リラ様誕生日企画(魔法少女風2)
「グル…グルアアアアア!?」
どこからか少女の声が響いたかと思えば、グラッセに光のレーザーが放たれます。その光が収まると、巻き込まれたグラッセは人間の姿に戻っていました。
「あ、あれ…? 俺は何を?」
「い、今のはまさか!」
ソラが振り向くと、そこには小さな人影がありました。
リズと似た服装ですが、こちらは青と黒をベースにしています。その人影…少女は、リズとは別の鍵を持っており、左手には金色のカードを握っている。肩にはソラと同じ形をした銀髪のツムツムが。
「よくやった、ツバサ」
「ボクだけじゃない…このカードと、リクのおかげだよ」
「やっぱりリクだー!」
「げふぉ!?」
「ムーンが血を吐いてぶっ倒れた!?」
「俺…忘却の城まで旅をしてくる、記憶全部消してくる…!」
「どこに行く気だよムーン!? 気をしっかり持って!?」
「…ウラノス、流石にこれはこちらが不利です。一度引きましょうか」
「ち、仕方ねえな。次あったら徹底的に叩きのめしてやらぁ、そこの幼なじみ君!!」
「俺関係ないじゃん!?」
こうして二人はその場から消えて、平穏を取り戻します。
そして、ソラはぴょんぴょん飛びながら、リクと言うツムツムに近づきます。
「リク、リクー! 良かった、無事だったんだー!」
「…行くぞ、ツバサ」
「いいの? だって、あの子はリクの」
「いいんだ」
「…分かった」
言いかけた言葉を飲み込んで、ツバサはリクを乗せたままその場を立ち去ろうとする。
「待ってよ、リクー!」
「ソラ、お前は戦わなくていい。俺達に全部任せろ」
「やだよ、リク! いかないでよリクー!」
「フラグメント――テレポ」
必死でソラは追いかけますが、ツバサが再び別のカードを取り出して、キーブレードの切っ先を向けます。すると、彼女はリクを連れてその場から瞬間移動してしまいます。
置いてけぼりにされて残されたソラは、じんわりと涙を浮かべます。
「リク、どうして…俺達、親友じゃないのかよ…?」
「ソラ、私には事情は良く分からない。けど…ここまで関わって、見て見ぬフリはしたくないの」
「リズ…」
「だからさ、私は最後までソラに付き合うわ! あの変質者もグラッセを狙っているんですもの! ついでにリクって奴にも、あの謎の少女も強くなってギャフンと言わせてやりましょう!!」
「うん…ありがとう、リズ! これからよろしく!」
「ええ、よろしくね! ソラ!」
夕陽を背に握手をするリズとソラ。
こうして、魔法少女となったリズの戦いが始まった――。
さて、それから数日が――どうしました? え? 尺がもうない? 終わりまで一気にダイジェスト風に纏める? あー、分かりました。えーと、では…。
「おほほほほ! 私は闇の女怪人テルス! 変身するとエロさ満点の魔法少女がいると聞いて飛んできたわ! ウラノスからのリークは本当だったようね! リズと言ったわね、その露出した太ももやら腕やらをスリスリさせるのよ!!」
「ウラノスに続いてなんて変態だ! リズは俺がまm」
「グラッセどいてろ! 沈め、へんたーーい!!」(キック)
「あーーーーーれーーーー!?」(キラリーン)
「俺の見せ場がーーーー!!?」
「あたしはオパール! いい気になるのもここまでよ、魔法少女達! いでよ、あたしの最高傑作ー!!」(ガシャン!!)
「お、おおー! ロボだ、巨大ロボだー!」
「闇の者達に協力してもらって、ついに再現した――飛空艇ヴァルファーレよっ!!」
「いやもう魔法少女関係ないだろー!?」
次々と現れる強敵達。日に日に厳しくなる戦いだけど、出会いは敵ばかりではない。
「俺はカヤ。ツムツム族を見守るものであり、鍵に選ばれた魔法少女を守護する者さ。君と似たようなものだな、グラッセ」
「カヤ…魔法少女を、守護する者…」
「さて。どうやら君はリズを守る力が欲しいようだな、俺でよければ力を渡そうか?」
「え?」
「俺には、自分で戦う力はないんだ。けれど、守りたいと願うものに力を渡す事くらいは出来る。どうする、グラッセ?」
「…欲しい。リズが戦っているのにただ見ているだけなのは、もう嫌なんだ!」
「分かった。ならば、君に騎士としての力を与えようグラッセ。この力を使いこなせるかどうかは、君次第だ」
そうして、非力だったグラッセは生まれ変わる。
「このハートレス軍団じゃ、流石のリズでも全部は倒せまい! 殺しはしない…俺の収める城で共に暮らそうぜ、リズ?」
「ふざけんな! そんな事出来る訳ないでしょうが!」
「お前みたいな犯罪者、俺も親父もお断りだ!! とっとと自分の城とやらに引きこもれそして二度と出てくるな!」
「なんでここまで拒絶されるんだよ!? くっそ、なら無理やりにでもリズを攫って――!!」
「――そこまでだ、ウラノス」
ズバズバ――バシュウ!!
