夢旅人誕生日企画・Part3 (前編)
*今回のプレゼント作品は、テーマ状多くの版権の名前が出てきます。その為、今回伏字はしない方向性で行きますので、嫌いな方は【戻る】を押して貰っても構いません。
辺り一面真っ暗な部屋に、突如一つのスポットライトが上から差し込む。
そうして明かりに映されたは、ライトブラックの髪をした機関の人間―――否、機関の服を着たオルガがマイクを持っていた。
「やってまいりました!! 今回の誕生日企画は俺、オルガが主催となってお送りするぜ!! 題して、『夢旅人誕生会 Byコスプレ大会っ!!!』。さあ、今日はKHキャラとNANAのオリキャラ達で思いっきりコスプレを楽し――!!!」
「「『ダークバラージュ』!!!」」
「『ブラッティ・ウェーブ』!!!」
「『空衝撃・牙煉』!!!」
「うぎゃあああああっ!!?」
意気揚々とするオルガに無数のキーブレードとソウルイーター、更には巨大な黒と風の衝撃波が襲い掛かる。誰がどの攻撃を放ったかは…作品を見ている方にはお分かりだろう。
「よし、主催はいなくなったし帰るぞ」
「今年は俺達全員参加って言うから来てみたら、これまたくだらない事を…」
クウとリクが呆れながら武器を戻して後ろを振り向くと、即座にボロボロ状態のオルガが起き上った。
「ちょっと待てぇ!! 俺これでも主人公の一人だぞ!? いきなり酷くないか!?」
「仕方ない。『ダークオーラ』で仕留めるか」
「では私も『空衝煉獄斬』を」
オルガが二人に抗議するなり、ルキルとウィドが目を光らせながら剣を構える。
あくまでも抵抗の意を見せていると、今回の企画の為に呼ばれていたテラとアクアが宥めに入った。
「あ、あのぉ…折角の誕生日なんだから、その辺にしないか…?」
「そ、そうよ…さすがに今日に限ってはそう言う事はあんまり良くないかと…」
「二人とも黙ってください。ここは徹底的に反抗しないと――」
「ウィド。これ以上攻撃したら、オルガが可哀想だから止めなさい」
「はい、姉さん♪」
(((さすがはシスコン…)))
スピカの一言で速攻で笑顔で剣を収めるウィドに、思わず集められた全員が同じ事を考えてしまう。
何がともあれ殺伐とした場が収まり、話を進めようとヴェンは思った事をオルガに質問した。
「ところでオルガ。どうして機関の服を着てるの?」
「何言ってるんだよ。この衣装はコスプレに作ったんだ。ほら、ブーツも手袋も…ウィッグだって全員分用意してるぜ!! そして見ろ、このキーブレードを!!」
そう言うと、後ろに用意していた大きなバックから『約束のお守り』と『過ぎ去りし思い出』のキーブレードの等身大模造品を取り出して全員に見せつける。
キーブレード使いでも本物に見えてしまう模造品に、アクアとカイリは思わず関心を見せた。
「凄く精密に作られた模造品ね」
「オルガ、これどうしたの!?」
「今回の企画の為にネット通販で買ったんだ!! 結構人がいたから選ばれるのに苦労したが…――おかげで、《キーブレードに選ばれし者》ならぬ、《通販に選ばれし者》の称号を貰ったぜ!! これで俺もロクサスだ!!」
「「「おおおおっ!! かっこいいー!!」」」
「安っぽい称号だな…」
ソラとヴェンとシャオが目を輝かせる中、ルキルはボソリと半目で呟いた。
「じゃあさ、俺もその服と鬘被ればロクサスになれる!?」
「あたし、リクのウィッグ被ってみたい!!」
「いいぜ!! そう言う興味や欲求を持つ事も、コスプレの醍醐味でもあるんだ!!」
笑顔で詰め寄るソラとオパールに、嬉しいのかオルガが笑顔になる。
このままではまた逸れてしまうと、すぐにテラが元の方向に話を戻し出した。
「とにかく話を戻して…結局、コスプレってどんな事をするんだ?」
「そりゃあ、いろんな二次元キャラの服を着て楽しむんだ!! 三次元にいる者達にとって、二次元は決して触れられない領域だ。だが、コスプレをする事によって三次元の人達は間接的にだがその領域に触れる事が出来るんだぜ!!」
