「凄いとは思うが…食べにくい気も…」
アーファとペルセが目を輝かせる横では、あまりの完成度にルキルが冷や汗を掻く。
しかし、こうして作り上げたクッキーにカイリが羨ましそうにアトスを見た。
「でもこんなの作れるって羨ましいな。ねえ、今度私にも作り方教えて!」
「もちろん。次はみんなで作りましょう」
「じゃあ、俺はいつも通り味見担当って事で!」
「もう、兄さんったら…」
二人の会話にリュウアが手を上げると、リュウカが呆れる様に視線を送る。
アトス達が作ったクッキーで盛り上がっていると、再びこちらに近づく足音が聞こえた。
「おや、もう来ていたみたいですね」
「良かった。どうにかラッピンクが間に合った…」
見ると、お菓子の袋を持ったレギオンとプリティマがいた。その後ろにはサーヴァンとディアウスがいる。
「わーい、トリック・オア・トリート!!」
「お菓子ちょーだい!」
更なるお菓子に、ソラとシャオが笑顔で近づくとサーヴァンとディアウスが肩を竦めた。
「その為に来たんだ。俺達からはカルメ焼きだ」
「こちらはプリティマが作ったおはぎだ」
「ちょ、中身は言わないで! 隠す為に一生懸命ラッピンクしたのに…!」
「何を言う。プリティマの作る和菓子は最高じゃないか」
「もう、ディアウスったら…!」
人目など気にせずに見せられるこの夫婦愛に、女性陣の目が輝いた。
「やっぱり、愛は素敵ですね〜」
「うんうん。年の差なんて、愛の前じゃ関係ないもんね!」
「オルガ、こういう夫婦になるように頑張ってよね!」
「俺だけかよ!?」
レイアとカイリが会話する横で、感化されたアーファもオルガに詰め寄ってしまう。
そうしていると、サーヴァンが軽く手を叩いて話を戻した。
「無駄話はそこで終わりだ。他の奴も待ってるから早く行ってやれ」
『『『はーい』』』
「ここは人が多いからね〜。どんなお菓子貰えるかな〜?」
先頭を歩くカイリとシャオがワクワクしながら、談話室へとやってくる。
そこでは、睦月・皐月・アビス・チェル・イヴ・アガレスが待っていた。
「ようこそ、ハオス」
「待ちくたびれたぞ」
「チェルさん、イヴさん。トリック・オア・トリート」
「ト、トリック・オア・トリート!」
やってきた子供達にアビスとチェルが声をかけると、ヘカテーとハオスがお馴染みとなった言葉で返す。
すると、待ってましたとばかりにイヴと睦月がお菓子を取り出した。
「はいはい、お菓子ね。私達からはアガレス直伝のお化けケーキよ」
「俺達からは、蜂蜜酒で作ったゼリーだ! ちゃんと子供でも食べれるように作ったから、安心してくれ」
「ありがとうございます」
性格なのか思わずシンクがお礼を言うと、アガレスは微笑みを浮かべた。
「気にしなくていい。ハロウィンは今や、子供が喜ぶ為のお祭りなのだからね」
「にしても、吸血鬼の次は悪魔か…その前も竜がいるし、ここの人達はどうなっているんだ?」
「リク、それ言っちゃ駄目」
いろいろとマズいリクの発言に、即座にカイリが口を塞ぐ。
そうしているとお菓子を貰って喜んでいたソラとヴェンが、睦月達を見て急に首を傾げた。
「なあ、思ったんだけど…睦月とか皐月って、俺達と同じくらいの年齢だよな?」
「確かに。普通に考えたら俺達のようにお菓子貰う立場なのに、どうして大人側にいるんだ?」
「人を見かけで判断しない事ね。私達はこれでも、あなた達よりも何倍、何十倍も生きているのよ」
「そう言う事。だから俺達も渡す側になったんだ」
呆れ気味に説明するアビスに付け加える様に、睦月も苦笑を浮かべ訳を話す。
永遠剣士は言って見れば不老でもある。その為、命に係わる傷やら病気を負わない限り何百、何千年と生き続ける事が可能なのだ。
「そう…だったんですか…」
「人は見かけによらないって事か」
「私もビックリです」
「はい、同じ年にしか見えません」
「あなた達が言えるセリフじゃないわよ…」
アルマが呟く横で、ルキルとレイアとフィフェルにツッコミを入れるアイギス。
少なくとも、二人は生まれてから一年経ったか経ってないかの年齢であるし、レイアに至ってはノーバディとして生まれてからまだ半年ぐらいしか経っていない。
「ふーん、って事は…睦月達って、実は年寄りだったんだな!」