「えっ…ハートレスが…?」
「リズ、無事か!?」
「う、うん! ムーンも大丈夫そうね!」
「あと少しだったものを…誰だてめえ!?」
「俺は、世界の希望となるリズを守る為に新たな力を得て生まれ変わった――
山姥切国広(極)だ!」
「やまん…えーと、略してまんばだな! それよりお前、グラッセなのか?」
「話は後だ――まずはこいつらを片付けてからだ!! はあああぁ!!」
「なんだ!? 見る見るうちに俺達の作り上げた軍団が…!? これが、幼なじみ君の力だと!?」
「グラッセ、こんなに強くなって…!」
「まるで、別人のようだ…!」
「別人だーーーーー!!!」(鎧姿でカヤと一緒に登場)
「あ、グラッセ。何そのダサイ鎧姿?」
「ダサイ言うな! てか、カヤから力を貰ってやってきたら何!? 誰あのイケメンすっごいムカつくんだけど!?」
「ああ、あいつは山姥切国広…俺の霊力によって顕現させた相棒のようなものだ。俺は鍵に選ばれた魔法少女を守護する方法として、戦えない俺に代わってまんばがこうして戦うんだ――ああー、やっぱまんばは最高だな!! 修行して極になってからもうイケメン度も10割増しに…スクショ連射じゃー!!」(スマホカメラでまんばを連射)
「ここまでしておいて意味ないじゃん俺!?」
「意味なら作ってあげましょう。ポイっとな」(薬品を投げつける)
「うえぶっ!? ……ギシャアアアアアアア!!!」(トランス)
「ふ、前回は早々に解除されましたが、次はそうはいきませんよ? 【マモノニナール】の改良した力を見せて差し上げます。行きなさい、トランスグラッセ・アロンファZ!!」
「湿布薬みたいな改良だな!?」
「ソラ、いい加減に分かれ! お前に戦いなんて出来ない!」
「そんな事ない! 俺だって、リズと一緒に戦うって決めたんだ! だって、俺は…ツムツムワールドの王子なんだから!」
「ソラ…!」
「リク、ソラからあんたの事は聞いたよ。あんたはソラの幼なじみ兼親友であり…代々、ツムツム王族を守る騎士の一族だってな」
「…そうだ。だから俺はソラの為に戦う。あんた達はソラと一緒に安全な場所で待ってればいい。王族の生き残りであるソラが消えてしまったら、俺達の世界は終わるんだ」
「――ふざけるな!! お前はソラの気持ちを考えた事があるか!? いや、ないだろ!! 親友が一人危険な目にあって戦っているのを黙って見過ごす方がよっぽど辛いって分かれよこの饅頭頭ー!!」(キーブレード投げる)
「ひぃ!? リフレク!」
「どわあああ!? くっ、大体お前! 魔法少女として選ばれた割に、魔法を一度も使ってないだろ!? 蹴りと殴りと投げるの物理でしか戦ってないだろ!!」
「はぁ? それがなに? 物理でも倒せるんだから無理に魔法で倒す必要なんてないだろ。魔法でしか倒せないなんてルールでもあるの? ないだろ常識考えろ」
「な、なんだ…!? 言っている事が滅茶苦茶なはずなのに、正論に聞こえるぞ…!?」
「正論じゃないですリクさん! これどう聞いてもごり押しですから!」
「さて。リクとツバサも何だかんだで仲間になったか。これで俺も、敵の目的を話す事が出来る」
「ウラノス達の目的? カヤ、それは何なの?」
「まず、これまでお前達に襲い掛かってきたウラノス達。あいつらは黒幕ではない」
「な、なんだって!? 俺に怪しい薬をかけては散々魔物にして来たあいつらは部下だったって事なのか!?」
「ああ、そうだ。残念ながら、ボスの正体は俺もつかめていない。だが、何を企てているかの目的は分かった」
「目的か…それはなんだ? リズとグラッセを倒す事じゃないよな?」
「――ツムツムワールドに、世界の闇を呼び寄せる依り代を使って闇に染めさせる事だ。その儀式は今も行われている」
「依り代…もし、その儀式が成功しちゃうとどうなるの?」
「少なくとも、光の者達は生きていけない。そして…リズ達が住むこの世界にも闇の魔物が常時現れるようになってしまい、混沌に包まれてしまうだろう」
そうして仲間を集め、敵の思惑を知ったリズ達はツムツムワールドへと旅立つ。
これまでの因縁、世界を取り戻す最終決戦へと。
「とうとうここまで来たか…」
「ウラノス、そこを通らせてもらうぞ! カヤ、まんば、ここは任せた!」
「「ああっ!」」
「はん! 当初こそ戸惑ったが、もう好きにはさせないぜ! こちらも秘策を作ったんでなぁ!」