高々と胸を張って説明すると、リクが腕を組むなり鼻で笑った。
「くだらない」
「コスプレを馬鹿にするな!! コスプレは国境を超えるんだ!! 心を繋げられるんだっ!! 世界を救えるんだあぁぁ!!!」
「最後がおかしいぞ!!」
「とりあえず、まずは皆にコスプレを楽しんでもらう貰うために…――1から最新作の15までのFFの衣装全種類用意したぜー!!」
「うっわー!! 凄ーい、かっこいいー!!」
オルガの後ろにいつの間にか用意された大量のFFキャラの衣装に、ソラが歓声を上げる。
他の人も思わず感嘆の声を漏らすと、これからの事をオルガが説明した。
「KHにはFFのキャラはもちろん、システムだって流用しているんだ! そう言う訳で、これからみんなには各FFシリーズで着たい衣装をそれぞれナンバリングと重ならない様に一つ選んで実際に来て貰う!! あ、言い忘れたがFF11とFF14は無しで頼む。オンラインゲームに加えて、服が装備品だからな」
「確かに、やってない人にとっては訳が分かんないもんね。実際作者もやってない口だし」
最後にオルガが注意を入れると、シャオが苦笑いを浮かべる。
そうして説明を終えるなり、13人は大量にあるコスプレ衣装に群がって選ぶ事になった。
「俺どれ着ようかなー!」
「いろんな衣装があるー!」
コスプレに乗り気なのか、ヴェンとカイリがそれぞれ衣装を取って品定めをする。
「んじゃ、俺はバルフレアの衣装でも――のわっ!?」
「あんたみたいな男がバルフレアの服着るとは何事だー!!」
意気揚々とFF12のバルフレアの衣装を持った瞬間、オパールに襲われるクウであった。
コスプレを始めて10分後。全員は衣装も選び終え、用意された更衣室に移動して着替えをしている。
未だに機関のコスプレをしているオルガが一人ステージで待っていると、更衣室から何人かがやってきた。
「さーて、ようやく着替え終わったみたいだな」
オルガが振り向くと、そこには着替え終わったソラ、ヴェン、シャオ、カイリ、レイアがいた。
「どう!? FF3のオニオンナイト着てみた!」
「俺だって、FF9のジタンの衣装着てみたぜ!」
「ボクはFF5のバッツのなりきり士衣装だよー!」
「私はFF6のティナの衣装! こう言う動きやすい服っていいよね!」
「私、FF4の少女版リディアの衣装を選んでみました…本当は大人の衣装が良かったんですけど」
ここで読者の皆に説明すると、レイア以外の衣装はDFF版を想像すればいい。
選んだ衣装に不満があるのか悔しがるレイアに、カイリは宥めに入る。
「レイアにはあの衣装はまだ早すぎるから…」
「そんな事ありません! 私だって頑張れば…!」
「うわー! みんな凄い衣装ね!」
闘志を燃やすレイアに、突然歓声が上がる。
6人が目を向けると、着替え終わったオパール、クウ、テラがいた。
「オパール、その服は?」
「あたしってFF12のキャラと関わりあるもん。だからパンネロの衣装選んだの! フランの衣装は、さすがにね…」
カイリに自分の衣装を説明すると、露出の高い衣装を思い出して遠い目をする。
一方、ソラはクウの衣装をまじまじと見ていた。
「クウ、その衣装にしたのか?」
「バルフレアは駄目って事で、仕方なくFF8のアーヴァインの服選んだんだ。俺、銃なんて使えねえのに…」
女好きと言う点で選んだものの、格闘家であるゼルにすれば良かったと思うクウ。
そんな二人の横では、ヴェンはテラの衣装に見覚えがあったのか首を傾げていた。
「テラのそれ、ザックスの衣装?」
「ザックス、なのかな。似たような衣装ばっかりあったから、その内の一つを選んだんだが…」
「あー、ソルジャーの衣装って軍服だからなー。一応それはソルジャー1stの衣装だ。にしても、みんなコスプレ似合ってるぜ! もう普段着でもいいんじゃないか?」
「みんな、もう集まってたのか?」
テラの着ている衣装についてオルガが説明していると、リクの声が響く。