無邪気な笑みを浮かべ、ケラケラとソラが笑う。
失礼な言い方だが、ある意味で当たっているので思わず他の人もクスクスと笑ってしまった。
「『青の燐煉架(アスール・エルブシオン)』」
直後、ソラの真横から青い火柱が立ち上った。
「誰が、年寄りですって…!!?」
まるで地の底から唸る声と共にチリチリと痛むような視線が送られ、ソラだけでなく全員が振り返る。
そこには、武器である永遠剣を握ったアビスが仁王立ちでソラを…いや、子供メンバー全員を睨んでいた。
『『『に、逃げろぉぉぉーーーーーっ!!!??』』』
「待ちなさーーーーーいっ!!!」
全速力で逃げ出す子供達を、鬼の形相で追いかけるアビス。
こうして彼らが去った後には、アビスのあまりの怖さに睦月と皐月が震えあがっていた。
「アビスが怖い…!!」
「俺もそう思う…!!」
「本当に子供は元気だな…」
そんな二人の横で、チェルは遠い目をしてボソリと呟いていた。
その後、どうにかアビスから逃げ切る事に成功した子供達は、広間の前で座り込んでいた。
「あ、危なかった…!」
「ハロウィンなのに、刃物沙汰になる所でした…!」
「言葉には気を付けてよ、ソラ…」
「ご、ごめん…!」
リクとシンクが思い思いに呟く中、カイリは元凶であるソラに注意する。
他の人達もゼェゼェと息をしていると、複数の足音が近づいてきた。
「どうしたの、あなた達? そんなに息を切らして?」
目を向けると、姉妹であるクェーサーとアトス、そして双子であるリュウアとリュウカが不思議そうにこちらを見ていた。
「クェーサーに…アトス…」
「リュウアとリュウカ…」
まだ息が整っていないのか、絶え絶えにして名前を言うオルガとアイギス。
そんな彼らを見かねてか、アトスが何やら液体を入れる大きめの容器を取り出した。
「そんなに走って、喉乾いてるでしょ? 今日の為に姉さんと作ったミックスジュースがあるんだけど、飲む?」
「ジュース!? 飲む飲むー!」
このアトスの言葉に、即座にヴェンが飛びつく。
アトスはクェーサーと共に紙コップにジュースを注ぐと、一人一人に配る。こうしてカラカラになった喉を潤していると、リュウカもバスケットを取り出した。
「じゃあ、私もアトスさんと作ったお菓子あげるね」
そう言って中を開けると、様々な形をしたクッキーが入っていた。
「すごーい、ハートレス型のクッキーだ!」
「これはアンヴァース…あ、ドリームイーターもある」
「凄いとは思うが…食べにくい気も…」
アーファとペルセが目を輝かせる横では、あまりの完成度にルキルが冷や汗を掻く。
しかし、こうして作り上げたクッキーにカイリが羨ましそうにアトスを見た。
「でもこんなの作れるって羨ましいな。ねえ、今度私にも作り方教えて!」
「もちろん。次はみんなで作りましょう」
「じゃあ、俺はいつも通り味見担当って事で!」
「もう、兄さんったら…」
二人の会話にリュウアが手を上げると、リュウカが呆れる様に視線を送る。
アトス達が作ったクッキーで盛り上がっていると、再びこちらに近づく足音が聞こえた。
「おや、もう来ていたみたいですね」
「良かった。どうにかラッピンクが間に合った…」
見ると、お菓子の袋を持ったレギオンとプリティマがいた。その後ろにはサーヴァンとディアウスがいる。
「わーい、トリック・オア・トリート!!」
「お菓子ちょーだい!」
更なるお菓子に、ソラとシャオが笑顔で近づくとサーヴァンとディアウスが肩を竦めた。
「その為に来たんだ。俺達からはカルメ焼きだ」
「こちらはプリティマが作ったおはぎだ」
「ちょ、中身は言わないで! 隠す為に一生懸命ラッピンクしたのに…!」
「何を言う。プリティマの作る和菓子は最高じゃないか」
「もう、ディアウスったら…!」
人目など気にせずに見せられるこの夫婦愛に、女性陣の目が輝いた。
「やっぱり、愛は素敵ですね〜」
「うんうん。年の差なんて、愛の前じゃ関係ないもんね!」
「オルガ、こういう夫婦になるように頑張ってよね!」
「俺だけかよ!?」
レイアとカイリが会話する横で、感化されたアーファもオルガに詰め寄ってしまう。
そうしていると、サーヴァンが軽く手を叩いて話を戻した。
「無駄話はそこで終わりだ。他の奴も待ってるから早く行ってやれ」
『『『はーい』』』