「俺のまんばに秘策だと? なんだ、大太刀でも用意したか? 俺のまんばは練度90代…どんな輩が相手だろうと返り討ち出来る強さに育て上げているぞ」
「そのすまし顔もすぐに絶望で歪ませてやるよ、カヤァ!! こいつが俺の用意した秘策――山姥切長義だ!!」
「やぁ、偽物くん。本物の俺も晴れて登場となったよ。さーて、偽物くんには格の違いを見せつけるいい機会だ…本物の力を思い知って「長義貴様ぁぁぁぁ!!!(飛び蹴り)」げふおおおおおお!!?」
「俺の大事なまんばを偽物扱いするなと何度言えば分かるぅ!!? 全員でボコボコにして『もう言いません』とまで署名させたのに、どうやらまだ仕置きが足りなかったようだなぁ…!!!」
「あ、あの…!?」
「お、おいカヤさん…!?」
「長義、ウラノス共々そこに直れぇぇぇ!!! この俺が徹底的に歪んだ根性叩き直してくれるわぁぁぁ!!!」
「「うぎゃあああああああ!!? コブラツイストは止めてくれーーーーー!!?」」
「……行け、主が抑えている間に」
「あ、はい…行かせていただきます…!」
どこからか少女の声が響いたかと思えば、グラッセに光のレーザーが放たれます。その光が収まると、巻き込まれたグラッセは人間の姿に戻っていました。
「あ、あれ…? 俺は何を?」
「い、今のはまさか!」
ソラが振り向くと、そこには小さな人影がありました。
リズと似た服装ですが、こちらは青と黒をベースにしています。その人影…少女は、リズとは別の鍵を持っており、左手には金色のカードを握っている。肩にはソラと同じ形をした銀髪のツムツムが。
「よくやった、ツバサ」
「ボクだけじゃない…このカードと、リクのおかげだよ」
「やっぱりリクだー!」
「げふぉ!?」
「ムーンが血を吐いてぶっ倒れた!?」
「俺…忘却の城まで旅をしてくる、記憶全部消してくる…!」
「どこに行く気だよムーン!? 気をしっかり持って!?」
「…ウラノス、流石にこれはこちらが不利です。一度引きましょうか」
「ち、仕方ねえな。次あったら徹底的に叩きのめしてやらぁ、そこの幼なじみ君!!」
「俺関係ないじゃん!?」
こうして二人はその場から消えて、平穏を取り戻します。
そして、ソラはぴょんぴょん飛びながら、リクと言うツムツムに近づきます。
「リク、リクー! 良かった、無事だったんだー!」
「…行くぞ、ツバサ」
「いいの? だって、あの子はリクの」
「いいんだ」
「…分かった」
言いかけた言葉を飲み込んで、ツバサはリクを乗せたままその場を立ち去ろうとする。
「待ってよ、リクー!」
「ソラ、お前は戦わなくていい。俺達に全部任せろ」
「やだよ、リク! いかないでよリクー!」
「フラグメント――テレポ」
必死でソラは追いかけますが、ツバサが再び別のカードを取り出して、キーブレードの切っ先を向けます。すると、彼女はリクを連れてその場から瞬間移動してしまいます。
置いてけぼりにされて残されたソラは、じんわりと涙を浮かべます。
「リク、どうして…俺達、親友じゃないのかよ…?」
「ソラ、私には事情は良く分からない。けど…ここまで関わって、見て見ぬフリはしたくないの」
「リズ…」
「だからさ、私は最後までソラに付き合うわ! あの変質者もグラッセを狙っているんですもの! ついでにリクって奴にも、あの謎の少女も強くなってギャフンと言わせてやりましょう!!」
「うん…ありがとう、リズ! これからよろしく!」
「ええ、よろしくね! ソラ!」
夕陽を背に握手をするリズとソラ。
こうして、魔法少女となったリズの戦いが始まった――。
さて、それから数日が――どうしました? え? 尺がもうない? 終わりまで一気にダイジェスト風に纏める? あー、分かりました。えーと、では…。
「おほほほほ! 私は闇の女怪人テルス! 変身するとエロさ満点の魔法少女がいると聞いて飛んできたわ! ウラノスからのリークは本当だったようね! リズと言ったわね、その露出した太ももやら腕やらをスリスリさせるのよ!!」
「ウラノスに続いてなんて変態だ! リズは俺がまm」
「グラッセどいてろ! 沈め、へんたーーい!!」(キック)
「あーーーーーれーーーー!?」(キラリーン)
「俺の見せ場がーーーー!!?」
「あたしはオパール! いい気になるのもここまでよ、魔法少女達! いでよ、あたしの最高傑作ー!!」(ガシャン!!)