見ると、自分達と同じように着替えたリクとアクアがいた。
「リク、その衣装最新作であるFF15のイグニスじゃ…」
「文句があるか? 何か一目見て気に入ったんだ」
困惑するソラに悪びれる様子もなく言い切ると、掛けている眼鏡を軽く押すリク。
「アクア!? それ、パインの衣装!!」
「どうかしら…? オルガに勧められるままに着て見たんだけど…」
何時もとは違う露出のある黒い服に驚くヴェンに対し、アクアも着慣れない所為か恥ずかしそうにテラを見る。
「いいんじゃないか。俺はそう言う黒い服でも似合ってると思うぞ」
「うん! もっと自信持っていいよ!」
「ありがとう、二人とも」
「楽しそうだよな、本当に…」
テラとヴェンの言葉にアクアが励まされていると、何やら地の底から呻くような低い声が聞こえてくる。
思わず目を向けると、そこには暗いオーラを纏ったルキルとウィドがよろよろと歩いていた。
「ニセモノ…お前、その服…いや、鎧は…?」
「お前にイグニスを取られたから別のを探したら、似合いそうなのが初代FFのウォーリアの服だったんだよ…」
「私もFF2であるフリオニールぐらいしかなくて…」
その時の事を思い出したのかハハハと空笑いをする二人。ちなみに、二人の衣装もDFF版と思えばいいです。
段々と空気が重くなってしまい、少しでも話題を変えようとカイリが話かけた。
「そ、そう言えば二人とも、それ重くないの?」
「ああ。最初は戸惑ったが、着けてみたら意外と軽くてな」
「私もです。ルキルの着てる鎧も、私の衣装に付いている武器も軽い素材で出来てるみたいです」
「そりゃそうさ。あくまでもこの衣装はコスプレ専用だ。本当に作ったら重くて動けないぞ」
オルガは鼻を高くし、二人の衣装について説明していた時だった。
「私が最後みたいね。遅れてごめんなさい」
「スピカ、お前は…――何でその服を選んだんだぁー!!?」
最後に現れたスピカにクウが振り向いた瞬間、何故か絶叫を上げる。
すぐに他の人も顔を向けると、全員が目を疑った。
「ス、スピカさん…それ…!?」
「どうかしら? FF13のライトニングの衣装を着てみたんだけど?」
「あの、それ…最新作の衣装じゃ…?」
胸を張ってレイアの質問に答えるスピカに、オパールが震えながら顔を引く付かせる。
何せ今スピカが着ているのは女性用の軍服ではなく、神の使いである解放者の衣装だからだ。ご丁寧に二つに括っていた髪を解きライトニングと同じ髪型にし、赤い盾と剣もセットで付けている。
金髪である事と目の形を除けばライトニングに見えてしまうスピカに他の人達も唖然とする中、オルガだけは目を輝かせてガッツポーズを作っていた。
「似合うぜ、スピカ! どうせなら髪も赤に染めればいいんだが…そうだ、鬘使うか?」
「あら、いいの? 本音を言うと、出来れば女神の騎士の衣装が良かったんだけど…折角【ライトニングリターンズ】が発売されたんだから、こっちの衣装の方が良いと思って」
ウキウキしながら本音を語るスピカに、クウが顔を青ざめながら詰め寄った。
「どうしてお前はそう強い奴の衣装を選ぶんだ!?」
「そうですよ、姉さん!! どっちもハレンチな衣装じゃないですか!! 着るのでしたら、ちゃんとした初代の服を――!!」
「オイィ!? ブーニベルゼとエトロに謝れぇ!!!」
FF13に出る神に対して失礼な発言をするウィドに、即座にクウがツッコミを入れる。
一方で、レイアは恨めしげな眼差しでスピカを睨んでいた。
「うう〜、スピカさんばっかり…私だって、大人リディアの衣装でヒロイン奪還を…!」
「大丈夫だよ、レイア! その衣装でもヒロインらしいから!」
「いやー、やっぱ大勢でのコスプレは楽しい物だぜ!!」
必死で宥めるカイリを余所に、オルガは一人この光景を楽しんでいたとか。
■作者メッセージ
今の所、前半の部分だけは完成しているのでそちらだけ出しました。残りは今日中に出します。