「お、おおー! ロボだ、巨大ロボだー!」
「闇の者達に協力してもらって、ついに再現した――飛空艇ヴァルファーレよっ!!」
「いやもう魔法少女関係ないだろー!?」
次々と現れる強敵達。日に日に厳しくなる戦いだけど、出会いは敵ばかりではない。
「俺はカヤ。ツムツム族を見守るものであり、鍵に選ばれた魔法少女を守護する者さ。君と似たようなものだな、グラッセ」
「カヤ…魔法少女を、守護する者…」
「さて。どうやら君はリズを守る力が欲しいようだな、俺でよければ力を渡そうか?」
「え?」
「俺には、自分で戦う力はないんだ。けれど、守りたいと願うものに力を渡す事くらいは出来る。どうする、グラッセ?」
「…欲しい。リズが戦っているのにただ見ているだけなのは、もう嫌なんだ!」
「分かった。ならば、君に騎士としての力を与えようグラッセ。この力を使いこなせるかどうかは、君次第だ」
そうして、非力だったグラッセは生まれ変わる。
「このハートレス軍団じゃ、流石のリズでも全部は倒せまい! 殺しはしない…俺の収める城で共に暮らそうぜ、リズ?」
「ふざけんな! そんな事出来る訳ないでしょうが!」
「お前みたいな犯罪者、俺も親父もお断りだ!! とっとと自分の城とやらに引きこもれそして二度と出てくるな!」
「なんでここまで拒絶されるんだよ!? くっそ、なら無理やりにでもリズを攫って――!!」
「――そこまでだ、ウラノス」
ズバズバ――バシュウ!!
「えっ…ハートレスが…?」
「リズ、無事か!?」
「う、うん! ムーンも大丈夫そうね!」
「あと少しだったものを…誰だてめえ!?」
「俺は、世界の希望となるリズを守る為に新たな力を得て生まれ変わった――
山姥切国広(極)だ!」
「やまん…えーと、略してまんばだな! それよりお前、グラッセなのか?」
「話は後だ――まずはこいつらを片付けてからだ!! はあああぁ!!」
「なんだ!? 見る見るうちに俺達の作り上げた軍団が…!? これが、幼なじみ君の力だと!?」
「グラッセ、こんなに強くなって…!」
「まるで、別人のようだ…!」
「別人だーーーーー!!!」(鎧姿でカヤと一緒に登場)
「あ、グラッセ。何そのダサイ鎧姿?」
「ダサイ言うな! てか、カヤから力を貰ってやってきたら何!? 誰あのイケメンすっごいムカつくんだけど!?」
「ああ、あいつは山姥切国広…俺の霊力によって顕現させた相棒のようなものだ。俺は鍵に選ばれた魔法少女を守護する方法として、戦えない俺に代わってまんばがこうして戦うんだ――ああー、やっぱまんばは最高だな!! 修行して極になってからもうイケメン度も10割増しに…スクショ連射じゃー!!」(スマホカメラでまんばを連射)
「ここまでしておいて意味ないじゃん俺!?」
「意味なら作ってあげましょう。ポイっとな」(薬品を投げつける)
「うえぶっ!? ……ギシャアアアアアアア!!!」(トランス)
「ふ、前回は早々に解除されましたが、次はそうはいきませんよ? 【マモノニナール】の改良した力を見せて差し上げます。行きなさい、トランスグラッセ・アロンファZ!!」
「湿布薬みたいな改良だな!?」
「ソラ、いい加減に分かれ! お前に戦いなんて出来ない!」
「そんな事ない! 俺だって、リズと一緒に戦うって決めたんだ! だって、俺は…ツムツムワールドの王子なんだから!」
「ソラ…!」
「リク、ソラからあんたの事は聞いたよ。あんたはソラの幼なじみ兼親友であり…代々、ツムツム王族を守る騎士の一族だってな」
「…そうだ。だから俺はソラの為に戦う。あんた達はソラと一緒に安全な場所で待ってればいい。王族の生き残りであるソラが消えてしまったら、俺達の世界は終わるんだ」
「――ふざけるな!! お前はソラの気持ちを考えた事があるか!? いや、ないだろ!! 親友が一人危険な目にあって戦っているのを黙って見過ごす方がよっぽど辛いって分かれよこの饅頭頭ー!!」(キーブレード投げる)
「ひぃ!? リフレク!」
「どわあああ!? くっ、大体お前! 魔法少女として選ばれた割に、魔法を一度も使ってないだろ!? 蹴りと殴りと投げるの物理でしか戦ってないだろ!!」
「はぁ? それがなに? 物理でも倒せるんだから無理に魔法で倒す必要なんてないだろ。魔法でしか倒せないなんてルールでもあるの? ないだろ常識考えろ」
「な、なんだ…!? 言っている事が滅茶苦茶なはずなのに、正論に聞こえるぞ…!?」
「正論じゃないですリクさん! これどう聞いてもごり押しですから!」
「さて。リクとツバサも何だかんだで仲間になったか。これで俺も、敵の目的を話す事が出来る」
「ウラノス達の目的? カヤ、それは何なの?」
「まず、これまでお前達に襲い掛かってきたウラノス達。あいつらは黒幕ではない」
「な、なんだって!? 俺に怪しい薬をかけては散々魔物にして来たあいつらは部下だったって事なのか!?」
「ああ、そうだ。残念ながら、ボスの正体は俺もつかめていない。だが、何を企てているかの目的は分かった」
「目的か…それはなんだ? リズとグラッセを倒す事じゃないよな?」
「――ツムツムワールドに、世界の闇を呼び寄せる依り代を使って闇に染めさせる事だ。その儀式は今も行われている」
「依り代…もし、その儀式が成功しちゃうとどうなるの?」
「少なくとも、光の者達は生きていけない。そして…リズ達が住むこの世界にも闇の魔物が常時現れるようになってしまい、混沌に包まれてしまうだろう」
そうして仲間を集め、敵の思惑を知ったリズ達はツムツムワールドへと旅立つ。
これまでの因縁、世界を取り戻す最終決戦へと。
「とうとうここまで来たか…」
「ウラノス、そこを通らせてもらうぞ! カヤ、まんば、ここは任せた!」
「「ああっ!」」
「はん! 当初こそ戸惑ったが、もう好きにはさせないぜ! こちらも秘策を作ったんでなぁ!」
「俺のまんばに秘策だと? なんだ、大太刀でも用意したか? 俺のまんばは練度90代…どんな輩が相手だろうと返り討ち出来る強さに育て上げているぞ」
「そのすまし顔もすぐに絶望で歪ませてやるよ、カヤァ!! こいつが俺の用意した秘策――山姥切長義だ!!」
「やぁ、偽物くん。本物の俺も晴れて登場となったよ。さーて、偽物くんには格の違いを見せつけるいい機会だ…本物の力を思い知って「長義貴様ぁぁぁぁ!!!(飛び蹴り)」げふおおおおおお!!?」
「俺の大事なまんばを偽物扱いするなと何度言えば分かるぅ!!? 全員でボコボコにして『もう言いません』とまで署名させたのに、どうやらまだ仕置きが足りなかったようだなぁ…!!!」
「あ、あの…!?」
「お、おいカヤさん…!?」
「長義、ウラノス共々そこに直れぇぇぇ!!! この俺が徹底的に歪んだ根性叩き直してくれるわぁぁぁ!!!」
「「うぎゃあああああああ!!? コブラツイストは止めてくれーーーーー!!?」」
「……行け、主が抑えている間に」
「あ、はい…行かせていただきます…!」